ここ数日バタバタしており更新が遅れたため、旬な時期を逃してしまった感はありますが、今週月曜日発売の週刊ダイヤモンド
「有力経済学者ら142人が選んだ2009年の『ベスト経済書』」
に協力させて頂きましたのでご報告を。
(雑誌をお送り頂きどうもありがとうございました!<ダイヤモンド編集部様)
この企画は、経済学者やエコノミストへアンケート調査を行い、その結果を下にランキングを作成、何名かのコメントを添えて各書籍を紹介するというものです。肝心のランキング作成方法は、政治学/投票理論でお馴染みの「ボルダ・ルール」という方式(の一種)を用いています。具体的には、各評者に1位(3点)、2位(2点)、3位(1点)の3冊を選んでもらい、書籍毎にそれらの得点を足し合わせて、合計得点の高い順にランキングを作成しています。
既にご存知の方も多いかもしれませんが、今年の1位〜3位は以下の3冊でした。翻訳書が健闘していますね。猪木先生の大作も、新書ながら2位にランクインされています。
1位(92点):アニマルスピリット
2位(90点):戦後世界経済史
3位(89点):ブラック・スワン(上・下)
アンケートを引き受けた際に、今年出版された代表的な経済書のリストが同時に渡されたのですが、ランキング上位はほぼ全て、そのリストに掲載されていた書籍となっているようです。
ちなみに私は、3冊ともリストに載っていない書籍を選びました(笑)以下、個人的ベスト3を提出した推薦理由とともにご紹介させて頂きます。
1位:日本の医療のなにが問題か
科学的な検証が難しい医療問題に、豊富なデータと経済分析を用いつつメスを入れていく。思いこみや感情論、政治によって議論が左右されがちな医療問題を新たな地平で捉える意欲的な1冊。
2位:ミクロ経済学II
本書はもはや単なる教科書の枠を超えている。我が国における実例が非常に豊富で、いかに経済学の考え方が実社会を分析する上で有用であるかを分かり易く学ぶことができる。前著『ミクロ経済学I』と共に、社会人読者に幅広くお勧めしたい実践的入門書。
3位:ゲーム理論の思考法
ここ数年のゲーム理論ブームの中で出版された啓蒙書の中で、圧倒的に読みやすく内容がしっかりしている。ゲーム理論に興味のある方に最初の1冊として強く勧めたい。
上記の3冊のうち、八田先生の『ミクロ経済学II』はなんと全体の11位(36点)にランクインしていました!経済書ではなく教科書であり、かつ上述のリストに載っていないにも関わらずこれだけのポイントを集めたという点を鑑みると、実は本書こそが隠れたベスト1と言えるかもしれません。
そして、非常に光栄な(かつ驚いた)ことに、私の推薦コメントが、恩師である神取先生のコメントと並んで紹介されておりました^^取り上げて頂きどうもありがとうございました!
なお、神取先生が経済史の岡崎先生と共に監訳された、グライフ教授(スタンフォード大学)のバイブル的大著『比較歴史制度分析』が先日NTT出版より発売されました。
ゲーム理論を用いて過去の歴史現象の解明を試みる意欲的な大作となっており、著名ブロガーの池田信夫さんもブログ記事において本書を「文句なしに今年のナンバーワン」と絶賛されています。
以下、監訳者による解説を転載させて頂きますので、ご参考頂ければ幸いです。より詳しい解説はVCASI内のコチラのページをご覧下さい。今すぐ本書を紐解きたくなること間違い無しです!巻末にゲーム理論に関する比較的まとまった解説も与えられていますので、ゲーム理論に詳しくない方も購入し易いのではないかと思います。(ただし値段は張りますが。笑)
年末年始の休暇を利用して、ゲーム理論と経済史を繋ぐ知的航海へと旅立ってみてはいかがでしょう?
「有力経済学者ら142人が選んだ2009年の『ベスト経済書』」
に協力させて頂きましたのでご報告を。
(雑誌をお送り頂きどうもありがとうございました!<ダイヤモンド編集部様)
この企画は、経済学者やエコノミストへアンケート調査を行い、その結果を下にランキングを作成、何名かのコメントを添えて各書籍を紹介するというものです。肝心のランキング作成方法は、政治学/投票理論でお馴染みの「ボルダ・ルール」という方式(の一種)を用いています。具体的には、各評者に1位(3点)、2位(2点)、3位(1点)の3冊を選んでもらい、書籍毎にそれらの得点を足し合わせて、合計得点の高い順にランキングを作成しています。
既にご存知の方も多いかもしれませんが、今年の1位〜3位は以下の3冊でした。翻訳書が健闘していますね。猪木先生の大作も、新書ながら2位にランクインされています。
1位(92点):アニマルスピリット
2位(90点):戦後世界経済史
3位(89点):ブラック・スワン(上・下)
アンケートを引き受けた際に、今年出版された代表的な経済書のリストが同時に渡されたのですが、ランキング上位はほぼ全て、そのリストに掲載されていた書籍となっているようです。
ちなみに私は、3冊ともリストに載っていない書籍を選びました(笑)以下、個人的ベスト3を提出した推薦理由とともにご紹介させて頂きます。
1位:日本の医療のなにが問題か
科学的な検証が難しい医療問題に、豊富なデータと経済分析を用いつつメスを入れていく。思いこみや感情論、政治によって議論が左右されがちな医療問題を新たな地平で捉える意欲的な1冊。
2位:ミクロ経済学II
本書はもはや単なる教科書の枠を超えている。我が国における実例が非常に豊富で、いかに経済学の考え方が実社会を分析する上で有用であるかを分かり易く学ぶことができる。前著『ミクロ経済学I』と共に、社会人読者に幅広くお勧めしたい実践的入門書。
3位:ゲーム理論の思考法
ここ数年のゲーム理論ブームの中で出版された啓蒙書の中で、圧倒的に読みやすく内容がしっかりしている。ゲーム理論に興味のある方に最初の1冊として強く勧めたい。
上記の3冊のうち、八田先生の『ミクロ経済学II』はなんと全体の11位(36点)にランクインしていました!経済書ではなく教科書であり、かつ上述のリストに載っていないにも関わらずこれだけのポイントを集めたという点を鑑みると、実は本書こそが隠れたベスト1と言えるかもしれません。
そして、非常に光栄な(かつ驚いた)ことに、私の推薦コメントが、恩師である神取先生のコメントと並んで紹介されておりました^^取り上げて頂きどうもありがとうございました!
なお、神取先生が経済史の岡崎先生と共に監訳された、グライフ教授(スタンフォード大学)のバイブル的大著『比較歴史制度分析』が先日NTT出版より発売されました。
ゲーム理論を用いて過去の歴史現象の解明を試みる意欲的な大作となっており、著名ブロガーの池田信夫さんもブログ記事において本書を「文句なしに今年のナンバーワン」と絶賛されています。
以下、監訳者による解説を転載させて頂きますので、ご参考頂ければ幸いです。より詳しい解説はVCASI内のコチラのページをご覧下さい。今すぐ本書を紐解きたくなること間違い無しです!巻末にゲーム理論に関する比較的まとまった解説も与えられていますので、ゲーム理論に詳しくない方も購入し易いのではないかと思います。(ただし値段は張りますが。笑)
年末年始の休暇を利用して、ゲーム理論と経済史を繋ぐ知的航海へと旅立ってみてはいかがでしょう?
解説:『比較歴史制度分析』
本書は,ユニークな一次史料に基づいた厳密な歴史分析と,経済社会において人々の行動を動機づけるさまざまな誘因(インセンティヴ)を数理的に分析するゲーム理論を統合する画期的な試みである.
1989年の経済学界は,ノースウェスタン大学出身の若い研究者が書いた博士論文の話題で持ちきりであった.経済学の博士号のほかに歴史学の修士号をも合わせ持つこの研究者は,カイロ旧市街のゲニーザと呼ばれる驚くべき文書貯蔵庫から発掘された膨大なヘブライ語書簡を丹念に読み解き,11世紀の地中海遠隔地貿易に従事したユダヤ人貿易商が,ゲーム理論の数理モデルから導かれる「評判メカニズム」「くり返しゲームのトリガー戦略」を使って協調を達成していたことを明らかにしたというのである.この若き研究者こそが,本書の著者であるアブナー・グライフであり,その博士論文とその後の研究の進展は,経済史のみならず,経済学一般や政治学における制度と社会秩序の研究に大きなインパクトをあたえた.こうした一連の研究を集大成したものが本書である.
「歴史研究とゲーム理論の統合」というと,ややもすると理論好きな研究者が現実の詳細を十分に知らないまま,数理モデルを無理な形で現実に当てはめたものと思われがちだが,経済学と並んで歴史学の訓練も受けた著者の手になる本書は,現実の歴史的事実に忠実であろうとする実証精神に貫かれている.そのため,ゲーム理論を歴史的事実に当てはめた豊富な事例を提示するだけにとどまらず,ゲーム理論と歴史的現実とのギャップにも大きな注意を払い,このギャップを埋めるものとしての制度分析の方法や,さらには現状のゲーム理論に足りないものは何か,またそれをどのように発展させて行ったらよいかに対しての示唆にも富んだものとなっている.
また本書は,中世の遠隔地貿易を主な題材としているが,そのことにとどまらず,「制度とは何か,それはなぜ存続し,どのようにして変化するか,またそれを理論的・実証的に分析する方法はなにか」「経済の近代化・発展をもたらすメカニズムはなにか」という壮大な課題に答えようとするものである.このために著者は,伝統的な経済学のみならず,心理経済学,政治学,社会学などの幅広い野で得られた重要な知見を合しようと試みており,本書はそうしたさまざまな分野に興味を持つ読者にも刺激を与えるものとなるであろう.
Institutions and the Path to the Modern Economy これです
昔の社会をゲーム理論で説明かー。経済学てすごいなぁて(あぁ、もったいないことしたなぁ)。。
て、政治学専攻なのにすごい本読んでいたんですね俺。