■ チョウチンアンコウの奇妙な生態。

たまにはちょっとトリビア的なエントリなど。
チョウチンアンコウの生殖の話。





チョウチンアンコウって、ご存じの通り頭から提灯みたいな発光物をぶらさげて、それをもって餌を捕食したりする深海魚である。
そのビジュアルもあって、深海魚というカテゴリの中ではなかなかメジャーであると思う。



深海魚ってのはその名の通り深海に行かなければ目にすることがないわけで、実際に見たこともないのにビジュアルが具体的にイメージできる魚ってけっこうすごいのかもしれない。
……と思って、ググってみたらなんかグロかった。
僕はチョウチンアンコウについて何も知らなかった。





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いや……グロいっつーか……うん、いや、グロいな。
いま画像を見て普通に吐き気を催す感じだったのでたぶんグロいんだと思う。
こんなのが泳いでるとか深海ヤバイ。
でも、そのチョウチンアンコウの生態は学者も引くレベルであるらしい。





まず、チョウチンアンコウだが、この衝撃的なビジュアルの個体はメスである。
メスが数十センチもの大きさであるのに対して、オスは4センチほどの体長しかなく、学者もはじめはそれがオスだということがわからなかったらしい。



メスの身体に引っ付いていたので、それを寄生虫だと勘違いしたらしいのだが、研究を進めていくうちにそれがチョウチンアンコウのオスであるということがわかったそうだ。
なぜ寄生虫に見えたのかというと、オスは寄生虫のごとくメスと「融合」するのである。



……「融合」?
なんだか聞き慣れない言葉なのだが……。





■ 自然界における驚きの生態。

深海において、チョウチンアンコウのオスとメスが出会う確率はかなり低い。
オスとメスが出会ったときが、たまたま繁殖期であれば問題ないのだが、そうでない場合は生殖の機会が流れていってしまう。



そこでどうするのかというと、オスはメスを見つけ次第、その身体に噛みつき、「融合」を開始するのである。
「融合」がはじまると、オスはメスから養分を貰って一体化しはじめる。



一体化というのは、メスの身体の一部になっていくということだ。
まず最初に目から退化していき、やがては消滅する。
脳や内臓などもどんどん退化していき、最終的には肥大化した精巣だけが残り、メスが排卵の時期に入って生殖の準備が整うとそういうシグナルが入って受精となるわけだ。
どういうことなんだよ。





こういう生物の生殖における驚愕の生態というのは、たとえばカマキリなどが最も有名である。
メスはオスとの交尾が終わると食べてしまうというやつ。



あれもちょっと調べてみたら、必ずそうなるというわけではないらしいのだが、それにしても人間の常識からいくと信じがたいほどに猟奇的である。
人間社会に置き換えてみたらもう世紀末すぎる。



しかし、そんな死を覚悟しながらも子孫を残そうとする本能というのは本当にすさまじいものなんだな、と思った。





よくバイオハザードなどのホラー系の作品で、もう信じがたいほどにグロい生き物が登場して、驚きの生態をもってしてプレイヤーを戦慄させることがあるが、あれも「生物界ではわりと普通」の光景なのかもしれない。
少なくとも、メスと融合して自我が崩壊してまで子孫を残そうとするチョウチンアンコウを知ってしまった以上、さほどのインパクトはないような気がする。
ましてやフィクションではなく、現実の世界で起きていることだし。



しかし、「草食系男子」とかいわれている現代社会は、ほんと「草食」どころじゃすまないのかもしれないな……とちょっと思った。
自然界ヤバい。