さて、Bob Burt(ボブバート)。
フロリダ在住でギターアンプなどのキャビネット作りで有名です。
https://www.bobburtcabinets.com/
ランドグラフが流行っていた時代に登場。
故ランドグラフとも交流があったようで、クレイジョーンズとも交流があったようです。
※クレイジョーンズの独白もどこまで信じていいかは判別しかねますが、技術者の”想い”は共感します。
ちなみに、クレイジョーンズはエフェクターのケースで音は変わらないという考えのようですが(独白から察するに)、ボブバートは変わると考えるタイプと思います。
※キャビネット作りが本職という事も踏まえると納得はします。
ボブバートのペダル一覧とレビュー(2022年5月1日時点)
GR8T
ボブバートのエフェクターのフラッグシップ。
※所有しているもの

TS系。中央のチキンノブがセレクターになっていて、8種類の音が選べます。
コンプのかかりが変化します。結果、かなり深く歪みます。
※単機でメタルには不向き。上品過ぎます。
一番左がコンプカット。所謂ダンブルモード。
回路的には2系統のディストーションとなっているので、5番目ぐらいからは掛かりがさらに変化します。上部のノブは左がGAIN、中央がTONE、右がLEVEL。
LEVELの幅は大きく、コンプカットだと9時ぐらいで丁度良く、コンプMAXだと3時でも低め感じます。
音的にはアレンハインズの音まんま。どこまでも綺麗なディストーション。
TOTOをやるにはいいけど、GUNSは微妙な感じ。
フュージョン系やるには最高。動画の音が本当にします。
なお、ノイズはビックリするほど無いです。
噓だろ、ってレベルでないです。
この辺はケースで音が変わるに通ずると考える人だからだと思います。
後述のAH1はGR8Tが元になっていますが、音は異なりますし、ノイズもこちらの方が圧倒的に無いです。
OverDrive
※所有物

TS系。左がGAIN、中央がTONE、右がLEVEL。
1時ぐらいから急激に歪みます。
GAINをMAXにしても音が潰れず、コードやアルペジオでもちゃんと分離感が残ります。
音の傾向としては適度にコンプ感があるので弾きやすく、セッションならこれだけでもどうにかなります。
ブースターとして使用する際は、レベルを上げめで入れつつ、GAINのキャラクターを足すイメージでやると良いです。
TS系ですが、TS9でもTS808でも同じ使い方が出来るか?と言われると難しいので、不思議なペダルです。
OverDrive Low Gain Ver
上記のローゲインver。
GAINが低めですが、全く別物になっています。ボブバートのエフェクターは基本的に音抜けがいですが、こちらは良すぎるぐらいです。
GAINの最大値が通常verの12時~1時ぐらいです(クランチが最大というイメージ。カントリーをやるにはいいかも)。
とにかく、音抜けが良いです。コンプカットモードとは異なる抜け方です。
AH-1
アレンハインズがボブバートのGR8Tを気に入り、プリセットを2種類に限定、ケースのサイズをダウンしたものという事ですが、全く別物です。
プリセットはコンプカット(一番左)と6番目ぐらいです。
ノイズも普通のペダルと比べると少ないですが、GR8Tよりは多いです。
コンプカットモードはほぼ一緒ですが、コンプモードは音が異なります。
GRID(いわゆるGAIN)を最小にしても歪みます。
※GR8Tは歪みません。
音の質感は、XoticのSoul Drivenに似ています(Xoticの方が後発)。
※Soul Drivenの方がノイズは多いです。
ケースはAH-1の方が大きいので、ノイズの点では関係があるのかもしれません。
Clean Booster
1ノブ。これが想像以上に良かったです。ツマミを最初にして、オンにしても音は出ます。
驚異的なのは音の変化がほぼ無い事。バッファーとしては優秀です。
ゲインブースターとしては、後ろにくるペダルの解像度が少しだけ上がる印象です。
お気に入りのペダルがあって質感を変えることなく、
同じ音のキャラクターでブラッシュアップしたい人にはオススメ。
※ペダル単体でゲインを増やすと(ノブを回すと)音が潰れる、抜けが悪くなる事が多々ありますが、
良質なクリーンブースターでプッシュすると、音が潰れず、音抜けをキープしたままゲインアップを狙えます。
ボブバートのペダルは総じて、上品な歪み方、ふわっと柔らかく膨らむ様な感じが常にあります。
その質感が好きな人には代えがたいと思います。
単純に音の分離、原音重視、でしたら他でもいいと思います。
※GR8Tのノイズの無さは他社でもお目にかかれないですが。
ボブバートのペダルはTB(トゥルーバイパス)、9Vオンリーなので注意。