【日 程】2023年12月02~03日(土日)
【山 域】鳥海山
【山 名】鳳来山(858m)
【天 候】晴れ
【メンバ】8人(R.I川さん、H田さん、M谷さん、O森さん、G藤さん、S木さん、M川さん)
【コース】湯の台登山口 → 南校ヒュッテ往復
(概 略) 


12/02 湯の台登山口(9:30)---(10;10)南校ヒュッテ(10:30)---(12:10)鳳来山---(13:00)南校ヒュッテ

12/03 南校ヒュッテ(11:00)---(11;30)湯の台登山口



超久々の山行記です。

例年ならば冬山山行の始まりは万助小舎への泊りになるのだが、今シーズンは万助小舎を実質的に維持管理している地元の高校山岳部の山行と重なってしまったそうだ。そこで我々はそちらを高校生に譲り、少し東方にある南校ヒュッテ泊りとすることにしたのであるが、南校ヒュッテを知る人は案外少ないと思われる。実際オラも行ったことはあるものの泊ったことは無く、それもかなり昔の話で記憶も定かではない。しかし車道から一時間も掛からずに到着でき水場も近く、さらにストーブがあり薪も豊富だとのこと。しかも予約等の必要も無く料金も掛からない。正に安近短な山小屋である。酒田南高校が所有する施設のようだが、同校に現在山岳部は無く地元有志が維持管理しているようだ。


このルートは湯の台口から鳳来山を通り東物見、西物見を経て滝の小屋へ至る登山路であるが、今を遡る事およそ半世紀前、初めて学校登山で鳥海の頂を踏んだ際の下山ルートがここで、雨降る中這う這うの体で湯の台に降りたように記憶している。現在は車で滝の小屋の下まで上れるから、夏道としてこのルートを登る人は殆んどいないと思われる。以前は鳳来山で杉沢口からのルートと合流したのだが、歴史ある杉沢道は現在は廃道である。鳥海信仰が盛んだった時代には大いに賑わったと言われているが遥か遠い昔のことである。


今回も8時半にゆりんこ集合とのこと、地元組の我々は少し早く到着したがそれからすぐに三々五々メンバーが集まって来た。雨は止んでいるがいつ降ってきてもおかしくないような空模様の中を湯の台温泉鳥海山荘を目指す。途中白い野ウサギが一羽現れ、我らの車の前を必死に走って逃げて行った。草津集落から高度を上げていくと次第に雪景色となり鳥海山荘の駐車場ではあらあら20㎝程の積雪だ。山荘の駐車場にリーダーが明日の下山時まで駐車させてもらえるよう交渉してくれたので助かる。食担が用意してくれた貴重な食材を各々パッキングし準備完了。今期初の雪景色の中を賑やかに出発する。





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鳥海山荘前にて(O森さん提供)




車道は朝一で除雪車が入ったようだが登山道に入ると今朝降った新雪が結構積もっている。膝下ぐらいのラッセルだろうか、オラが先頭で張り切ってツボ足で登って行くが、軟弱者ゆえすぐに撃沈しトップを交代する。それでも久々の雪山歩きがとても楽しく気分が次第に高揚してくる。
ああ、山の空気が美味いなぁ~!





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ラッセル





白い綿毛で被ったような木々の枝の中を時には結構な急登に息を弾ませながら楽しく登って行くと次第に傾斜は緩む。そしてしばらく進んで少しだけ下り沢の中に降り立つとここが小屋の水場らしい。何と頼もしい事にコンコンと奇麗な流水がパイプの先端から流れ出ている。いやあ良いなあ~。
そしてほんの少し登り返すと雪の積もった小屋の屋根が見えて来た。





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南校ヒュッテに到着!





小屋の中は奇麗に掃除され備品も完璧だ。とりあえず天気も良いので荷物を置き空身で鳳来山まで行こうと意見がまとまる。ここからスノーシューやかんじきを履くことにしたのだが、忘れた方がいてメンバーの予備を使うことにしたものの、さてさてどうやって履くのか…
かんじき講習会の顛末がどうだったかは参加者のみぞ知る(笑)





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かんじき講習会





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フワフワの新雪に覆われた登山道





このルートは尾根道で展望が利き日本海が見える。当然冷たい季節風が直接吹き付けるから登山道には雪が吹き溜まり登り辛い。冷たい風はいくら冬山好きでもあんまり嬉しくはないもので休憩時には風の当たらない場所を探した。





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小さな雪庇も出来ていた。





鳳来山直下では麓から正午を知らせるチャイムの音が冷たい風に乗って聞こえて来た。最後の直登は結構きつかったが二等三角点のある鳳来山山頂(858.05m)に皆で登頂でき記念写真を撮る。
そして登頂と共に視界も開け日本海の沖に浮かぶ飛島の姿も奇麗に見えた。





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鳳来山から望む日本海!




視線を転ずれば夏には滝の小屋下まで続く車道が純白の雪に覆われて望まれる。
奇麗だなあ~!!!





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西側の雪景色




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鳳来山山頂にて(O森さん提供)





リーダーはもう少し足を延ばしてみたいような雰囲気だったが、異議を唱える前にいち早く帰還行動に移った方にほとんどのメンバーが続いた。寒くて熱燗が恋しいのは誰もが同じ様子、もう奇麗な雪景色には脇目も振らず駆け下る姿は正に鬼神の如し…(大汗) あっという間に小屋まで駆け下ったのだった。


二階に荷物を担ぎ上げてまずは寝床の準備、急な階段では絶対誰かが転落するだろうと話していたが、今思い起こしてみても幸い誰もいなかったように思う。それから宴の準備に入った訳だが食担の指示の元に実に手際よく進んでいった。普段自宅ではふんぞり返って台所になど入ったことの無いようなオッサンたちも、その見た目とは裏腹に実にテキパキと…(大笑)
皆さま大変ご苦労様でした。





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手際よく進んだ料理





着火担当の手際の良い作業により小屋の中も次第に暖かくなり、熱くなった薪ストーブに大鍋を載せた辺りで堪え切れずに盛大な乾杯となる。

カァ~~~!

この日この瞬間のために頑張って生きて来たのであろう。皆さん最高の笑顔でしたね…(笑)

それにしても何ともまあ豪勢な食材の数々に度肝を抜かれた。
メインの比内地鶏のキリタンポ鍋はもちろんとしても、とても美味しいサーモンの刺身は何とルッコラで巻いて食べます。クロマグロのアラから中落ちのように削ぎ落したものとネギを合わせて練り込んだ一品は頬っぺたが落ちそうだった(笑)


さらに広瀬川産の天然アユがドサッと出て来た。これを炭火で焼いて食べるために重い焚火台まで背負い上げたのだ。しかし肝心の炭を忘れると言うアクシデントがあったものの、そこはそれ美味いものを食すためには最大限の努力を惜しまぬ人達ゆえ事なきを得た。でも焚火台の組立に皆で頭を絞ったのには笑ってしまいましたがね…(大汗)
食担の旦那さんが釣り上げ提供してくれた見事な天然アユには、参加メンバー一同深く首を垂れ杜の都へ向かって感謝の念を発したのである。





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広瀬川の天然アユがいっぱいだ!





山の宴で柚子胡椒を添えてもらったのは初めての体験でした。それは食担の熱意と愛情をヒシヒシと感じる瞬間でもありましたね。何でもこの日のためにわざわざ仕事を休んで揃えた食材だそうです。改めて感謝御礼申し上げます。どうもごちそうさまでした。





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大活躍した焚火台





その後は各自持ち寄りの銘酒のお披露目が続きましたが、横手浅舞酒造の「天の戸」や千葉木戸泉酒造こだわりの燗酒{醍醐」は、メンバーが一升瓶をわざわざ担ぎ上げた大変美味しいものでした。そんな貴重なお酒もあっという間に空いてしまい、もう呑むものが無くなったのかと思ったが、そんな心配は無用であった。煙のようにどこからともなく湧き出た液体はバンバン空いて行き、果てる事を知らない宴は延々と続くのでありましたとさ…(大汗)


ええもちろん、比内地鶏の出汁がとっても美味しいキリタンポ鍋や、鶏皮の塩焼きなどのお馴染みのご馳走も本当に鱈腹いただいたし、アユを焼いた焚火台では蟹も焼くことが出来たし、比内鶏の鶏皮の炭火焼きにも活用でき大変重宝しました。そして実際にアレでアレする発想力と信念には大変感動し敬服いたしました。今後の更なる進化発展を期待したいと思います。
でもね、ホワイトアウトだけには、もう少し配慮が必要だった気も致しますがね…(大笑)





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比内鶏の鶏皮を焼く。





鼾の輪唱が奏でる名曲に目覚めた頃には夜が明けていた。ストーブの暖かさは想像以上で無意識の内に靴下やフリースを脱ぎ捨てていた。外を見たら昨夜からの降雪もほとんど無くとても静かな朝だ。それでも惰眠を貪る事暫し、一番最初にリーダーが消えたストーブの火を灯しに階下へ向かったのを合図に起床する。昨夜最後まで残った強者は誰だったのだろうか…


朝食は残った鍋に新たに比内地鶏を追加し更にうどんを投入する。これもすんごいボリュームだったが完食したようだった。それから片付け清掃をして小雪舞う小屋を後にした。それにしても下りは速かった。
鳥海山荘の温泉で汗を流してから猛禽類保護センターイヌワシ未来館に寄り見学する。鳥を鱈腹食べた後にこんな話を書くのも変なのだが、スタッフの方から丁寧な説明をいただき非常に有意義な時間を過ごせたと思う。それにしても知らないことが多いものだ。ちなみに国内には180組程のイヌワシのつがいが生息しており、その中から巣立ちできる幼鳥は10%程度だそうで、年間にして20羽程しか増えない貴重な鳥だそうです。


さらに鳥海でのイヌワシ生息数はたった2羽なのだそうです。そしてそのペアから生まれた幼鳥が巣立った最後の年が2012年、観測を始めて30年間でたった9羽しか巣立っていないのだとか…
猛禽類は食物連鎖のトップに君臨する生き物だが、その進化は実に神秘的かつ繊細なもので、人工的なものなど受け付けないのだろう。この広大な鳥海の山域にたった2羽しか生息できない原因は、麓に植林した木々が密で捕食行動が困難なことにあるのだそうだ。つまり体の大きいイヌワシは枝葉の密な場所を飛行し捕食することができないのだ。だって羽を広げたら2mを超すんですよ。ジャイアント馬場が杉林の中で手を広げてターザンごっこしてるようなものですからね…(大汗)


その他にも色々なお話を聞くことが出来たが、ホント勉強されてますね。頭が下がります。
小一時間も聞いていただろうか、時間も時間なのでスタッフの方にお礼し、他のメンバーとはここでお別れし、今年の冬山山行第1弾を恙なく終了した。

お世話になった皆さん、何にもできない不良老人で申し訳ありませんでしたが、またどこかの山でお会いできたら、よろしく遊んでやってください。ありがとうございました。