屋久島の画家、大阪で感謝の個展
大阪・道頓堀の戎橋で才能を見いだされ
画家・高田裕子さんが6日から大阪で個展


朝日新聞デジタル 2018年10月4日

0922高田裕子さん

屋久島のアトリエで個展の作品を描く高田裕子さん=屋久島町平内
 

 世界遺産・屋久島(鹿児島県)の自然美を描く島在住の画家、高田裕子さん(41)が6日から大阪・心斎橋筋の画廊「ギャラリー永井」で個展を開く。路上で売る絵はがきから才能を見いだされ、育てられた思い出の場所。今年いっぱいで幕を閉じる画廊への長年の感謝を込める。

 大阪教育大で美術を学んだころ、大阪の繁華街・道頓堀の戎橋で自作の絵はがきを並べた。うねる大樹や草花の模様など自然をテーマにした作品は、1枚150円。目の前でよくしゃがみ込み、絵はがきを買い、おにぎりを差し入れてくれる女性がいた。ギャラリーを経営する永井里佳さん(48)だった。
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大阪・道頓堀の戎橋で絵はがきを並べて売っていた高田裕子さん(右)=2001年11月、高田裕子さん提供

 「彼女の描く草木には命の根源を感じた」という永井さんに誘われ、大学卒業後、毎年のようにギャラリーで個展を開いた。戎橋で連絡先を教えてくれた約1千人にも案内状を送った。個展は回を重ねるにつれ、ファンは増えた。
永井さんと高田さん

個展会場で記念撮影する高田裕子さん(右)と永井里佳さん=2005年9月、大阪市中央区の「ギャラリー永井」、高田裕子さん提供

 11年前、初めて屋久島を訪れ、作風が変わった。太古の森を歩き、苔生(こけむ)す推定樹齢2千年の「翁杉」を仰ぎみて、自然の生命力に圧倒された。ほどなく屋久島に移り住み、森にアトリエを構えた。以来、島の自然美を題材に、百数十点を描いてきた。永井さんも移住後の作品を「絵はがきの世界が屋久島という大きな自然になった」と話す。
04作品)苔生す緑の木

「苔生す緑の木」=高田裕子さん提供


 ギャラリーで15回目となる個展では、12点を発表する。輝く星空や、森を青く潤す水流、木漏れ日を浴びる大樹など、島の自然の中で感じた「ひかり」をテーマにした。02作品)星空

「星空」=高田裕子さん提供

 思い入れが深いのは翁杉を描いた「再生―翁の森」。島へ移住した後に幹から折れたが、1年後に訪れると、倒木の上で若い木々が芽吹いていた。朽ちてなお新たな命を育む「森の尊さ」を表現したという。
01作品)再生-翁杉

「再生―翁の森」。倒れた翁杉に、森の尊さを表現しかったという=高田裕子さん提供

 高田さんは「戎橋は画家としての原点。永井さんや個展で出会った人たちへ感謝の気持ちを伝えたい」と話す。
03作品)生きるー水の森

「生きる―水の森」=高田裕子さん提供

 14日まで。問い合わせは同ギャラリー(06・6243・1681)へ。

(屋久島通信員・武田剛)

朝日新聞デジタル

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