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笙ヶ岳東壁(1205m地点より)


 【日 程】2020年12月10~11日(土日)
【山 域】鳥海山
【山 名】万助小舎(1006m)
【天 候】晴れ
【メンバ】10人(R.I川さん、H.I川さん、H本さん、F本さん、S木さん、M谷さん、S藤さん、M川さん、M田さん、)
【コース】臂曲登山口 → 万助小舎往復
(概 略) 


12/10 臂曲登山口(8:40)---(9;55)渡戸---(13:10)万助小舎---(14:15)ドッタリ手前1205m地点---(15:00)万助小舎

12/11 万助小屋(10:00)---(12;30)臂曲登山口



久々の山行記の更新です。


昨年も参加するつもりだったのだが、最遅の申し込みのため却下され二年ぶりの万助山行となる。
去年の轍は踏むまいと山行案内が届いたその日に申し込むと、アイドルのコンサートじゃないから全然間に合いますよとの返信が来た。それでも何だかんだあった模様で今回は10名の参加となった。
集合場所の「ゆりんこ」に到着したらほとんどのメンバーが揃っていたので挨拶する。まあ皆さん遠路はるばるご苦労様でした。オラは家から10分ほどで来れるので恐縮する。
一番最後にリーダーがさっそうと登場し、それぞれ分乗し臂曲の登山口に向け出発、天気は快方の予報だった。





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見事な隊列で進む




少しの回り道をしたが登山口に着いた頃には雨はほとんど上がっていた。もちろんここに雪は無い。
出発してすぐの急登に息が上がる。全然山歩きなどしていないので当然と言えば当然なのだが、情けない事この上ない。しかし暑いのは皆さん同じようでたまらず合羽を脱ぐ。最初から合羽を着なかったI川さんから、何年山を歩いているんだ!との檄が飛んだ。それでもじっとしていると体が冷えてくるので歩き出すと、じきに雪が繋がってきた。
渡戸を過ぎ尾根に乗る頃にはツボ足を諦めワカン等を装着する。しかしスノーシュー組は少ない雪で苦戦するのであった。





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ワカンを装着




徐々に天気は回復し笙ヶ岳の東壁が良い感じで姿を現した。メンバーは登行ルートを追っていたが、今の季節は命がいくつあっても足りないと諦めた様子、過去にはこの尾根に張り出した巨大雪庇が轟音と共に崩落、谷を埋め尽くし今歩いている尾根をも超えたことをI川さんに聞き皆で驚く。
上に行くに従い積雪も増え雪質も軽くなってきたが、ルートを外すとズボ抜けし脱出するのに苦労する。それでも雪山を歩くことは実に楽しく皆の笑顔と笑い声は絶えない。
それにしても尽きることのないF本さんのパワーは、一体どこから湧き上がってくるのだろう。
難関の渡渉点を過ぎればすぐに懐かしい万助小舎へと到着だ。





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最後の渡渉点で難儀する。





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万助小舎へ到着




小屋の入口は少し雪で塞がっており、M田さんとI川さんが持参のスコップで除雪してくれ、入口のドアを押し開け中に入る。そして荷物を置いてから協議、このような好天はめったにない、時間も少しあるので当初の目標(一人だけだったが…)である鳥海湖を目指そうと意見が一致し再度登り始める。





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空身で再登行開始




皆でラッセルを回しながらワイワイガヤガヤと賑やかな登行となる。中には3分もたない人もいてウルトラマンみたいだと失笑を買うが、めげる様子もなく笑顔で切り返す余裕に皆さん唖然とする。
高度が上がるに従い積雪も増え、灌木の枝が邪魔をして幼子のようにハイハイしながら進む様子が実に絵になるのだった。





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灌木の枝が低いのだ




皆さん登行意欲はあるのだが、だんだん時間も燃料も切れて来たのか、ドッタリ手前で登行を終えることにした。ここは標高1205m地点なので、この日は900mほど登行出来たことになる。オラは十分満足したが、まだまだ余裕のある人もいたに違いない。
天気は上々で見渡せば笙ヶ岳や月山森が陽光に煌めいて手招きしている。手が届きそうな景色に後ろ髪を引かれながら下山を開始したが、皆さん足が速くてたちまち置いて行かれた。その理由はもちろん分かっているのだが…





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1205m地点にて(H本さん提供)




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こちらは月山森方面




小舎に残ったメンバーが、水汲みやストーブの火入れなどの業務を全て済ませてくれていたので、すぐに宴会の準備に入る。H本料理長の元、淀みなく流れる調理は一流料亭の板場のようにテキパキとしている。準備が整うのももどかしく早々に乾杯、ラッセルで心地よい汗をかいた喉に染み渡る爽快さがたまらないのだ。その後豪華な料理が続々と出てきて、箸を置く暇などなかったと言ってよい。


いやあ、ホタテの刺身はプリプリで喉越しも抜群、オラは初めて口にしたのだが、青森サーモンのトロの味は衝撃的な美味さだった。そして極めつけは最高級比内地鶏、合計4キロとか6キロとか言っていたが、シンプルに塩コショウだけで味付けしフライパンで炒め、アツアツのまま食す美味しさは筆舌に尽くしがたい。これが4から5回戦続けて出てくるのだからたまったものではない。皆さん出てきたものを瞬時に平らげ悦に浸っている。これだから山は止められないのだ。





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ホタテと青森サーモン




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最高級比内地鶏




その後もF本さんが背負い上げた冬季限定の秋田の銘酒の一升瓶をご馳走になる。これもまた良く料理に合って美味しかった。スリムな彼女のどこにそんな力があるのか不思議なのだが、聞くところによれば、荷物が軽いとバランスが悪くて歩き辛いのだとか、う~む…(大汗)





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F本さんが担ぎ上げた一升瓶の銘酒




その後もいろんな美味しいお酒が次々と出てくる出てくる…
酒池肉林の饗宴と言えば大いに語弊はあろうが、暖かいストーブと、山上であることが信じられないほどの美味しい料理とお酒、はたまた底抜けに明るい笑い声と笑顔、そして次々と出て来る尽きることのない話題、天上の楽園と化した宴は延々と続くのであった。





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お休みの人達
噂では夢の中でも豪華な料理を食べていたらしい




夜通し炊かれたストーブはとても暖かく惰眠を貪る。時折燃料を補給してくれた人に感謝申し上げたい。オラは朝まで一度も目覚めなかった。
外に出てみるとわずかに新雪が積もって昨日の痕跡を覆っていた。天気も上々で笙ヶ岳が青空に映えとても奇麗だ。さすがにこの標高での新雪は粉雪、スキーが出来たら気持ち良いだろうな…
でも、今のオラには望むべくもない(大汗)



山から次第に足が遠いたのは加齢ばかりが原因ではない。今期全然行けていないのは下界での生活環境の変化が主な原因であろう。事例を上げればキリがないので止めるが、浮世の義理がある意味空しく感じられる昨今である。
そんな生活が続けば当然体は山から離れていくが、頭の中は逆に山の事ばかり考えるようになる。
農作業の合間に鳥海山を眺めては溜息を付き、所用で内陸へ行って朝日や飯豊の山並みを眺めては涙を流し(笑)、いっそのこと………などと愚にもつかないことを考えてしまう。


I川さんから冬山山行計画書を送ってもらって何年になるだろうか。その中で参加出来たのが前々回も含めての万助の2回だけだ。そう言う意味では冬山初心者の軟弱なオッサンの範疇だろう。確かに重荷には耐えられなくなり、長距離を歩くのも大変になりつつある。
かと言って下界で日々トレーニングに励み、来るべき山行に備えるなんてタイプでは決してない。また出来るとも思っていない。


少し前までは日本、いや世界中の名山を歩いたり見てみたいという欲求があったが、今は無い訳では無いがかなり薄れていると感じている。かと言って近くのお山に行こうという気持ちが強くなったかと言えばそれも否だ。でももし暇が出来たらとにかく山へ行こうという気持ちが無くなったかと言えばそんなことも無いのである。つまりとても面倒くさい人間になってしまったのだと思う。
けれども種々の条件をクリアーし参加できることが明白なら、迷いなく今回のように参加してしまう自分。我ながら呆れるほど実に変な奴なのだ(大汗)


若かった頃には単独日帰りにこだわった山行が殆どだったが、山小屋に泊まっていろんな登山者と交流することの喜びを知ったのは、朝日連峰にハマり始めた頃と一致する。思い返してみると岳友との交流が今の自分に多大な影響を与えたことがよく分かる。
それらの人達から得たいろんな考え方や行動は、自分を投影出来る多面的な鏡のようなもので、ある意味山に登ることの励みにもなっていると考えている。


さて、妄想はこれまでとして現実に戻ろう。
朝食も完ぺきで、山盛りのキリタンポ蕎麦で満腹、朝から笑いが絶えず抱腹絶倒の話が尽きない。
掃除を済ませ小舎を出てお世話になった万助小舎に別れを告げ再訪を誓う。





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小舎前で(H本さん提供)




帰路もワカンを付けて下るが、自分のワカンを踏んづけてしまい、何度もヘッドスライディングしそうになる。また木の枝に何度も頭をぶつけて、奇麗な星が煌めいて見えた。それでも行程は順調で隊列も乱れずに駐車場に到着し、車に荷物を積み込んだ途端に雨が落ちて来た。これも恒例なのだそうだが、運も我らに味方してくれたと言うことにしておこう。


お世話になった皆さん、とても楽しい山行でした。役立たずの変なオッサンで申し訳なかったです。でも機会がございましたら、またどこかの山で楽しく登りましょう。
ありがとうございました。