木材屋さんのブログ

100年以上の歴史ある木材屋さんの「木」にかかわる日々を紹介します。

木製キャンバー(楔):昔ながらの知恵を生かした、現場で頼れる存在

当社では、さまざまな木製エクステリア製品を手掛けていますが、その中でもゼネコン様から特に高い評価をいただいているのが 木製キャンバー(楔) です。
キャンバーは決して大きな製品ではありませんが、建築現場では欠かせない「縁の下の力持ち」のような存在です。

■ キャンバーとは?

「キャンバー」は本来、“くさび(楔)” を意味する言葉です。
木と共に生きてきた日本では、古くからさまざまな場面で楔が使われてきました。

  • 立木を切り倒すとき、倒す方向を調整するために楔を打ち込む

  • 薪割りでも、力が効率よく伝わるよう楔を利用

  • 住宅の構造では、柱と貫材を固定して抜け止めとするための楔

  • 縁桁や床柱の割れ防止のために、逆方向に打って力を逃がす楔

木材を「割るため」に使われる楔が、時には逆に「割れを防ぐ」ためにも使われる——
この相反する用途は、木の特性を知り尽くした先人の知恵そのものです。木という素材の奥深さを感じさせてくれます。

■ 当社の木製キャンバーの用途

現在、当社で製造している木製キャンバーは、現場のさまざまな調整や安全確保のために使われています。

  • 高さ調整用のくさびとして

  • 円柱・ヒューム管・丸太などの転び止めとして

  • スロープや通路の段差解消材として

  • 機材や構造物のわずかな“がたつき”をなくす微調整材として

木製ならではの“しなり”と摩擦力によって、金物やプラスチック製にはない安定感があります。
短期施工の現場でも、仮設や取り外しが容易で扱いやすい点も評価されています。

■ 手作業だからこそ生まれる品質

ただし、この製品は大量生産品ではありません。
一本一本、木目を見極めながらすべて手作業で仕上げているため、生産効率だけを考えると「儲かる商品」とは言えません。

近年は安価なプラスチック製の楔も多く出回り、価格競争では苦戦する場面もあります。
しかし木製キャンバーには、量産品にはない“現場適応力”があります。

■ 「今日欲しい!」という声に応える

現場では「今すぐ必要」という状況が少なくありません。
当社では常時一定の在庫を確保し、急なご依頼にも可能な限り即日対応しています。

その迅速さと安定した品質により、多くの現場から喜ばれており、
「やっぱり木の楔は使いやすい」とリピートいただくケースが増えています。

■ 当社の木製キャンバー在庫一覧

既成サイズ一覧-11

現在在庫しているキャンバーの一部です。サイズ・数量についてはお気軽にご相談ください。

電話 072-361-5501 中川木材産業株式会社  

中古足場板(古材 ) ― 木に「第二の人生」を

日本の建築・土木現場では、古くから木製の足場材が使われてきました。
足場丸太には主に杉や檜の間伐材が用いられ、板状の足場材としては 合板足場板・杉足場板・カラマツ足場板 などがあります。

このページで取り上げる「中古足場板」とは、その多くが 杉足場板 のことを指します。建築現場で役目を終えた板が廃棄されるのではなく、丁寧に選別・加工され、まったく新しい価値を持つ素材として再生したものです。

木材が本来持つ力を活かしながら、環境への負荷を減らすことができる――
中古足場板は、まさに「木の第二の人生」を象徴する存在と言えます。


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中古足場板が選ばれる理由(長所)

中古足場板の最大の魅力は、長年使い込まれた木材ならではの風合いです。

・使われてきた歴史から生まれる 深み・艶(つや)・古材特有の味わい
・板一枚ごとに異なる 表情(ペンキ跡、日焼け、キズ、角の丸みなど)
・新材では再現できない ヴィンテージ感・温かみ・存在感

長年の使用によって刻まれた印影は、工場では作れない「ひとつだけの個性」です。
それが店舗や住まいに置かれたとき、空間の雰囲気をぐっと豊かにしてくれます。


中古足場板の注意点(短所)

一方で、中古足場板ならではの課題もあります。

・釘・タッカー・金具の除去、洗浄、選別などに 大変な手間がかかる
・使用歴が異なるため、品質のばらつき がある
・ささくれ、割れ、へこみ、残った金具による 安全性への配慮が必要

そのため、取り扱いや施工には経験が求められます。
しかし、これらの手間をかけてこそ中古足場板本来の魅力が生き、一点物の素材となります。


中古足場板が活躍する場所・使い道

中古足場板は、近年インテリアデザインの分野でも高く評価され、多くの店や住宅で採用されています。

● 店舗内装
 ・カフェ
 ・レストラン
 ・美容院・サロン
 ・物販店

ヴィンテージ感が強く、空間に落ち着きとストーリーを与えてくれます。

● 住宅・店舗の建材として
・床材(ラフな仕上げに最適)
・壁材・腰壁
・棚板・飾り棚
・カウンター材

自然素材の温かさと存在感が、アクセントとして非常に効果的です。

● 家具材として
・テーブル
・カウンター
・ベンチ・台
・アートパネル・什器

使い込まれた素材だからこそ、仕上がった家具が「物語のある一品」になります。



中古足場板は、建築現場での役目を果たしたのち、
味わいのあるヴィンテージ素材として生まれ変わる木材です。

手間をかけて再生させることで、本来廃棄されるはずだった資源が再び価値を持ち、
店舗・住宅・家具づくりの中で豊かな表情を見せてくれます。

木を扱う私たちにとっても、環境を想う消費者にとっても、
中古足場板は「魅力と価値を兼ね備えた素材」といえるでしょう。

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