2008年07月03日
父と暮らせば こまつ座@紀伊国屋サザンシアター 6/14(土)
とうとう7月突入。今年も後半戦であります。早いもんです・・しかし相変わらず先月6月の話です。
6/14(土)紀伊国屋サザンシアターでこまつ座の「父と暮らせば」を初めて観ました。こまつ座は去年の12月に「円生と志ん生」を観に行って以来。
この芝居、前々から観たいなと思いつつ、テーマの重さから何となく足が遠のいていた作品。最近では宮沢りえと原田芳雄が映画化されたこの作品に主演して、かなりいい評判を得ていたので、ようやく観にいこうと思った次第です。
1994年、戦後49年目の年に誕生した
二人芝居『父と暮せば』。
原爆投下から三年後の広島。市立図書館で働きながらひとり静かに暮らす美津江の胸の中には、ほのかな恋心が芽生え始めていた。そんな美津江の目の前に、まったく突然に父竹造があらわれる。自分の恋心を必死で抑えつけようとする美津江に、竹造は全身全霊、懸命なエールを送るのだが……。
見ようによっては、死んだ父親が、娘が心配で、たまに姿を現し、ゴハンの支度やお風呂まで沸かしてくれ、話し相手にもなってくれる・・ほのぼのとした話なのですが、親子の裏には計り知れない暗い「原爆」という悲劇が覆っています。父を見捨てて逃げた罪悪感から、好きな男性ができても「幸せになってはいけない」と自分の心を押さえ込む娘。そんなことないよ、と必死で娘を説き伏せる父。芝居の前半は、リアルに死んだはずのお父さんが娘と会話をする可笑しさに笑いもこぼれていましたが、後半は畳み掛けるような親子の台詞の応酬で、静かな芝居なのに迫力。
とてもほっとさせる、温かいラストでした。観て良かった。久々に芝居を観て涙が出ました(;_;)
辻蔓長さんと栗田桃子さんの親子がとてもいいです。辻さんはひょうきんでありながら、やっぱりこの世に未練を残して原爆で死んでしまった無念が哀しいくらいに観客に伝わる上手い役者さん。対して娘役の栗田さんの初々しさが羨ましいくらいにいいコンビでした。
やっぱり戦争はいかんですね、どんな理由があろうと、ダメです。こういった芝居を見ると、何よりも勝ります。。
芝居に出てくる、お惣菜(娘が作る)が美味しそうだったなぁ、貧しくても、献立名が台詞に出るだけで想像力が湧きました。こういうのが本当の家庭料理なんだろう・・これから数十年で食品偽装だ、産地偽装だ、、なんてことが起きるなんて考えられないよ、と思いを馳せました。
新宿のゆめてらす(広島のアンテナショップ)へ行きました。芝居に出た「じゃこ味噌」はなかったけど、カープのイカスナックと、たこカレーなるものを購入。。。