March 2006

March 31, 2006

Disk No.561: ROSINHA D VALENCA / Rosinha de Valenca

10a4f0d8.jpgこれもSom Livre Mastersの中の1枚。Baden Powell系の名女性guitarist、Rosinha de Valencaの1973の作品。Sergio Mendesの米国tourのmemberとしても録音が残っていますね。彼女は歌も歌いますが、この作品では演奏に専念していて、逆に言えば彼女のguitarを存分に聴くことが出来る作品です。Tr.1"Caboclo Ubibatan"からspeed感豊かなRosinhaの演奏でやられること必至。1992年に心臓発作で倒れて以来いまだ昏睡状態にあるという彼女、彼女へのtribute作品やコンサートの収益がその治療費に充てられているという、今回は感動的な話で〆

yamabra at 18:47|PermalinkComments(0) Brasil | Bossa Nova

March 30, 2006

Disk No.560: ITIBERE ORQUESTRA FAMILIA / Calendario do Som

7f2fb257.jpgこれは今年を代表する1枚(早くも断言)。Hermeto Pascoalが1年365日の1日1日のために書いた365曲、"Calendario do Som"の中からの17曲を、Hermetoのband member、Itibereが、2年の歳月をかけてarrangeし、1年かけて録音したという大作。複雑で直感的、なのに美しく雄大なHermeto の楽曲を、実に色彩感溢れる重層的な演奏で表現。こりゃ圧倒されるわ。もちろん御大Hermetoも参加。自分の誕生日の曲があった人はそれだけでも嬉しいわな。音の洪水でブクブク溺れなさい。

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March 28, 2006

Disk No.559: BARBARA CASINI / Luiza

8f26e568.jpgTRATOREからreleaseされた本作は、Italiaで活躍しているBrasil人なのか、そのままItalia人なのか、少々情報の錯綜している(誰かホントのこと教えて)singer、Barbara Casiniの作品。Jobim作品集の本作は、pianoのRiccardo Arrighini、tp./flhのFabrizio Bossoらによる、ほぼ100%jazz的なsoundにのせて、Barbara Casiniのjazzyな歌を聴かせる作品。ふだんjazz-bossaなど嫌いだとおっしゃている方(私だ)にも是非お聴きいただきたい良品です。コレたぶんちゃんとjazzだからいいんだと思う。

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March 26, 2006

Disk No.558: LADSTON DO NASCIMENTO / Simbora Joao!

ff3da445.jpgこれは良い作品だ。Minas好きの方々、注目です。Minas出身のSSW、Ladston do Nascimentoの作品。Minas出身の人達独特の、美しくもどこか雄大さと宗教的な香りを持つsong writing、Miltonを思わせるearthyな歌声、聴いていて行ったこともないのに懐かしい気持ちになります(これsaudadeっつうもんだ)ね。Miltonに捧げた曲、Joao Bosco, Paulinho da Violaに捧げた曲、そしてNoguchiさんという日本人に捧げた曲も。全編Juarez Moreiraの繊細なarrangement/violao、さらにはCristovao Bastosのpiano、Robertinho Silvaのpercussionが素晴らしい。ごっつい容姿は別として、なんと繊細な音楽であろう。もっと話題になって良い人だと思う。

yamabra at 17:14|PermalinkComments(0) Brasil | Minas

March 25, 2006

Disk No.557: DOIS MAPAS / Dois Mapas

d7ae0742.jpgもうすぐ山形でのLiveがせまった木下ときわさんのgroup、Dois Mapasの1st。ポルトガル語と日本語混成のorginalが素晴らしい。新美さんの作るmelodyは、複雑だが優しいし、ときわさんの歌詞も自然で女性らしい。sound面でも新美さんのguitarはとても斬新だし、千田さんの創り出すrhythmとのからみはじつに良く練られていて、率直にかっこよい。そのsoundに乗っかるときわさんの歌、この雰囲気、浮遊感はこの人独特のものです。coolでおしゃれな部分と、包み込むような優しさが同居している。

yamabra at 18:08|PermalinkComments(0) Japao | Dois Mapas (Tokiwa Kinoshita)

March 24, 2006

Disk No.556: MILTINHO / Miltinho

569c648e.jpgこういう音楽は実は、私は最も聴かない音楽のひとつなのだ。MPB4ではない方の、Doris Monteiroとの共演作でお馴染みのMiltinho。Bossa世代以前のSamba Cancaoの歌手Miltinhoが、Jazzyなbackで朗々と歌い上げるという、およそ普段は手を出さない種類の音楽だけれど、珍しく聴けてしまった。歌が上手いこと言うまでもない人だけに、その歌唱の古くささが気にならないと、以外と良いなと思えます。そもそもJazz bossaというものが大嫌いな私ですが、あまり大袈裟でないのがよいのかな?自己矛盾を孕みつつも、これはなかなかイイ作品です。

yamabra at 21:41|PermalinkComments(0) Brasil | Samba

March 22, 2006

Disk No.555: CLAUDIO JORGE & LUIZ CARLOS DA VILA / Matrizes

5250048e.jpgClaudio Jorgeと、Luiz Carlos da Vilaの作品と聞けば、samba fanはそれだけでも興味津々であろう。しかしこの作品は単なる彼らの新作、samba作品ではない。sambaから始まる本作は、現代Brasil大衆音楽に対して多大な影響を及ぼしてきた黒人文化を、音楽を通じて取り上げたもので、いわばMPBのrootsを辿る作品。congata、baiao、samba de roda、capoeira、maracatu、xote、jongoなど、nordesteで生まれたrhythmと、それらがRio de Janeiroで帰結したsamba、partido-alto、samba enredoなど、計14種類の音楽を取り上げ、MPBのrootsたる黒人文化全体を俯瞰するものとなっている。guestにMartinho da Vila、Wilson das Nevesなどを迎え、Claudio Jorgeと、Luiz Carlos da Vilaの新作としても、もちろん十分楽しめる充実作。(本reviewは、月刊Latina誌2006年4月号で使用したものです)


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March 21, 2006

Disk No.554: JOAO DONATO E MARIA TITA / Joao reecontra Maria

376c9fa4.jpg1960年代から活躍している女性歌手、Edson e TitaのMaria Tita Loboと、Joao Donatoによる美しいBossa Nova作品。DonatoがProduceとArrangeを担当。この二人は過去にも、Edson e Titaの"Novidade de Vida"や、Donatoの"Blue Donato"などのアルバムで共演を果たしており、タイトル通り旧友の「再会」による作品。曲は全曲Edson LoboとTita Loboの作品で、所謂有名曲はないけれど実に品の良い曲が揃っている。Donato(piano/keyboard)は1曲で歌っているが、あとは絶妙としか言いようのないgrooveで、Titaの歌をサポート。Titaの夫Edson lobo、Donatoの息子Donatinho、Ronaldo Menescal、Ricaldo Silveiraのバッキングも上品で好感度大。そしてTitaの歌は、Bossa Nova歌手らしい肌触りなのだが、少しだけハスキーで、どこか夜の香りを漂わせている。(本reviewは、月刊Latina誌2006年4月号で使用したものです)

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March 19, 2006

Disk No.553: SIDNEY MILLER / Linguas de Fogo

378528e4.jpgもう1枚Som Livre再発seriesから、Sidney Millerの1974年作、"Linguas de Figo"。post-bossa novaの世代の作品の中でも、異才を放つ傑作。時代的にファズの効いたguitarはご愛敬として、独特の少し曇った音の世界は今聴いても素晴らしく新鮮。member等は良く解りません(Sidney Miller with unknown group!という記載のみ)が、Toninho Hortaら、Minasの連中が参加しているらしい。いかにも70年代らしいサイケデリックなsoundと、Sidneyの曇り空のような独特のhigh toneが印象的。

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March 17, 2006

Disk No.552: NOVOS BAIANOS / Vamos pro Mundo

40d84c00.jpgまたしてもSom Livre再発seriesから。コレも目玉、Novos Baianosの1974年作"Vamos pro Mundo"。Moraes Moreiraが抜けた後の作品だが、基本的sound conceptは全く変わっていない。景気の良い"Vamos pro Mundo"、Tr.2"Guria"、Tr.8"O Menina"などのBaby Consuelo、死ぬほどイイィィィ!Pepeu全開、Dadi(No.470で紹介)のbassが冴えるfunk tune、Tr.4"America Tropical"など、血沸き肉踊り、さらに切ないNovos Baianosの音、全身で浴びてください。「Baianosが嫌いだ」っちゅう奴とは口きかんモンね、ワシ。絶対。

yamabra at 20:45|PermalinkComments(0) Brasil | Novos Baianos

March 16, 2006

Disk No.551: OSMAR MILITO / E Deixa o Relodio Andar

3b3b4c12.jpg今回のSom Livre再発seriesの目玉のひとつ。そう、大目玉だ。Brasilian Soft Rockを代表する一枚。Osmar Militoの1971年もの。曲はNonato BuzarからMarcos Valle, Herbie HancockにJoe Zawinul, JobimにIvan, Jorge Benまで、Osmar風味の軽快かつsaudade溢れるmixure pop。memberはOsmar Milito Trioを中心に、Valle, Luiz Eca, Altamiro Carrilho, Mauro Senise, Chico Bateraなど。そして歌ものはQuarteto Formaが担当。Nonato BuzarとOsmarが共同produce。70年代の音が好きな方はmustです。ここらの時代の音に、私はsaudade感じる年頃なのです。

yamabra at 20:09|PermalinkComments(0) Brasil | Osmar Milito

March 15, 2006

Disk No.550: TRILHA SONORA ORIGINAL / Vila Sesamo

811cf60d.jpg怒濤のSom Livre再発seriesから、Brasil版Sesami Streetのsound track、1974年作品。全14曲中13曲がMarcos Valleの手による曲で、子供向けとは思えない素敵な曲もあります。personalに、Marcos Valle: composer/arranger/lead vocal/Fender Rhodesとあるのですが、名も知らぬ女性が男性とunisonで歌っていて、一緒に歌っている男性がValleとはちょっと思えない(ほとんど違うようにきこえるし、時々Valleか?と思わせるところもある。女性の声で男性の声が聴き取りづらい!)のですね。CreditはTrio Sonecaとなっていて正体不明です。でも少なくともRhodesは良くきこえます。Albumとして十分聴けてしまうのですが、やはりこりゃどちらかといえば珍品でしょ。

yamabra at 21:17|PermalinkComments(0) Brasil | VA/Compi./Sound Track/珍

March 14, 2006

Disk No.549: MART'NALIA / Menino do Rio

d854762d.jpgMart'naliaの新作。Martinho da Vilaの娘とか、無粋な枕詞は全く不要ですね?「期待を裏切らない」といっても結構裏切られることが多いのが実状ですが、この人だけには今回も裏切られません。Samba色のどちらかといえば濃い本作ですが、SambaとそれをbaseにしたMPBどちらも彼女らしい魅力に満ちています。sambaがしっかり身に付いていて、すべてその延長線上に存在する。今回はarrange/violaoがJaime & NairのJaime alem、これがかなり趣味が良い。そしてproduceがMaria Bethania。Tr.14"Sao Sebastiao"では朗読も担当。これで悪かろうはずもなく、早くも今年のNo.1かぁ〜?って、今年も後何回言うのだろう。


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March 13, 2006

Disk No.548: OLIVIA FEARTURING ALDO SCAGLIONE / 2 por 2

c66fc134.jpgTRATOREのcompilation、"Havaianas"でも取り上げられていた、Sao pauloの女性singer、Oliviaの3枚目のalbum。guitarのAldo Scaglioneとのduoという極めてsimpleな音造りによる作品。曲はJobim, Jorge Ben, BadenらのBrasilものから、Lennon/McCartney, Miles Davis, Jim Morrison, そして"Cry me a river"などJazz Standardまで幅広い。ちょっぴり不安定ながら、Oliviaのとてもcuteな声に小さな幸せを感じるべき作品。

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March 09, 2006

Disk No.547: SILVANA MALTA / Ceu de Brasilia

2708f1a4.jpgDenmarkで活動するBrasil人女性singer、Silvana Maltaのalbum。当然profileなどは全くわかりません!まあ写真を見ると結構careerの長そうな方(Silvana様には失礼をお詫び致します)に思われます。なんでこれを手に入れたかって言うと、副題がfeaturing Airto Moreira & Toninho Hortaというわけです。もうこの二人が全編に渡って参加しているのが魅力。曲もMilton1曲、Toninho3曲、Hermeto1曲、Jobim2曲と、Denmarkのmemberの曲2曲という構成で、Minas色、というよりToninho色がとても濃厚。Vocalとしては正直「普通に良い」という感じ(も一度ごめんなさい)ですが、作品的にはとてもよろしゅうございます。

yamabra at 23:41|PermalinkComments(0) Brasil | MPB

March 08, 2006

Disk No.546: RENATO BRAZ / Historia Antiga

c6fc8670.jpgNo.497でも紹介したRenato Braz、1998年の2nd album。Sao Paulo生まれというこの人の歌ですが、どうしても大都会Sao Pauloのimageではないのです。彼の独特high toneとscaleの大きさは、良い意味で田舎の人の音楽を思わせます。この作品では、Dori Caymmiが多くの曲でarrangeも担当していて、美しいことこの上ないのですが、sertao/nordesteの音楽を取り上げているだけではなく、実際sertaoにrootsを持つ人の音楽なのではと思ってしまうのです。とても真面目な音楽なので、真っ直ぐ受け止められる人に聴いて欲しい。

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March 06, 2006

Disk No.545: FREDDY KING / Bossa Nova and Blues

08bcf678.jpgCategoryの中には、ずーっと準備されていたものの、なかなか紹介出来なかった「珍(珍盤)」を、初めて紹介させていただきます。1963年、当時30歳というthree kingの1人、Freddy Kingが残した記憶すべき汚点の1枚、Bossa Nova and Blues。Bossa Novaのブームに乗っかっちゃえ!っという商売根性丸出しの、いかがわしき逸品。Bossa Novaという言葉がtitleに入っている曲が2曲ありますが、一体コレのどこがBossa Novaなんだぁ〜〜っという、なんとも普通にご機嫌なBlues album。

yamabra at 19:56|PermalinkComments(0) Outros | VA/Compi./Sound Track/珍

March 05, 2006

Disk No.544: TOKIWA KINOSHITA / Tokiwa

dab87f94.jpg山形でのliveまであと1ヶ月ほど、Dois Mapasの木下ときわさん、初のsolo作品。小畑和彦さんproduceの本作は4/5発売予定。ときわさんの歌の持つ独特の雰囲気をどう表現したら良いのでしょうか。夏のギラギラした日差しではなくて、春の心地よい日差しを浴びているような、包み込まれるような穏やかさ、優しさを感じます。声が似ているわけではないのだけれどNaraの音楽の空気感に似ている。Dois Mapasの作品では、originalを歌っていますが、本作はsamba, bossa, MPBの名曲が中心の作品で、小畑さんを中心とした色彩感溢れる演奏も素晴らしい。Saigenji, Matsumonica, 石川智らが参加。おじちゃん心に響く、落ち着きと華を併せ持った(荒川静香のような?)作品。

yamabra at 19:25|PermalinkComments(0) Japao | Dois Mapas (Tokiwa Kinoshita)

March 03, 2006

Disk No.543: BON SUCESSO SAMBA CLUBE / Bon Sucesso Samba Club

254bf6e0.jpgNordeste出身で、Nordeste系の音楽を基調としたmixture musicを指向する人達、正直最近多すぎて少し食傷気味ですらある。個性的であったはずの音楽なのだが、もうよほど個性的でないと飽きちゃう。でも聴けばやはり血沸き肉踊るのだな、これが。この人達はあの美しい都市、Olinda出身なのだそうだが、特にOlindaらしいって(どんなだ?)こともなく、やはりNordesteのrhythmを基調にしたmixture pop/rockだ。かなりsamplingなんぞの多めな音で、その新鮮さは感じますな。曲もほとんど全曲originalで、十分魅力的な品質といって良いでしょう。

yamabra at 19:02|PermalinkComments(0) Brasil | Nordeste/Bahia

March 02, 2006

Disk No.542: HUGO Y OSVALDO / La Bossa Nova de Hugo y Osvaldo

228b6288.jpgUruguaiのマエストロ、Hugo Fattorusoと弟Osvaldoによる興味深いBossa Nova作品。1968年の作品です。originalを中心にBacharachやGeorge Harrisonまで取り上げて、Bossa/Balanco touchに仕上げられています。なんか若々しくてちょっと気恥ずかしい感じですね。Airtoとの共演作などから考えるとかなり異質な感じではありますが、これはこれで○でしょう。さらにはLos Shakers時代、duo名義での未発表曲8曲がBonus Trackとして収録されており、貴重な盤でもあります。


yamabra at 18:55|PermalinkComments(0) Argentina/Uruguai | Hugo Fattoruso

March 01, 2006

Disk No.541: CASUARINA / Casuarina

2cc1305c.jpg実に気持ちよいぐらい真っ直ぐなSambaです。 Casuarinaという、5人組のgroupの作品。Gabriel Azevedo, Joao Cavalcantiの2人のfrontの若々しい歌も、他のmemberの演奏も申し分ありません。さらにはArranco de Varsoviaでも書きましたが、chorusが肝ですね。選曲も、Nelson Cavaquinho/Guilherme de Brito, Ze Keti, Adoniran Barbosa, Nei Lopes, Atailfo Alves, Wilson Moreira, Nelson Sargentoなど、渋すぎです。しかしなんと言ってもこの盤の売りは、Teresa Cristinaをguestに迎えての、Tr.6"Swing de Campo Grande"。Bluesで始まるSambaって初めてかも知れないけど、これは大成功。

yamabra at 21:03|PermalinkComments(0) Brasil | Samba