American Economic Review の最新巻(June 2008)が届いていました。その巻頭にて昨年ノーベル賞を受賞したマスキン、故ハーヴィッツ、マイヤーソン三氏がメカニズム・デザインについて寄稿しています。
Mechanism Design: How to Implement Social Goals
By Eric Maskin

But Who Will Guard the Guardians?
By Leonid Hurwicz

Perspectives on Mechanism Design in Economic Theory
By Roger Myerson

他には、以前ワーキング・ペーパーで読ませて頂いたマーケット・デザイン系の論文が2本掲載されていました。ErdilさんはシカゴでPh.D.を取った後HBSでRothの下でポスドクに就き、そこから私と同じタイミングでジョブ・マーケットに出ていました。この論文はその時のジョブ・ペーパーです。共著論文(しかも共著者Erginが当時MIT助教授で若手最注目株!)なのでかなり割り引いて評価されるのではないか?と思っていたのですが、私がフライアウトにすら呼ばれなかったオックスフォードのポスドク・ポジションに悠々と就職を決めていました。(なんてエピソードを思い出してもブルーになるだけなので、負けずに頑張らないと行けませんね〜。。。苦笑)
What’s the Matter with Tie-Breaking? Improving Efficiency in School Choice
By Aytek Erdil and Haluk Ergin

Stability in Supply Chain Networks
By Michael Ostrovsky

この論文はタイトル的に矢野さんの研究と関係がありそう、と思ってみたり。
The Time-Varying Volatility of Macroeconomic Fluctuations
By Alejandro Justiniano and Giorgio Primiceri

本当にどこにでも登場するAcemoglu。もはやトップジャーナルに連載状態で21世紀のスティグリッツと言った感じですね。。。友人から聞いた噂によると、論文の書き過ぎで腱鞘炎になったものの、口頭で内容を秘書に伝えて代わりにタイプしてもらうようにしたら却って執筆ペースが上がったらしいです!比較優位の例でよく出てくる「アインシュタインと秘書」を地で行ってますね〜(笑)それにしても、ビッグ・ペーパーの香りがムンムンするタイトル。いつかこんなタイトルの論文を書いてみたいものです。(書くだけなら誰にでも出来るので、どっかに載せないとマズいですけど)
Income and Democracy
By Daron Acemoglu, Simon Johnson, James Robinson and Pierre Yared

もう1冊届いていたのがJournal of Economic Literature (June 2008)。コロンビア大学の女番長(?)Currie先生の論文は面白そうなので時間があったら是非読んでみたいです。
Transfers in Cash and In-Kind: Theory Meets the Data
By Janet Currie and Firouz Gahvari

先月私も参加したゲーム理論の世界大会「GAMES2008」のひとつ前、2004年にマルセイユで開かれた世界大会の招待講演が活字になって(Games and Economic Behavior (July 2008))送られて来ました。さすがに4年は時間かかりすぎでは?と一瞬ツッコんでしまいましたが、何度もタイトルを耳にしたことがある論文が数本収められていました。GEB (forthcoming)となっていたのは、この招待講演の事だったんですね〜。
Convergence to perfect competition of a dynamic matching and bargaining market with two-sided incomplete information and exogenous exit rate
By Mark Satterthwaite and Artyom Shneyerov

When is reputation bad?
By Jeffrey Ely, Drew Fudenberg and David Levine

Ex post implementation
By Dirk Bergmann and Stephen Morris


それにしても、最近は本当に論文や書籍に目を通す時間がほとんど取れません。読みたいものはどんどん溜まって行くんですけどね〜(泣)「授業が終わって夏になったらまとめて読もう!」なんて思っていたのですが、むしろ授業期間中よりも状況は悪化><あ〜、なんとかしないとな〜。。。
そんなフラストレーションが溜まる中、『現代思想』8月号の「ゲーム理論」特集はほぼ全ての記事に目を通させて頂きました。



本当は細かい感想や解説を書きたかったのですが、書き出すとまたアっという間に時間が経ってしまいそうなので今回は割愛させて下さい。ゲーム理論の入門的解説アリ、学説史アリ、最近流行りの実験経済学・神経経済学アリ、更には松井親分のインタビュー(対談)記事アリとテンコ盛の内容になっております。企画としての統一感を乱しているのではないか?と思わずにいられないマルクス経済学者系の記事も一部載っておりますが、その辺を割り引いてもなお強くオススメできる一冊です。ゲーム理論の新しい展開に興味のある方は是非チェックしてみて下さい!


オマケ


なぜ今回は松井先生の中原賞講演が未掲載なのでしょうか?(斉藤先生の石川賞講演は収められております)残念。。。