品名異聞10−色分け花図鑑の部⑺

[舞扇]…「あどけない踊り子のように江戸時代の花の趣をよく表わしている」とされるが、江戸時代の花の趣とはどんな花容をいうのであろうか。もう少し正確な表現をしてもらわないと意味不明となる。すでに江戸時代に「紫鑼」「唐縮緬」「錦鶏鳥」などが生まれているのだが。

[窓の梅]…「〜優秀花である。この品種は昭和後期に、はじめて評価された実生花としても特記される」と最大限に持ち上げられている。人の見方はいろいろだが、人の上に立つ人にはもう少し公平な判断力が求められるのではなかろうか。私にいわせれば、戦後の昭和を代表する銘花は「天女」である。実生から3倍体が生まれることも実証した記念すべき品種なのである。

[三保の故事]…「〜改良の余地はある、多くの人が実生を行って来たが、成果は出ていない」
 中村長次郎氏が「三保の故事」から銘花「天女」を生んだことをお忘れか。

[紫鑼]…「かがりとはのこぎりの目立てをすることという」とされるが、どこからこんな説を引かれてきたのであろうか。目立ての音でもなさそうだし、その動作でもないだろうに。
 縦引き鋸の「ガリガリ」と引く音から、鋸そのものを「大ガガリ」「ガガリ」「オガ」と呼ぶようになった。そして理由は定かでないが「ガガリ」に銅鑼の鑼の字が当てられた。
 弁先の凹凸を鋸の山形の歯の連なりに見立てたものである。
 同じ鋸といっても横引き鋸の歯の形状は、山型の上部に上目がついていて、単純な山型ではない。
    *品名異聞続々に詳細あり