2017年07月27日

一時帰国用に安いSIMカード。

ずっと中国に住んでいて、僕には日本の携帯電話がない。たまに帰国しても数日間だけだから、街なかのフリーWiFiと公衆電話そして実家の電話でこと足りていた。でも今回は電話をかけることが多そうだったので、プリペイドSIMカードを買ってみた。帰国後に空港で買えばいいのかななんて思っていたんだけれど、時々日本へ旅行に行く知人にSIMはどうしてるのか聞いてみると、「淘宝(タオバオ)で買えるよ」と教えたくれた。早速 「日本 SIM」 で検索してみるとたくさん出てきて、日本で買うよりずっと安いようなので、ためしに使ってみた。

日本に入国したあと、SIMカードを差し込み、アクセスポイント(APN)を選択するだけで、すぐ使えるようになった。なんの登録も必要ない。モバイル通信専用のSIMだけれど、Skype等を使えばどこにでも電話はできるから問題ない。短期滞在で数日間だけ必要って人にはお得なSIMカードだと思う。



■僕が使ってみたSIMカード
日本4G上网卡
いろんな日数のSIMが用意されていて2日間分から買える。

使用開始から2日間有効 25元(約400円),
3日間有効 28元(約450円)
5日間有効 38元(約600円),
7日間有効 40元(約640円)←日本で買うと7日間で2000円ほどするらしい。
8日間有効 86元(約1380円)
15日間有効 108元(約1730円)
30日間有効 128元(約2050円)

※それぞれに設定された容量内は速度4G、容量を超えてからは速度3Gで期間内無制限に使える。3Gスピードでも全然問題ない。
※モバイルデータ通信専用。
※SoftBank LET の回線を使用。(よくわからないが香港経由っぽい)
※送料無料。時間がない場合、上海虹橋空港,上海浦東空港での直接受取も可。
※ドラッグストアーや大型電気店、免税店などの割引優待券も付いてくる。


↑標準,マイクロ,ナノ、すべてに対応。買うときにSIMタイプを選ぶ必要はない。




yakmeatball at 20:23|PermalinkComments(0)《日本》 | CHENGDU LIFE 2017

2017年07月23日

防空壕で読書。

今年の夏も、人民公園の地下にある防空壕が市民に開放された。長い成都の夏を、少しでも快適に過ごせるよう、真夏になると毎年ドアが開くんだ。地下内部は25度前後に保たれ、蒸し暑い地上から階段を降りて中に入ると、生き返った気分になる。短いのから長いのまで五つほどある防空洞には椅子とテーブルが並び、お茶の国らしく各所に給湯器も設置されている。ひまわりの種を食べながらおしゃべりしたり、麻雀やトランプをしたり、夏休みの宿題をする子供もいる。

僕も毎年真夏になると、一度はこの防空壕へ足を運ぶ。涼みに行くというよりも、防空壕を見に行くといったほうがいい。狭い穴やただの自動車トンネルは嫌だけれど、防空壕や洞窟といった怪しげ、あるいは神秘的なところは好きなんだ。



 
↑夏の成都のお気に入り、人民公園防空洞。“天然空調”だそうだ。



今回は、先日帰国した時に買った本を持って出かけた。アドラー心理学について書かれた「嫌われる勇気」という本だ。アドラーの見方を地下トンネルの中で読むと、しっくりくるような気がしたんだ。実際、しっくりきた。薄暗い地下トンネルだったらだめだった思う。近未来のSF映画に出てきそうな妙に真っ白なトンネルだからしっくりきたんだろうと思う。僕は昔から、ぐっと引き込まれそうな本に出会うと、すぐには読み進めずに、それを読むのにふさわしい場所を選んで、そこへ出かけることにしている。それは見晴らしのいい塔の上だったり、潮の香りが漂う海岸だったり、ベトナムあたりのオープンカフェの場合もあるし、都会の近代的で快適なホテルの一室だったりする。一冊の本を読むために、冬のラサの日当たりのいいテラスまで出かけたこともある。なんだそれ?って言われることもあるけれど、僕にはけっこう大切なことで価値のあることなんだ。

しばらく涼しい防空壕で本を読んでいると、隣にひと組の夫婦がやってきて麻雀の準備を始めた。アドラー心理学なんて全く縁のなさそうな二人で、なにやらいろいろ話しかけてくる。もうちょっと読み進めたかったんだけれど、しょうがない。僕は、そこで本を閉じた。


この真っ白で長い防空壕、何度来ても不思議な空間だなぁと思う。



■成都1号防空洞

場所:人民公園内の地下。
期間:毎年7月中旬から9月。気温30度以上でオープン。
開放時間:毎日9:30〜17:00(無料)。

※壁には愛国教育用に第二次世界大戦時代のパネルが展示されていることもあるが、この防空壕はその時代のものではなく、(なんと!)将来の核戦争に備え、70年代に中国全土に掘られた無数の防空壕のひとつ。中国のあちこちで“納涼防空洞”として市民に開放されている。

 
↑納涼防空壕の入口。入口は湖(大きな池)のほとりにある。

 
↑市民の憩いの場 人民公園は旅行者が出かけてもそれなりに楽しめる。





yakmeatball at 19:47|PermalinkComments(0)成都 | CHENGDU LIFE 2017

2017年06月26日

久しぶりにチャイ。

急にチャイが飲みたくなった。ミルクティーではなく、チャイが飲みたくなった。最近はしょっちゅうベトナム式のアイス珈琲を飲んでいて、飲みすぎたせいか、新鮮味がなくなってきた。だからなのかな、急にチャイが飲みたくなったのは。この暑いのにチャイってのもなにかなぁとも一瞬思ったけれど、シナモンをナイフでたっぷり削って、小さな鍋でぐつぐつと煮ることにした。



 
↑かんたんチャイと、木から剥がしっぱなしのシナモン。



出来上がったチャイを一口飲むと、インドの匂いや色、そして音がよみがえった。ついでにチベット人街で買ったインドのお香まで焚いてみた。うーん、いいなあ。


飲み物ってのは大事だよな。何を飲むか、ただそれだけで気分はずいぶんと変わってくる。そして気分を変えられる。




ここは中国で、お茶の国なんだけれど、僕は中国茶にはあまり興味がない。周りの人たちが一番よく飲んでいる“开水”(カイシュイ/ただのお湯、またはそれを冷ましたもの、しかも常温) にいたっては、問題外である。何がうれしくてそんなもの飲むのか、ちっともわからない代物だ。もっと心に響くような香りと味がしなくっちゃ。



 
↑飲みすぎたベトナム珈琲だって、ジンジャー、はちみつ、シナモンなんかを加えれば、また違った味が楽しめる。




今度は、いろんなスパイスを買って、もっと深みのあるマサラチャイを作ってみようかな。




yakmeatball at 17:43|PermalinkComments(4)CHENGDU LIFE 2017 

2017年06月16日

熱い成都で、さっぱりと梅干茶漬け。

夏といえば、ひまわりだ。緑色の大きな葉っぱに、Y100+M20の黄色い花。イエロー100%にマゼンダが20%プラスされたこの黄色が好きだ。この色のひまわりが毎日視界に入ると僕はうれしくなる。田舎住まいじゃないからひまわり畑ってわけにはいかないけれど、それでも大きいのから小さいのまで30本ほど育っている。去年収穫した種はまだたくさんあって、何ヶ月も続く成都の長い夏のあいだ中、いつもひまわりが咲いているように少しづつ時期をずらして種を植えていこうと思っている。



 
↑咲き始めたひまわり。冬に枯れかけたバナナの木ももちなおして、また大きな葉が伸びてきた。



夏らしいひまわりを見ながら、これに爽やかさが加わればもっといいな思った。日本には“爽やかなもの”がたくさんある。でも中国(成都)にはどういうわけかあまりない。爽やかとは無縁の文化のような気がする。“熱血”“熱情”という暑くるしいもののほうがよく似合う土地柄、人たちなんだ。それはそれで楽しいものだけれど、僕はやっぱり、夏にはもっと爽やかさがほしいんだよな。

食べ物もそうだ。風情もあって爽やかな“流しそうめん”といったようなものはもちろんないし、野菜サラダすら人気がない。夏に汗だくになって激辛の麻辛火鍋を食べるのが“キモチイイ”んだそうだ。ぼくはまっぴらごめんで、いつも油こってり、唐辛子たっぷりの四川料理を食べていると、「さっぱりしたものが食べたいよ」と、たまに叫びたくなる。そこで僕は、梅干ときざみ海苔を淘宝(タオバオ)で買った。どうしても梅茶漬けが食べたくなってしまったんだ。梅干は福建省から日本へたくさん輸出しているし、きざみ海苔は結構人気のあるたこやき(もどき)に使われるから需要があって、淘宝で簡単に買えちゃうんだ。日本にいたときは見向きもしなかった梅干ときざみ海苔。今の僕は、こんなもので結構 幸せな気分になれる。



 
↑記憶にある梅茶漬けとは微妙に違うような気はするけれど、気分気分。気分が大事。







深夜食堂 盐渍紫苏梅 出口日本紫苏调味梅500g
28元(約450円/送料無料)。
福建省産、日本へ輸出用のしそ梅。かつお梅もある。


日本寿司料理食材 章鱼小丸子材料 切丝海苔丝紫菜丝100g
17元(約270円/送料無料)。
江蘇省産、中国国内向けのきざみ海苔。かなりたくさん入っている。

※1元=16円計算





yakmeatball at 14:04|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017 

2017年05月26日

成都地下鉄車内禁止事項。

中国には「文明wenming」という文字があちこちで使われていて、これは黄河文明などの“文明”ではなく、“文明的,礼節がある,道徳的”といった意味のほうの文明で、反対語は“野蛮yeman”となっている。成都の地下鉄も、文明的になるべく新しい交通管理条例を発令し、来月6月1日から施行されることとなった。



 
↑成都地下鉄。



この条例により、来月からは地下鉄車内で物が食べられなくなる。中国では朝食は通勤途中に済ませるという人が多くて、今までは車内で食べる人も多かったようだ。が、これからは禁止となり、注意されてもやめない場合は50元以上200元以下の罰金が科せられる。車内には治安警察みたいな人たちが常にいるので、こっそり食べるのは難しいだろう。今回食べ物が禁止されただけで、飲み物は飲んでもかまわないようだ。

新条例では車内での禁止事項が明確に明記されている。できない人がいるということなんだな。

食事禁止/喫煙禁止/ガムの吐き捨て禁止
糞尿等の垂れ流し禁止/ところ構わずの痰吐き禁止
果物の皮、紙くず、包装物等、ゴミのポイ捨て禁止
暴れ騒ぐこと禁止/寝そべり禁止/土足で椅子の上に乗ること禁止
物乞い禁止/廃棄物リサイクルゴミ等の拾い集め禁止
露店営業禁止/雑用品の積み上げ禁止
大道芸禁止/楽器演奏禁止/実演販売等の営業活動禁止
自転車(未包装の折畳自転車を含む)及び電動自転車持ち込み禁止
盲導犬以外の動物持ち込み禁止

うーん、大道芸と実演販売は禁止しないでほしかったかも。


 
↑こういうのダメ。(ニュース写真より転載)


無賃乗車をした場合は100元以上200元以下の罰金だそうだ。


 
↑こうやって無賃乗車するらしい。(ニュース写真より転載)



地下鉄ではないが、交差点には「横断歩道を渡りましょう」といった、交通ルール関係の立て看板があちこちにあって、僕は少しばからしくなる。子供用ではなく大人向けに書かれているんだ。十年以上成都の通りを見てきたけれど、改善のきざしはほとんどないわけだし、資源の無駄になるからやめたほうがいいんじゃないかと思っている。


 
↑歩行者、自転車、電動バイク利用者にとって、横断歩道も信号もあくまでも“参考”である。こんなだから衝突事故はよくある。昨日も目の前でバイクと車がぶつかった。




文明社会を築くというのは、実は大変なことだったんだな。

とは言っても、日本のようにルールでがんじがらめになってほしくはないなと、こっそり思っている。




yakmeatball at 15:05|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017 | 成都

2017年05月17日

成都郊外の尼寺、温江大乗院。

成都の仏教寺院といえば、文殊院、昭覚寺、古大聖慈寺あたりが有名で、観光地としても賑わっているんだけれど、郊外には地元の人しか来ないような寺もけっこうある。先日、西の郊外「温江」へ出かけたとき、そんな寺のひとつに立ち寄ってみた。のどかな田園が広がっていた温江は、今では高層マンションが建ち並ぶ新興住宅地に変わっている。来月には地下鉄も開通し、伊藤ヨーカ堂まで進出するほどの発展ぶり(?)である。訪れた寺の名は「大乗院」、意外と大きくて、数ヶ月前の春節には大勢の温江市民で賑わったそうだ。普段は地元の人がたまに来る程度らしい。



 
↑温江大乗院。赤い横断幕がなければもっといい。

 
↑堂内には千手観音とか阿弥陀像(たぶん)なんかが祀られていた。



活気のある寺も観光気分で楽しいけれど、人のほとんどいない静かな寺もいいもんだ。



 
↑茶館や食堂もあって、精進料理も食べられる。精進料理というと聞こえはいいが、ただの肉なし料理である。セルフサービス、食べ放題、たったの5元(約80円)。見た目はともかく、素朴な味で、そのへんの食堂の油っぽい料理よりおいしいと思った。




■温江大乗院
場所:成都市温江区公平街道惠和村
成都の中心天府広場から西へ約20キロ。
交通(成都中心エリアから):
地下鉄4号線に乗り「文化宮」站 下車 → 金沙公交站から904路(始発)のバスに乗り「天乡路一段惠民路口」站 下車、そこから徒歩500m弱。
地下鉄4号線延長線開通(6月予定)後は、4号線で「湧泉」站まで行き、「温泉大道一段口」站から904路のバスに乗るほうが早く着く。
門票:無料



yakmeatball at 20:00|PermalinkComments(0)成都 

2017年05月16日

成都はすでに夏、油桃がおいしい。

5月も中旬になり、店先に“油桃youtao”が出回るようになった。夏のおいしい果物だ。僕はずっと “成都のかたい桃” と勝手に呼んでいたが、「ヨウタオ」という名前で、見た目や大きさはプラムやスモモにちょっと似ている。でも桃だ。日本でも栽培されているようで、“ネクタリン”とか“ズバイモモ”などと呼ばれているそうだ。このかたい油桃を皮ごとガリガリ食べるのがおいしい。来月になると油桃をたくさん積んだリヤカーや、天秤棒を担いで売り歩く人たちが通りに現れるはずだ。彼らが現れると僕はスーパーや果物屋では買わずに、帰りの道端で買う。味は同じでも、道端で買うほうがなんだか楽しいし、うれしくなるんだ。



 
↑ガリガリと毎日油桃をかじる季節がやってきた。家の中のクワズイモの葉っぱもますます大きくなってきた。




ここ成都の午後は連日30度を超え、すっかり夏だ。それでも湿度はそれほど高くはなくて、わりと気持ちいい。


yakmeatball at 20:33|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017 

2017年04月16日

くせになるジャアールゲン。

なんでも食べる中国には、えーっ!ありえない、と思ってしまう食べ物がたくさんある。最初は見た目や変わった味のせいで抵抗を感じることも多いんだけれど、何度か食べるうちにくせになってしまうものもある。そんな食べ物のひとつに 「折耳根(ジャアールゲン)」 という野菜がある。中国で暮らし始めたころ、「四川のサラダですよ」と紹介された。一口食べて、これ人の食べるものか?と思った。小学校に上がる前、近所の女の子の“おままごと”につき合わされ、雑草を食べたことがある。あまりにもショッキングな味だったので今でも覚えている。折耳根はその時の“料理”と似たような味だった。何の植物なのかわからなくて、さつまいもの根っこか? などと勝手に想像していた。そしてしばらく経ってから、日本では雑草扱いの「ドクダミ」だと知った。



 
↑そのへんの八百屋で普通に売られている。



折耳根は中国西南部の四川省や雲南省では普通に食べられていて、葉も茎も根っこもすべて食べられる。生のまま醤油や唐辛子で味付けして食べることが多い。炒め物になることもある。南の隣国ベトナムでは葉っぱをハーブとしてフォー(ライスヌードル)にのっけたりもする。ちょっと苦くて、かなりクセのあるこの味は、パクチーが好きな人ならいけるんじゃないかと思う。一回食べてだめでも、何度か食べるうちにくせになってしまうかもしれない。僕はそうだった。まだ食べたことがない人は、ぜひ試してみて欲しい。日本にもそのへんの道端なんかに生えているはずだ。薬用効果もあって、高血圧や動脈硬化の予防にもなるらしい。


好きになってしまった僕は、日本語で話すときも「ドクダミ」という毒々しい響きの名前は使わず、「折耳根(ジャアールゲン)」と呼んでいる。




yakmeatball at 18:43|PermalinkComments(8)CHENGDU LIFE 2017 

2017年04月08日

中国式ソーセージ、自家製「香腸」。

自家製ソーセージをもらった。軒の下に吊ってあるのを見たことがある人も多いんじゃないかと思う。味は、しょっぱかったり、辛かったりと地域や家庭によって変わるようだ。ソーセージといえば表面に弾力があって中はジューシー、マスタードがよく合うあのソーセージを想像すると思うんだけれど、中国式の自家製ソーセージは燻製のような黒い色をしていて硬い。表面をよく洗ったあと、しっかりゆでて、サラミのように薄く切って食べる。僕は四川の人と上海の人からもらったことがあって、味は微妙に違うが、そのどちらもすごく辛かった。これが結構クセになる味なんだ。



 
↑茹でる前の見た目はなんだが、食べるとうまい。




四月になって、成都は気温がぐっと上がった。昼間はTシャツ1枚の人も結構いる。今年は夏が早いんだろうか。



yakmeatball at 20:06|PermalinkComments(3)CHENGDU LIFE 2017 

2017年03月30日

けんかをたくさん見た日はタルチョ。

新しい電動バイクで仕事場に向かっていると、目の前の自転車道が騒々しい人ごみに塞がれた。何を言ってるのかわからないが大声で叫ぶ人たちの中には警官もたくさん混ざっている。なんだ? 集団のけんかか? そばには倒れて動かない人もいる。集団は50人ほどいるだろうか、数か所で叫びながらつかみ合っている。警察が人を殴っている。僕はこんなことには構わず先へ進みたくて、バイクのベルをさっきから鳴らしているのに、誰の耳にも入らないようだ。そうこうしているうちにその人の塊がなんと勢いよくこっちへ移動してくるじゃないか。そしてとうとう僕まで塊の中に入ってしまった。かんべんしてよ。自転車道と自動車道の間には柵があって、逃げ出せないんだ。頼むから関係ない僕まで殴らないでよ…、そう思いながら、動けなくて困っていると、それに気づいた警官がひとりやってきて、誘導してくれた。殴り合いの集団を抜け出すと周りには野次馬がわんさかいて携帯で写真を撮っている。いやだなぁ、もう。殴り合っている人たちには何か理由があるんだろうから、殴らないで話し合ったっらどうだ?と思うだけなんだけれど、携帯で写真撮ってる野次馬たちはちょっと不愉快だ。なんだか見てて悲しくなる。

職場のエレベーターホールでは、大声でヒステリックな口喧嘩か続いていた。またけんかだよ。殴り合ってはいないからまだましではある。さらに仕事を終えて帰宅途中の交差点では、キレまくった警官が大声で叫んでいる。よく聞いてみると、「お前、俺のこと笑っただろ!」 と何度も何度も叫んで市民に恐喝のように詰め寄っている。どういうことなのかちっともわからない。僕の隣にいたおばちゃんは 「なんて警官なんだっ!」 と男っぽく吐き捨てて去っていった。怒鳴られている市民が、負けずに大声で警官に反撃を始めたようだが、信号が青に変わったので、その後の展開を見ることなく、僕は電動自転車を走らせた。

ウイグル人の屋台でシンジャンの丸くて大きなナンを買って帰ると、守衛(門番?)のおばちゃんに 「あんた、またそれ買ったのかっ!」と怒鳴るような大声で叫ばれた。おばちゃんは怒っているわけではなく、笑っていても怒鳴るような大声なんだ。おばさんではなく、すごーくガサツなオヤジって感じで、成都にはそういう人が多い。

ああ、今日はうるさいうるさい、と思いながら階段を登ると、今度はうちの下の階でルームシェアをしてる人たちが、ルールがどうとか叫びながら口喧嘩していた。僕は、「一応ルールつくってるんだなぁ…」と思った。でも守れないから喧嘩してるってことなんだよな。やれやれだ。

それにしても今日はたくさんけんかを見たな。初夏のように気温が上がったから、みんな熱くなっちゃったんだろうか。


庭の椅子に座って、昨日手作りしたタルチョの飾りを眺めた。風が吹くとゆっくりと回るように作ってみた。布に書かれた祈りは、風に乗って遠くまで伝わっていくそうだ。チベット語の勉強は始めて間もなく断念したから全く読めないけれど、みんなの心が穏やかになるような祈りも書かれているんじゃないかと思っている。その祈りが風に乗って毎日飛んでいく。この団地のどこかにはチベット人も住んでいるようで、夕方になると建物の合間にチベットの歌声が響き渡る。その声には遠く離れたチベットへの思いがこもっているようで、心に響く。どんな人が歌っているんだろうなと時々思うんだけれど、探したことはない。



 
↑タルチョDIY。長いタルチョをここに張るのは場違いなような気がするので、使い捨てプラスチック容器にぐるぐる巻いてこんなふうにしてみた。ひもで吊るすと風でゆっくり回り、布はひらひらとなびく。

三角形のタルチョ、長さ7メートル。近所のチベット人街で1本5元(約80円)で買った。

 
↑タルチョは普通はこんなふうに張ったり、巻きつけたりする。




成都の庭で、チベットの生の歌声を聞き、時折回り、時折風になびくタルチョを眺めながら、僕はベトナムのコーヒー豆を手で挽く。ゆっくり、香りを楽しみながら挽いたあとはベトナム式でドリップして、シンジャンのナンをつまむんだ。



 
↑ベトナムコーヒーとシンジャンナン。





yakmeatball at 22:00|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017