つれづれなるままに。

読んだもの・観たものたちについて、つれづれに書き留めた覚え書きたち

グループ・る・ばる「片づけたい女たち」@東京芸術劇場シアターイースト

観る作品どれもハズレなく、大好きな永井愛さん作・演出で、以前からその評判を見聞きしてずーっと観たいと思っていた舞台、待望の再演。
・・・ああ、それなのに、チケット発売日をど忘れしていて、慌ててようやく東京千秋楽のチケットを3日前にゲット。あぶねー。

幕が開くと、目の前に開けるのは、とにかく信じられないほどに散らかりまくった部屋と、それを観て呆然とする、二人の中年女性。
この「汚部屋」の主ツンコが、引きこもって連絡がつかなくなったもんで心配して夜遅く訪ねてきた高校時代からの友人おチョビとバツミが目にしたのが、このとんでもなく荒れ放題の部屋と、いうわけ。
どうも、少し前に年下男と別れたらしいツンコだが、なんでこんな状態になったのか、理由を語ろうとしない。
そうこうするうち、三人で片づけ始める。

積み上がった洋服や雑誌や新聞紙やごみやごみやごみ。。。をあっちへこっちへ分類して片づけつつ、三人の他愛もない会話が続く。
でも、あっちに脱線し、こっちに降り戻りつつ脈絡ないおしゃべりのうちに、それぞれが抱える悩みや心の闇が、少しずつ見えてくる。

昨年世田谷パブリックシアターで観た、やっぱり永井愛さん作・演出の『こんにちは、父さん』は男三人だけの舞台だったけど、もともとはこの舞台の男性版を作ってみる、というのがきっかけだそうで。
やっぱり、女性(しかも50代の中年女性)のほうが、おしゃべりの他愛なさとまらなさ、あっちへこっちへ脱線する様が、際立ってますな。
そんなとこも、妙にリアリティを感じ、ちっとも芝居っぽくない会話の応酬。
でも、何故だか、この三人から目が離せなくなり、ぐいぐい引き込まれていく。

人生の折り返しを過ぎて、なりたかった、なれなかった自分。
どうしようもない日常。
諦めと、焦りと、そして、これからのこと。
そして、いろいろあっても、なんだかんだと一気に昔に戻れる、古くて強い友情。

何か身につまされるようなことばかりだけど、リアルで、でも軽妙でユーモアのあるセリフに織り込まれて届けられるから、じんわりと沁みてくる。
永井さんのお芝居ってホント、こういうところが好きなんだな、私は。

岡本麗さん、松金よね子さん、田岡美也子さんのベテランの舞台女優さん3人のユニット、グループ・る・ばるの舞台を観るのは初めてだったけど、おさすが。
舞台のほとんどの時間、山のようなゴミ部屋の、あっちを片づけこっちを片づけしつつ、セリフをしゃべり続けるって、これ、ものすごい段取りだらけなんだろうけど、そう感じさせない自然さが、もう、熟練って感じで。
だって、手にしたゴミが次のセリフにつながったりするわけだから、間違えちゃいけないんだろうし、きっと(笑)。
(そういう意味では、このゴミ部屋を作った美術スタッフさんも、すごいんだなきっと。)

この前の日に観た新感線の舞台みたいなのも大好きだけど、こういう、シンプルな設定だけど何とも上質な舞台を観ると、また違った充実感がある。
贅沢な時間をもらったなーって感じで。

劇団☆新感線「ZIPANG PUNK 五右衛門ロック掘廖東急シアターオーブ

今年の観劇はじめは、劇団☆新幹線。
しかも、『五右衛門ロック』の第3作め、シアターオーブのこけら落とし公演の一環です。
いいねぇ、おめでたい感じで(笑)。

ばりばりの日本人なのに、前2作は何故か南の島とかヨーロッパの小国とかだったのですが、今回は満を持して(?)日本が舞台。

空海大師にゆかりのある、とある鄙びたお寺の巨大な一つ目の仏像が、今回のお宝。。。と思ったら、それは序章に過ぎず、実はさらにすごいお宝のありかを示すカギがその仏像に。
これを巡り、五右衛門とその仲間、そして、猫の目お銀を名乗る女盗賊、そして、京都所司代盗賊目付探偵方、頭も切れる若き探偵侍、明智心九郎に、何故か前作にも登場した王太子シャルルに稀代の悪女マローネ、そしてイスパニアの死の商人たちなど、相変わらず五右衛門に負けず劣らず濃ゆいキャラがひっかき回す。

前回の目玉が天海祐希扮する女海賊アンヌだとしたら、今回は、探偵侍に扮する三浦春馬くんと、お銀役の蒼井優ちゃん。
春馬くんは、地球ゴージャスの舞台観て「この人、いつか絶対新感線に出たらいいのにねー」って思ってたけど、期待通り、ハマってますな。踊れるし、唄えるし、舞台映えする容姿で、きらきらしてるし。
蒼井優ちゃんは、はっちゃけた感じが、映像で観る感じとはまた違うんだな、こないだの野田地図のときも思ったけど。
『真夏の夜の夢』の妖精パックとか、似合いそうだ。←そいえば、昔野田(秀樹)さんの舞台があったな。

今回は、前作に比べて歌のパートが増えてるようで。何だか、ホントのミュージカルみたい。
そして、ミュージカルと言えば。。。じゃないけど、浦井健治くん扮する王太子シャルルの出番も増えてるような。
いやー、どのキャラクターもよかったけど、シャルルが、とにかくおバカでねー、出てくるだけで、なんか笑っちゃって。

もうね、チャンバラあり歌ありドラマありてんこ盛りのギャグあり、の、痛快冒険活劇。
もう、まさに王道、直球ど真ん中の新感線。
これは、もう何も考えずに笑って笑って、楽しむしかないんですよね。細かいことは考えずに。
でもって、劇場を出るとき、自分の中の元気指数がちょっぴりあがってることに気づいて、嬉しく夜風に吹かれる、と。

初春文楽公演@国立文楽劇場

巳年の今年も、にらみ鯛と文楽を観に、お正月の大阪へ。
関東は寒かったけど、大阪はそれに比べるとあったかかったなぁ。

■団子売
舞踊劇を文楽で観るのはちょっと、面白いですね。
とある町にやってきた、仲のいい団子売の夫婦が、口上に続いて餅をつき始める。餅を子になぞらえた、ちょっときわどい(笑)セリフ回しで、コミカルに、和やかに。
これ、歌舞伎で確か、中村屋の兄弟もやってたんじゃないかな。
それにしても、つきたてのお餅をすぐ団子にして売ってくれるの、お正月に見るとよけいに、お腹空きますな(笑)。

■ひらかな盛衰記
・松右衛門内の段
・逆櫓の段

源平合戦で、義経と梶原景時の遺恨の一因となった、逆櫓論議にまつわるエピソード。
木曽義仲の遺児をふとした事件で自分の子、孫と取り違えた祖父と母親、そして、とある目的でその家に入り婿した、義仲の遺臣の物語。

取り違えた我が子(孫)が戻ってくると喜んだのもつかの間、その子が身代わりで命を落としたと知り、憤怒の涙を流す祖父と母。この、切り場の咲大夫さんの浄瑠璃に引き込まれる。
咲大夫さんの浄瑠璃は、こういう喜怒哀楽がすっきりと頭に入ってくる感じが、私はとっても好きなのだな。うん。
逆櫓の段の目まぐるしい(いい意味で)三味線もよいね。

■本朝廿四孝
・十種香の段
・奥庭狐火の段

久々の十種香〜奥庭狐火。しかも、八重垣姫は簑助さん→勘十郎さんの、豪華リレー。いいねー、正月だっ!
このお話は、八重垣姫の恋する乙女度200%な感じがわかりやすいし、とにかく、八重垣姫の可愛さ(特にもじもじするとこ)と、腰元濡衣のツッコミ加減が楽しい。

そして、奥庭狐火。勘十郎さんのこの「狐八重垣姫(笑)」、すごいよな〜。遣ってる勘十郎さんまで早替えしちゃうとこもそうだけど、狐の怪しい雰囲気を漂わせる、三味線の弦をにゅぅぅっとこするあの音とか、ソフトバンクのお父さん的な狐たちとか、とにかく圧倒されるし、楽しい(^-^)。
ああ、文楽って、楽しいなぁぁ〜って思っちゃう。

で、おキツネさま記念で(笑)、夕ごはんはつい、道頓堀今井の「きざみうどん」を食す(笑)。
あ、きざみうどんは、きざんだお揚げと生姜と青ねぎをのっけた餡掛けのおうどん。ちなみに、甘い味付けだと『きつあん』ですね。私は、甘くない、生姜の効いたきざみ派なのだ(^o^)。

■寿式三番叟

さてここからは、翌日観た昼の部。
初春公演最初にかかる代表的な演目の一つですね。

後半の、三番叟二人の軽やかでコミカルな踊り(途中で一方の三番叟がバテて扇パタパタしながらサボるとこは、何度観ても楽しすぎる)が印象に残っているのだけど、今回は、前半の翁のパートも印象深く。
何故かというと、プログラムと、あと行きの新幹線で読んだ車内誌両方に、お能の、翁の舞の神秘性についての記事があって、非常に興味深かったので。
翁の面は、能舞台に上がってからつけるとか、初めて知りました。
確かに人形翁も、舞台上でつけてるのだな。
この演目が、神に敬意を表し、天下泰平、五穀豊穣を祈念する神聖な儀式だと、実感。

あと、翁の浄瑠璃に、ひさびさの住大夫さん。まだ本調子ではないようだけど、無事に舞台に立たれて、ほんと、よかった。

■義経千本桜
・すしやの段

歌舞伎でも文楽でも、何度も観ている演目。
父親に勘当されたならず者だけど、家に戻してもらうため、父親がひそかに匿う平家の御曹司(維盛くん)とその妻子を救うべく、大勝負に出る権太。
でも、その思いは意外な方向に転がってしまう。
誰一人、悪者はいないのに、気がつくと悲劇。
…いつも思うけど、よくこんな展開、考えつくよな。
彼が、維盛くんの妻子をお縄にして追手の梶原景時に差し出す時の眼差し、実は自分の妻子を身代わりにしてるわけで、意味深で、切ないんですな。
最初のうちは、実は維盛くんの弥助に惚れた娘のお里が、あの手この手で弥助に迫るとこが可愛くてそこばっかり印象に残ってたけど、だんだん観るポイントが変わってくるような。

■増補大江山
戻り橋の段

ほとんど予備知識なく観た演目。
源頼光の優秀な家来の一人、渡辺綱くんってお人が、京の都で暴れまわる悪鬼を退治するお話。
その悪鬼くんは、若い女子に姿を変えて綱くんと出逢い、何かナンパ仕掛けたり仕掛けられたり(笑)なお決まりの展開(要は恋の歌を交わすとか踊ってみるとかそうゆーやつ(笑))。
でも、実は綱くん、水面に写る姿からとっくに悪鬼の正体を見破ってたと。
…で、悪鬼が本性を顕したとこからがこのお話の真骨頂。
悪鬼と綱くんの丁々発止チャンチャンバラバラの末、片腕を切り取られた悪鬼、何と空へと姿を消して行くのです。
本当に、宙に浮いていくのです。
それも、人形を遣う清十郎さんごと(笑)。
いやー、人形遣いごと宙乗りって、四の切以来です。
面白かった〜。完全に、意表を突かれました。

新春浅草歌舞伎@浅草公会堂(そして、謹賀新年)

明けましておめでとうございます。
今年はもう少しこちらも更新したいと思いますので、おヒマついでに覗いていただけるとうれしいです。

さて、お正月の観劇始めは、例年どおり、浅草歌舞伎の初日から。
例年どおり、鏡開き見て、振る舞い酒もらって、開演までに浅草寺の初詣も済ませ。

最初の『お年玉ご挨拶』は、愛ちゃん。
コイツは年の始めから、幸先がよい(^o^)。
それにしても、中村屋の兄弟も、元亀ちゃん(注:猿之助さんね)も、男女蔵さんもいなくて、オリジナルメンバーとしては愛ちゃんぐらい、あとはずっと若手と、あと、海老さまと孝太郎さんと、ちょっと雰囲気が違う座組み。世代交代の時期なのねー。

===寿曽我対面===
工藤祐経が海老様。あとは十代中心の、何ともフレッシュな曽我さんちの仇討ちもの。
おせち料理みたいに、お正月はお約束の縁起物、ということですが、何度観ても、一幅の絵巻物を見てるような気分になるのですな、これ。
まさに、歌舞伎ならではの様式美。
…ま、それ以上でもそれ以下でもないんですがσ(^_^;)。
いいんです、縁起物ですから(笑)。

===極付 幡随長兵衛===
タイトルを縁起のいい3文字か5文字にするため「幡随院長兵衛」から院の字を抜いたのですと。
ホントだ、確かに、院がない〜〜(°_°)。
…以上、イヤホンガイド先生の、豆知識(笑)。
お名前は存じ上げてましたが…、な、幡随院長兵衛さん。
助六さんと同じ、花川戸にお住まいってんですから、ここ浅草でこの人の芝居を観るのは、理にかなっている(笑)。
お江戸の町人ヤクザ(ていうか町奴)の元締めである彼が、対立する旗本奴の元締、水野十郎左衛門に湯殿で殺された実話が元らしいけど、描きたかったのは、命の危険にさらされるとわかっていながらも多くを語らず敵地に向かう男のダンディズム、らしく。
ん?つまりは、イタリアだったらマフィアの抗争みたいなもんかしら。
長兵衛は海老様、敵の水野が愛ちゃん、長兵衛の妻が孝太郎さん。
うむむ。海老様は正直、助六ほどにはまだ馴染んでいなかったよーな。でも、今後に期待。
そうそう、長兵衛の子分で「親分親分親分〜!!」って飛んでくる3人組の壱太郎くん、種太郎くん、米吉くんの御曹司くんたちが、何かちっこく可愛くて、ちょっとツボでしたσ(^_^;)。

===毛谷村===
歌舞伎も文楽も大好きな演目、毛谷村。
しかも、毛谷村六助を愛ちゃんが初役ってゆーんですからあなた。
気は優しくて親孝行(下手するとマザコン一歩手前なのかなイマドキだと(笑))、な六助には、愛ちゃんは二枚目過ぎるかなーって思ってたけど、思ったほどは違和感なかったです。あ、これもアリかなと。
六助は確かにヒーローだけど、カッコいいだけじゃない、どこかおかしみもあるストーリーで、さすが上方の役者さん、抜き加減がいいなと。
意外(失礼)に違和感なかったのは、壱太郎くんのお園。華奢すぎて、女武道者のお園にはどうかなと思ってたのですが(私の中ではお園は天海祐希がベストキャスト(笑))。ただ、もちょっとコミカルな感じがある方が好きだな、うん。ま、どちらも初役の初日だし。今後に期待。
あ、忘れてた(^^;;、コメディーリリーフな斧右衛門は、なんと、海老様。ばっちり笑いをさらっていかれました。美味しいなぁ(笑)。

===口上===
海老様に、にらんでいただきました。
これで今年は、無病息災(^_^)v

===勧進帳===
一番楽しみにしてた演目。海老様の「市川宗家バージョン」弁慶に、愛ちゃんがこれまた初役の、富樫。この組み合わせ、観たかった。
海老様の弁慶は、お父上の成田屋当代より若々しく(そりゃそうだ)、全身エネルギーみなぎってまっせ〜ってな、印象。
彼のお父様世代の役者さんの弁慶のような、苦労人っぽい印象があまりないんですな。面白い(^_^)。
文楽人形の弁慶を観たときの印象にも近く。
ここに、何年もすると、もっと枯れた魅力というか、年輪のようなものが加わってくるんですかね。
あと、特筆すべきは、愛ちゃんの富樫が、合ってたなーってこと。
これも初役の初日だから、ここからまた変わっていくのだろうけど、彼は弁慶より、富樫だな。多くは語らないけど、情に厚く信念のある上司(笑)、みたいなキャラは、愛ちゃんに合ってる、絶対。
これは、数年後にまた演ってほしいなー。観なきゃなー。
てか、この、海老様弁慶と愛ちゃんの富樫って組み合わせ、10年後とか、今から楽しみ(^_^)。

久々に、9月以降、今年観たもの一気書き!

こちらを更新するのは大変久しぶりです。
いやー、なんだかやとバタバタ、長文をゆっくり書く時間がなかなかとれず、相変わらずいろんな舞台に足を運んでも、つらつら本を読んでも、なかなか感想が書けずにおりました(>人<;)。

とはいえ、気がつくと、年の瀬。
とりあえず、9月以降観た舞台は書き留めておきましょうか。

=====9月=====

★森雪之丞一座参上公演「サイケデリック・ペイン」@サンシャイン劇場

脚本・詞:森雪之丞さん、曲:布袋寅泰さん、演出:いのうえひでのりさんのロックオペラ。主役の福士誠治くん含め、この舞台のためにホントに結成されたバンド「サイケデリック・ペイン」が、最高にファンキーでキュートだった、嬉しく予想を裏切ってくれた作品。


★9月文楽公演@国立劇場

夜の部「傾城阿波の鳴門」「冥途の飛脚」鑑賞。どっちも、どうにもダメダメな男と、そうとわかっていてもそいつと運命を共にしちゃう女が出てくる、ある意味救いようのない(^^;;、お話。後者はあの「封印切」ですが、こないだ歌舞伎で観たのと、八右衛門のキャラがかなりちがってたのが面白かった。


★NODA MAP 「エッグ」@東京芸術劇場

最近の野田地図常連となった妻夫木くんとふかっちゃん主演。太平洋戦争中の731舞台がモチーフの一つなお話で、やっぱ野田さんは今回もこの路線だったな、当面この人のテーマなんだなと。でもそれより特筆すべきは音楽が全篇椎名林檎。これが野田地図テイストに、何ともまぁはまってカッコよかったなぁ。最近観た野田地図の舞台では、かなり好きな方かも。


★9月大歌舞伎@大阪松竹座

勘九郎くん襲名披露公演。「三笠山御殿」「俄獅子」「団子売」「瞼の母」「女暫」口上挟んで「雨乞狐」「雁のたより」。玉三郎さんの女暫、観た瞬間「…衣装がモスラだ」刷り込まれちゃいましたごめんなさいm(__)m。あとは翫雀さんがここそこでいい味出してたのとやっぱ、雨乞狐だな。それにしても、この舞台も勘三郎さんは出てなかったけど、観てる誰もが、新しい歌舞伎座で会えることを疑ってなかったんですよね、それなのに…(;_;)。


★SMAP CONCERT TOUR 2012 「GIFT OF SMAP」ライブ@東京ドーム

2年ぶりのライブ。いやー、やっぱ、彼らはエンターテイナーですな。
30曲近くの唄はもちろん、途中のコーナーであの「しょうわ時代」が生で観られたのが大感激(笑)。

=====10月=====

★劇団鹿殺し「田舎の侍」@下北沢駅前劇場

2回目の劇団鹿殺し。前回の紀伊国屋ホール(青春放浪記)よりぐっと小さなハコで、ぐっと小劇場チックなお芝居。とある貧しい村に生まれて、侍を目指す若者の数奇な運命を描くロックオペラ。だからかな、観ながら、初期の劇団☆新感線の舞台って、きっとこんな感じだったんじゃないかな〜って、思ったりして。


★ミュージカル「ロミオとジュリエット」来日版@東急シアターオーブ

元祖フランス版。日本版より、何かオトナ(笑)。あと、ダンサーズの踊りがハンパない(笑)。ロミオとジュリエットの出逢いのシーンとか、演出がいちいち面白かったですな、日本版とはまた異なるテイストで。何というか、舞台上の人たちの肉体をとことん駆使したって感じで。


★東京セレソンデラックス「笑う巨塔」@サンシャイン劇場

セレソンの解散公演。前作「わらいのまち」のテイストそのまま、てか、登場人物に富雄にいちゃん出てるのもそのままやん(笑)。
あの、じわじわあったかく泣ける芝居を作る劇団が最後にかけるのが、どこから切っても笑いだけ、お芝居ってのも、また、妙味やね。ちなみに、斎藤工くんが、生で観てもめっちゃカッコよかったことは強調しておこう(^^)。


★ミュージカル「エリザベート」ガラ・コンサート@東急シアターオーブ

ガラ・コンサートと言っても、かなり舞台に近い感じなんですよね。
「チェス!」でちゃんと馬、出てきてくれたし(^^)。しかし、このミュージカルは日本版何度も観たし、ウィーンキャスト来日版も観たけど、観終わっていつも思うのは「やっぱ、エリザベートとフランツ・ヨーゼフは結婚すべきじゃなかったよな(^_^;)」…これに尽きる(笑)


★二兎社「こんにちは、父さん」@世田谷パブリックシアター

平幹二朗、佐々木蔵之介、溝端淳平の男三人だけの舞台。互いに音信不通ながら、それぞれ落ちぶれた親子と、父親の借金を取り立てる悪徳サラ金の若い社員がおりなす、一夜の物語。派手じゃないけど、じわじわと滋味深い、永井愛さんの作る舞台、私はやっぱり好きだなぁ。


=====11月=====

★11月文楽公演@国立文楽劇場

「仮名手本忠臣蔵」の昼夜通し狂言!前夜から大阪入りして、もう観るほうもガチでしたなこれ。でも、今回、歌舞伎も含めてホント意味で通しで観たら、この作品は、桃井若狭之助と加古川本蔵というひと組の主従をストーリーに放り込んだことで、単なる仇討ちものじゃなく、ふとしたきっかけで、本当だったら他人のものだった運命を背負ってしまった人たちのドラマになってるのだ、と、すっこーんと納得したわけで。いやはや、すごいお話ですな。観るほうも、クタクタ(笑)。


=====12月=====

★ヨーロッパ企画「月とスイートスポット」@本多劇場

冒頭いきなり、ヤクザ同士の抗争、しかも始まってすぐ兄貴分が死ぬってな、このゆる〜い劇団らしからぬ(笑)始まりかたでしたが、そのあとは「上田さん、また、とんでもないこと考えついたのね〜」な、予想外の展開と、そこから繰り出すなんともユルくてシュールな世界。そして、それがタイトルとどう結びつくかわかるともう「ををを!!」…参りました。ここんとこの数作では一番好きだなあ。


★福山雅治 冬の大感謝祭@パシフィコ横浜

今年も、抽選運の強い我が友のおかげで、初日とイブに行くことができましたっ*\(^o^)/*。通常のツアーとはー一味ちがうセトリが新鮮で。特に、今回、ましゃが「挑戦」したとある企画が良かったぁ。まだ全公演終わってないから、書かないけど(笑)←あと数時間やん
来年は、ツアーやってくれないかなあ。


★演劇集団キャラメルボックス「キャロリング」@サンシャイン劇場

キャラメルボックスのクリスマスツアーは、有川浩さん書き下ろし。とある小さなベビー服メーカー兼学童保育を営む会社が年末に倒産することになった、その最後の数日間。両親の別居に心を痛めた孤独な少年を救うため、社員たちが師走の街を駆ける!
有川浩さんとキャラメルボックスは、相性抜群ですな。お互いの持ち味を生かしつつ、相手の持ち味も引き出している。まさに、王道のキャラメルボックスでしたわ。


★「祈りと怪物〜ウィルヴィルの三姉妹 KERAバージョン」@シアターコクーン

毎年、キャラメルボックスで観劇納めなんだけど、今年は例外。最後に、4時間超(休憩時間込み)なんて、とんでもないもんを観ちまった。架空の街ウィルヴィルの栄枯盛衰の物語。ひとつの街と、そこに住む人々が静かに滅んで行く様を、救いようなく、でも淡々と、ある意味、おとぎ話のように描く。まさにケラさんワールド。一流の役者さんを配した、長く感じさせない舞台でしたな。
で、これは来月かかる同じ脚本の蜷川バージョンとの共作なんですな。観終わってすぐ、今すぐに蜷川バージョンが観たくなり(笑)。楽しみだー。

新春は、浅草歌舞伎でお芝居始めです。
来年はもう少しまめに更新いたしまする。

気がつくと、紅白も始まりましたな。
では、よいお年を。

八月花形歌舞伎@新橋演舞場

愛ちゃん(卓球じゃなく、勘九郎夫人ではなく、もちろん、松嶋屋の愛ちゃん(^^))が、珍しく夏の東京の舞台に出るから、観よ〜と、八月花形歌舞伎。
海老蔵さまの早替わりが観られるという、夜の部の方へ。

何かね、夏バテ気味ってのもあって、幕間のご飯には、つい魔がさして(笑)食堂のうな重定食をおごっちゃった(^^;;


■慙紅葉汗顔見勢〜伊達の十役

『伽羅先代萩』とおんなじ、伊達騒動を題材にしたお話。
でもって、話の後半は、まさに伽羅先代萩の、御殿の場以降のストーリーとおんなじ。
でも、伽羅〜よりだいぶ、ショーアップされてます。さすが、猿之助四十八撰だけのことはあり(笑)。

足利家重臣の仁木弾正が、天下転覆を企てて討たれた亡き父に呼び寄せられ、鼠がわらわら出てくる鼠な術とともに父の野望を受け継ぎ、御家横領を企む。
この弾正の悪事とそれが露見して破滅するまでの話に、そこに巻き込まれる足利家当主やその幼い跡取り、その乳母、愛妾の傾城やかつての家来たちのストーリを絡めて、海老さまが十役早替わる。。。と。

もう、演目そのものがイベントだから、幕が開くとまず、海老さまの口上。
バックには、彼がこれから扮する十役の写真パネル。
おお、なんと、解説兼口上が来るかね、最初に(笑)。

『伽羅先代萩』は、歌舞伎でも文楽でも何度か観ている、大好きな演目。
その話の前段部分、弾正たちの企みで傾城に入れ揚げて政をおろそかにする、足利の殿さまと、彼らに運命を翻弄された傾城とその妹、さらには家来たちのストーリーがあるのが、わかりやすいっちゃ、わかりやすいね。通し狂言ぽくて。
後半は、まさに伽羅先代萩。政岡が、御家のため、若君のため、我が子を犠牲にするあの話ね。

海老さまは、ある意味主役の仁木弾正に、政岡に、遊興にふける足利の殿さまに、管領細川勝元に、ええと、そのほか六役(笑)。
以前、伽羅先代萩で観た、海老さまの仁木弾正が非常に良かったのですが、それを彷彿とさせる、色悪ぶり。
でも、違うとこもちらほら。
床下の場、伽羅〜では蝋燭の灯りだけでひたひたと花道を去っていくあのシーン、この話では。。。飛びます(笑)。
宙を、飛びます。
さらに、最後の最後、悪事が露見してひと暴れするとこも、最後の悪あがき。。で何を考えたか、巨大マウスに変身したりして\(◎o◎)/!
いやー、エンターテインメント要素、盛ってますなー。

正直、伽羅〜のシンプルさの方が好みではあるけど、この楽しさは、嫌いじゃない。

早替わりはね、まぁ面白くないはずないんですけど、中にいくつか「ええっ!それ、今のどうやったのどうしたのっ!」って驚きにのけぞるのがあり。
ああ、スケルトンで舞台裏観たいぞーって何度思ったか(笑)。
十役の中では、弾正の次には、ちょっとバカ殿っぽい殿さま役とかも、ツボでしたな。

ちなみに、愛ちゃんは、最初から最後まで正義の味方〜の民部之助役。
こういう役やって、カッコよくないはずなくてよ(笑)。

三谷幸喜作「其礼成心中」@PARCO劇場

今月8月のお楽しみ舞台の一つ、三谷文楽!お初でございます。
しかも、PARCO劇場の前から3列目ど真ん中!いい席を取っていただいて(=他力本願(笑))。

タイトルは「其礼成心中」。・・・「それなり」心中??
それはもしかして、アタクシが先月大阪で観たあの近松の代表作の某心中物のパロディ??
うきゃ?

本家の文楽公演も、その日の最初の幕が開く前に三番叟がてけてんてけてん♪って出てくるけど、今回は、幕が開く前、最前列のすぐ前に、お江戸の町人姿の三谷さん人形が現れ、三谷さんの語り(笑)で、上演中の諸注意をコミカルに説明。どこまでも出たがりなんだなこの人(笑)。

舞台は、ホンモノの曾根崎心中が初演大ヒット!し、空前の心中ブームが巻き起こったお江戸の、天神の森から始まる。
森の外れでしっかり者の女房おかつと饅頭屋を営む初老の主人、半兵衛は、商売の邪魔になると、わらわらと天神の森に心中しにくる男女を追っ払おうと、夜な夜なパトロール。
この夜も、六助とおせんのカップルがまさにこの世に別れを告げようとしているところを割って入り、すったもんだのあげく、店まで引きずってくる。
そして、彼らが何故心中しようとしたかの理由を聞いているうちに、半兵衛の胸にある計画が。。。

通常上手にある出語り床がなくて、大夫さんと三味線さんは舞台後方上部、人形の背後から見下ろす形。
出語り床がぐるっと廻って交替する代わりに、横にスライドして交替。これがまず、面白い。
でもって、さすが新作、浄瑠璃はバリバリの関西弁でありながら、かなり現代語ちっくに、字幕や定本(台本)がなくても楽に聴きとれる。
でも、ちゃんと文楽なんだな。三味線の旋律とかも、聴きなれた節回しが随所に出てくるし。
人形の動きとかも、ちゃんと、文楽だし(笑)。

三谷さんが、新しいチャレンジをしつつも、文楽のエッセンスはちゃんと押さえている点、文楽ファン、三谷ファンとしては、満足度高し。
文楽人形ならではの、コミカルな動きや、女性のはんなりとした人形ならではの色気、お福人形のコケティッシュな愛らしさ、などなどをちゃんと拾ってくれている。
ああ、三谷さんも、文楽、お好きなんだなーって、ちょっと、うれしかったり。

でもって、観ながら、ああ、江戸時代の人は、こんな感じで、それこそ字幕なんてなく、自分たちが普段話している言葉の延長線上で、私たちが現代劇を観る感覚で、文楽観てたんだろうなーって、腑に落ちてた。
新作って、自分の中で、どうしても古典より優先順位後回しにしちゃいがちだけど、こういう点は、悪くないなと。

ストーリーは、心中ブームを逆手に取ろうとして、振り回される半兵衛の悲哀と、それを明るくしっかりと支える女房おかつの夫婦の絆を軸に進んでいく。
どこか天然で楽天的で直情的な半兵衛と、しっかりもののおかつの夫婦が、何ともいえぬいい味をだしており。
心中って、何気に難しいテーマだけど、最後は上手くまとめてるし。さすが。
三谷さんだからね、ハードルどうしても高くなっちゃうけどね。でも、期待どおり。

幕が降りたあと、頭巾を取ってお顔を出した人形遣いさんたちと人形たち、そして、大夫さん三味線さん総出のカーテンコールが楽しかった。
2回あって、2回目は、みんなで(人形さんだけじゃなく、何と、大夫さん三味線さんも!)手を振り振りお別れ。
ちょっと照れながら手を振ってた千歳大夫さんとか、可愛かったわ♪

あとあと!プログラムがなかなかよろし。
舞台写真さながらに、人形をクローズアップして撮ってるのだけど、モノクロのこの写真が、通常の文楽のパンフやチラシの写真とはまた違った味わいで、いいんですよねー。
観終わった後眺めると、またひとしおに。
定本と合わせて2000円と、いいお値段だけど、これは、買いでっせ。三浦しをんさんの寄稿文もあるしね。

演劇集団キャラメルボックス『アルジャーノンに花束を』@サンシャイン劇場

コアなSFファンてわけじゃないけど、うんと若い頃ハードカバーで読んだこの小説、初めて読んだとき、震えがくるぐらい感動した記憶が。
ほんと、キャラメルボックスは、てか、成井さんは、ご自分の劇団のために、いい意味で、とんでもない原作をお選びになる、いつも。

ということで、今回も、てか、ある意味今回が一番、期待半分、怖さ半分で観た、キャラメルボックスの「名作の舞台化シリーズ(仮称)」。

知能は普通の人より低いかもしれないけど、心やさしく、無垢で善良な心をもった30代の青年、チャーリー。
パン屋で雑用中心に働く彼は、あるきっかけで、脳外科手術により、書物を大量に読みこなし、何カ国語も操る、高い高い知能を手に入れる。
でも同時に、そのことで、それまで善意のみで彼を包んでくれていると思っていた彼の周りの人々の醜い面を知ることになり、さらには、彼自身も何かを失っていく。
そして、最後は、その知能をも、ある種の副作用による急激な「退行現象」で、失っていくことを知る。

原作を読んだ時、人が心の奥底に温めていた「善なる心」みたいなのって、生まれおちたときから、何を見て、何を経験して、得ていくのだろう。。。って思ったことを思い出した。
いわゆる知識、知恵ってのは、まぁ勉強すれば得られるのだろうけど、チャーリーは、それらを得ることができても、その急速に増えた知力に釣りあうだけの善なる気持ちが追いつかなかったことに、後で苦しむことになる。
それは、書物からでは決して学べない何か。
幼いころからの気持ちの機微みたいなのが、積み重なっていく、何か。
チャーリーが、高い知能を得ても、どこかにひづみが出てしまったのは、その積み重ねを得る機会が十分ではなかったからなのかなーと。
・・・うん、観ていて、思い出したよ、そんなことをつらつらと考えながら、原作を読んでいたこと。

ところどころに原作の文を挟みつつ進む演出は、今回も効いている。
そして、何より、今回は役者さんの演技がいつも以上に光った。
チャーリー役の阿部丈二くんは熱演だったね。
疑うことを知らない無垢な青年が、急激に知性を得て、顔つきまで変わっていくさま。
やがて、彼のパートナーである実験マウスのアルジャーノンに起こったことに、彼自身の運命を悟り、追い詰められていくさま。
役者さんってすごいなーって思った。
他にもね、アリス・キニアン役の岡内美喜子ちゃんも(彼女、アリスに合ってた)、あと、チャーリー母役の、坂口理恵さんも、よかった。

しかし、キャラメルの「名作の舞台化シリーズ(笑)」がいいのは、観終わって、舞台もいいけど、やっぱりこの原作っていいよなーって思いを新たにできること。
『スキップ』しかり『容疑者X〜』しかり。そして、今回の『アルジャーノン・・・』も。
チャーリーの報告書の文体で、彼の知能が普通以下から急激に上昇し、そしてまた急激に下がっていくことを、舞台ではまた別の感覚でリアルに感じ取れて、最後の、あのセリフが発せられるとともに、自らの運命を受け入れていくちゃーりーへの切ない感情が怒涛のように押し寄せてきて。
客席も、涙、涙。
今の部屋に置いてあったかな>原作。実家かな。いずれにしろ、も一度読んでみたいな。読んでみよ。

夏休み文楽公演@国立文楽劇場

続いては、これも先月だけど(汗)、恒例の、夏の浪花の文楽公演。
昨今は某市長のご発言で、ヘンに脚光を浴びてる、文楽(笑)。

今回は、第2部、第3部を一気観してまいりました。

■摂州合邦辻
・合邦辻庵室の場

お武家さまの若い後妻となった玉手御前が、義理の息子に恋い焦がれ、その果てに彼に毒を盛って醜い容貌にし、それを恥じて出奔した彼を追って自分も出奔。。。てな、ドロドロホームドラマなお話。。。ではあるのですが(笑)、そう見せかけて実は。。。なのですな。
合邦庵というのは、玉手御前の父合邦の庵室、つまり、彼女の実家。
恋しい義理の息子がここに匿われていると勘づいた玉手御前が、両親のもとに忍んでくるとこから、物語は始まる。

この、玉手御前、前に菊之助さんが演じる歌舞伎の舞台で観たとき、禁断の恋に身を焦がすヒトヅマの色香に圧倒されたものですが、和生さんが遣う今回のお人形の玉手御前も、色っぽいんですなー、人形なのに(笑)。
でもって、人形ならではのコミカルさが出るのは、義理の息子と一緒に匿われていたその許嫁と、嫉妬に狂って文字どおりつかみ合いのケンカをおっぱじめるとこ(笑)。
ま、それも実は裏があったりするんですがね。こういうシーンは、どこか面白くて、文楽ならではだなぁと。

■伊勢音頭恋寝刃
・古市油屋の段
・奥庭十人斬りの段


今だったら「逆切れした中年男性、盛り場で一般市民を片っ端から殺傷」てな感じで新聞の社会面に載って、ワイドショーのトップになるな(笑)。
主筋が紛失した銘刀とその折紙をめぐり、折紙を持っていると思われる敵役を自分の恋人の女郎に探らせようとする主人公。
愛しい彼のために、自分に言い寄るその敵役になびいたふりをして、そのあとで自害しようとする健気な恋人なのに、いろいろとすれ違い、主人公は恋人が自分を裏切ったと誤解。
そんなこんなのうえに誤解と焦りとが重なって、最後にワイドショーネタ(笑)に。
・・・それはさておき、この段のキーマンは、この油屋(置屋か料亭ね)の仲居万野。
人形の頭は・・・おおお!八汐!あの、日本がイライザ・ラガンと並ぶ悪役女と世界に誇る、あの八汐の頭っ!
この人形が出てくる話は絶対に面白い。てか、八汐人形って、ひたすら小憎らしくて、でも何気に細かく演技してて(笑)、でもって、意外に詰めが甘く最後は成敗。。。てな、本当にエンターテイメントに徹した悪役んだんもの。
今回の万野も、小憎らしくて楽しかったなー。歌舞伎で観た、秀太郎さんの万野より、もっとコミカルでね。

■契情倭荘子
・蝶の道行

あー、以前これ、歌舞伎で観たー。
相思相愛なれど、この世では結ばれずに終わった恋人同士が、雌雄一対の蝶々となり、ひらひら、いちゃいちゃ(笑)と、花咲く野で楽しそうに舞う。。。っての。
でも、蝶の命は短くて。。。なんだな。
うう、前観たときも思ったけど、文楽の舞踊劇ってのも決して嫌いじゃないんだけど、これは、どうしても、睡魔が。。。
すみませぬ<(_ _)>。


■曽根崎心中
・生玉社前の段
・天満屋の段
・天神森の段

某市長が観に行って「脚本が古い」とか何とかおっしゃったという、曰くつき(笑)。
確かに、古いと言えば、古いのかも。
でもって、身もフタもないといえば、フタもない、お話。
だってね、悪友に、店の金を騙し取られて、かつ横領の罪を着せられ、ああもうどうしようもないじゃあ死んじゃえー、じゃあ、一緒に心中しちゃえー、って、要はそういう話だもんね(^^;;。
正直、生玉社前の段、天満屋の段、は、ふぅんって、話で、それは何度観てもそうなのだけど(もちろん、面白いは面白いのだけど)、
やっぱり、この演目を何度も観てしまうのは、身もフタもない話とはいえ、天神森の段の心中道行のシーンがそれはそれは美しく哀しいから。
「この世の名残、世も名残」で始まる浄瑠璃も、まさに「奏でる」という表現がふさわしい三味線の音も、本当に美しいし、お初と徳兵衛の二人もそれはそれは美しいのです。
蓑助さんのお初と勘十郎さんの徳兵衛、これをリアルタイムで観られる幸せをかみしめるひとときなので、ありまする。

そう言えば、故・吉田玉男さんの徳兵衛と蓑助さんのお初ってのも、人気のコンビだったそうで。
残念ながら、玉男師匠の舞台をリアルで観ることはかなわなかった。残念。いつか、映像とかで観てみたいな。

ま、古かろうがなんだろうが、いいものはいい、好きなものは好きって、話ですよ、はい。

七月大歌舞伎@新橋演舞場

あー、また更新が滞って、おりました(汗)。
ここひと月ばかりに観た舞台の感想など、一気に行きまっせ。

6月は諸事情あって断念した澤瀉屋さんちの襲名披露公演。7月、満を持してまいりましたですよ。
1週おきで、夜の部→昼の部と観てまいりましたんで、その順で。

■将軍江戸を去る

幕末、最後の将軍慶喜が、天皇に恭順の意を示し、水戸へ蟄居するその前夜の物語。
いかにも、真山青果作品って感じの、会話劇。
薩長および明治新政府に対する不信感から、彰義隊を率いてもうひと旗あげちゃおうかって思っちゃった上様慶喜を、懸命に説得する山岡鉄太郎。
この二人の丁丁発止のセリフの応酬、綱豊卿に通じるね。
山岡鉄太郎は、中車さん@香川照之、さん。
ばりばりーの古典じゃなく、こういうのから入るのはアリだな。
ま、そうだろうな。
あと、中車さんの熱演もよかったけど、慶喜役の團十郎さんがすごかった。
黙って、山岡の言葉を聞いているときの表情一つ一つに、芸を感じましたですね。
さすが、成田屋。

しかし、この一連の史実を思うと、日本の、このころの指導者というか国家権力者って、真摯だよな。
私の絶賛愛読書の一つ、司馬遼太郎さんの『明治という国家』にもあるように、政治スタイルや価値観の差異はあっても、国家を思う心や、無私の精神ってのは共通してたような。
ま、中にはいろんな人がいたのかもしれないけどね。少なくとも、この舞台上の慶喜は、真摯だったなと。

■口上

6月より(って、観てないけど)、カジュアルな感じ?
今月は、猿翁さんはお出にならなかったけど、いわゆる客演(笑)の、市川宗家、成田屋さん親子の温かみのある口上がよかったっす。
海老蔵氏は、ホントに新・猿翁さんが大好きで、憧れてて、ってのがよくわかって。
しかし、ここで、梨園ビギナーの中車さんと他の役者さんの差をちょっと感じた。
なんだろう、よどみなく、すっきりと口上を述べるのって、これも一つの芸なんだな。
あと、すんごくすんごく気になったこと。
いわゆるちょんまげのね、髷がね、ウルトラマンみたいなのですよっ!
思わず、中村屋さんちの襲名披露口上の写真をググってしまったけど、やっぱり、澤瀉屋さんちはウルトラマンだー。
なんでだろ。お家の風習なのかしら。
ウルトラセブンのアイスラッガーみたく、飛ばせるのかしら(こらこら)。

でもって、とりあえず、團子ちゃんは、かぁいい。
もう、このままお家に持って帰って、テレビの横に飾っておきたいぐらい、かぁいい(^^)。

■黒塚

舞踊劇。お能の「黒塚(安達ヶ原)」が題材だそうで。
・・・え?安達ヶ原って、あの文楽の「奥州安達原」の、あれ?
・・・奥州安達原といえば、妊婦を殺してその胎児の血を絞り取ろうとした、あの鬼のおばーさんが出てくる、めっちゃコワい、アレ??
・・・そう。どうも、アレらしい(笑)。でも、アレほど、怖くなかった(笑)。
粗末な一軒家で、糸車をくりくりする老婆のもとに、一夜の宿を求めた僧とその弟子。
でも、その老婆の正体は、人を喰らう、鬼女だった!きゃーーー。
でも、この実は鬼女の老婆、そうと知らず親身に説法する僧の言葉に心打たれ、いったんは改心するのだが。。。

薪拾いに出かけた老婆が月明かりの下で踊るシーンが、なかなか。
ちょっと、歌舞伎っぽくない踊りだーって思ったら、ホントにそうだった。ロシアンバレエに想を得たとな。
さすが、新進気鋭の初代猿翁さま。そして、それを軽々と(だって結構な技量がいる踊りだったよー)踊っている、新猿之助さん。
猿になる前、亀のころから、踊りはステキだったもんねー。こういう演目は本当に、真骨頂だなと。

このお話、老婆が人を喰らって終わるんじゃないんだな。ちょっと、切ない幕切れ。
同じルーツのお話でも、こう結末が変わるってのが、面白いね。

■楼門五三桐

・・・って言っても、一幕だけですが。
湯豆腐で有名な(笑)南禅寺の山門におわすは、あの、石川五右衛門@海老蔵さま。
そこで、鷹が飛んできてーの、血まみれの布を持って来ーの、といろいろとあった後、山門に一人の巡礼姿の男が姿を見せる。
それはなんと、五右衛門の仇、真柴久吉@二代目猿翁さん!!キターッ!
ほんの少し、二人が対峙して終わり。。。のお話なのですが(猿翁さんのご体調的に、これが限界なんでしょうな)、猿翁さんのオーラ、ハンパなく。
客席で、泣いてたお客さんもいたもんなー。
新猿之助さんの今の姿、あるいは、この猿翁さんに憧れ、尊敬してやまないという海老蔵さんの言葉を聞くたび、新猿翁さんの全盛期をぜひ観たかった、てか、これからも、観たいなと。
あー、舞台って、やっぱ、生ものだわ。
観た日は超猛暑。翌日の舞台は、猿翁さん、休演なさったと。翌日は復帰されたようですが。
どうか、お体、お大事に。
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