IMG_7862

私は「ひょんなこと」が大好きです。

その日のスケジュールが決まっていて”今日はアレとコレとソレをやったら一日が終わる…”という時に、ひょんなことから予想もしない事が起きて、面白い方向にヨロヨロと向かっていくと嬉しいものです。心のどこかで「ひょんなこと」が現れないかと期待しているところがあります。


この話も「ひょんなこと」の一つです。私は80~90年代のバラエティ番組、音楽番組で表示されていた手書きの字幕スーパーが大好きで、特に「ものまね王座決定戦」(針すなお先生のイラスト含む)や「なるほど!ザ・ワールド」「スター どっきり マル秘報告」「夜のヒットスタジオ」などで表示されていた手書きにクギ付けになっていました。それが90年代後半になってくると綺麗なフォントに取って代わられていきました。


なかでも私が「あ、時代が変わったな」と思ったのは、各局のワイドショーが手書きの文字を使わなくなったことでした。さらに、追い打ちをかけたのが「おもいっきりテレビ」で使用していた手書きのフリップが、マルチ画面に切り替えられたこと。あ…、なんという敗北感…。小学生の頃に「テレビ番組で使う、手書きの文字を書きたい」と思ったことのある私は、将来に暗い影を落としたのでした。


その後、私は「手書きを書いていた人に会いたい。この文化を残さないといけないのではないか」という願望が心の中でキャンプファイヤーの朝の4時くらいの炎のように、消えかかってはほんのりと燃え上がり、消えかかってはほんのりと燃え上がり…を繰り返していました。すると、ひょんなことから、「80年後半に手書きの仕事をしていた」という方が現れたではありませんか!しかも、最近、ご自身が書いたという”作品”をSNSにアップしてらっしゃいました。


となると、会いに行かないわけにはいきません。早速連絡すると、なんとありがたいことに、私のことを「テレビブロス」(私が時々関わっている雑誌です)で知っていてくれて、お会いすることになりました。お名前は「もふもふさん」(もちろん、仮の名前です)。9月の某日、大阪の喫茶店でお話を伺いました。この時の模様は「やきそばかおるの会いに行ける偉人 第85回」(「水道橋博士のメルマ旬報」で連載)に掲載しています(←宣伝かよ!)。


その時に”お土産”としていただいたのが、写真の80年代のスーパー風の手書きのカードです。もふもふさんは実に話が上手で、気づけば4時間が経っていました。詳細は先述の「会いに行ける偉人」を読んでいただくとして(←また宣伝かよ!)、もふもふさんが仰っていた「近頃の番組は、せっかくの映像をフォントの文字で台無しにしている」という本音が胸にズシンと響いたのでありました。


「私がこの仕事を始めた時は、「テロップは画面を汚すもの」って言われてたんです。テレビ画面はカメラで撮ったものがそのまま写っているのが一番って言われてたけど、今の番組は文字が多すぎて目がチカチカするんです。中には、画面の隅の方まで文字を表示させている放送局もあるけど、余白は開ける方が美しいですから。

それに、テレビのデザインについて知っておいた方が良いこともあります。光の三原色では赤、青、緑を混ぜたら白になります。青と赤は相性が悪くて、赤をバックに青の文字だと読みづらくなっちゃうんです。それを分かっていない人が意外に多いんです。テレビの基本的なことを知ってるほうがいいものができると思うんですが、それを教えられる人も少なくなってるんだろうなと思うとちょっと寂しいですね…」(「やきそばかおるの会いに行ける偉人」より抜粋)


というお話をたっぷりと聞かせていただきました。すると、これまた、ひょんなことから、10月にスタートするMBSラジオの福島暢啓アナウンサーの新番組「次は~ 新福島!」(火曜~木曜 20時~21時55分)のタイトルロゴを、もふもふさんが描くことになったのです!!これぞまさしく”縁”というか、”ひょん”というか。

もふもふさんも、オファーの話を聞いて大変喜んでいました。しかも、先日は番組にも出演してらっしゃいました。ちなみに、もふもふさんは福島アナウンサーにお会いする時に「福島暢啓アナウンサー」と、80年代のニュースの字幕風に書いたカードをプレゼントしていました。福島さんも大喜び!(淀川長治ふうに)いやぁ~、ひょんなことって本当に良いですね!

10

※「なるほど!ザ・ワールド」「スタート どっきりマル秘報告」「NHK紅白歌合戦」などの番組で手書きのスーパーを担当されていた方といつかお会いしたく…。ひょんなことが起きますように…。