横浜在の園芸研究家椎野昌宏氏が、改良園で出ている通販誌「園芸世界」に、「園芸史雑話」を連載されているが、その四月号にとして中村長次郎氏が取り上げられた。浪華さくらそう会関連の資料を私が提供したことで、その雑誌が送られてきた。二頁という限られたスペースに納めるには、中村さんは巨人であり過ぎたようである。
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 中村さんの前半生は朝顔に、後半は桜草の栽培に捧げられた。特に朝顔の研究では、昭和31年日本で開催された国際遺伝学会議のシンポジウムでの朝顔展示に大きく貢献された。そしてそれらの集大成としての二書を編まれている。
 朝顔の栽培には広い土地と粘り強い努力が必要なのだが、初老に入るにつれ栽培の楽な桜草に比重を移されていった。ただ朝顔で培われた知見が桜草でも生かされ、ジベレリンによる取蒔き法を紹介されて実生の普及に資された。そして自身も多くの新花を生みだされたが、なかでも「天女」は3倍体が実生によって生まれることを実証された初めての品種となったのである。
 中村さんは私にとって雲の上のような存在で、年も少し離れていた関係で、親しく話をすることも憚られた。そんな若造の私の新花にたいして、中村さんが「ガーデンライフ」で言及してくれられたことを思い出す。今の私なら中村さんと桜草談義をかわせるのにと思ってしまう。
 とにかく中村さんの業績を要領よくまとめた文章で、中村さんの存在を知らしめるに重要な文献となるだろう。
 *ただ私の提供した資料が間違っていて、それを使われてしまった。ここに訂正をお願いします。
   浪華さくらそう会の再建は、昭和34年(1959)⇨昭和30年(1955)です。