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雨の中ゴロビツの水場で休憩




【日 程】2021年09月04~05日(土日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】竜門山(1688m)
【天 候】雨
【メンバ】16人
【コース】日暮沢口 → 龍門小屋往復
(概 略) 


9/4 日暮沢口(7:30)---(10:45)清太岩山---(11:26)ユウフン山---(12:20)龍門小屋



いつも大変お世話になっている龍門小屋管理人のI川さんから、「篠熊会」のお誘いメールを頂いた。今シーズンは個人的事情で、お山とは縁遠い生活を余儀なくされ、意気消沈しており、なかなか重い腰が上がらない状態だったが、
「たまには山に行かないとダメだよ!」
と言うありがたい発破を頂き、お邪魔することにした。


「篠熊会」とは「猪熊滋悟郎」みたいで何となく怖いイメージだが、正確には「篠笛&熊鍋の会」と言うものらしい。オラはもちろん初めての参加だが、あちこちの噂話で、どんな会なのかは何となく知っていた。つまりは、熊鍋を食しながら、篠笛を山上で風流に楽しもう、と言う会だと思っていた…(汗)
事前のメールで参加人数が知らされたがが、驚いたことに18名だそうな…(大汗)


自宅を早朝に出発しR-112を目指す。庄内は晴れてはいないものの雨の気配は無い。湯殿山スキー場の辺りまで来ると雲が近くに感じられたが、まだまだ雨の気配はない。順調なドライブで月山第1トンネルを抜けたら、あらま、路面は完全ウエット、その上雨脚も強い。この山行が合羽必須となることを確信する。


早朝の大井沢は静寂に包まれている。周辺のそば畑では一面に白い花が満開でとても美しい。あっという間に根子まで来た。あとは日暮沢林道をひた走るのみ、水源の辺りまで舗装されたので実に快適な走行だ。すぐに先行車に追いつく。煽り運転ではないが、気を利かしてくれたのだろう、道を譲っていただいた。(M谷さん、すいませんでした)


日暮沢小屋前には立派な広い駐車場が整備されていた。何となく目が点になるも、もうすでに同行者が出発の準備を整えている。I川さんに挨拶して合羽を着こみ、こちらも準備した。何でも直前キャンセルが2名出て、総勢16名になったそうな。山岳会のS谷会長は一時間前に出発したらしい。雨脚が強くなる中、ゆっくり出発、最初の急登に取り付く。
およそ一年振りの山登り、嬉しくもあるが体力低下も著しく、最後まで歩き通せるか一抹の不安もあった。


途中何度も休憩を取りながら何とかゴロビツの水場まで到着、ここで先行していたS谷会長に追いつく。雨の中で合羽を着こみ暑いのだろう、眼鏡が曇って歩きにくそうだった。ここでリーダーの指示で、一番若くて頑丈なS藤さんがサポートについて、我らは先行することにした。
雨の中ではあるが皆楽しそうに会話が弾んだ。最後尾からは賑やかな声が風に乗って響いてくる。若い人は良いなあ…(大汗)


その後順調に高度を稼ぎ稜線へ出ると風が冷たい。清太岩山を通過しコルで一服後休憩なしで竜門山まで、老体には結構辛く息が上がった。
視界の効かぬ中、後は小屋まで下るだけ、ニンジンをぶら下げられた駄馬の如き姿で必死に下ったのだ。霧の中から懐かしい龍門小屋が現れたときには、正直ホッとした。
改めて考えてみたら、駐車場には結構な数の車があったのだが、道中スライドした登山者は皆無、小屋にも誰もいなかったし、皆さん周回したのだろうか???


悪天時の山小屋と言うものは実にありがたいもので、雨から解放された皆は明るさを取り戻した感じ、雨具を脱ぎ乾いた衣服に着替えたら現金なもので、早速朝日ビールを大量に水場で冷やす。幸いにも水場には勢いよく冷たい水が大量に出ていた。
この日は二階を我らが占拠し宴会の準備を急いだ。たぶんこの天気だから他の登山者は来ないだろうと言ったら、管理人氏が、
「いやいや、3時過ぎに突然来る人も結構いるんだよ」
と仰られた。でも結果的には誰も来なかったんだよね…(笑)


二階に宴席の準備が整うと、食担のH本さんを中心にクマ肉の調理が始まった。なんでも最低2時間は煮込まないといけないらしい。ちなみにこの肉は、山岳会のS谷会長が毎年提供してくれるのだそうな。感謝です。





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大量のクマ肉を調理する。





メインの熊鍋が出来るまで、それぞれが担ぎ上げた大量の食材の調理が、我先にと始まった。いやあ、皆さん凄い、大したものです。
それにも増して凄いのが、酒類の豊富さでした。ビールはもちろん分担して大量に背負い上げたのだが、日本酒やワイン、焼酎にマッコリ?これでもかと言うくらいに、次から次へと出てきましたね。凄すぎます。飲み食いするのに忙しくて、写真はあまり撮れなかったですが、少しだけアップします。





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H本さん得意のホタテ焼き





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M川さんは会長のためにタコの足を背負ってきた。






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担ぎ上げた銘酒群、プレミア付きの物が多いという。





S谷会長とS藤さんはまだ到着していないが、これだけの御馳走を前にして、黙っていられないのは仕方のないこと。とりあえず練習と言うことで、皆で乾杯し宴会へと雪崩れ込む。
管理人氏曰く、今回で篠熊会は11回目だそうです。
いやあ、改めて凄いですね。オラなんか古い世代なので、登山装備は軽量化が至上命題みたいな感じで、山遊びを続けてきたけど、ここに集う人たちには関係ないみたいですね(汗)


上の写真の一升瓶、これを軽いペットボトルに詰め替えて持ってきては、価値がないんだそうです。食材なんかも生物なんて、オラの感覚では青天の霹靂なのだが、軽量化より旨いものを鱈腹食べることに意味があるみたいです。まあ、それはそれでとても素晴らしいことですね。若い世代は発想が自由で素晴らしい(拍手)


そうこうしている内に、会長が到着した様子、聞けば米寿も間近なご年齢とのこと、オラたちと到着が一時間しか違わないことに唖然とする。と同時に尊敬の念が沸々と湧き上がってきた。凄い人たちばかりだなあ…(大汗)
全メンバーが揃ったところで、改めて盛大な乾杯となる。以前は「居酒屋龍門」などと言われたが、現在は「料亭龍門」だねと誰かが言ったが、これだけのご馳走を前に皆納得の表情、熊鍋が出来上がるころには、皆さん美味美食に酔い、最高に盛り上がったのであった。





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一瞬だけ見えた相模尾根





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龍門小屋のTシャツが出来ていた。





ふと気が付くと、いつの間にか怒涛の第2部へとステージは変わった。
篠笛を風流に楽しむものとばかり思っていたが、少し違ってこんな感じ…(大汗)





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こんな衣装まで担ぎ上げていた。






なんともまあ、何をするにも全力投球、ここまで拘った宴会は下界でも珍しいと思う。
篠笛を演奏するH本さんとは、昨年の暮れに万助小屋でご一緒した。それ以前にもどこかで聴いた覚えもあるが、以前にも増して腕を上げた様子に感心する。レパートリーが尋常の数ではないのだ。
途中には山の歌の独唱も入り拍手喝采、一度お休みモードに入った人たちも再度復活し、花笠音頭や、ねぶた祭りの調べに合わせ、全員で大いに踊る。
ラッセーラー♪と跳ね踊る頃には宴は最高潮となり、記憶の飛んだ人達も多かったようだ。
もちろんオラもその一人で、気が付いたらシュラフに包まっていたのだった…(大汗)





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青森ねぶたは盛り上がる。





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9/5 龍門小屋(9:20)---(13;00)日暮沢口




通常山の朝は早いのだが、この日は貸し切りも同然で皆ゆっくりとする。二階に寝た人たちは暑かったようだが、オラは知らぬ間に一階で寝ていたのだが、つま先が冷たくて目が覚めた。外は相変わらずの天気で視界はない。
酔い覚ましに外の水場に顔を洗いに出たがとても寒かった。三々五々二階に集まり湯を沸かして珈琲をご馳走になる。美味いなぁ…


食担のH本さんは朝から元気一杯、通常は、名物でもある管理人さんが造る、名人芸のラーメン朝食となるのだそうだが、昨夜の熊鍋が結構残っており、また人数分のうどんも手付かずだったので、急遽、「熊鍋うどん」に変更し豪快に大鍋に食材を投入した。





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豪快に朝食を準備する。





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朝食の熊鍋うどん一人前





若干名がアルコールが効きすぎて朝食を遠慮なされたが、他は食欲旺盛でペロリと平らげた。これもまたとても美味しかったのだ。
朝から満腹になると動きたくなくなるもの、その前に動こうと言う事で、9時に下山開始と決まった。会長は一足先に下りると言う事で、一人颯爽と雨の中を出発した。


管理人さんは、この後に風化著しい小屋の看板を書き直すために、もう二晩小屋に留まるという。そう言えば、入口の上に龍門小屋と書かれていた文字が、見えなくなって何年経つんだろう?
新しい文字は、山岳会会員でもある著名な書道家の筆と言う。管理人さんが披露されたので写真に納めてきた。彼曰く、とても珍しい書体であるそうだ。





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新たな看板の文字を披露する。





そんなことをしている内に定刻となり、皆さん雨具完全着用で管理人さんの見送りを受け下山開始、外はとても寒くジッとしているのが辛いほどだった。出発前に先行していた会長より無線が入り、ユウフン山まで来たとの知らせがあった。その健脚に恐れ入る。
竜門山までの登りが思いのほか辛かったが、後は順調に下った。途中スライドする登山者が多くてびっくり、昨日は誰もいなかったのにな???


会長とはゴール間近で合流できた。やっぱり高度が下がると暑いので雨具を脱ぐ人も多かった。
こんな大勢での山行も滅多に経験できないので、とても楽しく想い出に残るものとなったが、個人的には、S谷会長と山上で一緒に酒を呑み、語り合えたのは貴重なことであったと思う。


個人的な話ではあるが会長は我が亡父と同年とのこと、中年を遥かに通り越した今、改めて考えることも少なくないのだが、生前の父親と酒を酌み交わした記憶はなく、まあそれはそれで仕方のない事なのだが、この歳になって大先輩と語り合うことの有意義さと言うか、ある意味虚心坦懐にお話を聞くことが出来たことは、それなりに自分も齢を重ねたと言う事なのだろうか?


時は一瞬たりとも止まることはない。もちろん龍門小屋の歴史も止まることもない。この場所で出会った多くの岳人との想い出は、長く記憶に残るものだが、それに浸ってばかりいてもしょうがないだろう。
小屋まで登るのは時が経つにつれ苦痛も大きくなる。けれども登り続けることの大切さを忘れてはいけないと思う。どんなに苦しくて時間がかかっても、登り続ける体力と気力を放棄することは、やってはいけない事なのだと改めて感じ入った山行でもあった。


今回は初対面の人も多かったが、老若男女を問わずに一緒に山を登り、登行意識の共有が出来たことは、若い時分には個人山行に拘った自分にとっては、新鮮である意味違った意識を持てたと思う。
改めて山の楽しみ方の多様性を教えられた気がしました。


お世話になった皆さん、ありがとうございました。きっとまたどこかのお山で会いたいですね。その時はまたよろしく面倒を見てやってください。