町生活環境課は「許可はしていない」 岩山町議の主張を全面否定

石田尾町議ら「許可の内容」を確認せずに却下

陳情の町民「確認せずに門前払いしたのは大問題」


 鹿児島県屋久島町の岩山鶴美町議(64)が産業廃棄物を焼却処分した問題をめぐり、同町議会の議会運営委員会が20218月、この問題の調査を求める町民からの陳情書を却下していたことが調査報道メディア「屋久島ポスト」の取材でわかった。町民は岩山町議が警察と検察からどのような捜査を受けたのかなどの調査を要請したが、同委員会は岩山町議が「許可を得ていて、厳重注意に終わった」と説明しているとして、反対多数で却下した。しかし、岩山町議が「許可を得た」とする町生活環境課の矢野和好課長は屋久島ポストの取材に応じ、「許可は出していない」と全面的に否定。同委員会が町に確認を取らないまま、陳情書を「門前払い」にしていた。

 岩山町議によると、鹿児島地検は岩山町議を略式起訴せず、注意で処理しており、同様なケースで罰金命令を受けた町民からは「捜査機関は不公平だ」との批判が出ている。

組み写真
【左】岩山鶴美町議が捨てた廃棄物。自身が所有する賃貸アパートのリフォーム工事で出た廃材などだ(2020年9月14日、屋久島町安房)=町民提供

【中】リフォーム工事で出た廃棄物が焼却処分された現場。畑の緑を真っ黒に焦がし、燃え残った畳や廃材、金属片などが放置されていた(2021年1月5日、屋久島町安房)=町民提供

【右】焼却処分された廃棄物が片づけられ、畑には緑が回復した(2022年1月17日、屋久島町安房)


石田尾茂樹町議は「『許可を得ていた』と本人が説明」…しかし内容は確認せず

 岩山町議が廃棄物を焼却処分した問題に対する陳情書は、20218月にあった町議会の定例会に提出された。この問題が議題に上がった同年7月の町議会全員協議会で、岩山町議が自身の所有する賃貸アパートのリフォーム工事で出た廃棄物を焼却処分したと認めたことを踏まえ、町民が町議会に調査を要請。岩山町議が「注意を受けました。罰金とかなくですね」と発言したことから、警察と検察による捜査や注意の具体的な内容などを岩山町議から聴き取ることを求めていた。

 この陳情書の取り扱いについて、町議会の議会運営委員会は同年812日に協議し、各委員が意見を述べた。

 まず、現在の町議会議長で、当時は同委員だった石田尾茂樹町議は「先ほど本人が説明したが、許可を得ていたということで、厳重注意に終わったということであれば、この陳情を取り扱うことに賛成しがたい」と述べた。続いて、日高好作町議も「一部燃やした行為は本人も認めているけれど、警察の捜査は受けたが、不法投棄に当たるのかどうかと思う。ちゃんと許可を得ていた点では、問題があるとは思わない」と発言。いずれの町議も、岩山町議が廃棄物の処分について「許可を得ていた」と説明していることを踏まえ、陳情書を受け付けることに否定的な意見を述べた。

 下野次雄町議(当時)は陳情書の受理を支持した。下野氏は「ちゃんと調査をして、不法投棄なのかどうなのか、警察がどんな見解なのかを調査して、結論を出すべきだ」と述べていた。しかし、この陳情書は反対多数で却下となった。

 同委員会の議事録には、岩山町議が「許可」について、どのような説明をしたのかが記録されていない。
R)4.令和3年1月5日現場②-3

岩山鶴美町議が廃棄物を焼却した現場では、リフォーム工事で出た金属片だけでなく、複数の飲料水の空き缶が燃え残っていた(2021年1月5日、屋久島町安房)=町民提供

「町から許可を得ていた」vs「町は許可していない」

 岩山町議は2022127日に屋久島ポストの取材に応じ、石田尾町議らが「許可を得ていた」と議会運営委員会で述べたことについて尋ねたところ、岩山町議は「町の生活環境課で廃棄物を仮置きする許可を得ていた」と話した。

 それを受けて、屋久島ポストが町生活環境課に確認したところ、矢野課長は「私有地であれば一時的に仮置きをしてもいいのではないかとは言ったが、町として許可を出した事実はない」と答えた。

 また、同委員会での岩山町議の説明について、石田尾議長は「委員会の休憩中に岩山町議から『許可をもらっていた』と言われた。許可の内容まで説明された記憶はないが、許可を受けていること自体は、同僚議員の言っていることなので信じた」。さらに、日高町議は「どんな説明だったか、今では記憶が定かでない」と話しており、両町議とも岩山町議が得たとする許可の具体的な内容は把握していなかったとみられる。 

 岩山町議の主張を確認せずに鵜呑みにして、陳情書を門前払いにしていたことが浮き彫りになった。

「初めから受け付ける気がなかったのでは?」

 町議会に陳情書を提出した町民は「不法投棄で捜査を受けた以上、公人の岩山町議には町民への説明責任がある」と主張。陳情書の却下については「許可の内容を確認せずに門前払いしたのは大問題。町議会は初めから受け付ける気がなかったのではないか」と話している。

 

■議会運営委員会 議事録 抜粋(2021年8月12)

出席委員:榎光徳委員長、大角利成副委員長、石田尾茂樹委員、日高好作委員、岩山鶴美委員、下野次雄委員、寺田猛委員、高橋義友議長

 

(石田尾茂樹委員)

先ほど本人がそこの陳情の内容について説明しましたけども、許可を得ていたということで、厳重注意に終わったと。ということからいけば、私、何かこの陳情を取扱うのはどうかなと思ってます。私は賛成しがたい。

 

(日高好作委員)

よくまだ何が問題なのかっていうことまで行き着かないんですけど。少なくとも9号については、今、石田尾議員も言われたように、一部燃やしたという行為については本人も認めてるわけですけど、その不法投棄ということに、警察の捜査は受けたけど、不法投棄に当たるのかどうかっていうところではちょっとどうなのかなという思いはあるんですけどね。ちゃんと許可を得ていたという点では、問題があるのかなっていうふうには思わないんですけど。

 

(下野次雄委員)

値するかしないかも含めて、不法投棄なのか不法投棄でないのか、そういったものを調査するわけ、しなさいということなんですから、ちゃんとやっぱりそうやって陳情が上がっていけば、そういったものをきちっと調査をして結論出していくのが私たちは、受けた側としては、やり方としてはそのほうがいいんじゃないのかなというふうに思ってます。いつまでたってもこういったものはまた繰り返し繰り返しきますよ。それも含めるとやっぱりそういう与えられたところで、ちゃんと調査をして不法投棄なのかどうなのか、警察がそういうどんな見解をしているのか、そこら辺も含めて調査をして結論を私は出すべきだと思います。そのための要望書ですから。


■関連記事:屋久島町議アパート廃材焼却問題





■岩山鶴美町議に関する記事



姉妹メディア「ほっとやくしま」