日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2009年08月

卒業生仲間

 三島高校の30期で最後の3年9組の連中が飲み会に集まる。私も呼ばれて仲間入り。

都合12人が集まった。このクラスは特別のクラスで、在校中からよく纏まっていた。勉

強はそこそこだったが、行事となると俄然張り切り、体育祭、文化祭などで賞状を貰う

のを常とした。

 ふつう女の子は小さいグループがいくつか出来て、なかなか纏まらないのだが、この

クラスは違っていた。もう高校を卒業して数年たつのだが、何かにつけて集まっては、

その集まることを楽しんでいるのである。すでに結婚した人2人。

 私も終電車近くまでウダを挙げ、若さを貰ったことであった。

松伯美術館ー山口華楊 

 大和文華館からこちらに回る。

   企画展 京都画壇の画家シリーズ3

      『山口華楊展』

 ◯「草」…牛の母子が草を食む。牛の腹の膨らみ加減が何ともゆったりしている。

      一方で繊細な草の描写。

  「凝視」…少し優しそうなライオン。

 ◎「霽」…9羽の鴉が雪の中に、粗い下地が効果的。

 ◯「原生」…手長猿、ふわっとした毛と肉感的な手のひら

 ◯「黒豹」…鋭い目。

  「制空」…昭和19年、敗戦が現実味を帯び出したとき、優しそうな鷲の目。

 ◯「虎児」

 ◯「叢原」…狐

 ◯「生」…生まれたばかりの子馬

 ◯「南天に小禽図」…かなり若い頃の作。全面に南天を描き込む。


 上村三代

  松園「花がたみ」…常軌を逸した目つきが私の気持ちにそぐわない。

  松篁「金魚」…若いことの作。宋画に倣ったか繊細。

    「羊と遊ぶ」…これは山羊である。

    「狐」…華楊の狐と違って、華麗な狐。

    「鳳凰木」…非常に装飾的な花鳥画

    「ハイビスカスとカーディナル」

  淳之「月に」「夕日に」…淡い灰青色、渋い赤色の背景が美しい

 

大和文華館ー物語と絵画

 特別企画展

    『物語と絵画』

       ー文学と美術の出会いー


 国宝「寝覚物語」…源氏物語絵巻とよく似た形、ただ人物は小さく植物を大きく

     とっている。

     解説では、絵の料紙は雲母引きの下地に金銀の砂子・切箔を散らす、詞書

     の紙は香染に金銀の砂子、片身変わりや霞かける、と。

 佐竹本「小大君像」…三条院東宮時女房蔵人左近是也或書曰醍醐天皇孫三品式部卿

     重明親王女母貞信公女一條院御時人

     いはゝしのよるのちきりも絶めへし あくるわひしきかつらきの神


 「源氏物語屏風」…伝岩佐又兵衛といわれ、顔にその特徴がある。

 「伊勢物語下絵梵字経」…白描の上に、光明真言梵字経を木版刷りで覆う。

 「同模写」…この白描を三井田文子さんが模写しているのだが、一分の隙もない見

     事なもの。

 「病草子断簡」…鍼療治の場。病草子は断簡でも見事。

 「遊行上人縁起絵断簡」「法然上人絵伝断簡」…良し。

 「大職冠絵巻」…下巻に、女性の腰巻き姿がある。肌脱ぎ姿はまことに珍しい。

 「奈良絵本」がいくつも出ている。

奈良国立博物館ー聖地寧波展・再

 大徳寺五百羅漢の掛替があるので再び訪れる。

      『聖地寧波ニンポー展』

 重文「成尋阿闍母集」…奈良平安時代の渡唐は命がけであった。うまく到着して勉

     学に励めたもの、その途中病に倒れたもの、せっかく帰国の途についても

     遭難の憂き目に合った者など、その多くが志し半ばでなくなっている。成

     尋も日本に戻ることはなかった。珍しくも、その母親の日記である。

 重文「釈迦如来立像」…清涼寺釈迦如来像の、徳治三年(1308)に作られたごく

     初期の模刻である。異形そのままだが、童顔から大人びた顔になってい

     る。

 「十王図」…多くの十王図が展示されているが、メトロポリタン美術館のものが動

     きが生き生きしている。

 重文「大徳寺五百羅漢」…82幅もあり、その来歴も明らかなのだが、国宝にはなっ

     ていない。少し絵が平板か。「相国寺十六羅漢」の方が細密・丁寧で、絵

     としてはこちらの方が上であろう。


   ※第三十三幅「山羊の供養」は、山羊ではなく羊であろう。

 「十王図及水陸道場図」…国半手彩色の作品。版に起すほど需要があったというこ

     とか。

 「北斗九星像」…白い服を来た異形の神の姿

 「道元禅師像」…よく知られた像。愛嬌のある顔つき

 国宝雪舟「慧可断臂図」…「雪舟展」でも拝見したが、これを見るだけでも来た甲斐

     があったというもの。太い輪郭線の達磨がゆったりどっしりしていること

     か。 

     “四明天童第一座雪舟行年七十七歳謹圖之”とある。

兵庫県立美術館ーコレクション展2

 この美術館の平常展は別料金なので滅多に入ったことはないのだが、割引があると

いうことなので、たまにはと拝見することにした。

 [小磯良平記念室]

 彼の作品はなぜもこうに上品にハイカラなのであろうか。とくに丁寧に描き込まれ

たものは安井曾太郎を承けるのか。ザックリ仕上げたものは「何と投げやりな」と思

わなくもないが、これが「味」なのであろう。17点

 [金山平三記念室]

 17点が並ぶ。「大石田の最上川」の風景画に心惹かれる。

 [展示室6]

 〈洋画〉私の目についたものを挙げておく。

   小出楢重「ピヂャマの女」

   前田寛治「赤い帽子の少女」

   児島虎次郎「金山平三像」

   ブルリューク、ダヴィッド「家族の肖像」…外国人の描いた日本人家族。

 〈日本画〉

   水越松南「蛮野日蝕」…自由な豊かさが生きる南画。

   村上華岳「夏の山」「岩の山」

 [展示室1]

 浜田知明「初年兵哀歌」…和歌山の浜口陽三展でも彼の作を見ることができた。

 長谷川潔も同様。

 林重義、須田国太郎、鴨居玲、白髪一雄、元永定正あり

 [展示室2]

 粟津潔、横尾忠則のポスター13枚

 [展示室3]

 現代の作品、どこが面白いのかと思ってしまう。作家の自己満足とこちらの感動の

狭間で作品が浮いている。



 このあと尼崎で、大学の同窓会。関西からの10人(紅一点)。卒業して40年近く

立つが、毎年のように開けるのは有難いことである。それでか暇人が多いのかもしれ

ないが。

兵庫県立美術館ーだまし絵

 早くからパンフレットで期待していたので、早めに出かける。尼崎で大学の同窓会

があるのでそれにかこつけての遠出である。

    『だまし絵』 わが目を疑え

       アンチンボルドからマグリッド、ダリ、エッシャーへ


 [1、イメージ詐術(トリック)の古典]

 ジュゼッペ・アンチンボルド「ウェルトゥムヌス(ルヅルフ2世)」…

      世に名高い、穀物や果物で出来た神聖ローマ皇帝の胸像。素材を生かす

     ためにもそれぞれに細密を極める。
     
     表面の清掃がされていないのであろう、少し暗い。

 アンチンボルド派「水の寓意」…魚類で顔かたちを構成してある。さえない褐色で

     気持ちが悪い。

 ドメニコ・ピオラ「ルーベンスの十字架昇架の場面のあるアナモルフォーズ」…真

     ん中に円筒鏡を置くと、そこに正常な絵が浮かぶ。

 エアハルト・シューン「判じ絵ーヨナと大きな魚としゃがむ男」…打出のコヅチで

     も紹介されたもの、絵の端から斜めに見ると内容が判る仕組み。


 [2、トロンブルイユの伝統]

 コルネリス・ノルベルトゥス・ヘイスブレヒツ「静物ートロンブルイユ」…精密な

     写生を自ら不定するように、画布のめくれる様を写す二重構造。 .

   同「狩りの獲物のあるトロンブルイユ」…兎や鳥などの精密画。

   同「トロンブルイユの静物(状差)」…本物と見まがうように描かれたレター

     ラック。こんな絵が流行っていたのか、いくつも出展されている。

 ロラン・ダボ「フランス・スペイン最終平和条約のトロンブルイユ」…割れたガラ

     スをそのままに描かれる。

 エーヴエント・コリエ「エラスムスの銅版画のあるトロンブルイユ」…銅版画の貼

     付けてある壁を写す二重性。


 [3、アメリカン・トロンブルイユ]

 フレデリック・エドウィン・チャーチ「復讐の手紙」…手紙を手紙として出すので

     はなく、絵として本物の手紙を描く。

 デ・スコット・エヴァンズ「インコへのオマージュ」…剥製にされ、ガラスケース

     に納まった鳥を、ガラスが割れるがままに描く。 

 アレグザンダー・ポープ「エサをやらないで下さい」…小屋の中に居る子犬が物欲

     しそうにこちらを見ている。


 [4、日本のだまし絵]

 ・描表装の軸…江戸琳派に割と多い。

 ・画面をはみだした絵

   柴田是真「滝登鯉図」…滝の流れが軸の上部から流れ落ちる。

   清水節堂「幽霊図」…幽霊の顔が天の部分で、身体が画布の中。

 ・浮世絵のだまし絵

   歌川国芳「みかけはこはゐがとんだいゝ人だ」…これも著名な作品、男性の裸

     体を組み合わせて顔を作る。
 
  歌川広重「即興かげぼしづくし」


 [5、20世紀の巨匠たちーマグリット、ダリ、エッシャー]

 ルネ.マグリット「白紙委任状」…森を行く騎馬婦人、あり得ない前後関係に。

   同     「囚われの美女」…風景を切り取った風景画が、切り取った場に

     納まって一体化した風景(画)

   同     「望遠鏡」…観音開きの窓、片方には窓の外の景色が、開かれた

     もう一方には外の景色が描かれている。 

 ポール・デルヴォー「窓」

 ダリの少し怪奇の世界

 エッシャーの不思議の世界が広がる。


 [6、多様なイリュージョニズム 現代美術におけるイメージの策謀]

 パトリック・ヒューズ「水の都」

     頂点を欠いた四角錐が3つ貼付けてある。その表面に遠近法で町が描かれ

     ている。見る人が左右に動くと遠近法の比率が変わって動いているように

     見える。これは秀抜。


 なかなか楽しい企画展である。これを計画し、世界中から作品を集めるのは大変で

あろう。いくら商売とはいえ、こんなことを生業とする人(企業)がいるのである。

日本のものを除いては世界を巡回するに違いない。

 前評判が高かったのか、普段美術館に来ない人も大勢押し掛けていた。入場券を買

うのに列んだのは久し振り。

琵琶湖文化館ー打出のコヅチ3

 打出のコヅチも3回目

    『顕微鏡でみた文化財』

       琵琶湖文化館学芸員  井上ひろ美


 今回は展示される文化財の話ではなく、文化財を文化財足らしめるための裏方の仕

事についての講義である。


 [文化財を調査すること]

 対象物件の文字、描画、形態、材質、加工、伝来、周辺資料、保管場所などなど。


 [ちゃんと見てますか]

 一方向からだけでなく、右から左から、下から上から見ることで、対象に迫る。

   ・何が描かれていますか

     「馬の顔」→90度廻してみると、蛙になる。

     エアハルト・シェーン「判じ絵」…左端から斜めに見ると形がはっきりす

                     る。

   →ちゃんと「みる」ことは、意外に一筋縄ではいかない。


 [顕微鏡と雪輪文]

 文様の一つ雪輪文は、江戸時代中期から盛んに使われたという。その一方で、下総

古川藩主土井利位により、雪の結晶を蘭鏡(オランド渡りの顕微鏡)で観察してまと

めた『雪華図説』が出版される。


 [顕微鏡による観察事例紹介]

 ・和紙、洋紙、新聞紙の比較…繊維の形状の違い

 ・染織品(能衣装)…段変りの境目の様子

           金糸の時代による作られ方の違い

 ・金工品…金銅の華蔓の浮彫りされた連子ー径2ミリに13ポツが入れられている

      魚子地のポツを規則正しく入れるより、不規則の方が風情があるという


 その他、文化財を調査する道具が個人持ちの場合が多いという(カメラなど)


 博物館業務の観覧者には普通見せない部分の紹介であった。琵琶湖文化館を廃館に

するという行政改革委員会の答申を受けて、何となくこちらの意気が上がらない。

 こんなことを言うのは不遜なのだが、参加者が私より年齢が上の方ばかりのよう

で、これも何か歪である。

和歌山県立近代美術館ーコレクション展

 この美術館所蔵の名品をテーマに沿って展示してある。

 [食事]

 佐伯祐三「カフェレストラン」…彼の作品がここで見ることが出来たのは嬉しいこ

     とである。少しねっとりとしたスピード感ある筆致が心地よい。同じパリ

     の古い建物を描いた後輩の荻須高徳はフランスでも認められた画家となっ

     た。その伝で行けば佐伯祐三はもっと世界的に認められていい。ただ作品

     の数が少なく、世界にほとんどないことが評価の対象外となっているのか

     もしれない。

 駒井哲郎「食事2」アクアチント。

 平川清蔵「食事」リノカット…ぼかし表現も秀抜。

 ファン・ゴッホ「馬鈴薯を食べる人々」…油絵以外にこんな石版のものもあったの

     だ。

 パブロ・ピカソ「貧しき食事」エッチング


 [静物の表現]

 伊藤草白「葡萄の図」…洋画の影響を受けた葡萄

 杉田勇次郎「蔬菜」…精密な写生

 岸田劉生「瓜之絵」…骨董にはまって金のために描いたか。

 川端龍子「南京図」

  他略


 [大亦観風]

 大亦新治郎…初期の水彩・鉛筆画、一流たる人の水彩もたいしたもの。

 観風時代の日本画は南画である。「紀州路行脚日記画卷」がよい。


 [海、川ー水辺をめぐって]

 国枝金三、梅原龍三郎、横尾忠則など。


 [パンリアル美術協会の作家たち]

 三上誠、星野眞吾、野村耕、下村良之介、大野俶嵩ー京都市美術館でおなじみーが

並ぶ。

 この展示室が一番充実しているようである。


 [サマー・ミュージアムーわかやま発見]

 子供たちへの美術啓発をこめた展示。

 神中糸子「海岸風景」…明治中期の女性洋画家の作品。

 野長瀬晩花「不ペインの田舎の子供」

 佐伯祐三「レ・ジュ・ド・ノエル」「モラン風景」 

 川口軌外「少女と貝殻」…大作。見るものを圧倒する迫力。

 他省略



和歌山県立博物館ー江戸時代の暮し


 美術館に行ったついでにお隣の博物館を覗く。ここも老人は無料。

 夏休みの子供むけ企画。しかし大人も楽しめる。

 [戦国の世から徳川の世へー徳川家康の時代]

 「壬申倭乱図屏風」「関ヶ原陣図」

 「東照宮縁起絵巻」住吉広通筆…豪華な巻物仕立て。

 徳川家康所用の「革沓」「紅黄縞繻子小袴」…南蛮風のもの。

 [紀州徳川家の誕生ー頼宣の時代]

 [産業文化の発達ー吉宗・治宝の時代]

  「鯨絵巻」…セミクジラは上品とある。

  「藩札」…三井家が取扱ったという。

 [江戸から明治へ]

  最後の藩主茂承の肖像(油絵)

 紀州は御三家の一つであるだけに資料が豊富なのであろう、これをもっと大規模に

やればと思う。

和歌山県立近代美術館ー浜口陽三展

 「青春18キップ」を利用して和歌山へ。大阪から紀州路快速があり、天王寺で乗り

換えなしで行ける。

 生誕100年記念

    『浜口陽三展』

 姫路のオディロン・ルドンはエッチングであった。今回はメゾチントである。メゾ

チントといえば長谷川潔と思い、長谷川の展覧会を京都国立近代美術館や伊丹市立美

術館で何度も見ているのだが、彼と並び立つ巨人がもう一人居たのである。それが浜

口陽三で、今日出会えたのはまことに幸いであった。

 浜口陽三は和歌山の生まれ、ヤマサ醤油創業者の一族である。“稲むらの火”のモデ

ルとなった浜口梧陵(儀兵衛)は彼の曾祖父にあたる。彼は東京美大に学び、戦後新

しい銅版画を模索する中でメゾチント技法に行き当たる。再度の渡仏をはたすや、幸

運にも画商との出会いがあり、メゾチントで世界に羽ばたくことになる。

 今回は回顧展でもあり、初期の作品から晩年のカラーメゾチントまで、150点以上

が展示される。

 65歳以上無料の恩恵に浴す。公立の施設で初めてである。


 [1、銅版画を始める]

 「裸婦」1950…ドライポイント。素朴な線のみだが、何ともエロティック。

 独自に工夫したメゾチントの初期作品が並ぶ。「永代橋」「大川端」など。交差線

の下地がはっきり見られる。長谷川潔の作品を見て工夫したのであろうか。

 ・同時代の銅版画家たち

  長谷川潔「南仏古村」1925…彼初期のメゾチントでやはり交差線が目立つ。

   “縦横左右斜線交差して版画の下地をつくったものは、之亦小生独特のもので

   す。今以ってフランスで如何にして作ったか?知る人も出来る人も居りませ

   ん。普通はヴェルソーを用ゐては誰も出来難いのであります”とフランスでも絶

   えた技法を再現した自負が述べられている。

  駒井哲郎「孤独な馬」…これもメゾチント

  浜田知明「初年兵哀歌」… 同上

  深沢幸雄「めし」… 同上

 ・浜口陽三の挑戦

   メゾチント技法への模索が続く。

  「猫」…同じ構図の鉛筆画が並ぶ。ドライポイント。

  「桜草」…桜草とあって一瞬喜んだが、マラコイデスであった。細かい花なので

     やはりドライポイント。

  「洋梨とぶどう」…メゾチントの繊細さが生きる。

  ※手本になった銅版画

    ティソ、ジェームス「庭のベンチ」1883…写真がなお一般的でなかったと

     き、繊細な階調表現が出来るメゾチントで精密な写生画が作られた。毛皮

     の質感も見事。


 [2、フランスへ]

 銅版画をやる以上本場のフランスに行くしかない。そして到着したパリで幸運にも

画商のベルグリューンに出会い、認められる。

 「スペイン風油入れ」…ベルグリューンから求められ、最初に作り上げた作品。

 その他カラーメゾチントが生まれていく。


 たくさんの作品が出ているので紹介しきれない。メゾチントは大変手間のかかる技

法なのか、動的な主題はない。ほとんど静物で、西瓜、サクランボ、、ぶどう、柘

榴、アスパラガス、くるみ、魚などである。唯一「パリの屋根」は、リズミカルな凹

凸が連なる。


 [3、世界を舞台に]

 国際版画ビエンナーレなどで数々の賞に輝き、世界的な版画家に。彼が65歳

(1974)のとき、エンサイクロペディア・ブリタニカの「メゾチント」の項に、“〜

最も優れたほとんど唯一の芸術家はパリ在住の日本人である浜口陽三である〜”と記述

された。長谷川潔はどこにいったのか。

 その後パリからサンフランシスコに移り、最晩年には東京に居を定めた。

 てがリュウマチで作業が困難なときにはリトグラフを手掛けている。

 

琵琶湖文化館の廃止提言について

 滋賀県の財政は逼迫し、行財政改革が求められている。そこで滋賀県行政改革委員

会が組織されて、今回その提言が答申された。

 それによると、廃止さるべきものとして琵琶湖文化館も挙げられている。琵琶湖文

化館が休館となった時から危懼していたことがまた一つ悪い方に動いてしまった。

 滋賀県の文化財行政はどうなっているのだろうか。琵琶湖文化館から、安土城考古

博物館、琵琶湖博物館、近代美術館が分離独立して新しい展開が図られた。しかし本

体の琵琶湖文化館に付いてはほとんど何もして来なかったように見える。建物も老朽

化したままである。設備の更新もない。3階の展示室には今どき冷暖房も入っていな

い。何もしなければ、じり貧になるのは当たり前である。そうなったからといって休

館にする。休館にして次の展開を模索すると思いきや、どうも何もしていないように

見える。それが今回の提言として現れているようである。

 提言では代替機能のある施設に任せるべきとしているが、安土城考古博物館、琵琶

湖博物館、近代美術館にそんな機能はあるのだろうか。琵琶湖文化館の文化財保存条

件は、自然のままで大変良好という。それを他の施設に任せることになれば、新たに

人工的な環境条件を整えねばならない。それこそ無駄な費用というものである。また

大津市や栗東市の博物館も独自の行き方を持っているようで、琵琶湖文化館を代替す

ることは無理である。

 この答申をした委員会では、その構成する委員が自らの手で足で対象となる外郭団

体や公の施設を調査研究したうえで、検討したのだろうか。役人が作った資料をもと

に、経済効果・効率優先の机上の演習で提言を答申したとすれば、まことに情けない

気がする。

 国家百年を考えるとき、文化に思いを致さない社会はやがて衰退する。大阪が好い

例である。府は大阪市にオンブにだっこ(大阪市立美術館、東洋陶磁美術館など)し

て基本的な博物館をを持っていない。文化果つる地に成り下がっている。先には出光

美術館大阪分館が廃館になり、いままたサントリーミュージアム天保山がなくなろう

としている。これは民間のことではあるが、次々と文化施設がなくなることに、反応

は鈍い。

 いま滋賀の文化財行政の根本が試されようとしている。休館から廃館への道を辿れ

ば、滋賀の文化は取り返しのつかない奈落に落ちてしまうことであろう。まこと心穏

やかにはいられない。
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