【日 程】2018年06月23~24日(土日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】竜門山(1688m)
【天 候】晴
【メンバ】3人 (S藤さん、I井さん)
【コース】日暮沢 → 龍門小屋往復
(概 略)




07/23 日暮沢小屋(7:10)---(10:10)清太岩山---(10:55)ユウフン山---(11:58)龍門小屋



2017年12月13日の早朝に1人の岳人が旅立った。
敢えて書くまでもないが、龍門小屋管理人を長く務められていたE藤さんのことだ。生前の彼と最後に話したのが、今から一年ほど前に天狗小屋から降りてきて、大井沢温泉で汗を流している時だった。

「日暮沢小屋まで車で入れるようになったから今度遊びにおいでよ」

「はい、絶対お邪魔します」

これがE藤さんとの最後の会話になろうとは、もちろんその時は考えもしなかった。


春の農作業が一段落し、逞しい雑草との格闘前の一時に、大好きな朝日の山に帰るのが定番になったのは最近のこと。去年もご一緒した3人で、この日の山行が正式に決まったのは一週間ほど前だろうか。ちょうど山岳会の慰霊登山があるとのことで、現龍門小屋管理人のI川さんから、お誘いがあったので山岳会員でもないのだが、僭越ながら乗っかることにしたのだ。事前のお話しでは、参加人数はそんなに多くならないとのことであったが、実際は30人を越える参加者となり、当日の宿泊者は50人近くになるのではとの話だった。


あんまり大勢で登るのも気が引けたので、我々は本隊より少し前に登り始めることにして日暮沢小屋に向かった。しかし着いてみたら既に多くの車で渋滞していたのだった(汗)
何とか車を駐め水を汲み、エゾハルゼミがうるさいほどに鳴く森に刻まれた急登に取り付く、風はほとんどなく朝から暑い事この上ない。すぐに大量の汗が噴き出す。
何度も登ったこの道は、想い出と共に身体に感覚で記憶されている。いつもの場所で休憩を取り、急登を頑張りながら歩を進める。時が経つほどに、だんだんと下界と隔絶していく感覚が、いくら苦しくても好きなのだ。


ゴロビツの水場付近までに我々はもう相当の汗を搾り取られた。当然水の消費も早く、持参のペットボトルで1本半は飲んでしまったろう。
風がなく暑いだけならまだ良いが、この日は半端でない虫が我々の周りに群がった。お馬鹿な1人の登山者は、無謀にも短パンに半袖シャツだけ、さらに虫除けスプレーやキンカンも持っておらず、結果は書くまでもないが、膨大な虫さされ跡をカモシカのような美脚に深い反省の念と共に刻んだ。


やれやれ、何度同じ過ちを繰り返せば気が済むのだろうか。


水場を過ぎ一頑張りでゴロビツの頭、残雪は上の方に少しだけ残っていた。



180623ryumon-005
ゴロビツの頭に残った雪渓を登る



ここからもう一頑張りで視界が開け、雄大な主稜線の姿が拝めるのだ。清太岩山を見上げると休憩中の単独行者が確認できた。
さあ、頑張ろう!



180623ryumon-006

右奥の清太岩山から左がユウフン山
そして奥に竜門山、右のコルに小屋が小さく見えた





この日の清太岩山では眺望が素晴らしく大朝日がいつもより近く感じた。これは天気が悪化する兆候と自分では思っているのだが、どうなんでしょうかね?
暫く連峰の眺望を満喫してから一旦大下りし、また登り返してユウフン山で昼食休憩大休止とした。





180623ryumon-007
大朝日岳と中岳




180623ryumon-008
こちらは寒江三山




180623ryumon-009
迫力ある以東岳




イヌワシの餌場を過ぎ竜門山へ向かう穏やかな道沿いには、可憐な花々が出迎え疲れを癒してくれた。
さあもう一頑張り!


竜門山の登りの雪渓は途中が切れておりそんなに難しくはない。雪渓上の涼風が火照った身体を冷ましてくれ気持ちよい。
分岐を右に折れ稜線を下っていくと、ウスユキソウが待ってましたとばかりに出迎えてくれた。目の前に単独の先行者が現れ、よく見れば何と山岳会のS谷会長ではないですか。聞けば本隊より早く単独で登られたとのこと。いやあ、相変わらずの超人振りに一同舌を巻く。我々より少し早い6時15分に日暮の小屋を出発されたそうだ。


そのまま下っていくと龍門小屋前のベンチで休んでいる2人が見えた。近づいていくと何と言うことか、すばるぅさんではないか、再会を喜び今晩の宴会を楽しもうと思ったら、都合があり日帰りで下るらしい(汗)
残念だが仕方ないか…


小屋前の水場には冷たい水が出ており、早速一杯いただき持参の朝日ビールを冷やす。慰霊祭まではまだ少し時間があったので、I井さんと百畝畑までウスユキソウ鑑賞に出かけることにした。
本当は南寒江山まで足を伸ばしたかったが、身体が猛烈に拒絶反応を起こしていたので(笑)きれいな花を堪能しすぐ小屋に帰ったのだ。


では暫しご堪能あれ…



180623ryumon-001




180623ryumon-002




180623ryumon-003




180623ryumon-004
シラネアオイの色が濃い個体があった





小屋に帰ると管理人のI川さん達が既に着いており、挨拶し二階の隅に3人で陣取る。
マットを敷き寝床を確保後に慰霊祭までもう少し時間があったし、参加者もまだ全員揃っていないので、小屋前のベンチで練習がてら朝日ビールをプシュっとやることにした(汗)
ああ、冷たい朝日ビールの何と美味いことよ。
悔しがっているE藤さんの顔が浮かんで来た(笑)


マッタリしているうちに参加者がポツリポツリと集まってきた。懐かしいノビタ君の姿を見つけ握手で再開を喜ぶ。小屋の二階では調理班が今晩の熊鍋の仕込みに余念がない。
ご苦労様です。




180623ryumon-011

熊肉を刻んでいる





定刻となり皆外に出て小屋前で慰霊祭が始まる。
小屋入口上に和紙に書かれた立派な式次第が貼られた。竜門山避難小屋と書かれた木のプレートの文字は、風雨に洗われほとんど消えており、暫し感慨を深くする。





180623ryumon-010




E藤さんが生前に拵えたテーブルに遺影が置かれ、慰霊祭は山岳会事務局長の司会進行で粛々と進んでいった。




180623ryumon-012





追悼の辞では山岳会会長から始まり、親交のあった人達のお話が続いた。中でも現管理人のI川さんのお話は実に感慨深く、そして頼もしく皆の心に響いたように思う。
その後献花を経て、最後に遺族を代表して、ご長男のA君が挨拶し皆で黙祷、あちこちから堪えきれずにすすり泣く声も聞こえ、自分も涙を堪えるのが辛かった。
そして最後のお別れを心の中で念じた。

E藤さん、ご苦労様でした。これからも龍門小屋を見守って下さい…


その後閉会の後に皆で献杯!
E藤さんの遺影の前に大好きな朝日ビールを置くのを忘れ皆で苦笑する(大汗)
夕暮れが迫るまで遺影の前で各自思い出話に花を咲かせていた。


その後小屋二階に会場を移してからは賑やかな宴会となる。やっぱりこれが龍門小屋のスタイルなのだと改めて思った。
きっとE藤さんも喜んでいるよ…





180623ryumon-013
熊鍋がもう少しで頂けそう



消灯時間厳守で皆就寝したのは言うまでもない。

えっ?

「本当のところ、お前は管理人室に押しかけ、また迷惑をかけたんだろう?」

とのことでございますか?

いやあ、参りましたね。そこのところは読者のご想像にお任せしたいと存じます(笑)





180623ryumon-014
小屋からの夕焼け空





   ******------******------******------






07/24  龍門小屋(6:00)---(9:55)日暮沢小屋



朝は4時半に起床した。それでも遅い方であり(まだ寝ている人もそこそこいたが)同行の二氏は涼しい顔で朝食の準備をしている。水場に顔を洗いに行ったI井さんによれば、外は風が強くとても寒いとの事だった。とりあえず洗面用具を持って外に出てみたら、気温8℃の表示であり震えながら歯磨きした。山岳会の人達はラーメン朝食の後に10時まで自由行動とし下る予定らしいが、こちらは前日にウスユキソウ鑑賞を済ませていたので、早めに3人で下る事にした。


7時出発と一旦決まったが、簡単な朝食を各々とれば、とりあえずする事もないので、6時に出発時間を変更する。そうと決まれば皆早いもので、荷物をまとめて早々と一階に移動するのだった。(二階は熱気と湿気で暑いのだった(笑))
小屋を出る前に管理人氏にお礼の挨拶をし風の強い外へと出る。

う~~、さむい!!


しかしこの風も竜門山の分岐までで、少し下れば風などないのが常なのだ。
竜門山から以東岳を眺めたら雲にあらかた隠れている。




180623ryumon-015
雲が稜線を越えて流れてくる




180623ryumon-016
竜門山をバックに下る



雪渓を下りイヌワシの餌場の辺りでは昨日はまだ蕾が多かったヒメサユリもあちこちで開いていた。皆でカメラを取り出し撮影会をしながらゆっくり下る。





180623ryumon-019
清楚なサユリさん


以下はオラが皆さんに間違って教えた花だす。
正しい名前を書いておきました(大汗)



180623ryumon-018
ウラジロヨウラク




180623ryumon-017
サラサドウダン




山岳会の皆様、小屋管理人のI川さん、同行いただいたS藤さん、I井さん、大変お世話になりありがとうございました。
また何処かの山で会い(呑み)ましょう。