品名異聞12−色分け花図鑑の部⑼

[甘泉殿]…「漢泉殿」とも書かれたが、〜甘泉殿でなければならない」とある。
 言われていることはその通りなのだが、慣習的に「漢泉殿」と書かれる場合も多く、これを誤用とまでは言い得なくなっている。「高嶺の雪」を「高根の雪」と書くようなものである。

[梅ガ枝]…「梅ガ枝」には二つの系統がある。普及している晩生のものにたいして、少し花は小さいが花付のよい中手の「梅ガ枝」が存在する。後者は関西に保存されていたが、今では関東にも出て行っているようである。梅咲きとしての可愛らしさという点では関西系に軍配が上がる。私はこれを「本梅ガ枝」とよんでいる。
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[臥竜梅]…「梅の古木に倒れ伏すものが多く、その姿を臥竜と呼んだ」とある。
 「臥竜梅」と言うのは梅の品種名でもあり、独特の幹模様をした個体名でもある。よく知られていたのは、江戸は亀戸の梅屋敷の「臥竜梅(薄桃色)」、そして仙台の「臥竜梅」(朝鮮梅ー白色、桃色)などである。ここは「玉光梅」と同じく、梅の名を拝借したもので、木姿とは関係がない。
 桜草の「臥竜梅」は白の梅花咲きである。

[富士の雪]…「花茎も緑色で品格がそなわっている」と。
 しかし弁質が雪白のもの(いわゆる素心)は色素を持たないので、どの品種も花茎は緑色で「富士の雪」だけではない。品格がそなわると言われるが、その受け止め方は個人の感性によって大きく左右される。