2005年11月01日

スロートラックバック

元ネタは、ノーベル賞候補に張り付いていた踊る新聞屋のエントリからはじまり、5号館方面五流さんで語りつくされた感のあるインパクトファクターのお話。

インパクトファクターってなぁに?という詳しい話は、トラックバック先にたくさんあるので、そちらを読んでいただくとして簡単にまとめると、論文の引用された数のことであり、それが論文(というか、それの載ってる雑誌全体)の評価に使われていますよ、というような内容です。
実際にどんな風にまとめられているかは、ここらへんとかでイメージはつかめるんじゃないかと。

で、「今年と去年の引用数だけで評価したら、息の長い論文よりも一過性のブームになった論文の方が評価されちゃうじゃないか」という論調に、「ああ、それは個人ニュースサイトに紹介されて、一過性のアクセスを受けたサイトのランキングがあがるのに似てますねえ」と思ったりしたわけです。

今まで何度か紹介をいただき、津波のようなアクセスをいただいたことがあります。そのときはランキングも急上昇したりしましたが、まあ、ほんとに一過性なもんで、500人ぐらいどっときて、多分10〜20人ぐらいの人が読んでくれるようになったんじゃないかなと。

で、そういうサイトとか、人の流れなんかを見ていると、とにかくトラックバックとか、リンクとかが素早いんですよね。なんか、情報に旬があるかのような勢い。
でもね、エントリに旬ってそんなにないと思うんですよ。たしかに時事ネタはあるけれども、基本的に書かれていることは旬の頃読んだって、時間をあけて読んだってあまりかわらないんじゃないかと思うのです。例えば、最初に津波アクセスをもらった「俺は逃げます」というエントリを今読んだところで、なにか鮮度が落ちたとかそういうことはないと思うのですが、いかがでしょう?

それなのに、大学のレポートコピペ問題なんかでも、トラックバックをいただくのは本当に一時期だけで、なんか問題そのものが消滅してしまったかのような勢いです。ブログ界隈をながめても、郵政民営化とか、イラクへの自衛隊派遣とか、拉致被害者問題とか、一時期こぞって書きつらねていたようなことも、なりをひそめてしまっているわけです。

ものすごい話題のブームがあるんですよね。
で、正直、そのブームというか、旬のものをすぐ書かなくちゃという雰囲気が、話題を乏しくしちゃっていないかなぁ、と思うわけです。

ブログにかけられる時間なんて人それぞれで、すぐさまトラックバックしてレスして、という活動ができるとは限りません。それなのに「この話題に今さら…」という空気があった日には、話題なんて膨らみようがないじゃないですか。
3ヶ月前のエントリでも、1年前のエントリでも、遠慮なくトラックバックしちゃったらいいんじゃないかと思うのです。で、フラスコは、ニュースソースの消えそうな時事ネタ以外は、即トラックバックしないでいこうと思います。
せっかく、時間、空間の縛りから解放されているブログで、わざわざ旬という時間に縛られるのはバカらしいと思うのです。

でも、この「右へならえ」現象というか、旬の話題にとびつく状態って、インパクトファクターで評価される研究者の動きも似ている気がしますね。だから、今年と去年の短期間だけでも、ある程度の指標になってしまうのかもしれませんね。逆かな?
流行に左右された研究テーマばかりおこなっていると、国全体としての研究力がおちるというのが師匠の言い分(もしくは、趣味の研究をするための言い訳)だったのですが、ブログも旬のテーマに流されている人が多くなれば、それだけ考える力がおちてしまうような気がしてしまいます。ああ、あまり根拠はないですが、でも、そんな気はしませんか?

で、ちょっとした提案なんですが、スローライフや、スローフードのように、
スロートラックバックってのはいかがでしょう?

トラックバックするときに、エントリをちょっと寝かしてみる。
忘れた頃にもらうトラックバックは送られた側からしても、その話題を考えなおす機会になったりするんじゃないかと思うのです。
あわてて粗製乱造になるよりも、スロートラックバック。

なんか、楽しそうな気がします。

(追記1)
どうでもいいですが、新聞屋さんってばすごい体験してますね(笑)
フラスコもノーベル賞受賞者に講義してもらったことがあります。
なんでか知らんがたった5人の学生しかいませんでした。
当時は「人気のないおっさんだなぁ」と失礼なことを思ってしまったり。わはは。

(追記2)
情報のスピード
約1年前にも同じことを言っていた模様。

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http://trackback.blogsys.jp/livedoor/yahata127/50173949
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この記事へのコメント
 こんにちわ。実は、以前から読ませてもらっていました。地方紙記者ですけど。後々考えると、かなり貴重な経験をさせていただいています(笑) それをフィードバックできているかどうか、微妙なんですけど。
 ところで、スローエントリーには共感しました。自分も、周回遅れでトップに立つことが多いので。今後とも、よろしくどうぞです。 
Posted by 踊る新聞屋−。 at 2005年11月01日 22:22
旬のものをすぐ書かなくちゃという雰囲気あるようですね。ネタをちょっと寝かしてみるスロートラックバックというのは面白い考えですね。
Posted by ヒロシ at 2005年11月01日 23:46
コメントもスローにしようかと思いましたが、やめておきます:)

>踊る新聞屋ー。さん
周回遅れでもトップにたてないので偉そうなことは言えないわけですが、どれだけ前の話題でもどんどんトラックバックするような人が増えたら、もっと面白くならないかなぁと思ってます。
新聞やテレビみたいに、限られた資源じゃないのに急がなくてもいいんないかなと。

>ヒロシさん
そういう雰囲気になる理由にも見当がついていますが、あえてゆっくりしてみたいと思いますです。
Posted by フラスコ at 2005年11月02日 14:14
ブログなのでリアルタイムなことを書かなきゃという強迫観念がありましたが、記録自体はずっと残るわけですから、長く読めるものを書くという考えは重要ですね。
これまでは、古い記事にトラックバックを送りにくかったのですが、ボクも「スロートラックバック宣言」をしてみることにします。
Posted by あるアーキビスト at 2005年11月04日 07:17
インターネットは、利用度の高い即時性ばかり強調されていましたが、正しくは「時間の超越性」だと思います。
個人としては、ゆっくり使っていっていいんだと思うのです。
Posted by フラスコ at 2005年11月07日 13:14
インパクトファクターは分野によって信頼度がが違うし、文系ではほとんど話題にさえならないようですね。セオリーベースの学問ではトピックの普遍性の面でインパクトが強ければ大昔の文献が何度も何度も引用されたりしています。

自分も、古い記事にTBしても、まったくアクセスや反応がなかったりすることを最近やっと気付きましたが、フラスコパパの言うとおり、振り返る作業は結構大事だったりしますよね。自分の古い記事にリンクをつけて再考するとか(笑)。

コメントはタイムリーにしないとまた遊びに来てくれなくなってしまうような気がします。コメントのレスをしないで放置した結果、ランキングが急降下したサイトもいくつか知ってます。

ランキングに踊らされて中身のない記事を乱発するより、好きなことを時間をかけて書くのが好きです。マイペースが一番ですね。
Posted by ame-owife at 2005年11月10日 12:04
見た目に反応がなくとも「お。これにトラックバックか…そういや、そんなこと書いたなぁ」という脳内反応はおこっているんじゃないかと思ってます(ジーンとか懐しかったし)。
トラックバックも今日や明日にお客さんがこなくても、ポツリポツリと人がくることもありますので、のんびりと待ちかまえようかなぁと思ってます。

箸棒としては、目先の評価が気になってしまいますが、やっぱりマイペースが一番だと思います。
Posted by フラスコ at 2005年11月11日 11:09
 私も二年以上に渡ってブログを書いていますが、同じようなことを感じていました。よほどの時事ネタでない限り、良いエントリーの価値は時間とともに下がったりしませんから。
Posted by satoshi at 2006年04月05日 08:24
ですね。
ゆっくりと書いていきたいと思います。
Posted by フラスコ at 2006年04月05日 22:23
見た目に反応がなくとも「お
Posted by tn pas cher at 2012年03月08日 12:10