滋賀の文化財講座 打出のコヅチ第二回
 
  『四季の風ー花鳥風月のこころ』

        講師 上野良信(琵琶湖文化館)

 日本の伝統的な画題である「花鳥風月」について、そのよって来る所を講演。

・美の原点は自然の美にある
   その姿としての山水・花鳥そして風月の概念の成立。
・古代における花鳥表現
   銅鐸に見る絵画(国宝神戸桜ヶ丘銅鐸)
     サギ、ツル、カメなどを絵文字的に。
・花と鳥
   花鳥の美ー自然との融和の情景の一つとして人間の視点からとらえたもの
        自然を理想の境地として
           蓬莱山……松・竹・鶴
           仏国浄土…蓮・迦陵頻伽
   花ー自然の恵み、生命力の象徴
      唐草…パルメット、ロータス、ロゼット
         忍冬唐草、葡萄唐草、牡丹唐草
      宝相華、蓮(大賀ハス…2000年振りの復活)
   鳥ー風気を運ぶ存在
      鳳凰、迦陵頻伽(有翼菩薩形下半身鳥)
      孔雀(孔雀明王)
・花鳥画
  花鳥画のルーツ
   唐代に確立
   五代に、黄筌の鉤勤法、徐煕の没骨法が模範に
          ↓      ↓
         院体画    文人画
  花鳥風月のこころ
   [漢詩の世界]
     孟浩然 春暁 春眠不覚暁 処々聞啼鳥 夜来風雨声 花落知多少
   [万葉の世界]
     植物を詠んだ歌が1500首
      あかねさす紫野行き標野行 屋守は見ずや君が袖振る 額田王
     鳥の歌、風の歌、月の歌
   [日本の花鳥画]
     独立した画題にー鎌倉時代末に宋元花鳥画(李廸、呂紀)
     雪舟ー室町水墨画
     狩野元信ー大画面による装飾的豊かな近代花鳥画に
     雪村ー動きを動きの中で、光りを時間の変化の中で
     桃山絵画=狩野永徳の時代
       豪華絢爛、金碧障壁画、豪気の風体
       そして豪から静へ、雄から優ヘの転換
          江戸狩野、土佐派、琳派
  *多くの絵画を影像で紹介さる、半分近くは琵琶湖文化館のもの。