2024年10月17日
被爆と被曝の被害をどう伝えていけるのか
前回のブログで、日本被団協が2024年のノーベル平和賞受賞について書いた。
それを読んでくれた友人、個人的にコメントをくれる場合が多い、が連絡してきてくれた。
一人は「被爆と被曝という言葉の広義狭義の解釈問題も解決していない。
劣化ウランの被曝もあるし、医療や発電の平和的原子力利用においても被爆者がいる」と。
だから日本は唯一の「原子力爆弾による被爆国」と入れたほうが良いとアドヴァイスしてくれた。
確かに戦後も1954年のビキニ環礁での第五福竜丸の被曝。
(ネットで検索したとき「被爆」と書いてあったが、私は「被曝」にした)
チェルノブイリや、記憶に新しい津波による福島の原発事故。
一気に大量の放射能を浴びたり、一定期間既定の濃度を超える放射能を体内に入れても、
著しく健康を害することはすでに周知の事実ではないだろうか。
アメリカのドキュメンタリーだったと思うが、
広島、長崎に使われた原爆の実験で、後から現場の人たちに多大な健康被害を引き起こしていた。
が、その因果関係は証明されず、といった内容だったと思う。
フランスもムルロア環礁での水爆実験を長年にわたり行ってきた。
私たちがライアテア島に住んでいた時の友人で、ムルロアで勤務したことのある軍にいた彼は、
40代で何癌だったか覚えていないが、癌で亡くなった。
その時だったと思う、ムルロアで勤務した軍関係者は癌に罹患している率が高いとも聞いた。
フランス政府はそうしたことを認めていないが、
フランスで癌治療が無料なのはそんなことも関係しているかもと、ふと思った。
そして広島に住む高校時代の友人が、記者会見に同席していた女学生について教えてくれた。
彼女たちは「高校生平和大使」といって、1998年に長崎の高校生二人が、
ニューヨークの国連本部に派遣されたのが始まりだという。
今年は27代目で、この広島の3人を含め、17都道府県から23名が選出されている。
2014年には民間人として初めて軍縮会議の場でスピーチを行い、
現在国連では「ヒロシマ・ナガサキ・ピース・メッセンジャー」として認知されているそうだ。
私は改めて彼女に日本国内での認知度についてどう思うか、と問うてみた。
彼女の感覚では、広島、長崎県民にとどまっていて、
残念ながら全国的には「あまり知られていない」気がする、と教えてくれた。
さらに彼女は続けて、8月6日と8月9日を、日本のほとんどの子供が何の日か知らなかった。
そんな悲しい報道を見た覚えがある、とも残念そうに付け加えていた。
私もこれは悲しいし、酷いと思う。大人の責任だ。
被団協とは別に、日本には原水爆禁止運動が第五福竜丸の被曝を機に起こったが、
政治政党が介在し、イデオロギーの違いから分裂して現在に至っていると知った。
今もそんなことを引きずっているようだが、この世界の動きの中で、
自国民にもきっちりアピールできていないようでは世界を相手にどうするのだろうか。
国連や軍縮会議も大事だが、もっと草の根の世界の連帯だって今は可能だろう。
イスラエルの駐日大使が被団協の理事の受賞スピーチでガザを引き合いに出したことに対し、
80年前とは事情が違うと抗議したと、どこかの新聞記事で読んだ。
事情はどうあれ、結果は同じだ。何も80年前と違わない、と私は思う。
イスラエルも核兵器を持っている。
けして遠い世界の話でも、過去の問題でもないのが現状なのだ。
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