【ワシントン=犬塚陽介】ハイチ大地震発生から26日で2週間。米国では新聞、テレビの総力を挙げたハイチ報道が続いている。大取材団が震災の人間ドラマを中心に「きょうのハイチ」を詳細に伝え、主要メディアは俳優や歌手などを総動員した募金活動にも積極的に関与している。一方で、150万ドル(約1億3450万円)とされる取材費が重くのしかかってもいる。

 「放送中にせき込むことがあったら許してほしい。ほんの少し前、ハイチ当局がすぐそばで遺体を焼却した。周辺には遺体を焼いたにおいが漂っている」

 CNNテレビのニュースキャスター、アンダーソン・クーパー氏は25日、首都ポルトープランスからの中継をこんな言葉で始めた。クーパー氏は地震が発生した12日の夜の番組放送中に「いまからハイチに向かう」とニューヨークを出発し、翌日から現地の情勢などを絶え間なく伝えている。

 米メディアは地震発生直後から一斉に特派員を派遣し、競うように負傷者の救出、行方不明者の情報、救援物資の到着状況などを報じてきた。米国には推定40万人のハイチ系移民が暮らし、約4千人の米国民が地震で行方不明になっていることからも、ハイチ大地震への関心は高い。

 何より、主要メディアは「米国の裏庭」と呼ばれる中米でのヒューマンストーリーに強い興味を示し、それぞれ10人以上の取材チームを現地に派遣。ニューヨーク・タイムズ紙は「報道が第一、カネの心配は第二だ」とのCBSテレビ、ポール・フリードマン副社長の言葉を報じている。

 CNNは医療担当記者で脳神経外科医のサンジェイ・グプタ氏を派遣した。ベルギーからの医療班が「治安の悪化」を理由に医療施設を離れる中で、ただ一人治療を続けたり、緊急を要する12歳の少女に手術を施したりする様子を、CNNは繰り返し伝えた。

 メディアを通じた著名人の募金活動も勢いを増している。22日に俳優ブラッド・ピット、歌手マドンナやU2のボノ、元ボクシング世界ヘビー級王者モハメッド・アリの各氏などが出演し、募金に応じた視聴者と会話した番組は、全米33局が同時中継し、5700万ドル(約51億円)を集めた。各局は競ってこうした募金活動を続けている。

 ただ、現地での取材には食料や水、燃料、通信機器などの補給が継続して必要で、各局の財政状況は苦しい。そのうえ、時間の経過とともに被災者が救出される「奇跡のドラマ」は減る傾向にあるのも事実だ。このためフリードマン副社長も「ハイチからの報道は、かつてほどには話題の中心になっていない」として、「一刻も早い取材陣の撤退」を考慮すると語っている。

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