進学・進級のシーズンが近づいてきた。成長とともに気になるのが子供部屋だ。民間の調査からは「部屋を与えても子供に目が届くように」と願う親の姿がうかがえる。専門家は「学習習慣をつけるため、小学生のうちは食卓やリビングで勉強させるのが望ましい。子供部屋は自立を促す空間に」とアドバイスする。(草下健夫)

 ◆「リビング通って」

 望ましい子供部屋の間取りについて、ミキハウス子育て総研が昨年2月、乳幼児の親291人にインターネットで調査したところ、「玄関を上がって、必ずリビングを通って子供部屋に行く間取り」が68・6%に達した。既存の住宅に多い「玄関から直接子供部屋に行ける間取り」はわずか0・8%だった。

 同社の藤田洋社長は「子供をグイグイ引っ張るような“肝っ玉母さん”が少なくなった。表情の見えないメール文化になじんだ今の親たちは、ほめたりしかったりが難しいと悩むことが多い」と指摘。「幼いときはリビングで勉強や遊びをさせる。成長して子供部屋に入っても、声を掛けやすい状況を望む親が多い。それが、現代の子供部屋のあり方のようだ」という。

 リビングでの勉強については「学習習慣は集中力の問題。テレビがついていても集中できる子は集中する。多少オープンな方が親に分からないところを質問しやすい」と藤田社長。

 『中学受験-合格するパパの技術』(朝日新聞出版)の著者で教育に詳しいジャーナリストの清水克彦さんも「小学生は食卓で勉強を」と力説する。

 一昨年に清水さんが調査したところ、男子校の開成中学合格者23人中、食卓かリビングで勉強していたのは15人、子供部屋は8人。女子の桜蔭中学も合格者16人中、食卓かリビングが11人、子供部屋は5人だった。清水さんは「勉強方法を教え、解ける喜びを体感させるため親がある程度の手ほどきを」と訴える。

 食卓は新聞やニュース番組で親子の話題が膨らみ、“見えない学力”を養う場としても重要。有名中学合格者は学習机すら持っていないことも多いという。

 ◆居心地を悪くする

 清水さんは子供部屋の意義について、「自分の空間を管理することで自立と責任感を養う場」と位置づける。ただ、「パソコンやテレビ、携帯電話を持ち込むなど居心地の良い部屋にしないことが大切」という。

 ハード面でもリビングでの勉強に対応する家具メーカーも出てきた。「カリモク家具販売」(愛知県東浦町)は、食卓に横付けできるサイズの学習机を開発。普段は食卓から離して勉強や遊びに使う。そして、子供が成長したら机は子供部屋へ。「子供の空間を確保し、家族のふれあいも大切にしたい」と担当者は話す。

 ミキハウス子育て総研の藤田社長は「立派な子供部屋だから成績が良いとか、立派な人になるといった相関関係はない。親の思いを自信を持って子供に働きかけてほしい」と強調する。

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 ■6割が「小学生」で

 ミキハウス子育て総研の親に対する調査によると、「子供部屋を与えたい時期」は小学校低学年(1~3年)が39・4%で最多。次いで、小学校高学年(4~6年)23・2%、中学10・4%、5~6歳5・4%などとなり、6割超が小学生時代と考えていた。

 「子供部屋に1人で寝かせる年齢」も小学校低学年34・7%、小学校高学年26%、5~6歳9・9%-と、子供部屋を与える年齢と同様の結果だった。

 子供部屋に置きたい物(複数回答)は学習机が83・1%とトップ。本棚81・5%、クローゼット・洋服だんす67・1%、おもちゃ箱64・6%-などだった。

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