我が家にある桜草鉢のいろいろ
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 丹波鉢の短型鉢
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 私は丹波の香炉型を仕立て鉢にしているので、この短型鉢は段飾りの展示には出番がない、ただ

200鉢以上あるので養成鉢としてはもったいないと思いつつ使っている。

 この形は独特で、普通の丹波鉢を寸詰まりにした姿となっている。私はこの鉢を大阪の天王寺の

有名な種物屋の「赤松」で見つけ、桜草にふさわしいものと直感して購入した。他では売っていな

かったようである。こんな珍しい形の鉢がどうして作られたのか、今までよくわからなかった。た

だ朝顔の大家である尾崎哲之助氏に関係しているらしいとは想像がついていた。

 そこで架蔵の彼の著『朝顔抄ー花とともに六十年』を繰ってみると。知り合いから譲られた清水

六兵衛作の桜草鉢を見本に丹波で桜草鉢を作らせたという記事にであった。それは京王百花苑で使

われたらしいが、そこが閉園してのち京王百草園となった今でも春には桜草の展示が行われてい

て、そこに彼の丹波短型鉢が使われているのである。鉢に横筋が入っていたり、凹みがあったりす

るのだが、紛れもなく全体の形は私のものと同じである。数千鉢作ったと言われているのだが、同

じ型で作ったものが赤松で市販されたようである。

 これでやっと疑問の一つが解けたのだが、情けない事に『朝顔抄』はかって読んだはずなのだ

が、眼は字面だけを追って中身に及んでいなかったようである。

 ところでこの型の鉢がなぜ関東で普及しなかったのであろうか。尾崎哲之助氏は営業活動の一環

として桜草の栽培と展示をされ、趣味の団体としての「さくらそう会」とは深い関係を持たれな

かったのであろう。そして「さくらそう会」は伝統的な孫半斗鉢にこだわって、尾崎氏由来の丹波

鉢や香炉型の朝顔鉢に関心を寄せなかったようである。