ブログでのご報告が少し遅くなってしまいましたが、元日の朝日新聞に藤井聡太四段との対談が掲載されました!(デジタル版のリンクはこちら) 全国紙にこれだけ大きく「ツェルメロの定理」が載ることは今後も無いでしょう(違) というわけで、電子版会員の方はぜひアクセスして頂けると嬉しいです。

それにしても、藤井四段の思慮深さ・賢さには本当に驚かされました。ちなみに、「数え上げる数字が21から22に増えたらどうなるか?」というこちらの問いに、正解の「先手必勝」と即答されていました!(なぜそうなるのか、ページの一番下に【解説】を載せておきます) チェスのグランドマスターたちがバックワードインダクション(=ゲームを後ろから解くこと)に異常に長けている,というのは有名な話のようですが、藤井さんをはじめとしたプロ棋士の方々の読みは、チェスのトップ・プレイヤーと比べても遥かに鋭いかもしれません。

他に、「AIの影響でプロ棋士の指し手・戦法に変化が起きたか?」という問いに対しては、「雁木が良く指されるようになった」とのお答えを頂きました。敢えて王将をがっしりと囲わない「雁木囲い」は、攻めと守りを区別せずバランス良く指すことができるAIにとっては理想的な戦法である一方で、(思考能力に制限があって)攻めと守りを別々に処理する方が考えやすい人間の場合にはあまり指されてこなかったのでは?というその場で思いついた仮説を藤井さんにぶつけてみたところ、興味深そうに頷かれていました。この仮説の真偽は私には判断できませんが、
1. 人間の思考パターンが限定合理性に左右されている
2. ただ本人たちはその事実をほとんど自覚していない
3. 人間のクセがAIの行動によって浮き彫りにされる

というシナリオは、将棋以外にも、今後様々な領域で起きるかもしれません。

いずれにしても、脇役である僕の写真までたくさん掲載して頂き、2018年も良いスタートを迎えられそうです♪ 藤井四段、関係者の皆さま、改めてお礼申し上げます。
(喪中につき新年のご挨拶は失礼させていただきます)

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<対談日に千駄ケ谷「将棋会館」前にて撮影>

【解説】
[事実] 数え上げる数字が「21」個の場合には後手必勝。
数え上げる最後の数字が「22」のとき、先手は最初に「1」だけ数えることで、
・(残りのゲームを)数え上げる数字が「21」個で自分が後手
にすることができる。よって上の[事実]から先手必勝!