2016年04月
2016年04月30日
2016年04月29日
2016年04月28日
認知症
雨
冷たい雨の一日、地震の被害にあって今も避難生活をしている人たちにに心を寄せながら過ごした。
認知症と診断された妻の介護保険認定が「要介護1」と出て役所より書類が届いているが今のところ特別なことはしていない。何とかこれまで通りに生活できるようにしていきたいと思っている。
先日、友人の細江君が大橋さんから預かったという一冊の本を届けてくれた。
本の名前は「認知症になった私が伝えたいこと」というもので、著者は認知症で要介護1に認定されているという佐藤雅彦さんという方である。
これまで私が読んだ本は、医師や介護人の立場から書かれた本が多く「如何に認知症患者を理解し付き合うか」という観点の本が多かったが、この本は認知症患者本人が書いた本であるために認知症そのものを理解するのに役立った。
自分が認知症であることを認めたくない妻はこのような本を含めてテレビ画面からも目を背けていたが、今回は読んでみる気になって一気に読み終えることができた。
読み終えた後、このような感想を書き残してあった。
これからこの気持ちを忘れずにお互いに頑張りすぎないように頑張っていきたいと思う。
認知症の患者と付き合った人ならわかるかもしれないけど・・・・・「みんなちがってみんないい」の気持ちを持ち続けて介護しながら成長していけたらと思う。
冷たい雨の一日、地震の被害にあって今も避難生活をしている人たちにに心を寄せながら過ごした。
認知症と診断された妻の介護保険認定が「要介護1」と出て役所より書類が届いているが今のところ特別なことはしていない。何とかこれまで通りに生活できるようにしていきたいと思っている。
先日、友人の細江君が大橋さんから預かったという一冊の本を届けてくれた。
本の名前は「認知症になった私が伝えたいこと」というもので、著者は認知症で要介護1に認定されているという佐藤雅彦さんという方である。
これまで私が読んだ本は、医師や介護人の立場から書かれた本が多く「如何に認知症患者を理解し付き合うか」という観点の本が多かったが、この本は認知症患者本人が書いた本であるために認知症そのものを理解するのに役立った。
自分が認知症であることを認めたくない妻はこのような本を含めてテレビ画面からも目を背けていたが、今回は読んでみる気になって一気に読み終えることができた。
読み終えた後、このような感想を書き残してあった。これからこの気持ちを忘れずにお互いに頑張りすぎないように頑張っていきたいと思う。
認知症の患者と付き合った人ならわかるかもしれないけど・・・・・「みんなちがってみんないい」の気持ちを持ち続けて介護しながら成長していけたらと思う。
2016年04月27日
2016年04月26日
羊と鋼の森
晴れ
本年度本屋大賞に選ばれた宮下奈都の作品「羊と鋼の森」を読み終えた。
眼の調子が今一つで一度に何ページも読めないので何日かかかったが、久しぶりに一冊の長編小説を読み終えることができた。
この本は、ピアノの調律に魅せられた一人の青年の物語で、彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴られている。
本文にはこのような一説もある。
・・・・・ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。・・・・・
長男の誠が調律師として活躍していることもあって、我が子の成長ドラマのように読み終えた。
今まで知ることのなかった調律師の仕事の素晴らしさがわかり、長男の仕事を理解することもできた。
本年度本屋大賞に選ばれた宮下奈都の作品「羊と鋼の森」を読み終えた。
眼の調子が今一つで一度に何ページも読めないので何日かかかったが、久しぶりに一冊の長編小説を読み終えることができた。
この本は、ピアノの調律に魅せられた一人の青年の物語で、彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴られている。
本文にはこのような一説もある。
・・・・・ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。・・・・・
長男の誠が調律師として活躍していることもあって、我が子の成長ドラマのように読み終えた。
今まで知ることのなかった調律師の仕事の素晴らしさがわかり、長男の仕事を理解することもできた。
2016年04月25日
ジャングルに咲く
晴れ
夢道場裏庭はまるでジャングルのようだ。
手入れをすれば少しは良い庭なのだが・・・・、何もかも自然のままがよいのだと自負しているヤッチョマンのせいでこのような姿になっている。
広いお屋敷に草一本生えていないお隣のお庭に比べて見苦しい限りだ。
それでも一年中、何かの草花が咲いている。
夏になるとたくさんのセミがここで誕生している。
スズメさんをはじめ多くの小鳥たちがやってくる。かわいい顔をしたイタチさんまでも訪れてくれる。
現在の裏庭一面に勢力を伸ばしているのはギボシとホトトギスだこれまではドクダミが一番力を持っていたが三番手に下がった。
その他、名もなき草花たちが可憐な花を咲かせている。
だからどんな草も取りたくはないのだが・・・・少しだけでも草取りをしようと頑張ってみた。
腰が痛くなるので折り畳みの椅子に腰かけながらの作業はちっともはかどらない。
それでも天敵の蚊が現れる前には何とかしたいと考えている。
夢道場裏庭はまるでジャングルのようだ。
手入れをすれば少しは良い庭なのだが・・・・、何もかも自然のままがよいのだと自負しているヤッチョマンのせいでこのような姿になっている。
広いお屋敷に草一本生えていないお隣のお庭に比べて見苦しい限りだ。
それでも一年中、何かの草花が咲いている。
夏になるとたくさんのセミがここで誕生している。
スズメさんをはじめ多くの小鳥たちがやってくる。かわいい顔をしたイタチさんまでも訪れてくれる。
現在の裏庭一面に勢力を伸ばしているのはギボシとホトトギスだこれまではドクダミが一番力を持っていたが三番手に下がった。
その他、名もなき草花たちが可憐な花を咲かせている。
だからどんな草も取りたくはないのだが・・・・少しだけでも草取りをしようと頑張ってみた。
腰が痛くなるので折り畳みの椅子に腰かけながらの作業はちっともはかどらない。
それでも天敵の蚊が現れる前には何とかしたいと考えている。
2016年04月24日
濃尾地震について
晴れ
熊本地方では今も地震が続いている。
この地方でもいつ地震が起きるかもしれないという状況に変わりはない。
先日のホーネット郷土史研究会で提出した資料を松岡さんが解読してくださったので今後に役立てるため以下に記録しておきます。ここを訪れるみなさんにも役立てていただけたら幸いです。
谷内尾さん提供の西春日井郡誌の濃尾地震記録から
1891年国内最大の直下型地震・濃尾地震を知る
2016.4.23 松岡洋文
濃尾地震について、現・羽島市で生まれ育った義理の祖母、母から当時の模様を耳にしてはいましたが、とくにそのことについて考えてみようということはありませんでした。
今回熊本地震によって、谷内尾さんが、地元の方から譲り受けていた郷土史料のなかに当時のその時の状況を記した西春日井郡誌資料を見つけ、例会に持参されました。そこで近現代文とはいえ、難解なところがあることから、私が現在風に読み替える作業を依頼されました。
とりあえず、数日間での作業でしたので、最小限必要な注釈を加え、まとめてみました。今後例会で話合いを深め、充実させて行ければと思っています。
１．濃尾地震について
1891年（明治24年）10月28日午前6時38分50秒、濃尾断層が76�劼砲錣燭辰得效如�地震規模は震源地（岐阜県本巣郡根尾村）M8.0、日本の内陸地震最大の地震発生。岐阜県本巣郡根尾村（現本巣市）水鳥（みどり）では、西側地面約6ｍ隆起、左横ずれ約3ｍの地割れが起きた。根尾谷断層中央部では左横ずれが約8ｍに及んだ。
濃尾断層帯とは、温見（ぬくみ）断層、濃尾断層帯主部、揖斐川（いびがわ）断層帯、武儀川（むぎがわ）断層からなる断層帯。
温見断層は、福井県今立（いまだて）郡池田町から大野市南部を経て岐阜県本巣市北部に至る、長さ約36kmの断層。
濃尾断層帯主部は、福井県大野市南部から、岐阜県本巣市、岐阜市北部、山県市南部、関市を経て、美濃加茂市と加茂郡坂祝（さかほぎ）町の境界付近に至る、長さ約55kmの断層帯で、大野市南部から岐阜市北西部に至る根尾谷断層帯、本巣市から美濃加茂市、坂祝町境界に至る梅原断層帯、岐阜市北部に分布する三田洞（みたほら）断層帯に区分される。
２．被害状況について
死者は、美濃（岐阜県）4,889人、尾張（愛知県）2,331人、他県53人、計7,273人。
負傷者―美濃（岐阜県）12,311人、尾張（愛知県）4,550人、他県314人、計17,175人。
家屋被害―濃美（岐阜県）・全壊70,048戸、半壊30,994戸、尾張（愛知県）・全壊67,771戸、半壊43,570戸、他県・4,358戸、半壊5,760戸、総計・全壊142,177戸、半壊80,324戸。
被害地域は、木曽川、長良川、揖斐川に沿う地盤軟弱な輪中地域の被害著しい。
時刻として朝食支度時間ということもあってかまどから出火があった。美濃では、岐阜市鍛冶屋町から燃え広がり、北西からの強風で市内大半が焼尽。葉栗郡（現・羽島郡）笠松町では町の9割が焼失。
尾張では、犬山町（現・犬山市）で1,000軒の家屋倒壊、犬山城・天守閣の南端が崩落。
３．西春日井郡の記録を現在風に読み解く
（１）「第二項 濃尾の大地震に拠りて生じたる被害の状況」
被害程度は、濃尾両国（美濃、尾張）中の第2位。西枇杷島町、清洲町は、最も惨憺を極めた。西枇杷島町では、家屋全壊・半倒壊171戸、全焼家屋29戸、死者（焼死含む）102人、重傷者119人。街路は亀裂、泥土噴出。下小田井堤上の民家が、約30尺（30×30.3�僊�9ｍ）陥落。約10ａ（約1反＝300坪 ＝ 991.74�� ）の竹藪がその場で田に転ずるなどの奇観が見られた。枇杷島橋（木製）が傾斜、中央が折れ河水に浸る。鉄道線路の煉瓦造りの眼鏡橋が全部倒壊、悲惨、混乱、言いようがない。
師団の兵士が救急に入ったが、家屋倒壊による圧死、父を失い、母と別れ、泣き叫ぶ幼児、死者は殆どが打撲、裂傷、骨折、悲惨な死、惨状極まりない。なお慄然としたなか、今、西春日井郡役所から県に報告した書類、その他の記事の全文、要項を左に示す。
（２）「西春日井郡震災事務取扱順序（愛知県へ報告）」
明治24年10月28日午前6時40分頃、大地震発生、郡庁舎（郡衙）近傍に居住する郡職員はただちに駆けつける。庁舎は大破していたが、倒壊してはいなかった。この時点で、枇杷島及び枇杷島町で数か所の出火、郡長、職員数名が火災現場に駆け付ける。現場では、数名の警官、憲兵が消火に当たるなかで、住民は家屋の倒壊、死傷者を目前に、消火もできず、茫然自失の状態にあった。郡長、郡職員は警察と協力して住民に消火や負傷者救出活動を促すとともに、郡書記官を県庁に派遣、医療救護隊、県職員数名の郡への派遣を要請、また（直間税？）税務署の分署長とも面談、同職員の支援を求め、消火と被災者救出活動を続けた。
罹災者のなかには、朝食も摂れず、空腹を訴える人もあり、米を買い入れようとするが、近傍になく、上小田井青年会に依頼、米1石（150�圈砲鮗茲蟯鵑察�郡庁舎で炊き出し、群がる（麕集―くんしゅう、きんしゅう）罹災者に配給、たちまち底をつき、県に米を要請、県は早々に米を発送するとともに、師団にも依頼、兵士が分隊炊飯器を携え、郡庁舎に向かう伝達を受けて、1分隊を新川町にも派遣要請、郡庁舎と新川町で炊き出しを行う。また清洲町にも精米を分配、当町でも炊き出し場所を設ける。職員は各所の給食支援に従事した。（中略）負傷者の手当ては、医療救護隊派遣要請をしてあることから、郡庁内の空き地、庁舎裏手の空き地に日よけ、風よけを設け、治療所を準備し、負傷者を集める。午後愛知病院（名古屋大学病院の前身）から医療救護隊が到着、ただちに治療を託す。医療救護隊のうち数人が中島郡一宮町に向かうということから、職員が同行し、新川、清洲両町内の負傷者を途中で治療するように要請する。明けて29日も郡庁舎と清洲町で治療が続いたが、同郡内の好生館（キリスト系の医療施設？）の医療職員が郡内の医療救護に当たることとなり、その後は郡庁舎、清洲町の救急施設で治療を行っている。
本郡庁舎は、大破し、室内では執務ができず、震災当日より庁舎の空き地に小屋を設営している。10月30日、郡職員中、罹災調査、備荒儲畜（びこうちょちく、備荒貯蓄―災害に対する蓄え）支給、負傷者救援等の分担を決める。
（３）「地震治療所（郡記録）」
地震の当日、まず郡職員を派遣、西枇杷島町鳥居真之介医師に負傷者の診療を依頼したが、如何せん薬剤、医療機器など破損し、手術もできず、応急手当しかできず、愛知病院医師の派遣を求め、負傷者を郡庁舎に収容し、治療を開始する。その後、清洲、新川両町にも治療所を設け、職員は各戸を訪問、負傷者を誘導、重傷者は人夫を派遣して、同治療所、愛知病院、好生館に搬送し、救急医療を行う。また新川治療所は清洲、枇杷島治療所の中間ということから、どちらか近い方に通院することをもって、11月7日に閉鎖した。
こうして好生館医師が11月1日より郡内を担当、治療に従事することになったが、ここに一種、困ったことが起きた。好生館医師が治療所に行くと、室内に入るはもとより、患者が診療を受けることを嫌がる事態が生まれた。郡内は熱心な仏教徒多く、外国人が来て種々の慈善行為を行うというより、キリスト教徒である自分たちが治療所を目当てにして、負傷者もこの際キリスト教に勧誘しようとしている、ここで受診するより、他の医療機関に行った方がよいとの誤解が起きた。このことが一般住民にも浸透し、受療に影響を及ぼし、創傷を化膿させる者も出てきた。
そこで郡職員は、負傷者に受療を促し、患者は黙して応じなかったが、いろいろと説得した結果、まったくの慈善医療行為であって宗教勧誘のものではないことを理解し、その後は続々と受療者が増加し、したがって枇杷島治療所の入院者も増加した。
11月17日になって清洲治療所の患者も大いに減り、30余名となり、好生館医療職員も多忙ということで、当該患者を同地の林良助医師に託し、明治25年1月25日患者はすべて全治した。枇杷島治療所も通院者が殆どが全治、入院者も退院、12月25日同治療所は閉鎖、未完治の重傷者3名は好生館に入院させた。
治療所で治療した患者総数は、重傷で入院した患者18人、通院治療55人、軽傷者626人、生活困窮者の一般患者の重症者2人、軽症者11人、そのほか郡内の医院での受診者100余人、売薬で治療している者多数となっている。
枇杷島治療所付属病室は、名古屋在住の外国人、ウォール・デン氏の好意によって板屋間口10間、奥行2間で建設されたもの。入院者の食事は、名古屋キリスト教会救済会の支援によるもの。看護婦は横浜聖経女学生、青木ゆきという方、12月25日まで篤志の看護に従事。
（４）西春日井郡の地震強度と被害（地図、表にもとづいて）
�〃監發龍�震地域は、現在の清須市、北名古屋市、名古屋市西区枇杷島町、西枇杷島町。
��激震地域は、現在の岩倉市、北名古屋市、名古屋市西区、北区の一部に北西から南東に向けて線状となっている。
�Ｈ鏗欧梁腓�かった地域では、当時の西枇杷島町―死者97人、負傷者119人、家屋倒壊871戸、枇杷島町―死者43人、負傷者56人、家屋倒壊532戸。表は一部欠落しているかもしれないので被害の大きい2町とした。
熊本地方では今も地震が続いている。
この地方でもいつ地震が起きるかもしれないという状況に変わりはない。
先日のホーネット郷土史研究会で提出した資料を松岡さんが解読してくださったので今後に役立てるため以下に記録しておきます。ここを訪れるみなさんにも役立てていただけたら幸いです。
谷内尾さん提供の西春日井郡誌の濃尾地震記録から
1891年国内最大の直下型地震・濃尾地震を知る
2016.4.23 松岡洋文
濃尾地震について、現・羽島市で生まれ育った義理の祖母、母から当時の模様を耳にしてはいましたが、とくにそのことについて考えてみようということはありませんでした。
今回熊本地震によって、谷内尾さんが、地元の方から譲り受けていた郷土史料のなかに当時のその時の状況を記した西春日井郡誌資料を見つけ、例会に持参されました。そこで近現代文とはいえ、難解なところがあることから、私が現在風に読み替える作業を依頼されました。
とりあえず、数日間での作業でしたので、最小限必要な注釈を加え、まとめてみました。今後例会で話合いを深め、充実させて行ければと思っています。
１．濃尾地震について
1891年（明治24年）10月28日午前6時38分50秒、濃尾断層が76�劼砲錣燭辰得效如�地震規模は震源地（岐阜県本巣郡根尾村）M8.0、日本の内陸地震最大の地震発生。岐阜県本巣郡根尾村（現本巣市）水鳥（みどり）では、西側地面約6ｍ隆起、左横ずれ約3ｍの地割れが起きた。根尾谷断層中央部では左横ずれが約8ｍに及んだ。
濃尾断層帯とは、温見（ぬくみ）断層、濃尾断層帯主部、揖斐川（いびがわ）断層帯、武儀川（むぎがわ）断層からなる断層帯。
温見断層は、福井県今立（いまだて）郡池田町から大野市南部を経て岐阜県本巣市北部に至る、長さ約36kmの断層。
濃尾断層帯主部は、福井県大野市南部から、岐阜県本巣市、岐阜市北部、山県市南部、関市を経て、美濃加茂市と加茂郡坂祝（さかほぎ）町の境界付近に至る、長さ約55kmの断層帯で、大野市南部から岐阜市北西部に至る根尾谷断層帯、本巣市から美濃加茂市、坂祝町境界に至る梅原断層帯、岐阜市北部に分布する三田洞（みたほら）断層帯に区分される。
２．被害状況について
死者は、美濃（岐阜県）4,889人、尾張（愛知県）2,331人、他県53人、計7,273人。
負傷者―美濃（岐阜県）12,311人、尾張（愛知県）4,550人、他県314人、計17,175人。
家屋被害―濃美（岐阜県）・全壊70,048戸、半壊30,994戸、尾張（愛知県）・全壊67,771戸、半壊43,570戸、他県・4,358戸、半壊5,760戸、総計・全壊142,177戸、半壊80,324戸。
被害地域は、木曽川、長良川、揖斐川に沿う地盤軟弱な輪中地域の被害著しい。
時刻として朝食支度時間ということもあってかまどから出火があった。美濃では、岐阜市鍛冶屋町から燃え広がり、北西からの強風で市内大半が焼尽。葉栗郡（現・羽島郡）笠松町では町の9割が焼失。
尾張では、犬山町（現・犬山市）で1,000軒の家屋倒壊、犬山城・天守閣の南端が崩落。
３．西春日井郡の記録を現在風に読み解く
（１）「第二項 濃尾の大地震に拠りて生じたる被害の状況」
被害程度は、濃尾両国（美濃、尾張）中の第2位。西枇杷島町、清洲町は、最も惨憺を極めた。西枇杷島町では、家屋全壊・半倒壊171戸、全焼家屋29戸、死者（焼死含む）102人、重傷者119人。街路は亀裂、泥土噴出。下小田井堤上の民家が、約30尺（30×30.3�僊�9ｍ）陥落。約10ａ（約1反＝300坪 ＝ 991.74�� ）の竹藪がその場で田に転ずるなどの奇観が見られた。枇杷島橋（木製）が傾斜、中央が折れ河水に浸る。鉄道線路の煉瓦造りの眼鏡橋が全部倒壊、悲惨、混乱、言いようがない。
師団の兵士が救急に入ったが、家屋倒壊による圧死、父を失い、母と別れ、泣き叫ぶ幼児、死者は殆どが打撲、裂傷、骨折、悲惨な死、惨状極まりない。なお慄然としたなか、今、西春日井郡役所から県に報告した書類、その他の記事の全文、要項を左に示す。
（２）「西春日井郡震災事務取扱順序（愛知県へ報告）」
明治24年10月28日午前6時40分頃、大地震発生、郡庁舎（郡衙）近傍に居住する郡職員はただちに駆けつける。庁舎は大破していたが、倒壊してはいなかった。この時点で、枇杷島及び枇杷島町で数か所の出火、郡長、職員数名が火災現場に駆け付ける。現場では、数名の警官、憲兵が消火に当たるなかで、住民は家屋の倒壊、死傷者を目前に、消火もできず、茫然自失の状態にあった。郡長、郡職員は警察と協力して住民に消火や負傷者救出活動を促すとともに、郡書記官を県庁に派遣、医療救護隊、県職員数名の郡への派遣を要請、また（直間税？）税務署の分署長とも面談、同職員の支援を求め、消火と被災者救出活動を続けた。
罹災者のなかには、朝食も摂れず、空腹を訴える人もあり、米を買い入れようとするが、近傍になく、上小田井青年会に依頼、米1石（150�圈砲鮗茲蟯鵑察�郡庁舎で炊き出し、群がる（麕集―くんしゅう、きんしゅう）罹災者に配給、たちまち底をつき、県に米を要請、県は早々に米を発送するとともに、師団にも依頼、兵士が分隊炊飯器を携え、郡庁舎に向かう伝達を受けて、1分隊を新川町にも派遣要請、郡庁舎と新川町で炊き出しを行う。また清洲町にも精米を分配、当町でも炊き出し場所を設ける。職員は各所の給食支援に従事した。（中略）負傷者の手当ては、医療救護隊派遣要請をしてあることから、郡庁内の空き地、庁舎裏手の空き地に日よけ、風よけを設け、治療所を準備し、負傷者を集める。午後愛知病院（名古屋大学病院の前身）から医療救護隊が到着、ただちに治療を託す。医療救護隊のうち数人が中島郡一宮町に向かうということから、職員が同行し、新川、清洲両町内の負傷者を途中で治療するように要請する。明けて29日も郡庁舎と清洲町で治療が続いたが、同郡内の好生館（キリスト系の医療施設？）の医療職員が郡内の医療救護に当たることとなり、その後は郡庁舎、清洲町の救急施設で治療を行っている。
本郡庁舎は、大破し、室内では執務ができず、震災当日より庁舎の空き地に小屋を設営している。10月30日、郡職員中、罹災調査、備荒儲畜（びこうちょちく、備荒貯蓄―災害に対する蓄え）支給、負傷者救援等の分担を決める。
（３）「地震治療所（郡記録）」
地震の当日、まず郡職員を派遣、西枇杷島町鳥居真之介医師に負傷者の診療を依頼したが、如何せん薬剤、医療機器など破損し、手術もできず、応急手当しかできず、愛知病院医師の派遣を求め、負傷者を郡庁舎に収容し、治療を開始する。その後、清洲、新川両町にも治療所を設け、職員は各戸を訪問、負傷者を誘導、重傷者は人夫を派遣して、同治療所、愛知病院、好生館に搬送し、救急医療を行う。また新川治療所は清洲、枇杷島治療所の中間ということから、どちらか近い方に通院することをもって、11月7日に閉鎖した。
こうして好生館医師が11月1日より郡内を担当、治療に従事することになったが、ここに一種、困ったことが起きた。好生館医師が治療所に行くと、室内に入るはもとより、患者が診療を受けることを嫌がる事態が生まれた。郡内は熱心な仏教徒多く、外国人が来て種々の慈善行為を行うというより、キリスト教徒である自分たちが治療所を目当てにして、負傷者もこの際キリスト教に勧誘しようとしている、ここで受診するより、他の医療機関に行った方がよいとの誤解が起きた。このことが一般住民にも浸透し、受療に影響を及ぼし、創傷を化膿させる者も出てきた。
そこで郡職員は、負傷者に受療を促し、患者は黙して応じなかったが、いろいろと説得した結果、まったくの慈善医療行為であって宗教勧誘のものではないことを理解し、その後は続々と受療者が増加し、したがって枇杷島治療所の入院者も増加した。
11月17日になって清洲治療所の患者も大いに減り、30余名となり、好生館医療職員も多忙ということで、当該患者を同地の林良助医師に託し、明治25年1月25日患者はすべて全治した。枇杷島治療所も通院者が殆どが全治、入院者も退院、12月25日同治療所は閉鎖、未完治の重傷者3名は好生館に入院させた。
治療所で治療した患者総数は、重傷で入院した患者18人、通院治療55人、軽傷者626人、生活困窮者の一般患者の重症者2人、軽症者11人、そのほか郡内の医院での受診者100余人、売薬で治療している者多数となっている。
枇杷島治療所付属病室は、名古屋在住の外国人、ウォール・デン氏の好意によって板屋間口10間、奥行2間で建設されたもの。入院者の食事は、名古屋キリスト教会救済会の支援によるもの。看護婦は横浜聖経女学生、青木ゆきという方、12月25日まで篤志の看護に従事。
（４）西春日井郡の地震強度と被害（地図、表にもとづいて）
�〃監發龍�震地域は、現在の清須市、北名古屋市、名古屋市西区枇杷島町、西枇杷島町。
��激震地域は、現在の岩倉市、北名古屋市、名古屋市西区、北区の一部に北西から南東に向けて線状となっている。
�Ｈ鏗欧梁腓�かった地域では、当時の西枇杷島町―死者97人、負傷者119人、家屋倒壊871戸、枇杷島町―死者43人、負傷者56人、家屋倒壊532戸。表は一部欠落しているかもしれないので被害の大きい2町とした。
2016年04月23日
2016年04月22日
2016年04月21日
郷土史研究会
雨
午前中、ホーネット事務所で開催された「郷土史研究会」に参加した。
今回のテーマは「身近な民衆・民主主義運動」について話し合う予定であったが、参加者も少なかったので私が急きょ用意して持参した「濃尾地震」について話し合った。
資料は夢道場蔵書の中から取り出した西春日井郡誌によるものである。
熊本で発生している地震について話し合いながらこの地方で発生した大地震についての記録の掘り起こしをした。
ここにお立ち寄りのみなさんにも参考のためにお見せしますので、クリックして拡大し読んでみてください。
この中の2ページ目を松岡さんに次のように解読していただいた。
西春日井郡震災事務取扱順序（愛知県へ報告）
明治24年10月28日午前6時40分頃、大地震発生、郡庁舎近傍に居住する郡職員はただちに駆けつける。庁舎は大破していたが、倒壊してはいなかった。この時点で、枇杷島及び枇杷島町で数か所の出火、郡長、職員数名が火災現場に駆け付ける。現場では、数名の警官、憲兵が消火に当たるなかで、住民は家屋の倒壊、死傷者を目前に、消火もできず、茫然自失の状態にあった。郡長、郡職員は警察と協力して住民に消火や負傷者救出活動を促すとともに、郡書記官を県庁に派遣、医療救護隊、県職員数名の郡への派遣を要請、また（直間税？）税務署の分署長とも面談、同職員の支援を求め、消火と被災者救出活動を続けた。
罹災者のなかには、朝食も摂れず、空腹を訴える人もあり、米を買い入れようとするが、近傍になく、上小田井青年会に依頼、米1石（150�圈砲鮗茲蟯鵑察�郡庁舎で炊き出し、群がる（麕集）罹災者に配給、たちまち底をつき、県に米を要請、県は早々に米を発送するとともに、師団にも依頼、兵士が分隊炊飯器を携え、郡庁舎に向かうに当たり、1分隊を新川町に派遣要請、郡庁舎と新川町で炊き出しを行う。また清洲町にも精米を分配、当町でも炊き出し場所を設ける。職員は各所の給食支援に従事した。（中略）負傷者の手当ては、医療救護隊派遣要請をしてあることから、郡庁内の空き地、庁舎裏手の空き地に日よけ、風よけを設け、治療所を準備し、負傷者を集める。午後愛知病院から医療救護隊が到着、ただちに治療を託す。医療救護隊のうち数人が中島郡一宮町に向かうということから、職員が同行し、新川、清洲両町内の負傷者を途中で治療するように要請する。明けて29日も郡庁舎と清洲町で治療が続いたが、同郡内の好生館病院医療職員が郡内の医療救護に当たることとなり、その後は郡庁舎、清洲町の救急施設で治療を行っている。
本郡庁舎は、大破し、室内では執務ができず、震災当日より庁舎の空き地に小屋を設営している。10月30日、郡職員中、罹災調査、備荒儲畜（備荒貯蓄―災害に対する蓄え）支給、負傷者救援等の分担を決める。
2016.4.21 松岡洋文
午前中、ホーネット事務所で開催された「郷土史研究会」に参加した。
今回のテーマは「身近な民衆・民主主義運動」について話し合う予定であったが、参加者も少なかったので私が急きょ用意して持参した「濃尾地震」について話し合った。
資料は夢道場蔵書の中から取り出した西春日井郡誌によるものである。
熊本で発生している地震について話し合いながらこの地方で発生した大地震についての記録の掘り起こしをした。
ここにお立ち寄りのみなさんにも参考のためにお見せしますので、クリックして拡大し読んでみてください。
この中の2ページ目を松岡さんに次のように解読していただいた。
西春日井郡震災事務取扱順序（愛知県へ報告）
明治24年10月28日午前6時40分頃、大地震発生、郡庁舎近傍に居住する郡職員はただちに駆けつける。庁舎は大破していたが、倒壊してはいなかった。この時点で、枇杷島及び枇杷島町で数か所の出火、郡長、職員数名が火災現場に駆け付ける。現場では、数名の警官、憲兵が消火に当たるなかで、住民は家屋の倒壊、死傷者を目前に、消火もできず、茫然自失の状態にあった。郡長、郡職員は警察と協力して住民に消火や負傷者救出活動を促すとともに、郡書記官を県庁に派遣、医療救護隊、県職員数名の郡への派遣を要請、また（直間税？）税務署の分署長とも面談、同職員の支援を求め、消火と被災者救出活動を続けた。
罹災者のなかには、朝食も摂れず、空腹を訴える人もあり、米を買い入れようとするが、近傍になく、上小田井青年会に依頼、米1石（150�圈砲鮗茲蟯鵑察�郡庁舎で炊き出し、群がる（麕集）罹災者に配給、たちまち底をつき、県に米を要請、県は早々に米を発送するとともに、師団にも依頼、兵士が分隊炊飯器を携え、郡庁舎に向かうに当たり、1分隊を新川町に派遣要請、郡庁舎と新川町で炊き出しを行う。また清洲町にも精米を分配、当町でも炊き出し場所を設ける。職員は各所の給食支援に従事した。（中略）負傷者の手当ては、医療救護隊派遣要請をしてあることから、郡庁内の空き地、庁舎裏手の空き地に日よけ、風よけを設け、治療所を準備し、負傷者を集める。午後愛知病院から医療救護隊が到着、ただちに治療を託す。医療救護隊のうち数人が中島郡一宮町に向かうということから、職員が同行し、新川、清洲両町内の負傷者を途中で治療するように要請する。明けて29日も郡庁舎と清洲町で治療が続いたが、同郡内の好生館病院医療職員が郡内の医療救護に当たることとなり、その後は郡庁舎、清洲町の救急施設で治療を行っている。
本郡庁舎は、大破し、室内では執務ができず、震災当日より庁舎の空き地に小屋を設営している。10月30日、郡職員中、罹災調査、備荒儲畜（備荒貯蓄―災害に対する蓄え）支給、負傷者救援等の分担を決める。
2016.4.21 松岡洋文
