2018年07月17日

2014-09-01 12.10.48写真はニューヨークです。

私は、世界中くまなく行ったわけではありませんし、海外と深くかかわることもそれほど多いわけではありませんが、それでも商用で海外と接することで気が付いたことが有ります。

それは、国民に「人と人とが信頼関係を結び成り立っているのが社会」という漠然とした合意が形成されている国は、先進国では日本しかないのではないか、ということです。私の考えではその対極にあるのがグローバルスタンダードです。グローバルスタンダードは、「人は信じるものではない」という前提で出来ていると思うのです。だから「これはやってはだめ、あれもやってはだめ」「これはやりなさい」「それもやりなさい」という取り決めが、守るべきルールとしてきっちりと取り決められいます。日本と異なり、大陸で多民族で他宗教の人々が交わり暮らす海外では、それは当然なことでしょう。
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上場会社が問われるガバナンスや、企業に遵守が義務付けられるコンプライアンス、技術標準であるISOなど、グローバルスタンダードは皆その様なものだと思っています。よく、外国の方が日本で働いて、仕事の範疇やマニュアルがしっかりしていない、という当惑を聞きますが、これもここの文化の違いであると思うのです。取り決めがしっかり為されていないという事は、逆に言えば自由度が高いと言え、日本は「相手を信頼し任せる」という幅が、海外より広いのだと思います。

グローバルスタンダードが本格的に日本に入ってきたのは、1990年代後半に、橋本政権下で取り入れられた金融ビッグバンが端緒になっていると考えます。そうして2000年代の小泉政権下で、様々な規制改革の名の下、グローバルスタンダードは、「世界がこうなのだから」とほぼ無批判で受け入れられてきたと私は観察します。

私に限らず、その前の時代を知っている人たちは一様の感覚を持っていると思いますが、グローバルスタンダードが日本に取り入れられてからは、何かとルールによる締め付けが多くなり、息苦しさを感じるようになりました。。日本は人の信頼が前提なゆえに、比較的自由度がある緩い状態で仕事をしていたのが、不信を前提に仕事のやり方が再構築されてしまったのでそう感じるのは当然です。

2014-09-01 13.37.46日本が、経済で強さを発揮して世界を席巻していたのは、バブル崩壊まででしょう。私は過去日本が強かった要因に、日本だけが持つ「人と人とが信頼関係を結び成り立っているのが社会」という空気があったからだと断じています。海外の会社組織を見ているとトップダウンのしっかりしたヒエラルキーで活動しています。しかし一方、日本の組織は構成員の合意形成を重視します。

例えば、生産現場でISOと改善提案は対極です。それこそ、トップダウンとボトムアップの違いです。どちらにも強みはあり弱みもあります。しかしボトムアップでも組織が機能するのは、日本社会だけだと思うのです。ここのところ、国際社会では存在感が薄くなり何かと元気のない日本ですが、私は根本原因はグローバルスタンダードを無批判に受け入れたからであると思っています。日本は、海外の文化を自分流にアレンジして受け入れ2014-09-01 13.38.06るのが上手である、という一般的な認識があります。なぜ、アレンジするのでしょうか?それは、受け入れるものに対し批判的な眼差し向けることを忘れず、良いところ取りをしているからです。一方、グローバルスタンダードは、国際ルールだからということで、無批判で受け入れられました。欧米の人たちを観察していると、とにかくルールメーカーになりたがります。ルールの裁量があることが、大きなアドバンテージとなることが分かっているからでしょう。この観点からしても、グローバルスタンダードに飛びついてはいけません。私は、おそらくその逆の方向に日本の強みが活かせる道があるはずだと考えています。


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2018年07月06日

IMG_4409写真は、イタリアのボローニャです。同所にも斜塔があるのは、行ってみて初めて知りました。

タイトルについて亡くなって間が空きましたが、時間を経ないと生々しくて振り返れませんでした。

私は、若い頃に西部邁先生の知己を得て、そのお考えに多分に影響を受けました。

東大時代の学生運動の闘士から、入獄の経験によって左翼思想の欺瞞を悟り、一転して保守論客となった先生の思想の骨子は「伝統」にありました。

ご著書や、ご講演や、僅かばかり直接伺ったお話での私の浅薄な理解を、僭越ながら私の言葉で述べると、

「世の中に絶対と言えるものは何一つ無い。となれば相対的に言って確かなものを見つけるしかないが、それは長い時間の陶冶を経てそれでも残っているものになる」


「それが伝統で、人間の持っている文化の中には1000年単位で引き継がれ、今も残っているものがある」        
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「一方、世界の多くの人にあれだけ支持された共産主義は、今や見る影もない。資本主義もたった200年余りで大きな弊害を露呈し、終わりがきたともいわれている」

「性急に古いものを捨て去ることは、取り返しがつかなくなるかもしれない。新たなことに取り組む時は、漸進的に考えなければならない」




この伝統に対する考え方には、影響を受けました。時間軸をうんと延ばして考えると、物事の本質が見えてきます。この思想を知って以降、私の考えに大きなぶれはほぼ無かったと思っています。

西部先生に深い感謝の念を表明しつつ、心よりのご冥福をお祈り申し上げます。


 

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2017年01月23日

IMG_4177現地時間で1月20日にトランプ大統領が就任されましたが、1月22日に日刊工業新聞さんより電話インタービューを受け、1月23日の記事にその要約が記事になりました。

中小企業経営者の声ということだそうです。
紙幅が限られており要約され、また紙面になるということで、言えないこともあったのですが、ここで捕捉させてもらおうと思います。












IMG_4176これだけの文字数ですが、記者は良くまとめてくれました。









今回トランプ大統領で良かったと思うのはTPP離脱を公約通りトランプ氏が決めたことです。日本政府は対中国脅威を言い立ててTPP参加を国会決議しましたが、私はTPPには国民にとってそれ以前の問題があると考えます。一つはよく言われる食料の安全保障です。農協の既得権益を打破しなければならない、ということが言われますが、ほとんど国は自国の胃袋を他国に掴まれないために補助金を出しても自国の農業を保護しているというのが私の認識です。そんなことになったら、輸入相手国の言いなりにならざるを得ないからです。

 さらに、恐ろしいのは医療の面です。先日取引先のグローバル企業の副社長が見えてお話し下さったことに、メキシコでの駐在者の方ががプライベートでアメリカへ行き、事故を起こして骨折し数日間入院となり手術した、その請求額は日本円で1000万円に上った、というものがありました。会社が掛けている保険は500万円までしか出ないので、後の500万円をどうしよう、プライベートだからと言って見捨ててよいのか、という議論がご社内であったそうです。当社も海外出張は多い会社ですから、早速総務に指示していま会社が出張者に掛けている保険が適切か確認してもらっていますが、これがオバマ前大統領が成果と誇ったオバマケアの実態です。医療という、人命に直結する産業を民営化してしまえば、ニーズは決してなくなることは無いので、費用が跳ね上がるのは当然です。そしてそのカバーのために民間で保険を掛ける、というのがオバマケアです。

 なんでこんなことを述べるとか言えば、TPPには薬価の決定も参加国で行うという内容があると聞くからです。自国で人命に直結する薬価が決められない、これは恐るべきことです。クリントン候補もTPP離脱を言っていましたが、中国と抜き差しならない関係を持ち、グローバリストのクリントン氏は「これではまだまだ甘い」という意味でのTPP否定だった様です。クリントン大統領が誕生していたらと思うと、空恐ろしい気がします。もしかすると、日本政府はクリントン大統領誕生必至とみて、さらに厳しいことを言われる前に先回りしてTPPを国会決議したのかも知れませんね。

日本をアメリカを同一視して、アメリカ大統領の意向で日本のことが全て決まるとは思いません。その意味で、トランプ大統領でよかったというのは、相対的な話でしかなく日本政府は相手が誰が大統領になろうと自主自立の精神で国益を追求すべきです。

 言いたいのは、今回の大統領選一つ見ても、我々の生活に影響するのです。時事には関心を持って勉強し観察し、時には声を上げることも必要だということです。

                                



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