細胞内にある「Hsp90」というタンパク質が、がん細胞を悪性化する酵素の一つ「Polη(イータ)」の働きを促進していることを、群馬大生体調節研究所の研究グループが突き止めた。抗がん剤でHsp90の働きを阻害し、がん細胞の悪性化を抑える研究が進んでいるが、その仕組みが判明したのは初めて。14日付の米科学誌「モレキュラーセル」(電子版)に掲載された。

 研究グループによると、細胞ががん化すると、Hsp90の働きが活発化する。また、がん細胞は遺伝子の変異を繰り返してさらに悪性化するが、Polηは変異を促進させることが分かっていた。山下孝之教授らは、培養したがん細胞でHsp90とPolηが結合していることを確認。Hsp90阻害剤を用いると、Polηが分解されたり、働きを抑制することができたという。

 山下教授は「Hsp90の働きが分かったことで、より効果的に抗がん剤を活用し、がんの悪性化を食い止められるようになるのではないか」と話している。【奥山はるな】

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