日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2012年07月

安土城考古博物館ー舟が結ぶ絆

 近江は文字通り水の国である。水には魚が住み、漁業がさかんであった。また船を利用した水運も発達し、日本海からの物資が湖を南下して京に入る大動脈であった。
 今回は琵琶湖の船をめぐる特別企画である。

    『湖の船が結ぶ絆』

      天智天皇、信長の大船、そしてうみのこ

    *船ということで日本財団の助成事業となっている。

    *節電対策で、入場料無料であった。

 展示場の入り口に「貴船神社」の組鳥居が置かれてある。櫂や櫓それに舵等を巧みに組み合わせて門の形にしてある。

[第1章 やすみししわが大君の大御船]
 天智天皇の行幸船(大船)の模型がある。
 舟と言えば最初は丸木舟であろう。それが弥生時代に「準構造船」が生まれる。その日本での初めての正確に復元された実物大の船が置かれる。「刳り舟部」に「舷側板」「堅板」「モール(推定材)」を加えたもので、ホゾと桜樹皮で組み立てられたもの。「舷側板」があることで、積載量が増加したようで、湖底から古代のまとまった瓦が出てくるのだが、これによって運ぶ途中で難破したものらしい。

[第2章 魚一巻きたりともとり流したれば]  塩田遺跡の世界
 地震のため、港その周辺が水没した遺跡で、多数の起請文木簡や神像が発見されたところとして著名

[第3章 耳目を驚かすばかり也ー信長の大船]
 「信長公記」の記録をもとに復元された(1/35)信長の大船。40日で作ったという。これがどうな
  ったのか気になるところ、説明はない。

[第4章 湖上浦々へ廻船ー丸子舟の世界]
 近世湖上で活躍した丸子舟である。かっては1000隻ほども稼働していたという。断面模型あり。
 丸子舟が運んだという笏谷石(凝灰石)で作った狛犬が数組出ている。

[第5章 神仏を運ぶ舟ー湖上平穏・心願成就]
 「安南渡海船額(舟絵馬)」…南海貿易で活躍した西村太郎右衛門が正保四年に異国から奉納したも
               の。
 「日吉山王祭礼図屏風」…水との関わりの深い山王祭の屏風。

[第6章 今日は今津か長浜か]近代琵琶湖観光の時代へ
 「観光船のマリンガールの募集ポスター」昭和26年
    ・満17より23歳までの独身
    ・容姿端麗で健康
    ・学歴不問 但相当の教養ある方

[第7章 われは海の子]琵琶湖を学ぶ

  *メレル・ヴォーリスの布教に使われた「ガリラヤ丸」の紹介も 

テーマ展示
[地獄の情景]
    「地獄十王像」十王寺
   *「地蔵菩薩発心因縁十王経」にもとずく地獄像
 「十王図」宝幢院 二十一幅のうち
 「十王図」正禅寺    

三人目の孫誕生

 私の長女が二人目の子を生む。今日の未明に破水して入院、午前中に無事男の子を出産。2600g余と少し小さめ。私には三人目の孫となる。奇しくも私の二女と同じ誕生日。
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打出のコヅチ 第3回

 今年度も打出のコヅチ講座が開講(木曜日)されているのだが、私の仕事が平日勤務となってしまったので参加はあきらめていた。ところが幸か不幸か、橋下前大阪府知事の行政改革のおかげで授業のない夏は勤務から解かれて夏休みとなった。とフト気がついて調べてみると今日がその講座の日である。慌てて大津に出かける。

   平成24年度 滋賀の文化財講座ー打出のコヅチ 第3回

      『裏付けられた城門伝承』

          〜県指聖衆来迎寺表門の保存修理から〜

                教育委員会文化財保護課 
                        尾山義高氏

 聖衆来迎寺は天台宗の寺院である。古代の伝説は置くとして、室町時代後期からその存在がはっきり分ってくる。京のさる寺との合併で寺宝が移され、それを江戸で出開帳することによる資金で寺が整備されたとされている。
 その表門は滋賀県の指定文化財となっているが、老朽化が激しく倒壊の恐れもある事から、解体修理が行われることになった。平成21年11月から平成24年1月まで。
 この表門については、明智光秀の居城であった坂本城の門を移築したといわれて来た。それが今回の解体修理によてほぼ裏付けられることになった。
 この門は幾度となく手が入っているが、親柱と冠木はもともとの材がそのまま使われ続けている。この二つの材について、柱のホゾや冠木の底面に2センチ巾の加痕が残っていた。それは槍カンナや通常の台カンナによるものではなく、室町末期に使われた初期の台カンナであることが確認された(竹中大工道具館による)。つまり坂本城の櫓門を移築して、一間一戸薬医門としたものであった。
 これらの確認作業の後、寺の表門として形成された当初の形に復元されたのであった。
 寺社建築には一般の住居とは違う様々な技法が使われる。しかも長年月の使用に耐えるように定期的に補修や修理の手が加えられる。そのためにはその技術の継承が不可欠なのだが、幸いにも日本には多くの木造の指定文化財が存在していることで、それらに順次手が入れられることで技術が伝えられているようである。

[参考]
  国の重要文化財の内、建造物
       2386件   4468棟
    内国宝 216件    264棟
   滋賀県内には
        181件    232棟 (全国3位)
    内国宝  22件     23棟
  滋賀県指定文化財
          76件     105棟

京都国立近代美術館ーコレクション・ギャラリー

 京都国立近代美術館ーコレクション・ギャラリー

[小企画 コレクションに見るKATAGAMI Style]
 芹沢げ陝Π雎戚次郎等の型紙による着物がでている。

[藤田嗣治の世界]
 「横たわる裸婦」…同じ主題で2作品が出ている。私が初見のものでは、白地にあるかなきかの細い   細い線で輪郭がなされえている。消えてしまいそうな人体表現は意表をついたものであったろう
 「メキシコのおけるマドレーヌ」…艶やかな西洋美人画の典型。いつ見ても美しい。
   その他戦後の子どもの絵の顔つきはちょっと異様。

[千種掃雲]
 私には初めて出会う画家のようである。日本画に油絵の手法を取り入れようと苦心した人のようであ る
 「南国」…リュウゼツランに黒猫
 「渓流」「八丈島」…日本画にない華やかな色使い。あちこちに影響を残したようである。

[夏の風物詩]
 池田洛中「公園夏日」…これこそ千種掃雲を受けた絵というべきか。
 菊池契月「蓮華」…小舟からの蓮華遊び。屏風一双を一つの画面として構成したもの。全く平面的。

[画家たちの滞欧作品]
 佐伯祐三「裏街の広告」…うらぶれた町の様子が心を揺さぶる。
 里見勝蔵「渓谷の春」…師ヴラマンク流の荒々しい筆致。しかし師はこえていない。

[ヨーロッパで活躍した写真家たち]
 なつかしいマン・レイの「アングルのバイオリン」 
 ブレッソンのよく知られた作も出ている。

[長谷川潔の版画と油絵]
 やはり戦後のパリで制作されたマニエール・ノワール作品は珠玉という言葉がふさわしい。

[近現代のガラスと染織]
 外国人作家のガラス作品がたくさん出ているが、ガラスという無機質のものを幾何学的に取り扱えば どこに面白みを見出すのであろうか。

[河井寛次郎]
  省略

京都国立近代美術館ーKATAGAMI Style

まことに変わり種の美術展である。といって非常に意欲的な取り組みで、美術の別の流れを鮮やかに切り取って見せてくれている。

    『KATAGAMI Style』

       世界が恋した日本のデザイン

           もうひとつのジャポニスム

 KATAGAMIー型紙といえば染織技法のひとつである。そこには友禅染の絵画的な型染もあるが、その他に細かい文様を彫り込んだ「伊勢型紙」の世界が良く知られている。遠くから見ると無地のように見えるのだが、近づくと小さな模様地になっている、いかにも粋な世界なのである。しかもそれらは高級品もあるが、庶民の間でも楽しまれた。
 この日本では着物の衰退とともにあまり用いられなくなっている。ところがその型紙が早くにヨーロッパに渡り、様々なデザインのヒントとして利用されてきているというのである。
 デザインの一つのあり方として繰り返しのパターンがある。そのリズム感は洋の東西を問わず心地よいものなのであろう。それは何も絵画的世界だけではない、音楽の世界でも底流としてのリズムの上にメロディが乗せられるのだが、そのメロディも繰り返されることによって印象づけられるようである。
 こんなことを考えながら拝見させてもらった。取りたてて芸術的に高い作品といったものがあるわけではないが、それらをわざわざヨーロッパから運んでくる意欲に拍手。

京都市立美術館ー上村淳之展

 仕事の契約が切れて時間的余裕ができ、やっと美術館に出かけられる気分になった。東山に行ったので、昼食は例の「オ・タン・ペルデュ」で。昼のランチメニューが様変わり。二種あって“重い”方を選ぶ。バラとスネの煮込みで、大きな肉のかたまりが二つ。ほんとに胃にどっしりと来た。腹ごしらえが出来ていざ美術館へ。
 京都市立美術館では、画家の個人展シリーズが始まった。その第一回めとして、京都画壇の重鎮で、花鳥画の第一人者である上村淳之が取り上げられた。

        『上村淳之展ー作家の芽』   

[第1章 出発と模索]
 上村家三代目として画業への道を志し、画家としての道を歩み始めた頃の初期の作が並ぶ。
 「幼い鳥」…戦後の日本画家が誰しもやった油絵風の厚塗り。
 「梟1・二」…日本画的方法から脱却せんとした、沈んだ暗い様子。
 「水カンナ」…簡略化された鳥は後年の姿を彷彿とさせる。

[第2章 「象徴」空間・開眼]
 「火鶏」…赤い二羽の鳥のインパクト強し。
 「晨1・2」…もっとも好んで主題とした鴫の代表作。高く評価され、文化庁買い上げに。
 「大和鶏」…雌雄で一対の画面。真っ白の羽根が美しい。このころは父親の松篁さんに影響うけたか
 『受胎告知』模写…イタリアへの海外研修で、フら・アンジェリコのこの名画が模写の対象に選ばれ          た。こんな人物画にも手を染められていたのだ。
 「肖」「姉妹」…彼の人物画を初めて見る。「受胎告知」以後数年にして生まれ出たもの。

[第3章 自然に教えられー移ろいと生きざま]
 「雪中遊禽」…一メートルほどの画面だが、小鳥の賑やかな声が聞こえてきそう。緊張感漂う。
 「水辺の四季」…六曲一双に四季の花鳥が配される。
 「雁金」…日本芸術院賞作品。やはり鴫を主題にしたもの。
 「鴫」…景色としての葦の葉は伝統的な墨の没骨法で。

[第4章 共に生き描く]
 近年の作品はより明るくなったといわれる。
 「銀鶏紅白梅図」祇園祭霰天神山胴掛原画
   「 同 綴織試織」
 「四季花鳥図」大阪新歌舞伎座緞帳原画
   「 同 綴織試織資料」

  *全体に清澄感が漂っている。

荻の上風について

 「荻の上風」という品種について、「荻」か「萩」かの議論があり、「荻」がふさわしいということになっていて、「荻の上風」という名前に統一されている。しかしその出典がどこなのかシカとは訊ねられてはいなかった。
 ところが本日、仕事で使う必要があって、連歌の「水無瀬三吟百韻」を読んでいたところ、この熟語に出くわした。

    19 いたづらに明かす夜おほく秋更けて  宗祇

    20 夢にうらむる荻の上風        肖柏

       *何もせず、ただ無駄に眠れぬ夜を明かすことを繰り返し、ふと夢を見たかと思えば
        すぐに荻を吹く風の音に、あの人のくる気配かと驚いては目を覚まし、恨めしくなる。

 「水無瀬三吟百韻」は隠岐に流された後鳥羽院の250回忌を記念して、所縁の水無瀬で宗祇・肖柏・宗長の三人が巻いた連歌である。連歌集としては大変よく知られたものなので、出典としてはふさわしいかもしれない。その他の連歌にもちょいちょい使われているようである。

 とここまで来たところで藤原義孝の歌が出てきた。

   秋はなほ夕まぐれこそただならね 荻の上風萩の下露 (和漢朗詠集)
 
 この歌もよく知られているので、こちらの方が本命かもしれない。

芽の飛び出し

 今年初めて飛び出した芽を発見。霜で芽が浮いていたのをそのままにしたために、こんなことが起こったようである。とにかく取り敢えず土をかけておく。私も必要なら増土をしないわけではない。ただ大半の鉢では芽など飛び出さないから、増土せずともよいだけである。
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観峰館ー水のある風景

 観峰館での夏期企画展が始まったので、さっそく出かける。

     『水のある風景』

 観峰館には近世後期の中国絵画がたくさん所蔵されている。しかし近世後期ー清朝末ーの絵画は残念ながら伝統のしがらみの中で袋小路に入ったようで、見るべきものは少ない。世界から取り残されたように思われる。そのため近代への脱皮もなかなかに進まなかったようである。
 凌虚「金魚」…現代の画家といってもいい凌虚の「金魚」。日本でもたくさん目にする機会があるということは、評判が良かったのでよほどたくさんの「金魚」を描いているのであろう。ここでの「金魚」はオランダ系の「東錦」のようである。
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 王素「天欲降雨図」
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 陳崇光「春雷起蟄図」      呉立「風雨帰舟図」…雨が線で
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 梅振瀛「藤下金魚図」
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 王甄「蓮花金魚図」…結婚祝いに描かれたもの
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[現代の水墨淡彩画]
  さすがに水墨の国で、優れた作品が多い。

 商文彬「秋声万戸竹図」   鄭天欣「咸陽古渡図」
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 張振江「放舟図」       慕倩「黄山光明頂観瀑図」
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 李頴「峡江清暁図」       王済遠「陽朔諸峯図」     
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[気になる一枚]
 朱鼎新「舟上人物図」…絵は普通なのだが、舟上で鉢植の菊?を眺めている極めて珍しい図柄。
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白絹病発生

 梅雨のさなか、土が乾かずしかも高温が続き、今年も白絹病が発生した。プランターでの栽培では鉢に較べ過湿になり易い。白い芥子粒のような菌核が散らばっている。
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 土を掘って根茎の様子を見ると、すでに菌に侵されて壊死しているようである。このプランターの数十の芽は助からないかもしれない。
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