■なんだか昨日と今日は雑誌編集者を絵に描いたような日だった。いろいろなひとと初めて出会い、いろいろなひとと話をし、いろいろなひとと電話をした。こういう日々は充実感があるんだけれど、なんだか初めて東京に行ったときのように疲れてしまう。
■雑誌のネタにはならないけど、なかなかおもしろかった話をふたつほど。ひとつは、江戸時代の飛脚は手と足が一緒に動いていたらしいということ。ひょんなことから、そう教えられた。
■「あれかずいでっと、しぜーんと、あーなるみでぇだねぇ(あれを担いでいると、自然とそうなるみたいですよ)」ってね。たしかに言われてみればそんな気はするけど、どうかしらん。明日、佐川急便を凝視しまっせ。
■ふたつめは、カメムシとカマキリの卵が少ない年は雪が少ないということ。これはどういう因果関係なのかは不明らしいが、かなりの有名な言いつたえみたい。ただ、本当にそうなら気象庁はもっとカメムシとカマキリの卵を取り上げているとは感じたけどね。
■さて今日、鹿島アントラーズの秋田豊が戦力外通告を受けた。サポーターの動揺ぶりをみるかぎり、相当な決断をフロントは下したみたい。ぼくが「いまのJリーグでNO.1のFW」と吹聴していたエウレルでさえ「来季非契約」の結論。
■今季は低迷したアントラーズ。同時に戦力外を受けた相馬直樹しかり、どうやら低迷の原因はディフェンスにあるとフロントは睨んだのだろう。現代プロ・スポーツは強いチームに限ってディフェンスがいい。
■和田・杉内・斉藤貢で日本一になった福岡ダイエー・ホークス、ウィリアムスの強烈なタックルで世界一になったラグビーのイングランド、ウォーレン・サップを中心とした最強DL陣を誇ってスーパーボウル王者になったタンパベイ・バッカニアーズ。前例は多い。
■それゆえ、アントラーズの決断は「あのアントラーズ」が下した決断だけに興味がある。「秋田と相馬がいなくなって鹿島は弱くなった」とは言われたくないアントラーズDF陣は奮起するだろうし、逆に秋田は次の移籍先でアントラーズ戦に執念を燃やすだろう。ちなみにぼくの直感では、秋田はジュビロ磐田に移籍しそうな気がする。
■モンテディオ山形でも小久保純と斉藤武志というぼくと同い年の両選手が戦力外通告を受けた。取材を重ね、気心が知れていた両選手だっただけに残念だ。小久保が持っていた独特のサッカー観、ゴールキーパー特有の孤独感と格闘し続けた斉藤武志がぼくは好きだった。
■少なくとも、来季、山形の選手としての彼らを観られないのが残念でならない。ここで何回も書いているように、ぼくは「松井が打った50本のホームラン」よりも「松井にホームランを打たれた50人のピッチャー」に興味がある。
■先の両選手は、Jリーグ・ディビジョン2というカテゴリーで、ぼくにその興味を抱かせた選手だった。次に会うときは、ぜひスタジアムのインタビュー・ブースであることをぼくは祈っている。
■この時期はフットボーラーのストーブ・リーグ。フットボールファンとして、種々の現実を受け入れるのには結構な時間がかかってしまう。しかしそんなとき、ひとに「鉄のハート」と呼ばれるほどの冷静さを、ぼくはなんとなく忌み嫌ってしまったりもする。