日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2011年07月

打出のコヅチ 第三回目

 滋賀の文化財講座 打出のコヅチ第三回

     『滋賀県の太鼓踊りとその復興に向けて』

               文化財保護課  矢田直樹氏 

 滋賀県は祭礼行事・民俗行事の宝庫だという
   ・オコナイ
   ・曳山祭
   ・芋競べ祭
   ・ずいき祭
   ・祇園行事 ハナバイ行事
   ・風流系芸能

 多くの行事が伝わっているというが、時代と社会の変化によって変質を余儀なくされたものも多いという。特に地方の村落での若者の減少等により伝統の継承が難しくなっている。そんななか地元民の熱意で廃れたものを復活しようと言う機運がでて来たものがある。
 彦根市小野では昭和11年以降踊られなくなった「太鼓踊り」を復興しようと言う動きがあり、古老からの聞き取り調査、資料の発掘等が行われ、来年夏には一部復活する予定と言う(練習中の動画上映)。
 甲賀市土山黒川でも、「太鼓踊り」は昭和60年に演ぜられたのが最後であったが、老人の復興への熱意で、歌詞の復元・模範演技の収録・後継者による練習が進みつつあるという(動画上映)
 このような動きによって、在所そのものが活性化しつつあるという。しかも近隣の村落にもその動きが波及しつつあるという。   

地表に出た根茎の姿

 新しい根茎が伸びて地表に姿を現したところを先に紹介した。6月21日付け。
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 その根茎が一月たった姿である。土に潜り込むことはなかったが、地表に出た部分は日焼けした状態ながら大きな変化はない。飛び出しといってもこの程度ならたいしたことはないのだ。
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奈良県立美術館ー空想のきらめき

 奈良と言えばいにしえの都としてのイメージが強いが、この美術館は以外にもと言えば失礼だが、現代美術の蒐集でも知られている。今日の展覧は館蔵品によって構成されたシュールの世界である。
      *この館は嬉しいことに、特別展は除いて65歳以上の人は無料で入れ 
       る。関西では堂本印象美術館とここだけのようである。
      *充実した小冊子が用意されているのはうれしい。

    館蔵品展

      『空想のきらめき』

           〜シュールリアリズも

 西岡義一…優しいパステル調の色合い

 絹谷幸二…いつもの艶やかでエネルギッシュな作品

     追加で「横たわる裸婦」…水彩だが色の横溢。

 金森良泰

 野田好子…細い線で埋まる。

 小島俊男…何やら新しい風景画のよう。

 野村耕…印刷用紙型、ジャガード紙型を使ったものから、絵を裁断しそれを貼付 

     けて再構成した「邪鬼」へ。

     

 今中クミ子…発電機のブレードのよう。

 白石道夫…様々な模様の組み合わせ。

 福沢一郎…野太い人物像が迫る。

 六條篤…分けのわからない想像のおもしろさか。

 古沢岩美…裸婦との組み合わせ表現。

 桂ゆき

 熊本正義…軽やかに形と色のきらめき。

 難波田龍起…色と形の交錯

 前田常作…

 横井照子…色と形のハーモニーそのまま。

 田中敦子…円と線の絡み付き。同じようなものを他でも見る。

 山谷敬…14点で、多様な表現。

 田中一光…デザインの為のデザイン、ポスター(サンケイ観世能ほか) 





奈良国立博物館ー玄奘法師伝

奈良国立博物館ー玄奘法師伝
 久しぶりに奈良に出かける。

   特別展

     『天竺へ』

       三蔵法師3万キロの旅

 国宝『玄奘三蔵伝』を拝見出来るという。絵巻物は長大なものが多く、始終を展開して展示されることはあまりない。そんなスペースを持つところはあまりないのである。今回は前後半と巻き換があるとはいえ、全12巻すべてを見ることが出来るという。
 この絵巻物は玄奘三蔵という高僧伝の視覚化である。全巻非常に丁寧に描かれ、人物の表情も豊かで全体のバランスもよくとれている。中国や天竺のことなど情報の少ない時代に、想像力を補っても事実を表現することは恐ろしく困難だったに違いない、本当に見事なものである。
 ただかなり時代をさかのぼる伝記絵巻なので、宗教的・絵画的価値は高いが、歴史的に受け取るのは無理がある。その点『一遍聖絵』がさきに修理が完成したおり一括展示されて拝見したが、絹本である上に死後すぐに着手されたことで、当時の社会的情報も反映していて歴史的にも最も高い位置にある。
 それにしてもこのような宗教的価値高いものが興福寺から流出したのは残念である。明治維新の廃仏毀釈は興福寺に巨大な打撃を与えたらしい。寺宝を売らざるを得なかったのか、ほんとに明治政府は罪なことをしたものである。
 国宝『大般若経(魚養経)』もと薬師寺にあったもの。これもどさくさ紛れに流出したもの。大般若経は折り本での転読が著名であるが、これはそれ以前の巻子本仕立てのもの。魚養経の現存するものが全部展示されているのは圧巻。
 八月に入ってしばらくしてもう一度来るつもり。幸いなことにアサヒ友の会に入っているので、この展示は無料である。
《特別陳列》『初瀬にますは與喜の神垣ー與喜天満神社の秘宝と神像』
 「玄奘三蔵絵」だけでも堪能するのだが、特別陳列まである。與喜天満神社は長谷寺とともに発展して来た神社である。
 「天神坐像」…神はそこはかとない存在なので、礼拝の対象としての像は仏像ほどのものはほとんどない。ただ天神は神ではあるが菅原道真でもあるので、それなりの像として刻まれたのであろう。恐ろしい怒りの相を見事に現している。
 「鎧」…祭礼に用いられた鎧が多数展示されている。祭礼に用いられて来たという。しかし時を経て、縅糸の損傷甚だしい。今のうちに修理をしておかねばと思うのだが。

安土文芸セミナリヨーチャリティーコンサート

 先だってこのセミナリヨで池本成博先生のチェロコンサートがあったが、その義捐金は107万円に達したという。やはり同窓会の動員力はたいしたもの。
 今回は安土町文芸の郷振興事業団の主催によるチャリティコンサートである。家人の誘いで出かける。全回と違って宣伝不足なのか、参加者は少なく席が半分埋まるくらいであった。滋賀は東北からは遠いことを実感させられた。内容が良かっただけに残念でならない。

  がんばろう日本 チャリティコンサート

    『安土文芸の郷から届ける心』

 追悼演奏 城 奈緒美(パイプオルガン)「瞑想曲 祈り」酒井多賀志作曲

 挨拶・黙祷

 講演 大西實(近江八幡防災センター)「東日本大震災の教訓を生かす」

             *自分は大丈夫だと思っていませんか?

[コンサート第1部]

 女性コーラス コールジョイ安土

          音楽会のあと 雪の降る夜 夏は来ぬ

 テノール  磯谷權次良  灰谷美音子(ピアノ)

          松島音頭 千の風になって

 パイプオルガン 石田喜代美

          G線上のアリア 涙そうそう 江〜姫たちの戦国〜

 尺八・箏  都山流大師範北林信山 生田流師範藤澄京子

          観音の里(野村正峰作曲)

 ソプラノ 山本哲子 城奈緒美(パイプオルガン)

          「レクイエム」よりPie Jesu(フォーレ作曲)

          こだまでしょうか(金子みすゞ作詞 中田喜直作曲)

          小さな空(武満徹)

[コンサート第2部]

 大正琴 大正琴琴峰会

          エーゲ海の真珠 待つわ 

          (みんなで歌おう)ー上を向いて歩こう 

 詩吟 木俣城和・土田城絃 北林信山(尺八)

 箏・尺八 菊和香千代 菊紫香千晴 渡辺菊山(尺八)

          宮城野(野村正峰作曲)

 民謡 長田實 竹内悦子(三味線)小嶋民雄(尺八)松本愛子(太鼓)

          気仙坂 お立ち酒 南部牛追唄

 マンドリン四重奏 境家秀晃(マンドラ・テノーレー)

          中村皓一(マンドロンセロ)

          徳谷直美・大野次男(マンドリン)河南佳治(ギター)

           津軽のふるさと

           (みんなで歌おう)見上げてごらん夜の星を

 そして最後に「今日の日はさようなら」を合唱。

京都市美術館ーオランダ17世紀絵画ーフェルメール

 オランダが独立し世界貿易で最も活況を呈していた時代、オランダ絵画も盛期を迎えていた。市民生活を如実に写す生活画・風俗画がたくさん描かれた。それらが今回一同に会して日本にやって来た。目玉は「フェルメール」である。ただ当時よく知られていた動物・花卉・静物等の精密な絵画は来ていない。

   コミニュケーション:17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ

      『フェルメールからのラブレター展』

《1、人々のやりとりーしぐさ・視線・表情》

 「音楽の仲間 ヘラルト・テル・ボルフ」

     光りの当たる焦点の場所以外はぼかしてある。

 「感傷的な会話 クウィレイン・ファン・ブレーケレンカム」

     小さいが細密画、顔の表情が見て取れる。

 「牡蠣を食べる ヤーコプ・オホテルフェルト」

     人物よりも、上等な赤色のサテン地の服のほうが立派に見える。

 「トリック・トラック遊び ピーテル・デ・ホーホ」

     まさしく写真のような細密画

 「生徒にお仕置きをする教師 ヤン・ステーン」

     お仕置きは手のひらを打たれる。

 「盲目の物乞 クウィレイン・ファン・ブレーケレンカム」

     こんな主題の絵が注文され販売される社会とはどんなものか。

《2、家族の絆、家庭の空間》

 「ヤーコプ・ビーレンスとその家族 ヘンドリック・マルティンスゾーン・ソルフ」   

     手前に魚・キャベツ・タマネギ・鳩の食材が置かれる。

 「アブラハム・カストレインとその妻 ヤン・デ・ブライ」

     日本に来たことのある絵、女性の表情が生き生きしている。

 「老人が歌えば若者は笛を吹く ヤン・ステーン」

     これもどんな人が買って、どこに飾ったのであろうか。

 「テーブルに集うファン・ボホーフェンの家族 アンドリース・ファン・ボホーフェン」 

     画家自身の家族を描いたもの。今ならさしずめ家族の集合写真と言った ところか。個性的

     な表情や良し。

《3、職業上のあるいは学術的コミュニケーション》

 「羽根ペンを削る学者 ヘリット・ダウ」

     小さい画面だが超細密。

 「本を持つ男 フェルディナント・ボル」

     若くしてレンブラントに学んだという。顔より服のほうが細かい。

 「薬剤師イスブラント博士 コルネリス・デ・マン」 まるで写真。

 「窓辺で本を読む女 ハブリエル・メツー」 近代的な女性表現。

《4、手紙を通したコミニュケーション》

 17世紀オランダは識字率も高く、出版業も盛んで、手紙のやりとりが急速に普及したという。それが

個人の情報を伝える手段となった。

 初期の手紙は日本の折紙のように封筒はない。紙を三つ折りにして、位置に内容を外に宛名を書き、

三つ折りにして端をたたんで蝋で封をしたのである。手紙とくると文例集も出版されている。

 「女に手紙を読む男 ピーテル・デ・ホーホ」

     男を暗く女を浮かび上がらせる手法。近代的顔立ち。

 フェルメール3点

  「手紙を書く女」 アーミンの毛皮が主役のようで、顔は少しボケている。

  「手紙を書く女と召使い」 明暗のはっきりした写真のよう。

  「手紙を読む青衣の女」 これも顔より着物の青色に目がいく。古くなったワ 

     ニスを取除く作業が行われ、かっての青色(ラピスラズリ)が復活した

清水三年坂美術館ー明治大正浪漫

 近代の女性の姿そのものを写真(絵はがき・ブロマイド)で示す試み。それとともに彼女らを飾った小物の装身具の数々が展示される。

   『絵葉書の美女たちにみる明治・大正浪漫』

 印籠・煙管・紙入(箱迫)・簪・櫛笄・帯留などなど。
 写真ではうつむいたり、目を閉じたものもある、これは恥じらいや夢見心地の姿を求めたものか。ヴァイオリンを持つ姿、また洋装のものもある。

京都国立博物館ー百獣の王国

 平常展示館が建替え中なので、特別展にしか京博に行っていない。今回はなかなかに楽しい催しである。動物等が表現された美術作品を集めた珍しい取り組みである。館蔵品、寺社の宝物そして個人の所有のものが1/3づつの出展である。京博は近在から作品を集められる利点が大きい。

   特別展観

    『百獣の楽園ー美術にすむ動物たち』

[象]

 「菩薩像(老子像)」…象とくれば普賢菩薩なので作品を選ぶのに苦労されたで

    あろう。これは象車に乗る老人の姿。華やかだが渋い色合いの南宋画。

 「普賢十羅刹女像」…6本の牙や白い色は神聖性を示すと。

 鉄斎「象図」…稚拙のようで力がこもる。

 笠翁銘「象蒔絵象嵌紙箱」…本物の象を見たのであろう写実的。小川破笠のもの 

     は賑やかで楽しい。

[羊]

 雪舟「倣梁楷黄初平図」…仙術で石を羊に変えたという場面。素早い筆運びで梁楷 

     の味を。

[牛]

 宗達「牛図」…名だたる宗達の垂らし込みの牛。

 応瑞「牛図扇面」…付け立てで牛の背を。

[猿]

 若冲「猿蟹図」…猿の毛と蟹の甲羅の質感の違いを。

 狙仙「猿図絵馬」…さすがに狙仙の猿は本物。

[猫]

 探幽「佐久間将監像」…肖像の優品で、猫を抱く姿を描く。

 友松「南泉斬猫図」…怖い内容だが淡く太い線でゆったりとした風情。

[犬]

 若冲「百犬図」…子犬が全面に群れ遊ぶ。その毛色は想像の産物で異様な目。

     動植綵絵に入ってもおかしくない作品。

 「加彩婦女」…唐俑で、狆を抱いていること今の愛犬家に同じ。

[兎]

 仁阿弥道八「飴釉双兎炉蓋」…写実的で彫刻的な焼物。

[虫]

 蘆雪「蚤図扇面」…顕微鏡が18世紀半ばに舶載され、すぐに国産化されたとい

     う。何百倍にも拡大された蚤。 

 蘆雪「朝顔に蛙図襖」…遠くの竹にからまる蔓。長い線を一気に引いてある。

     見事な空間処理。

 曾我宗誉「花卉・人物図座屏」…明画のような牡丹の上に蜜蜂が。

     「   同    」…酔芙蓉の上に馬追いが。

 愚案「葡萄図」…葡萄にリスならぬバッタ。

     若冲の「糸瓜群虫図」が見たかったが。

 「虎に五毒文様陣羽織裂」…虎が蓬と菖蒲を銜え、その周りに蛇・蠍・百足・屋 

     守・ヒキガエルの五毒を制して健康にとの願い。五月五日の節句に身に 

     つける。

[鹿]

 蘆雪「楓鹿図屏風」…墨画淡彩

 応挙「双鹿図屏風」…金地濃彩

     同じ主題で師弟の作品が向かい合う。私は蘆雪をとる。

[馬]

 「馬」像(高山寺)…往事のずんぐりとした日本の在来馬。見事に写実的に。

 蕪村「野馬図屏風」…屏風講時代の絖に描いたもの。どんな中国画の手本を用い

     たのだろうか。

[禽]

 「松竹双鶴文鏡(阿須賀神社古神宝)」…文様が精緻に浮かび上がっている。

 若冲「群鶏図障壁画」…墨だけでこれだけの流麗な線が描けるのだ。

 元信「四季花鳥図」…元信の代表作で何度も見ている。松の幹に止まる小鳥が足

     で虫を押さえてついばもうとするところ、説明で初めて知った。

 永徳「花鳥図押絵貼屏風」…先年の「永徳展」で初お目見えのもの。

[虎と豹]

 単庵智伝「龍虎図屏風」…どっしりとした雰囲気なのだが、顔はユーモラス。

 蘆雪「虎図」…本物の虎を写したか、それまでのものと迫力が違う。

 光琳「竹虎図」…やんちゃ坊主のような顔つき。

 加藤宗巌「銀製豹」…銀の板を丸めて曲線を出し造形。まことに現代の金工作品

[獅子]

 「文殊菩薩像(延暦寺)」…獅子に乗る文殊の像はそれこそ無数にあるなかで、

     これが選ばれた。子供の姿で剣を持す。獅子はインドライオンかという

 「草花獅子蛇文様金華布裂」…金彩の入った印度更紗。ライオンと獅子が同居す

     るという国際交流の成果。

[大集合]

 「仏涅槃図(長福寺)」…時代につれ動物が増える。ここには猫も見える。

[鱗介] 略

[霊獣]

 「斗牛服」…牛の角を持った龍。文禄の役の講話の際に明から贈られたもの。

 張徳輝「雲龍図」…明代の重厚な雲龍。波濤はよく見る形。

 鉄斎「龍図」…かわいらしく上目使いの龍。

  *図録が800円というのは手頃。


安土文芸セミナリオーチェロリサイタル

 無料のリサイタル(ただし震災支援の義援金を求められる)があるというので、雨なので家人に送ってもらって安土へ。
 多分満員になるだろうと思っていたら、予想通りであった。赤ちゃんを連れての人もいた。ワンコインやはつらつコンサートではいいとこ3割程度の入場者なので、それなりに人が入るというのは安心してみていられる。

  『池本成博チェロリサイタル』  

     東日本震災支援・チェロとピアノによるチャリティーコンサート

           ピアノ:福本由美

 池本成博氏は70歳。長く滋賀で音楽の教員を務められ、八幡高校や石山高校の音楽科で教えられていた。3年前の同窓会で池本先生は「70歳になったらリサイタルしょうと思っとるんだ」と宣言されてそれを実現された。ただ今年の2月にガンで余命一年と宣告されたという。

 プログラムはチェロの大曲が並ぶ。

   バッハ    無伴奏チェロ組曲6番ニ長調

          *マイスキーやヨーヨーマのものをよく聴いたものである。

   シューベルト アルペジョーネソナタイ短調

   ベートヴェン チェロソナタ第3番イ長調

    アンコール サンサーンス 白鳥 

 池本先生はプロの演奏家ではない。それが満を持して演奏に臨まれた。自身でも「たくさん間違った」言われた如く、オヤっと思うところがいくつもあったが、それもご愛嬌、音楽の力でおしきられた。高い水準を求めればきりがないこと、花は咲くだけでうつくしいのだ。
 福本由美さんは石山高校で最後に受け持たれた教え子。プログラムの冊子も彼女の手でほほえましいものとなっている。
 会場は若い女性が多く、さながら同窓会での演奏会のような華やいだ雰囲気。池本先生も「教師冥利に尽きる」と感激されていた。
 教師と生徒の関係は、専門の教科の先生のほうが濃密である。普通科目の担任では女性徒の質によるところが大きい。女生徒は小さなグループに分かれてなかなかまとまらない。それが大きくまとまってクラスをリードするとユニークな活動が出来て、卒業しても付き合いが続く。
 夜のNHKのニュースにもこのコンサートのことが取り上げられていた。

安土城考古博物館ー近江国府

 ワンコインコンサートが終わってから博物館に寄る。
 考古学発掘調査報告なので私の関心と少しズレているのだが、思いの外充実した展示内容であった。

    『大国近江の壮麗な国府』

 古代国家と言えば中央政府のことしか思い浮かばない。地方がいったいどのように統治されていたのか、律令体制の中なのでその法体系のもとにあったのはわかるが、その実態はあまりわかっていない。
 大国と位置付けられていた近江の国府の存在も長くわからなかったが、瀬田神領での発掘調査によってその構造が明らかになってきたという。
 また近江は藤原南家との結びつきがあり、国守には藤原無知麻呂が、そしてその息子仲麻呂も就いている。
 *『続日本記・天平十七年九月四日』
     民部卿正四位上藤原朝臣仲麻呂為兼近江守
 そのため仲麻呂の乱では、彼は近江に逃れて立て直しを謀ろうとしたという。

[近江国府の姿]

 瀬田神領の住宅再開発に伴う発掘調査でその姿を現した。京の遺跡は注目されるが、国府まではなかなか手がつけられないのが実情であった。それが近江ではその概要が浮かび上がることになった。さらに政庁だけでなく、「惣山遺跡」では、桁行7間・梁間4間で瓦葺礎石式総柱の建物12棟が南北300メートルにかけて一直線に並んでいる珍しい知見が得られている。
 国分寺については、甲賀寺か瀬田廃寺が考えられ、神社については国府の一角にある「建部神社」が近江一の宮とされる。

[出土品]
 「飛雲文鬼瓦」…かなり大きいが平面、軒丸瓦もたくさん出土している。
 「古代勢多橋遺構」…特異な橋脚形式が知られるように。
 「隠刻花文緑釉陶器・白磁」…白磁というのが本当なら、中国からの輸入品がこ 
     んなところにもたらされていたことになる。

 「腰帯具」…官人がしたベルトに使われた石製のもの。
 「横櫛」…歯と歯の間が1ミリにも満たない精巧なもの。どんな道具で歯の間を 
     すいたのであろうか。
 その他「檜扇」「木沓」「下駄」「しゃもじ」「物差し」「火打石」
    「墨書人面土器」「絵馬」「人形」などなど
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