2006年08月02日

私学定員割れ時代の大学選び

研究室物欲日記とか、5号館とかでとりあげられていた私学定員割れの話題。

フラスコ個人としては、まったくニュースとしての価値がないほどに当り前な話だったのでとびつきませんでしたが、世の中はどんな風に受けとめてるんでしょうね?自動車に乗らないフラスコが「あら、ガソリン140円なんて大変ね」と思ってるくらいにしか反応してないような気がしますし、まあ、それでもいいのかも。

しかし、このニュースを真剣に受けとめてほしいのは、受験生及び、受験生の親です。
「いえーい!大学にはもう落ちるワケがないぜ!」と余裕ぶちかまして勉強しないのも、安心して本命一本に絞って浪人するのも自由なわけですが、気をつけてほしいのは、こんな時期にできている新設学部のこと。

これだけ、学生が少なくなってるのに、どうして定員を増やすような学部をつくるんでしょう?
今まで通りの学部学科の名前で学生が来るならば、別に名前を変更する必要なんてありません。だまっても人が来る医学部が「バイオ健康学部」なんて名前に変更したりはしません。
じゃあ、なんで「人間」とか「健康」とか「総合」とか「情報」とか「国際」とか「コミュニケーション」とか、名前ジェネレーターでつくったんじゃないの?と思うような学部学科名にするかと言えば……、そう受験生をだまくらかしたいのです。
教育の内容、教員の質、そんなことでは勝負できないし、もう現状でも人気のない学部学科ばかりだったりするので、とにかくなんか目立つことがしたいだけなのです。

「そんなことはない!」という反論があれば、それは結構。
でも、ほとんど多くの新設学部学科は、生き残りのために受験生をだまくらかすことが目的であり、新規の学問分野に対応しようなんてところは、本当にごく一部でしょう。というか、フラスコが見る限り、近隣○県の新設なんて、全部ごまかし目くらましですよ。ええ。

で「そんな大学にだまされて入るのが、かわいそう」というのと、「だまされるのは自業自得だけれど、そんな大学が残って、クズ教員、クズ大学に税金が使われるのは言語道断」と思うのとで、是非、そういう大学は受験しないでほしいと思うわけです。

優秀な教授が大学を定年になったから新設大学に異動という話もきかなくはないですが、そんな先生にあたる確率が高いか低いかは、よく考えてもらえればわかります。
というか、わかってください。

お父さん、お母さん、目をさましてください。そんな大学に入ってしまっても、減るのは学費、増えるのは子供の無意味な時間、百発百中にいいことないのは保証します。ほんとにダメダメですよ。ええ。
しかし、こういうことを無闇に書くと、新聞なら訴えらちゃうし、受験産業は商売仲間との関係が悪くなっちゃうし、ってことで、表沙汰にはなりません。

ですが、子供のためにならない大学は、数多く存在します。
文部科学省は、そんな大学でも申請があればガンガン許可してます。
もっともっと厳しく審査したっていいと思いますが「大学経営陣を守る」という陰の目標のために、実際に大学にいく学生がどうなろうとしったこっちゃないという姿勢をつらぬいてらっしゃいます。

エセ大学、エセ教員の被害者にならないように、進学する大学はよく見極めてください。せっかくの全入時代なんですから、あせって、変な大学に入る必要はないと思いますよ。ええ。

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この記事へのコメント
それって十数年以上前からずっとじゃないですか。
Posted by jiangmin at 2006年08月03日 00:18
わけのわからない学部が多すぎるのも問題だけど、
そんな定員割れ私立大学に博士課程まであるのも問題かと。
Posted by ろばっこ at 2006年08月03日 00:44
そういういかがわしい新設学科が潰れることには賛成ですが文科が力を持つことにはあまり賛同できません。もっとろくでもないことをやらかす集団です。本来なら何らかの評価機関が力を持つことが望まれるところですが、これもナアナアのお手盛り機関ばかりです。かといってマスコミの評価の粗末さも目に余りますし・・・。どうしたらよいのでしょうか?
Posted by 博徒 at 2006年08月03日 02:42
そういう、目先を変えて受験生をだまくらかそうってのがバレバレな学部・学科名変更を安易に許可するのもダメダメですが、名前を変えなくていい学部・学科の増新設を安易に許可するのはもっとダメダメな気が>お役所
Posted by optical_activity at 2006年08月03日 12:39
>jiangminさん
そうです。十数年前から、ずっと受験生がだまされ続けてると思ってます。

>ろばっこさん
ごもっとも。大学院をつくったらご褒美くれるってんで、踊らされた結果ですね。

>博徒さん
文科が力を持つことには、フラスコも反対です。
というか、文科が力を持てって、主張してましたっけ?あれ?

>optical_activityさん
薬関係とかですかね。将来のなさそうなところほど増えていくような…
Posted by フラスコ at 2006年08月03日 14:43
はじめまして。ランキングの場所を変えたのですね。たしかに、教育の方がよいですね。
さて、某一流国立大学のオープンキャンパスに行って、がっかりして帰ってきました。ぬるーい研究ばかり。パンフレットは華やかなところばかり前面に出していますが、現場の学生さん(博士?)の話はリアルでした。
大学での研究は実現しなくても良い。
でも、研究費がとれないと、やばい。
なんだか、お役人の自分たちの城を守るのと同じにおいがしました。

は〜。

Posted by 受験生の母 at 2006年08月03日 20:06
教育ならいいんですが、受験の中にいるのはちょっとイヤです。

研究ってのは、結果としてゆるいものも多いと思います。
国立が、ゆるい方をカバーするのは、ある種健全な話です。

が、実現しなくてもいいって言っちゃダメですよね。
Posted by フラスコ at 2006年08月04日 13:55
久しぶりにコメントします。

>そう受験生をだまくらかしたいのです。

とうとう真実を・・・
い、いいんですか?本当のことを書いてしまって。

って驚くほどのものではないのかもしれませんが、いろいろな大学のHPをみていると、笑ってくださいといわんばかりのネーミングが施された学部、学科名がわんさか・・・
Posted by yusuke at 2006年08月06日 20:44
研究費が取れないとヤバイことは確かです。
法人化に伴って毎年交付金が削減されている上に、法人化に伴うトップダウンとやらで本部で抱え込む金額が増えていますから、末端に流れるお金は削減率以上に減額されています。で、今まで英米系の非常勤講師が教えていた英語を止めて、ふつ〜の教員(英語教育のド素人)が手分けして英語を教えたりして節約に努めていますが、それでも研究室に入る金額は順調に減っています。で、研究費が取れないと、大学院生の研究すらできなくなってしまいます。(もともと、研究室に入ってくる積算校費なんて微々たるものだったのですが)。
Posted by alchemist at 2006年08月07日 11:59
研究が実現しなくて良いというのが、どういうレベルの話かは判りませんが、院生レベルで実現しなければ学位は取得できません。つまり単位取得退学、トいうことで終わってしまいます。それに院生レベルの個々の課題が実現しなければ(論文が書けないことになりますので)研究費など来ません。
研究室レベルでの話であれば、大テーマは相当先(5年から10年先)のことを見越していますので、実現しないこともあります。大テーマは実現しなくても研究成果は出続けるというのが普通の研究室です。大体、巨大な予算をかけた国家プロジェクトであるカミオカンデだって本来の目的については成果は出ていません。
さらに、実現というのが実用化というレベルを意味するのでしたら、それは研究室の所属する学部の性格によるでしょう。
Posted by 続き at 2006年08月07日 12:00
>yusukeさん
最近は、自分たちの学部の新しいネーミングを考える遊びが流行ってます。
前述の「バイオ健康学部」もそのひとつです。

>alchemistさん
本部が抱えこむ金額が増えてるんですか……。
ますますガッカリな方向にすすんでますね。
Posted by フラスコ at 2006年08月16日 20:30