品名異聞7−色分け花図鑑の部⑷

 名前を読み解くためにはどうするか。まずはおおよその分類に当てはめて、手がかりを得る。
 分類表ー色、見立、地名、音楽、文学、社会事象、故事来歴、組み合わせ、使い回し、その他
 つぎに命名された頃の背景を探って歴史的に見ることが必要。今日の一般常識をそのまま当てはめては見誤る。
 命名者がどんな思いを名前に託したのか。その世界に分け入ろう。

[山下白雨]…「〜着実に増え、「喰裂紙」を育てる人が少なくなった。花容草姿、育てやすさから現代にかなった品種」と、自画自賛される。
 人に誉められるとうれしい、自慢話をするのは心躍る。私も自身の実生花の自慢をしたくてたまらない、が私はしない。他の人に作ってもらい、後世に残ることを期待するのみ。

[神風]…「豪快な花容から神風と名づけられ、のちに大和神風となったが」というのも彼一流の思い込みによるもののようである。最初に「神風」と名づけられたという証拠はどこにもない、となると「そのような伝承があった」と彼は言うに違いない。これでは証明にならない。
 明治中期に「神風」という品種はあったが、これは白花で、「大和神風」が世に出たのは大正時代に入ってからのようである。

[戦勝]…「花形、花色から軍旗を連想した名称」とされるが、日本の大陸侵攻の進みつつある時期の実生品なので、戦勝を願う意味での命名であろう。「朝日」と同様に、鳥居氏は赤色かがり弁の花に軍旗を想われるらしい。私など全く思いもつかない。

[対面]…「名前とともに愛嬌と遊び心が感じられる。実生のなかから良花を見つけたという命名だろうか」
これは単に彼の個人的な感想を述べたに過ぎない。「対面」という語にこんな珍しい使用法があるとは私は知らなかった。本来の「生まれた我が子と対面する」と言うのとはちょっと違うような。
 後半に氏が言われるように、曾我兄弟の対面の場からその名が採られたものであろう。

[月の都]…「近代的な優秀花」とされるが、私には野生に毛の生えたような姿にしか見えないが如何。