2017年04月16日

くせになるジャアールゲン。

なんでも食べる中国には、えーっ!ありえない、と思ってしまう食べ物がたくさんある。最初は見た目や変わった味のせいで抵抗を感じることも多いんだけれど、何度か食べるうちにくせになってしまうものもある。そんな食べ物のひとつに 「折耳根(ジャアールゲン)」 という野菜がある。中国で暮らし始めたころ、「四川のサラダですよ」と紹介された。一口食べて、これ人の食べるものか?と思った。小学校に上がる前、近所の女の子の“おままごと”につき合わされ、雑草を食べたことがある。あまりにもショッキングな味だったので今でも覚えている。折耳根はその時の“料理”と似たような味だった。何の植物なのかわからなくて、さつまいもの根っこか? などと勝手に想像していた。そしてしばらく経ってから、日本では雑草扱いの「ドクダミ」だと知った。



 
↑そのへんの八百屋で普通に売られている。



折耳根は中国西南部の四川省や雲南省では普通に食べられていて、葉も茎も根っこもすべて食べられる。生のまま醤油や唐辛子で味付けして食べることが多い。炒め物になることもある。南の隣国ベトナムでは葉っぱをハーブとしてフォー(ライスヌードル)にのっけたりもする。ちょっと苦くて、かなりクセのあるこの味は、パクチーが好きな人ならいけるんじゃないかと思う。一回食べてだめでも、何度か食べるうちにくせになってしまうかもしれない。僕はそうだった。まだ食べたことがない人は、ぜひ試してみて欲しい。日本にもそのへんの道端なんかに生えているはずだ。薬用効果もあって、高血圧や動脈硬化の予防にもなるらしい。


好きになってしまった僕は、日本語で話すときも「ドクダミ」という毒々しい響きの名前は使わず、「折耳根(ジャアールゲン)」と呼んでいる。




yakmeatball at 18:43|PermalinkComments(5)CHENGDU LIFE 2017 

2017年04月08日

中国式ソーセージ、自家製「香腸」。

自家製ソーセージをもらった。軒の下に吊ってあるのを見たことがある人も多いんじゃないかと思う。味は、しょっぱかったり、辛かったりと地域や家庭によって変わるようだ。ソーセージといえば表面に弾力があって中はジューシー、マスタードがよく合うあのソーセージを想像すると思うんだけれど、中国式の自家製ソーセージは燻製のような黒い色をしていて硬い。表面をよく洗ったあと、しっかりゆでて、サラミのように薄く切って食べる。僕は四川の人と上海の人からもらったことがあって、味は微妙に違うが、そのどちらもすごく辛かった。これが結構クセになる味なんだ。



 
↑茹でる前の見た目はなんだが、食べるとうまい。




四月になって、成都は気温がぐっと上がった。昼間はTシャツ1枚の人も結構いる。今年は夏が早いんだろうか。



yakmeatball at 20:06|PermalinkComments(3)CHENGDU LIFE 2017 

2017年03月30日

けんかをたくさん見た日はタルチョ。

新しい電動バイクで仕事場に向かっていると、目の前の自転車道が騒々しい人ごみに塞がれた。何を言ってるのかわからないが大声で叫ぶ人たちの中には警官もたくさん混ざっている。なんだ? 集団のけんかか? そばには倒れて動かない人もいる。集団は50人ほどいるだろうか、数か所で叫びながらつかみ合っている。警察が人を殴っている。僕はこんなことには構わず先へ進みたくて、バイクのベルをさっきから鳴らしているのに、誰の耳にも入らないようだ。そうこうしているうちにその人の塊がなんと勢いよくこっちへ移動してくるじゃないか。そしてとうとう僕まで塊の中に入ってしまった。かんべんしてよ。自転車道と自動車道の間には柵があって、逃げ出せないんだ。頼むから関係ない僕まで殴らないでよ…、そう思いながら、動けなくて困っていると、それに気づいた警官がひとりやってきて、誘導してくれた。殴り合いの集団を抜け出すと周りには野次馬がわんさかいて携帯で写真を撮っている。いやだなぁ、もう。殴り合っている人たちには何か理由があるんだろうから、殴らないで話し合ったっらどうだ?と思うだけなんだけれど、携帯で写真撮ってる野次馬たちはちょっと不愉快だ。なんだか見てて悲しくなる。

職場のエレベーターホールでは、大声でヒステリックな口喧嘩か続いていた。またけんかだよ。殴り合ってはいないからまだましではある。さらに仕事を終えて帰宅途中の交差点では、キレまくった警官が大声で叫んでいる。よく聞いてみると、「お前、俺のこと笑っただろ!」 と何度も何度も叫んで市民に恐喝のように詰め寄っている。どういうことなのかちっともわからない。僕の隣にいたおばちゃんは 「なんて警官なんだっ!」 と男っぽく吐き捨てて去っていった。怒鳴られている市民が、負けずに大声で警官に反撃を始めたようだが、信号が青に変わったので、その後の展開を見ることなく、僕は電動自転車を走らせた。

ウイグル人の屋台でシンジャンの丸くて大きなナンを買って帰ると、守衛(門番?)のおばちゃんに 「あんた、またそれ買ったのかっ!」と怒鳴るような大声で叫ばれた。おばちゃんは怒っているわけではなく、笑っていても怒鳴るような大声なんだ。おばさんではなく、すごーくガサツなオヤジって感じで、成都にはそういう人が多い。

ああ、今日はうるさいうるさい、と思いながら階段を登ると、今度はうちの下の階でルームシェアをしてる人たちが、ルールがどうとか叫びながら口喧嘩していた。僕は、「一応ルールつくってるんだなぁ…」と思った。でも守れないから喧嘩してるってことなんだよな。やれやれだ。

それにしても今日はたくさんけんかを見たな。初夏のように気温が上がったから、みんな熱くなっちゃったんだろうか。


庭の椅子に座って、昨日手作りしたタルチョの飾りを眺めた。風が吹くとゆっくりと回るように作ってみた。布に書かれた祈りは、風に乗って遠くまで伝わっていくそうだ。チベット語の勉強は始めて間もなく断念したから全く読めないけれど、みんなの心が穏やかになるような祈りも書かれているんじゃないかと思っている。その祈りが風に乗って毎日飛んでいく。この団地のどこかにはチベット人も住んでいるようで、夕方になると建物の合間にチベットの歌声が響き渡る。その声には遠く離れたチベットへの思いがこもっているようで、心に響く。どんな人が歌っているんだろうなと時々思うんだけれど、探したことはない。



 
↑タルチョDIY。長いタルチョをここに張るのは場違いなような気がするので、使い捨てプラスチック容器にぐるぐる巻いてこんなふうにしてみた。ひもで吊るすと風でゆっくり回り、布はひらひらとなびく。

三角形のタルチョ、長さ7メートル。近所のチベット人街で1本5元(約80円)で買った。

 
↑タルチョは普通はこんなふうに張ったり、巻きつけたりする。




成都の庭で、チベットの生の歌声を聞き、時折回り、時折風になびくタルチョを眺めながら、僕はベトナムのコーヒー豆を手で挽く。ゆっくり、香りを楽しみながら挽いたあとはベトナム式でドリップして、シンジャンのナンをつまむんだ。



 
↑ベトナムコーヒーとシンジャンナン。





yakmeatball at 22:00|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017 

2017年03月27日

久しぶりの小偷xiaotou。

真夏の雨のあとでもないかぎり、成都の空は晴れていてもなかなか青くはならない。たいていは白っぽい。でも今日は久しぶりに白い雲と青い空がはっきりとわかれていて、こういう空が広がると心も晴れ晴れしてくる。

屋内にいる場合じゃないそんな天気のいい日は、小偷まで元気になったようだ。小偷(シャオトウ)というのは“泥棒”のことだ。パスポートや現金といった貴重品は生まれてこのかたまだ一度も盗まれたことはない。結構うっかりしたところもあるから、自分でも不思議なくらいで、運がいいと思っている。ただ、貴重品以外のものとなると話は別で、何度か盗まれている。ここ成都で最も多く盗まれたのはポケットやバッグに入る小さな物じゃなく、電動バイク(電動自転車)だ。今日、この天気のいい日に盗まれたのもそれだ。四度目か五度目か、もう忘れた。盗まれたり、だまされたりするのは、すでに経験値が高く、落ち込んだり、それがあとを引く、なんてことはない。特に電動バイクに関しては、新しいのに買い換えるチャンスが来たと、ちょっとうれしかったりもする。中国でいやというほど資源の無駄遣いを見てきたから、まだ使えるものを自分から捨てるってことに抵抗があるんだ。だからどこかで、誰か盗んでくれないかな、なんて思ったりもしていた。

今までは、盗まれたらその足でバイク屋に直行していたんだけれど、今回はちょっとだけ考えた。これを機会に、これからは地下鉄やバスを使うってのはどうだろう。うーん。だめだ、だめだめ。旅行中ならともかく、あんな混雑というか混乱した状況が日常になるなんて、ぞっとする。じゃ、自転車シェアリングはどうだ? うーん、これも日常にするにはイマイチだ。それに長い夏が控えてるわけだし、ペダルを漕いで汗だくになるなんてまっぴらごめんだな。

結局、今までどおり、バイク屋へ向かい、新しいのを買ってそのままうちへ乗って帰った。自転車置き場のおばちゃんは 「新しいのはやっぱりキモチイイよねぇ」 なんてでっかい声の四川弁で話しかけてくる。この前から 「新しいの買いなよ」 と言われるたびに 「僕は無駄遣いしないよ」 と答えていたんだ。




 
↑青い空と、新しい電動バイク。1680元(約27,000円)。法律上は「電動自転車」なのでペダルが付いていたんだけれど、じゃまだし、役に立たないので外してもらった。




今日は、空も青いし、電動バイクも新しいし、いい一日だな。





yakmeatball at 16:41|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017 

2017年03月24日

成都の通りも自転車シェアリング。

昔の中国は自転車大国で、朝夕の通りは自転車に乗った人たちがどどーっと波のように流れていた。そんな時代はとうに過ぎ、今や自動車大国だ。保有車両数はアメリカに次いで世界第2位にまでなっている。車の渋滞は深刻な問題で、ここ成都もナンバー規制が敷かれ、市民は不便を強いられている。渋滞緩和のために横断歩道は減り、雰囲気のよかった並木をどかして道路拡張、そしてここ10年間ずっと地下鉄工事だ。それでも渋滞が緩和されたようにはちっとも思えないのはなぜだろう。

そんな状況の成都に、ここ数ヶ月で一気にレンタル自転車が普及した。30分たった5角(約8円)で使える乗り捨て自転車だ。政府の奨励もあって「共享単車」と呼ばれる自転車シェアリング企業はすでに5社を超えている。最近の市中心エリアはこのレンタサイクルだらけで、通りの風景がちょっと変わった。個人的にはあまり好きじゃない。だって、みんな同じ自転車に乗っていてちょっと気持ち悪いんだ。画一的で無個性なのは度を超すと気持ち悪い。そしてちょっと怖い。誰もかれもが揃って金色のiPhoneを持っているのと同じ印象だ。

まあ、僕の個人的な好みはどうでもいいことで、客観的に見ればこの普及はとてもいいことなんだろうと思う。車の渋滞、大気汚染、バスや地下鉄の混雑、こういった問題をいくらか緩和してくれるはずだ。その上、運動にもなる。

ただ、この「いいとこずくめ」のような便利なシステムにも問題がないわけではない。自転車シェアリングには「公共モラル」が欠かせない。なのに、そこがまだ追いついていないんだ。信号を守れない(守る気がない)、ゴミはそのへんにポイ捨て、公共物を大切に扱う意識なし、そんな段階でこのシステムは高度である。自転車を乱暴に扱う人は多いようだし、QRコードを壊して色を塗り替え、自分の持ち物にしてしまう人もいるそうだ。自転車シェアリングに客を奪われたタクシー会社の人間が、ムカついて自転車を大量に燃やしてやった、なんてニュースもあった。ちょっと導入が早すぎたかな。

なんでこうなのかな。十数年間成都を見てきて、公共モラルは以前よりましにはなってきている。ただ、十数年もかけて少しだけだ。どうしてこんな簡単なことができないのか、理解不能なことは相変わらず多いんだけれど、それがここの現実だ。いちいち腹を立てていては生きていけないので、「ありえなーい」 と笑って、興味深く観察するんだ。そして、いつになるのか全くわからないが、いつかは変わると信じるしかない。


ともあれ、ここ成都に自転車シェアリングが普及した。これは成都市民だけじゃなく、旅行者にとっても便利なシステムだ。人が多くて座れないバスや地下鉄は疲れるし、歩くにはちょっと遠い、そんな時にはこの自転車の出番だ。次の観光スポットへの移動だけじゃなく、のんびりペダルをこぎながら路地裏を見て回るなんてのも楽しいもんだ。タクシーやバス、地下鉄移動では見えない、自転車ならではの風景ってのがある。



■共享単車(gongxiangg danche)

 
↑会社によって色が違う。歩道に停めてあるのも右の人が乗ってるのも全部共享単車(左の写真)。地下鉄駅やバス停の近くなど市内あちこちの大きめの通りに並んでいる。


共享単車の登録には、実名登録済みのスマートフォンと、支払い用に支付宝,微信付宝などが必要。携帯にAPPをダウンロードし、画面の指示に従って登録すれば使えるようになる。登録のためにわざわざどこかへ出かける必要はない。外国人もOK。押金(保証金) は99元。Mobikeのみ298元(払い戻し可)。使用料はどの会社も30分0.5元、1時間1元。空き自転車がどこにあるかはAPPが教えてくれる。

↓成都で使える共享単車
(2017年3月現在Mobikeとofoが多いように思う)
●ofo共享単車 http://www.ofo.so/
黄色い自転車。全国展開。
●Mobike摩拜単車 http://mobike.com/cn/
銀色のボディーにオレンジ色のタイヤホイール。全国展開。
●youon永安行 https://www.youonbike.com/
青いボディーに黄色のタイヤホイール。全国展開。
●1歩単車 http://www.1bgx.com/
水色の自転車。成都の会社、今のところ成都のみ。
●bluegogo小藍単車 https://www.bluegogo.com/cn/
青いボディーに黒いタイヤホイール。全国展開。


だそうです。
僕はまだ使ったことがありません。電動バイクがあるので。



yakmeatball at 18:44|PermalinkComments(0)成都 | CHENGDU LIFE 2017

2017年03月15日

成都に春が来て、「郁金香」が咲いた。

チューリップのことを中国語では「郁金香(yujinxiang)」という。僕には全くチューリップを連想できない漢字である。「郁金」を辞書で調べてみると“ウコン”と書いてあった。そういえば、「ウコンの力」がどうとかというのを日本で聞いたことがあるな。「ウコン」っていったい何なんだろうな。

とにかく、成都に春がやってきて、昼間はけっこう暖かくなった。庭にある何なのか不明の木には新芽が出、去年植えておいたチューリップに花が咲いた。チューリップを植えるのは子供のとき以来で、花が見たいというよりも、あの球根の、バニラに似たような甘い香りをまた嗅いでみたいなと思って買ったんだ。赤いチューリップは外の通りや公園に並べられるだろうから、白いのをメインに、紫のと、青紫の、そして黄色とオレンジが混ざったのを加えて数十個買った。そして花壇や植木鉢に、花が咲いた時の色のバランスを想像しながら埋めておいた。

冬に芽が出て、春になった3月の今、とうとう花が咲いた。


 


どういうことですかね。赤いチューリップを買った覚えはないんだが……。

中国では、白いものも赤く染まるってことなのか。そんなわけはないだろうから、原因は「淘宝(タオバオ)」で買ったことにあるんだろう。こういうことはよくあるんだ。ショッピングサイト「淘宝」はとても便利でよく使っている。そして相変わらずまがい物や詐欺っぽいもの、いいかげんな店も多い。まあ、中国ではそれは普通のことだ。どの色をどういうふうに並べようかなぁ、なんてけっこう考えた時間はなんだったんだろう、とは思うが、わけのわからない球根じゃなくちゃんとチューリップの球根が届いたというだけで、よしとしよう。赤いチューリップも、チューリップらしくてまんざらでもない。

まだ数本咲いていないものがあって、これが白く咲くかもしれないと、期待している。期待を裏切るのがとても上手な中国だから、期待はちょっとだけだ。誰かや、何かに、全く期待しない、期待できない人間になってしまうのは嫌なので、がっかりする可能性が高くてもやっぱりちょっとは期待するんだ。こうやって僕は、中国に来てからというもの、ずっと、ずっと、ちょっとの期待を裏切られ続けている。それでもかまわない。ちょっとがっかりするだけで、腹が立つほどのことじゃない。その分、自分が、ちょっと期待される人間になればいい。これが、中国で暮らしていくために必要な、バランスの取り方だ。





 
↑去年寒くなってから種を蒔いてみたひまわり。なんと冬の寒さにも耐え、つぼみまでたどり着いた。つぼみの緑が濃すぎるような気もするが、開いてくれるといいなとちょっと期待している。枯れかけのように見えていたヒューケラは春になって新しい芽を出し始めた。ヒューケラは期待を裏切らないようだ。パパイヤは残念ながら死んでしまったが、バナナとマンゴーそしてロンガン(竜眼)はがんばっている。





yakmeatball at 20:54|PermalinkComments(0)CHENGDU LIFE 2017 

2017年03月06日

国境地帯の旅終了。列車で昆明へ。

雲南省南部国境地帯の旅13●河口→昆明→成都

朝食を食べに行ったら、昨日と同じ服務員が今日は、日本語で「おはよー」と言ってくれた。僕は 「おはよう、早上好(ザオシャンハオ)」 と日本語と中国語で返事した。中国人どうしだと朝の挨拶なんてあまりしないんだけれど、挨拶の一言だけで気分良く一日が始まるってもんだ。

身支度をして路線バスで河口北駅へ向かった。国境の川べりにある河口駅は使われていない。満員でぎゅうぎゅう詰めのバスは狭い道を揺れながら走り、山の中に入っていった。いったいどこに行くんだ?と思ってしまう。すると民家も何もない山中に、場違いな感じの新しい駅が建っていた。将来はこの山の中まで開発する予定なのかな。中国ではよくあることだが、不便だよな、街から歩いていけるところにつくって欲しいよ。



 
↑妙にセキュリティの厳しかった河口北駅と、昆明行き列車。



何日も静かなところを旅してきたせいか、列車の中がすごくうるさく感じる。みんなイヤホンなしで携帯でドラマを見たり、ゲームをしたり、でかい声でずーっとしゃべり続けるんだ。団体旅行客もいて、昆明までの5時間半、僕はちょっとやれやれだと思った。これが初めての中国旅行だったら、この元気があってにぎやかな車内を楽しめるんだろうな。でもずっと中国に暮らしている僕にはうるさいだけである。

隣に座った女性がイヤホンつけずにドラマを見続ける。ちょっとつらくて、バッグの中の耳栓を探したが、どうやら忘れてきたようだ。我慢できなくなって、「イヤホンふたつ持ってるからこれ使いなよ。まだ使ってないやつだからきれいだよ」 と言ってみたんだけれど、音を消して見るからいいという。うーん、それじゃつまんないよな。なんか悪いことしちゃったかな。と思ったが、そんな気使いは無用であった。一旦静かになったあと、徐々に、徐々に、音はもとの大きさに戻っていった。隣の人以外にも数人見ていて、いろんなドラマの声がガヤガヤと入り交じる。静かに車窓の風景を眺めるなんて、そんなのはとても贅沢なことで、求めてはいないことである。

たくさんの音が同時にあるなら、音楽のように、きれいに、気持ちよく重なってくれたらなあ。あるいはこの列車、もっと、高速鉄道なみに速度上げてくれないかな。


新しい線路は山岳地帯をまっすぐ突っ切っていて、在来線より時間が短縮された分、トンネルだらけで目が疲れる。トンネルが途切れた時に山の景色がちょこっと見えるって感じだ。山岳地帯を抜けると広い平野が広がっていた。そして、畑の向こうに高層マンション、という最近増えてきた中国独特の景色が続いていった。こんなに広いんだから平屋や2階建てのほうがゆったりとして気持ちいいのにな。みんな高層マンションが好きなのかな、あるいは建設会社の利益率が高いってことなのかな。



 
↑こんな山岳地帯なのに線路はカーブしない。

 
↑田舎の町にも高層マンションが建ち、大きな町昆明の郊外は当然建設ラッシュ。




2週間近く雲南省にいたのに雲南の伝統的過橋米線を食べるのを忘れてた。エアポートバスに乗る前に食べてみると、高い上に美味しくなかった。これなら成都で食べるほうが美味しくて安いじゃないか。1回限りの客が多い駅前の店ってのがいけなかったのかな。今までいろんなところへ行って、中国では本場だからといって美味しいとは限らないというのはわかっている。そもそも中華料理自体、中国本土以外の中華圏または中華街で食べるほうが美味しいと僕は昔から思っている。中国にももちろんおいしい料理はたくさんあるが当たり外れが大きいってことである。



 
↑どどーっと人が出てくる昆明駅出口と、プラスチックの容器が悲しい過橋米線。過橋米線の小皿は陶器でなくっちゃ。



昆明は開発真っ最中で、早くこの町を出てうちへ帰りたくなった。成都行きのフライトは夜便だけれど、明るいうちにエアポートバスに乗った。




<河口→昆明→成都 旅行情報 2017.02>1元=16.5円計算
■鉄道:河口北站→昆明站 硬座54.5元(約900円),所要5時間40分。7:00, 10:00, 17:00, 22:55 の1日4本。22:55発のみ所要7時間48分。夕方と夜便は寝台あり,硬臥113.5元(約1,900円)。
チケットはイミグレーション近くの列車チケット売り場(河口国際公寓)でも買うことができる。ネット購入済みチケットの発券はここではできないので駅で。
河口北駅行きの路線バスはイミグレ近くの川沿い、濱河路(文明街の入口)から出ている。チケット売り場発のバスもあって、それもここを経由していく。距離5キロちょっと、15分ほどで着く。2元。

 
↑河口北駅行きバス。このT字路に停まっている(あるいは通る)。汽車站へ行く5路のバスも同じところ。

■中国東方航空:昆明→成都 400元(63%OFF)+空港税50元。計450元(約7,400円)。所要約1時間半。




■今回の旅で訪れた場所。


もっと自由に行き来できて、世界中どこでも、好きなところで好きなだけ暮らせるといいのにね。生まれる国は選べなくても、自分の生きる場所は自分で選びたい。居心地のいい場所が自国にあるとは限らない。最初から苦難を背負って生まれてくる地域の人たちだっている。だから、みんなに、その選択肢が与えられればいいんだけどね。なかなかそうはうまくいかないもんだ。



yakmeatball at 07:29|PermalinkComments(2)南部少数民族エリア 

2017年03月05日

ベトナム日帰り観光、サパの町とカットカット村。

雲南省南部国境地帯の旅12●河口→ラオカイ→サパ→ラオカイ→河口

ベトナムとの国境だから朝食のビュッフェに珈琲があるもんだと勝手に思っていたけれど、なかった。でもポケットに昨日買ったベトナムのインスタント珈琲が入っている。それを見せると、中国の茶杯じゃなく、西洋風のちゃんとしたコーヒーカップを用意して入れてくれた。

今日は出国してベトナム日帰り観光だ。


出国審査の手前にあった機械にパスポートを入れると、情報を読み取って、名前やパスポートナンバーなどが印刷された出入国カードが出てきた。いつの間にこんな便利なものができたんだ。数日前ラオスに入ったときはなかったように思うんだが、外国人の多いところにだけおいてあるのかな。欲をいえばベトナムのように出入国カード自体不要ならもっと便利だ。

前に並んだおじさんが 「中国出るの初めてなんだよねぇ、緊張するぅ」 なんて言っている。おじさんなのにかわいい。そうだよ、四川省を出たことのない人だってたくさんいるんだから、海外に行ったことのない人なんて数え切れないほどいる。14億もの人口を抱える中国、日本をはじめ世界中に中国人旅行者があふれているけれど、それでもそれはほんの一部の人たちなんだ。

1年ぶりにベトナムに入国した。去年は海辺の村へ行った。今回は山の村へ行ってみる。「サパ」は昔からちょっと気になってはいたんだけれど、ベトナムは南部や中部エリアにばかりに気が向いて、北部には去年のモンカイ国境以外行ったことがない。国境までやって来た今回ちょうどいい機会だから、サパまで足を伸ばしてみようと思う。ラオカイから1時間ほどで行けるようなんだ。



 
↑国境の橋を渡って、ベトナムへ。




道端の闇両替屋で100元だけベトナムドンに替え、サパ行きのバスが確実に出ている駅までは行かず、国境近くの橋を渡った。バス停のマークを見つけてそこに立つと、ちょうど「LAOCAI-SAPA」と大きく書かれたバスがやって来た。数人だけ乗せたバスはラオカイの町を離れ、山道をどんどん登っていく。山間部はあたり一面霧に覆われ、景色はほとんど見えない。1時間ほど走っただろうか、到着したサパの街も真っ白で、近くしか見えなかった。幻想的ではある。うーん、まわりはどんな景色なんだろうな。ここサパはフランス植民地時代に造られた避暑地で、今の住民はベトナム人、建物はフランス風、英語表記だらけで、霧の中からは中国語が聞こえてくる、という国際色豊かな町のようだ。



 
↑ラオカイからのバスが着いたサパの広場とサパ教会。



立ち込めた霧は晴れそうになったかと思えば、目の前はまたすぐ真っ白になる。午後にはきっと全景がみられるだろうと、歩いていける距離にある「Cat Cat村」へ行ってみることにした。キャットキャット村だなんて、かわいい名前だな、猫がたくさんいたりするんだろうかと思ったら、これは「カットカット村」と読むらしい。

地図を見ながらカットカット村の方へ向けて下っていった。次第に霧も晴れてきて視界もよくなった。通りには欧米人(フランス人か?)も多くて、看板や店頭の表示はベトナム語よりも英語のほうが目立つ。こういうところに来るのは久しぶりだな。東南アジアや南アジアのバックパッカー街という雰囲気だ。若いころはわくわくすることもあったんだけれど、もうだいぶ前からこういう通りには興味がなくて、旅先の宿探しもできるだけこういうところは避けてきた。普通の地元の人も泊まるような宿を選んでいる。今はそのほうが楽しめるんだ。それでも、たまに歩くだけならちょっと楽しかったりもする。

それにしても、さっきから物売りがしつこい。民族衣装で気分を盛り上げて、英語をしゃべる。いらないよと言ってもついてくる。やっといなくなったと思ったら、次の人がやって来て、その繰り返しだ。サパの物売りはすごいな。結構長い間ついてくるが、根負けねらいか? これに比べたら中国の物売りはかなりさらっとしてるな。ついてきたりしないし。



 
↑教会裏の土産物通り。

 
↑旅行者向けの宿やレストラン、カフェが並ぶ。




ちょっと道を間違えたりしながら、カットカット村へ下っていく道に出た。村はサパの下の谷間にあるようだ。下のほうは真っ白で何も見えないが、この下には谷があって、村があるんだよなあ。



 
↑霧で何も見えない。シャッター閉まってるけど 「INDIGO CAT」って何の店だろう。すごくいかす名前だぞ。僕はこんなネーミングについつい引き寄せられてしまう。




霧の中をしばらく下っていくと、カットカット村の入口に着いた。なんだか観光地っぽいゲートがあって、進もうとすると横から「 Ticketっ!」と英語で呼びかけられた。村に入るのにお金とるんだ…。「This way」とほかの人に言われ、細い道の入口でチケットの半券をちぎられた。チケットには「CAT CAT DISCOVERING」と書いてある。なんじゃこれ。



 
↑カットカット村の入口。思いっきり観光地だぞ。



のどかで素朴な山の村、なんて勝手に想像してたもんだから、えーっ! と思ったが、なんだか言われるままにチケット買っちゃったし、このまま進むしかないな。



 
↑それっぽい演出がされている。そして、ここにも棚田が。棚田はこういう小さいののほうが雰囲気いいな。

 
↑谷の方へどんどん下りていくと……そこは小さなテーマパークのようになっていた。

 
↑昔風の吊り橋に滝、真新しい水車、いろんなものがコンパクトにまとめられている。機織りや刺繍の実演もある。

 
↑滝のそばの小さな舞台では黒モン族の民俗ショーも見ることができる。ここは黒モン族の村だそうだ。

 
↑竹の筏下りもできるぞ。筏下りじゃなくて筏遊びかな。



うーん。みんなで盛り上げる村おこしって感じか。うーん、びみょう。

そして、谷間の森を歩いた出口にはなんと、僕の苦手なものが待っていた。



 
↑ほとんどの人にはなんてことない吊り橋なんだろうけど、僕には一大事。



なんでこんなの造るかね。揺らして喜んでいる人もいるし、やめてほしいよ。橋のたもとにいた地元の兄ちゃんに 「これ渡るしかないのか?」と聞くと、「渡るか、来た道を引き返すかだ」 と言われた。そうだと思った。引き返すのは結構しんどそうだし、しばらく気持ちを落ち着かせたあと、覚悟を決めて渡ることにした。ありがたいことに兄ちゃんが、僕が渡り終えるまで他の観光客を止めておいてくれる。真ん中で揺らされでもしたら、気絶するか、叫んでしまうよ。吊り橋の、足元の少し前だけを見て、揺れないよう慎重に、かつ可能な限り速く、怖くて変になりそうな気持ちを抑えながら、なんとか渡り終えた。ああ、こういうのはもう二度とごめんだ。なのに最近の観光地ときたら、こういう高所を楽しむようなところがどんどん増えてきてるんだよなあ。


「CAT CAT DISCOVERING」 無事終了である。




入口でくれたツーリストマップを見ると、「 Old village 」 と書かれたところがあった。おおっ、ここに行かなくちゃ。きっとここが素顔の村だ。



 
↑豚だ。棚田だ。田んぼのあぜ道を歩いているのは豚。

 
↑いきなり巨大な動物が現れて一瞬「サイ?」と思った。巨大な黒豚だ。右の写真は村の小学校。


 
↑棚田の上には小さな集落がある。ここにもでかい豚。

 
↑素朴でいい感じだな。そしてこんどは大きな白い豚。


 
↑Old villageの道は入口近くの観光通りに合流。今度は子豚。



観光客などいない静かで素朴な村がそこにはあった。いいな。こういうところを歩きたかったんだ。



サパへ向けて坂道を登ると、今朝は真っ白で見えなかった谷間の村が見渡せた。そしてまたすぐ霧の中に隠れていった。カットカット村は観光地気分と、そうじゃない素朴なままのところ、両方楽しめる村だったな。そして豚だらけの村だった。



 
↑上から見下ろすカットカット村。見渡せたのはほんの少しの時間だった。





山の上のサパに戻ると、霧はすっかり晴れ、朝とは違う雰囲気だ。通りには民族っぽい布製品が並んでいる。雲南省や四川省の観光地でも同じ柄の布を売っているなんてことは気にしない。雰囲気だ、雰囲気。



 
↑霧の晴れた広場とサパ教会。




サパとカットカット村を堪能して、ラオカイへ戻るバスに乗った。来るとき霧に覆われていた谷間には、棚田が広がっていた。僕には元陽の棚田よりきれいに見える。水を張っていないから緑が多いのと、大きすぎず、ほどよい広さだ。そして全然違うのは、棚田の上の集落の色や形で、ここのはもっと自然に溶け込んでいる。自然とともに生き、必要以上には持たない。そういう印象を受ける。ベトナムなんだな、ここは。



 
↑ラオカイ行きのバスと車窓からの眺め。



バスの終点、ラオカイ駅の周辺を散歩して、そのまま国境まで川べりを歩いた。ベトナムの街並みは色使いや並び具合に味があって好きだ。画一化されてなく、それぞれの建物に個性がある。



 
↑ラオカイ駅前通り。



イミグレーション前にはオープンカフェがあって、そこでベトナム式のアイス珈琲を飲みながらくつろいだ。民族衣装を着てスーツケースを引く団体旅行者が出てきたりして、興味深い。国境を移動する人たちを眺めながらまったりしたあと、夕方、再び中国に戻った。入国審査の係官は日本語で 「こんにちは」 と言い、中国語でいくつか質問したあと、また日本語で 「さようなら」 と笑顔で言った。最近、中国の入国審査は愛想のいい人が増えているように思う。


 


日帰りベトナム旅行、結構楽しかった。





<河口→ラオカイ→サパ→河口 旅行情報 2017.02>1000 VND(ベトナムドン)=5円計算
■国境イミグレーション
通過できるのは中国時間8;00〜23:00,ベトナム時間7;00〜22:00。時差1時間。

 
↑中国側国境ゲート。中国側は味気ないが、ベトナム側のイミグレーション前にはオープンカフェがある。

■両替
ベトナムドンがちょっと必要なだけだった僕は、レートなど気にせず道端の両替屋で替えたけれど、たくさん必要な人はちゃんと銀行で両替したほうがいいんじゃないかと思う。銀行はイミグレーションの近くにある。ラオカイ市街地やサパにももちろんある。もし休みだった場合は道端で。闇両替屋は中国側にもいる。道端で替える場合、向こうから声かけて来る人じゃなく、座っている人を選んだほうがいいと僕は思う。

■ラオカイ→サパ 所要約1時間,26,000 VND(約130円)。1時間に1本ほどらしい。
ラオカイ駅前から出ている。国境近くのCoc Leu橋を通って市街地を抜けたあとサパへ向かう。僕は国境から歩いてCoc Leu橋を渡った先のバス停(ロータリーそば)から乗った。バス停でなくてもどこででも乗り降りできるっぽい。フロントガラスに「LAOCAI-SAPA」とどでかく書いてあるからわかりやすい。サパの広場横(サパ教会のそば)に着く。ラオカイへの戻りはその逆コース、ルートも発着場所も同じ。霧に覆われてなければ車窓からの眺めがとてもよくて、谷間がよく見える座席は、サパ行きは左側、戻りは右側。

■カットカット村 Cat Cat village
入村料 50,000 VND(約250円)。サパから西へ約2キロ、30分ほど坂を下ればすぐ着く。サパ市街から最も近い少数民族の村だそうだ。気軽に行けるところなのでわざわざトレッキングツアーに参加する必要もない。チケットといっしょに観光マップもついてくる。サパへの戻り、上り坂を歩くのがしんどいようだったら、メイン観光コース最後の吊り橋を渡ったところや、村の入口にバイタクがいる。50,000ドンとか60,000ドンって言ってたような気がする。村内の食べ物などは思いっきり観光地値段なのでサパから持っていったほうがいいかもしれない。ただサパ自体観光地なのでほかの町より物価は高いらしい。

■泊まった宿(中国河口):河口華旭商務酒店(2泊目)




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2017年03月04日

ベトナムとの国境の町、河口。

雲南省南部国境地帯の旅11●元陽→河口

朝7時半発の河口行きバスは観光旅行者で埋まった。そして元陽南沙で僕以外は全員降りていった。ここで1時間客待ちをしたあと、バスの乗客はみんな地元民に入れ替わった。人だけじゃなく、生きた鶏や魚も乗ってきた。 



 
↑元陽南沙のバスターミナル前で客待ち中の河口行きバス。

 
↑南国だけあってバナナが安い(3本1元)。食堂の前ではオヤジたちがでかい筒でタバコを吸っている。ゴールデントライアングルが近いけれどさすがにタバコだよな。先日のミャンマー国境付近で吸ってた人たちのはタバコじゃないのもあるかもしれない。



バスは紅河に沿って南下する。雲南省中部、大理ペー族自治州を発した紅河の水は、ここ紅河州を流れたあと、国境の町河口とベトナムのラオカイ、そしてハノイを通過したあとトンキン湾、南シナ海へ注ぐ。



 
↑結構大きな川だ。鉄分で赤くなるから紅河と呼ばれるらしいんだが、今日は全然赤くない。

 
↑通り過ぎる村や町では南国の果物がたくさん売られている。




バスは南沙から約4時間で河口に着いた。今日は検問を2度通過したが、身分証のチェックもなく車内をちらっと覗いただけだった。予約しておいた宿に荷物を置いて、国境の街を歩いてみた。川の向こう岸はもうベトナムだ。



 
↑河口の繁華街。

 
↑ベトナムへの国際列車は今は走っていない。河口駅も使われていない。

 
↑川幅の狭いところの川べりにはこんな看板が立っていた。「違法出入国厳禁、国境違法犯罪には厳しく打撃を与える(攻撃する)」みたいなすごい表現で書かれている。右の写真は閉ざされた列車の鉄橋。

 
↑鉄橋付近の川べりはこれから再開発するようだ。廃墟の建物から昔は雰囲気あったんだろうなと想像できる。

 
↑国境ではふたつの川が合流していて、大きいほうの川べりはきれいに整備され、だだっ広くて味気ない。こっちの川の対岸もベトナム。



去年行ったベトナムとの別の国境、東興の街は、裏通りや川べりはちょっと怪しげで、密入国も平気でやっていたけれど、同じ国境の町でもここ河口にはそんな怪しげな雰囲気や、異国情緒たっぷりなんてのはほとんどない。開発される前は怪しげだったのかもしれない。今はとてもさらっとしている。もうちょっとがやがや感があってもいいんだけどなあ。



 
↑明日越える予定の国境ゲート。

 
↑山側に歩くと地元民用の市場もあった。

 
↑ホテルの近くの通り。この路地の屋台でベトナム式珈琲が飲める。安くておいしい具だくさんの米線(ライスヌードル)もあった。




明日の朝は中国を出て、ベトナム日帰り観光だ。対岸の町ラオカイからそう遠くない「サパ」まで行ってみようと思う。




<元陽→河口 旅行情報 2017.02>1元=16.5円計算
■元陽新街鎮→河口行き、7:30, 10:10の1日2本。60元(990円)。196キロ。元陽南沙まで1時間、汽車客運中心で1時間停車後、南沙を発車(固定)。新街鎮から河口まで所要合計6時間、元陽南沙からだと4時間。
河口客運站は口岸から4キロほど離れている。ターミナル前の道を5路のバスが通るのでそれを止めて乗る。バス停はない。1元。イミグレーションの近く、濱河路(文明街入口のT字路)が終点(発着点)。


↑この緑色のが5路のバス。

■泊まった宿(河口):河口華旭商務酒店
標準間(T)朝食付きネット予約価格158元(約2,600円)。Wi-Fi、エアコン、ドライヤー。チェックアウトタイム13:00。イミグレーションまで徒歩数分。泊まった6階の角部屋からは建物越しにベトナム側が見えた。

 
↑清潔で結構快適。

※国境の橋とベトナムをちゃんと見渡せるホテルに泊まりたければ、河口国際公寓の「観景標準間」「観景単間」という「観景」の文字がついた部屋がよさそう。国境紹介写真の多くはここから撮ってるっぽい。この日は値段がとても高かったのでやめたが、普段は160〜230元くらい。朝食サービスなし。「観景」じゃない部屋は100元前後で泊まれる。ホテルの1階前には列車のチケット売り場もあって、イミグレーションのすぐ近く。




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2017年03月03日

元陽棚田景区で棚田ざんまい。

雲南省南部国境地帯の旅10●元陽

今日は「元陽棚田景区」に行ってみる。バスターミナルの前ではいろんな村へ行くミニバンが客引きをしていた。ちょうど一番人気の多依樹棚田に用があるというドライバーがいて、客を集めずにすぐ出発してくれた。「風景区のチケット買う? どうする?」 と聞かれた。買わなくてもいいのか!? 100元のチケットを買うと、整備された観光用展望台から見られるそうだ。でも、近くに無料の展望台もあるし、道端からでも見られるという。うーん、どうしたもんだろう。100元もとるなら何かいいことがあるのかもしれないし、でも、中国式観光開発は雰囲気ぶち壊しってのが多いよな。

僕は風景区のチケット売り場を素通りしてもらった。

運ちゃんが、見所だとか、移動の仕方、無料展望台の場所なんかをいろいろ教えてくれたから、これでOKだ。全く商売っけのない、いい運ちゃんだった。

世界最大規模の棚田群、世界遺産「紅河ハニ棚田」。1300年もの長い時間をかけてこつこつとつくられてきた棚田。ハニ族だけのものではなく、イ族など他の民族も棚田をつくっていて、名称にハニの名がついているのは政治的なものが働いた、らしい。今や世界中世界遺産だらけで、すっかりビジネスの道具と化している感がある。中国に関して言えば、登録されないほうがずっといいんじゃないかと思う場所も多い。それでも「発展」の掛け声のもと、破壊され、消滅してしまう、あるいは偽物になってしまうよりはましなのかもしれない。



 
↑多依樹棚田景観台。僕はチケットがないので入れない。なんかだ、大掛かりな開発をしようとしている。



ここは日の出の景色が一番いいと言われているそうだ。新街鎮じゃなく、ここに泊まって日の出の棚田を見ようかとちょっと迷ったんだけれど、僕はやっぱり青い空と緑のきれいな田園のほうが好きだから、昼間見て回ることにした。国内のネット旅行情報の書き込みを見ると、「すっごーくきれい!」というのもたくさんがあるが、「霧で何にも見えなかったぞ」 とか 「黒っぽくて全然きれいじゃない、がっかり!」 とか 「ガイドブックの写真はうそっぱち!、Photo shopで修正しまくり」 なんてのもたくさんあった。そして、いいのも悪いのも、どの意見も正しいんだろうと思う。


多依樹棚田景観台から数百メートルだけ離れた「黄草鈴」というところの景観台から眺めた。谷間を覆っていた雲がしだいに薄れ、晴れ間が広がっていく。多依樹の棚田はすごくスケールの大きいものだった。



 
↑黄草鈴から眺める多依樹棚田。



今度は有料景観台をはさんで反対側にある「老寨」という村から眺めてみる。老寨はちょっと観光地化されて小奇麗になっていた。


 
↑村の通りには中国語と英語で観光案内がある。

 
↑英語名マッシュルームハウス。その前ではおじいさんがでかい筒のパイプでタバコを吸っている。



村の細道を下っていくと、さっき上から見下ろした棚田が、目の前に広がった。うーん、いい眺めだ。この坂道戻るの大変かなあと時々振り返りながら、僕はもうちょっとだけ、とあぜ道をどんどん下った。ここの棚田は下っても下っても終わらない。ずーっと向こうの谷の下のほうまで続いている。



 
↑村の広場からの眺め。整備された観光用遊歩道の終わりはゴミが散乱していた。観光客が捨てていったんだろう。すごいことするな。

 
↑遊歩道から更に下りていくとゴミはなくなり、きれいな田園風景が広がる。

 
↑結構下りてきちゃったな。振り返ると村が上のほうにある。

 
↑ここ元陽独特の味付けだという米線(ライスヌードル)はスープにこくがあっておいしい。




お腹もいっぱいになって、宿で作って持ってきた珈琲を飲みながら、風景区の地図を眺めた。どうしようかな。来た時の運ちゃんは、午後は夕日の映える老虎嘴棚田に行くといいよと言っていたが、棚田ももうおなかいっぱいって感じだ。行くのはやめて、新街鎮方向へゆっくり戻っていこうと思う。道端に出るとちょうどミニバンがやってきた。それに乗って、数キロ先にある「勝村」という村の入口で降ろしてもらった。




 
↑入口は村っぽかったけど、歩き進むとだんだん町のようになってきた。

 
↑廃墟になった人民会堂がある。そして最後は観光ホテルが並ぶ新しい通りに変わった。街は更に拡大中だ。ちょっと違和感あるな。



町に変わりつつある勝村を抜けて、次の村まで歩いてみようと思う。



 
↑こういう小さな棚田のほうが味があったりする。道端にはボロボロの観光地図がある。

 
↑ここは倮馬点というところらしい。

 
↑さらに歩いて霸達棚田景区の有料景観台の入口を通り過ぎ、さらに進むと「麻栗寨」という景観台に着いた。ここにも大きな棚田が広がっている。麻栗寨から眺める霸達棚田らしい。



もう大きな棚田はいいや。すごいとは思うがほっとしない。そう思ったので帰ることにし、道端に立ってミニバンが通るのを待った。が、いくら待っても来なかった。しかたないので、また棚田を横に見ながら「全福庄小寨」という小さな村までてくてく歩いた。歩きすぎてもうへとへとだ。村の入り口に座って、いつかは来るだろうと気長に待った。もうどれが乗合バンなのかよくわからなくて、ミニバンタイプの車が通るたびにかたっぱしから座ったまま手をあげていると、止まってくれた、乗合バンが。


今日は8時間くらいかけて、ふたつの大きな棚田景区とその周辺の小さな棚田と村を見て回った。棚田ざんまいだ。そして、飽きた。景観台から見る棚田に飽きたというほうが正しいかな。観光用にセッティングされた景観台から眺めるよりも、村を散歩してその下に広がる棚田に足を踏み入れ、あぜ道を、足を踏み外さないよう気をつけながら歩いてみるほうが、ずっと楽しいと僕は思う。


二日間でたくさん見た棚田の中で一番いいなと思ったのは、昨日歩いて行った景区外の「龍樹覇」だった。きっとそれは棚田がよかったというよりも、棚田のある村と村人がよかったんだと思う。





<元陽 旅行情報 2017.02>1元=16.5円計算
■元陽棚田景区
公式サイト http://www.yyhntt.com/
門票:100元(約1,700円)。箐口,霸達,多依樹,老虎嘴の四つの棚田風景区に造られた観景台から棚田を眺めることができる。+ 箐口景区そばの民俗村(観光用に造った村)。チケットは新街鎮を出てしばらく行ったところ、風景区入口の「旅客集散中心」で買う。

風景区にはチケットがないと入れないわけではない。有料観景台の近くには無料の観景台があるし、道端からでも見ることができる。見える角度が違うというだけだ。それに4つの棚田景区が特に大きいというだけで、この辺一体はどこも棚田だらけである。棚田のあぜ道を歩きたい場合は、どこからでも下りていけるし、チケットなんていらない。有料観景台の敷地内にはお土産屋などがあるのかもしれない(入ってないのでわからない)。

交通:景区内のビューポイントは広範囲に渡って点在しているので、ほとんどの人は車をチャーターして効率よく見て回るらしい。僕の場合はチケットも買わず、チャーターもせず、村々を回るミニバンをつかまえて移動した。ミニバンがすぐつかまるかどうかは時間帯にもよるし運次第だろう。4つの観景台をつなぐ観光シャトルは今のところないが、今、観光開発中なのでそのうちできるんじゃないかと思う。

各村へ行くミニバンは新街客運站の前で客引きしている。戻りや、村と村の移動時は道端でつかまえる。
<僕の移動ルート>
新街鎮→多依樹(老寨):23キロ,ミニバン所要50分,15元(約250円)。
多依樹→勝村:4.5キロ,ミニバン所要十数分,5元(約80円)。
勝村→倮馬点→霸達:3.5キロ,(徒歩)。
霸達→全福庄小寨:3キロ,(徒歩)。
全福庄小寨→新街鎮:12キロ,ミニバン所要30分,5元(約80円)。

■泊まった宿(元陽新街鎮):元陽金茂公寓(2泊目)
2泊したが客はほかに誰もいないようだった。
新街鎮には安宿から高いものまで宿はたくさんある。また、棚田景区内にもホテルやゲストハウスが結構あるので、宿に困ることはない。




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