本年度のノーベル経済学賞は
- ウィリアム・ノードハウス氏(イェール大教授)
- ポール・ローマー氏(ニューヨーク大教授)
という、米国経済学者2名による共同受賞でした。

「気候変動」「技術革新」という重要な要素をそれぞれ長期のマクロ経済分析に統合した点が評価されたようです。記者会見での質疑応答を見ていても、環境問題やイノベーションといったグローバルな現象/問題に対する彼らの先駆的な貢献が、今後の取り組みにも好影響を与える、といった期待感がにじみ出ていたように感じました。おめでとうございます🎉

<受賞理由>
The Prize in Economic Sciences 2018 has been awarded to William D. Nordhaus “for integrating climate change into long-run macroeconomic analysis” and Paul M. Romer “for integrating technological innovations into long-run macroeconomic analysis.”

公式サイトから、受賞者たちの業績を紹介した記事がダウンロードできます。「popular information」(一般向け)は短めで要点のみ、「scientific background」(専門家向け)は文献を挙げながら細かい解説が加えられています。関心のある方はぜひご参照下さい!

<オマケ>
完全にたられば(かつ身びいき)ですが、二氏の受賞理由である「内生的成長理論」(ローマー氏)で先駆的な業績を残し、「気候変動」(ノードハウス氏)や公害などの環境問題にコミットし続けた宇沢先生がご存命であれば、彼を含めて3名での共同受賞というのもあり得たのかも、という思いが脳裏をよぎりました。もっとも、たとえご存命であったとしても、口を酸っぱく批判されていたノードハウス氏との共同受賞を、宇沢先生が受け入れられることは無かったかもしれませんが…

<オマケ2>
ノーベル賞と聞いて、おそらく日本の方に最も馴染みが薄い分野がこの経済学賞ではないでしょうか。ノーベル賞が対象とする6分野の中で、いまだに日本人受賞者が誕生していない唯一の分野。しかも、設立の経緯がそもそも他の5分野とは大きく異なります(正式名称も「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」)。こういった背景や、経済学賞の特徴などをまとめて、以前noteに
ノーベル経済学賞って何だろう?
という記事を投稿しました。(一橋ビジネスレビューの拙稿『「5つの「なぜ?」で分かるノーベル経済学賞」』の縮約版です) 次の5つの問いに答えながら、ノーベル経済学賞について解説する、というちょっぴりユニークな内容になっています。ご関心のある方はぜひご笑覧下さい!
「経済学って本当にノーベル賞?」
「受賞者はお年寄りばかり?」
「受賞者はアメリカ人ばかり?」
「経済学賞は権威に弱い?」
「日本人は受賞できる?」

<お買い得です!>
ノードハウス氏の著作のKindle版がタイムセール中で、なんと【定価の半額】にあたる1085円分のamazonポイントが付くようです!(日経関連の他の経済書でも、同様に半額ポイント付与中のようです。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?)