【日 程】2016年06月18~19日(土日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】南寒江山(1680m)
【天 候】晴れ
【メンバ】2名
【コース】根子 → 龍門小屋往復
(概 略)


06/18 クマスベリ沢(6:38)---(8:14)日暮沢小屋---(11:02)清太岩山---(11:51)ユウフン山---(13:02)龍門小屋


久々に予定のない週末は、二年振りに日暮沢林道に向かう。
梅雨の晴れ間との予報は見事に裏切られ、自宅を出る頃には雨がポツリポツリ、途中土砂降りまでは行かないが、車のワイパーをひっきりなし動かすような降り振りだ。112号のトンネルを抜けると大概晴れるのだが、この日はそう上手くはいかず大井沢へ、日暮沢林道は復旧工事のため17日まで通行規制があったようだが、この日から通行可能との情報を得ていたので、問題なく通過し、ダムを過ぎクマスベリ沢まで問題なく入ることが出来た。ここから日暮の小屋まで20分も歩けば到着できるだろう。



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日暮沢小屋前はきれいに草刈りされていた



この日は鶴岡のS藤さんと一緒に登ることが出来た。彼曰く「7年振り」だそうだ…
龍門の小屋へ雷鳴轟き稲妻光る中、楽しく登って一献やって以来だとのことだが、当方その後もどこかで会ったような気もするが、まあ人間の記憶なんて適当なものなのだ。
小屋まで順調に進み、水筒を満たして登り始めようとしたら、S藤さん帽子をどこかに忘れたと引き返した。じゃあゆっくり先行していますよと、急登に1人取り付く。
久々の泊まり装備の重さが肩にずっしり食い込むが、ゆっくりゆっくり歩を進めると、苦しさの反面何故か心が穏やかになる。


最初の急登を終えたいつもの場所でザックを下ろす。息を整え水を飲んでいると、単独者が鈴を鳴らしながらもう降りてきた。早いなあ…
一つ残念なことが、それは何かと言えば、登り初めてから少しの所に、それはそれは見事な楢の巨木があるのだが、2年前には大丈夫だったように記憶しているが、今年は枯れてしまっていたことだ。
何だか見ているだけで、元気の貰える木だっただけに非常に残念である。秋には舞茸も楽しませてくれる筈なのだが(当方は出会ったことなし)これも自然の長大な時の流れの一部と思って諦めるしかない。



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枯れてしまった楢の巨木



それからすぐにS藤さんも姿を現す。全然息も乱さず涼しい顔をしているのは、鶴岡の天狗さんと呼ばれる所以だ。流石である。先頭を交代し登りを再開、次の休憩場所まで引っ張り上げて貰ったと言った方が適切だろう。誰かが言っていたが、「息は上がるけど、足は上がらない」う~む、名言だ。
ゴロビツの水場を過ぎ、早い時期には大量の雪が残るゴロビツの頭には、ほんの少しだけ雪があった。



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ゴロビツの頭にほんの少し残った雪



慰霊碑の少し前まで来ると、主連峰の姿が劇的に現れる場所がある。この日は残念ながら雲に覆われ、大朝日、寒江、以東の姿は見えなかったが、緑と残雪のコントラストが見事に輝く主連峰の姿が、雲の切れ間から目に飛び込んでくると、感動の度合いが一挙に跳ね上がり、ああ、朝日に帰って来たと、心の奥底から思わずにいられなかった。しかし、清太岩山は、まだまだ遠い現実がすぐに重くのしかかる。
牛歩のよろめきを繰り返しながら、何とか辿り着いた清太岩山には先行者が一人、何と同行のS藤さんは旧知のようだ。聞けばこの十年くらいの間に、偶然5~6回この山域で会っているのだそうだ。縁の深いお二人の会話が弾んでいる。



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朝日の山肌は夏色に染まってきた



それはそれとして、朝日に帰って来た実感は、ここの三角点に腰を下ろし、連峰を眺めながら涼風に当たることだ。「朝日の風に吹かれて」の本当の意味でもあるが、実のところ願望も込められているのだ。
いやあ、朝日って、ホント、良いですね~♪
この日、山岳会のメンバーは、次の日の山開きの神事の前祝いと称し、大朝日小屋へ集合する。隊長今年も行っているかな?
無線のスイッチを入れると、懐かしい人達の声が飛び込んでくる。



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清太岩山から眺めるユウフン山



我々は取りあえずユウフンまで行ってから昼飯にしようと動き出す。
ピークから一旦大きく下り、ため息をつきながら登り返す辛さは、もう筆舌に尽くしがたい。この辺になると、日頃の不摂生が大きく露呈し、S藤さんに着いていくことが出来ない。それでも、よろめきながら何とかユウフン山へ到着、重いザックを放りだし、水をがぶ飲みする幸せよ、何とか少しは落ち着いた。と同時に、猛烈な空腹感が襲ってきたのだった。急いでザックからおにぎりを取り出し食らいつく。人間の究極の喜びを体感する瞬間でもある。



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龍門山へ続く雪渓
今年は雪が少ない



飯を食ったら最後の頑張り、龍門山への雪渓登りが待っている。でも今年は全然雪が無く、夏道がほとんど出ており、最初と最後に少しだけ雪が残っていた。
先頭から大きく遅れ、2歩進んではすぐ休み、ため息をつきながら、ゆっくりと重力に逆らい身体を持ち上げる。
それにしても、先頭の大先輩に重力の作用なんてあるのだろうか、と思うくらい、スイスイ登っていく。彼に作用する筈の重力がスルーして、オラに二重作用するような苦しさを味わうも、これも日頃の不摂生の祟りと諦めた。
それでも何とか龍門山に到着し、一息ついてガスの中を小屋に下っていくと、高嶺の花が待ちわびて?いてくれた。


来週には龍門小屋主催のウスユキソウ鑑賞会が行われるそうだが、小屋手前では、久しぶりに目にする清らかな姿に惚れ惚れした。



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ヒナウスユキソウがお出迎え



二年振りに龍門小屋の扉を開けると、先行者3人が寝袋に入って休んでいた。管理人のE藤さんは水源に行っているらしい。二階には誰もいなかったので二階に荷物を運ぼうとしたが、そんな事をしている内にE藤さんが姿を現した。
まず、何はともあれ冷たい朝日ビールの歓迎を受け、すぐに宴会体制に突入すべく準備を始める。S藤さん差し入れの高級ウインナーを、フライパンで焼きながら呑み始め、到着客も順次宴会の輪に加わり、全員参加の大宴会となるのは毎度のパターン、その日の話題の一つの写真をアップしておく。



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これは元々500円未満の何処にでも売っているような水差しなのだそうだが、保温のために管理人氏が寸暇を惜しんで心血を注いだ結果、こんな感動的姿に進化したものだと言う。
ある日小屋を訪れた山岳会のメンバーが、感動して写真に撮り、何処かのサイトにアップしたら、大きな反響を呼び…



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このような立派なテルモス?が、二つも善意で送られてきたというお話であります。

いやあ、努力というのは、とても大切で意義のあることだと教えられる、秀逸なお話でございます。
そんなことも含めて、記載できないような際どい話題も飛び出し、楽しい宴会は延々と続き、最後はいつものように意識不明状態で、管理人室から放り出されたのは、間違いないと思うのだが、一切記憶にないのが恐ろしい(汗)



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夕闇迫る以東岳






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06/19 龍門小屋(7:13)---(8:00)南寒江山---(8:56)龍門小屋(9:45)---(13:10)日暮沢小屋---(13:30)クマスベリ沢



翌朝は4時前から登山者の準備の音に目覚めるも、起き出すことが出来ずに何度も惰眠をむさぼり、シュラフを抜け出したのは4時半頃だろうか。隣に寝ていた筈のS藤さんは、朝食も過ぎて、いつものブルマンを煎れて涼しい顔でくつろいでいる。方や大酒飲みの二日酔い野郎は、腫れぼったい顔を隠しもせず、ぼおっとして失笑を買ういつものパターン…


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寒江山がきれいだ



早い人達は5時前に出発し、6時頃にはS藤さんも出発してしまい、小屋に残ったのは管理人氏と自分だけ、まあいつものことと言えばそれまでだが、オラは小屋に休養に来たのだから、ゆっくりするのは当然と思っている。二日だろうが三日だろうが、一つところでマッタリすることには自信がある。でも世間的には珍しい部類に属するらしい…(汗)
それでも美味しいコーヒーを数杯飲み、朝食のラーメンをかき込むと少しは動く気になって来た。寒江山辺りまで散歩に行ってきますと小屋を出る。


2年前にユウ太と遭遇した場所を怖々通過し、天上のお花畑を散歩する幸せを謳歌する。
ウスユキソウは今が真っ盛り、イワカガミとのコラボもまた良いものだ。
この朝の連峰は遠望は利かないけれど、主脈はきれいに晴れ渡り、とても良い展望だ。
ここの散歩は、我が人生に於ける最も大切なものの一つである。



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朝日を一杯に浴びるウスユキソウ




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見事な群落が続く百畝畑




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振り返ると西朝日が大きい



写真を撮りながらゆっくりと南寒江山まで進み、相模尾根を心ゆくまで眺めて引き返す。帰りは視線が変わると景色も違って見えるもの、ゆっくりと景色と花を愛でながら小屋へ戻った。



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南寒江山からの相模尾根




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彼方に見える大朝日岳の三角錐のシルエット




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南寒江から眺める寒江山
登山道の右に見える痕跡は、朝日軍道の名残だろうか…




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珍しいムシトリスミレ




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雪の消え際にはチングルマが咲いていた



小屋ではコーヒーをご馳走になり荷物をゆっくりまとめ下山の準備、数人が狐穴方面から大朝日に向かったようだが、静かで穏やかな雰囲気だった。
いつも思うのだが、やっぱりこの日も下るのが嫌になった。
それでも、また来ればいいやと思い直し、管理人氏とゆっくり龍門山へ登り始めた。
下るに従い気温は上昇、喉が渇いて仕方がないと休憩のたびに二人で水筒をあおる。
明日は月曜だというのに、意外な程スライドする登山者が多く、びっくりする。


清太岩山では福島からという大勢のグループとスライド、連峰の最後の眺めを楽しみ後は下るだけ、色んな話をしながら楽しく下ったが、山の神に頭が上がらないのは、やはり共通のようだった。(笑)


久しぶりに心が潤う山旅をさせてくれた家人に、深く大きく感謝である。



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龍門小屋
また遊びに来ます