日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2012年10月

滋賀県立近代美術館ーコレクション展

 〈現代美術〉
 来世紀まで残りそうもないおかしな作品のある中で、やはり印象深いものも。
  斉藤義重「作品12」…赤地に飛び鉋で点々と穴があけられてある。
  白髪一男「地猛星神火将」…大量のいろんな色が踊る。
  元永定正「作品」…色の調和が美しい。
  今井俊満「東方の光」
  サム・フランシス「カーキュラー・ブルー」
  イヴ・クライン

 〈日本美術院の作家〉
  安田靫彦「飛鳥の春の額田王」
   〃  「紅梅」…単純化した構成に
  横山大観「木菟」…大観の動物の顔は、人を含めてとぼけた味わい
   〃  「春草」「雪の山」
  木村武山「花木図」二曲一双…椿の写実がよい。
   〃  「瀑布図」
  速水御舟「遊魚」…品格高し
  奥村土牛「シルバータビエ」…猫の絵
  富田渓仙「宇治川の巻ー木幡」
   〃  「遊鯉図」「雲上鶴図」…とぼけた味わい

滋賀県立近代美術館ー石山寺縁起絵巻

 今日は職場にいっても開店休業なので、少ない有給休暇を使って一日休養とする。しかしせっかくなので、滋賀で今話題の絵巻を拝見しに近代美術館に行く。
 巻物というのは長大な物が多いので、全巻すべてが展示される機会はそう多くはない。かなり大きい美術館や博物館でないと展示しきれない。かって京都国立博物館で、修復のなった国宝「一遍聖絵」がまとめて展示されたのは壮観であった。この「一遍聖絵」は宗祖一遍の一生を追いながら、彼の傍にいたさまざまな階層の人々の姿を写しとった物で、貴重な歴史資料である。
 「石山縁起絵巻」は縁起なので寺の創業からはじまり、ここに縁を結んだ人々の因縁談が描かれる。そのため全体を通した筋というものはない。ただここでも人々の暮らしの姿が活写されているので、歴史資料としてよく引用される場面も多い。
 「石山縁起絵巻」には多くの模写があり、それらも適宜展示されている。もっと良い写本とされる重文本は会期中の前半と終盤だけで、中間は半分ずつの展示となっている。今日はその中間日にあたってしまった。

   『石山寺縁起絵巻の全貌』

       重要文化財七巻一挙大公開
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〈石山寺建立の作事場〉一巻三段…当時の材木の調製の様子がよく分かる著名な場面。子どもが仕事場 にうろうろしている。
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〈米の運搬ー馬借〉二巻九段…子どもが干飯を口に入れている。
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〈居館炎上の場面〉6巻二十六段…鎌倉に謀反したものを撃つ。見事な炎の描写。
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〈湖上白馬が娘を助ける場面〉七巻三十一段…白馬の生きた表現。
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 *時代を超えて七巻がまとめられたので、絵の質が少しずつ違っている。後の複写もたくさん出ているが、見事に写している。

近江商人博物館ー三輪良平回顧展

 近江商人博物館では定期に日本画家の展覧会が催されている。平成19年には「日本画・三輪良平展」があり、その関係で画伯は五個荘の古い町並みををたいそう気に入られたことで、平成23年に亡くなられてのち、遺族によって画伯の多くの作品がこの博物館に寄贈された。
 今回この寄贈作品を中心に、京都国立近代美術館、京都文化博物館、京都市美術館からの出展も得ての展覧会となったものである。前・後期に分けて29作品、そしてスケッチやポスターなども別展示される。
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   平成24年度秋期企画展

       『三輪良平回顧展』

 「八朔」…祇園の伝統行事。3人の舞妓を描く、艶やか。2003年。京都国立近代美術館蔵
 「華」…舞妓一人を文字通り華として描く。2009年。 近江商人博物蔵
 「裸像」…日展特選となった1956年の作品。油絵風の塗り重ね。京都市美術館蔵。
 「舞妓三人」…日展特選の1960年の作品。荒いタッチ。京都市美術館蔵。
 「裸婦」…黒灰色の裸婦二人。このころ日本画家はさまざまな試行錯誤を重ねていたらしい。
      1962作。京都文化博物館蔵。
 「レースの女」…1983年
 「アフリカ人」…珍しい黒人女性を描いたもの。2001年

  その他別室での展示。
   「都をどりポスター」
   スケッチ…大原女、舞妓、芸妓、ライオン、太夫
   絵本『一寸法師』
   チョコレートの包み紙…舞妓などの美人図が印刷されている。

 *地方で日本画の大家の作品がまとまってみることが出来るのは幸いである。ただ三輪作品の女性た  ちは類型的な表現で、高橋由一の「花魁」を見てしまうと何となく物足らなさを感じてしまう。

 五個荘まで来たので観峯館による。現在「臨書作品展」が開催されている。
    

実生の成長−6

 この段階では成長は止まっている。今は根茎の充実がはかられているときであろう。
 我が家では実生の葉に黒変が現れる症状が時々現れる。葉が変質するのでここで成長も終わってしまう。ただこの症状は実生の丸葉にだけ見られ、一般の葉には出ない。
  10月8日              10月21日
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 黒変の症状
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彦根城博物館ー能装束の色彩

 彦根の近くまで来たので博物館に寄ってもらう。
   テーマ展 『能装束にみる日本の色』
          ー井伊家伝来能装束からー
 パンフレットより……日本の伝統色には、自然にちなむゆかしい名前が付けられています。そこには移ろいゆく季節の変化を鋭敏に感じとって来た、日本人の自然観が凝縮していると言えるでしょう。
 ところで能衣装もまた、日本の風土の中で培われた日本古来の色によって彩られています。しかしどのような色でも用いられる訳ではありません。舞台衣装である能装束に使用されるのは、柳色のような淡く柔らかい色ではなく、数多くの色の中から厳選された明度や彩度の高い鮮やかな色です。紅や白、黒をはじめ、萌えい出る新緑のような萌葱、葱の新芽に似た緑味のある青の浅葱など、その多くはくっきりとした色をしています。そしてそれを大胆に組み合わせる配色の妙が、能装束の特徴の一つです。赤と黒、紅と萌葱、紺と茶など、対照的な色を巧みに調和させた作例が能装束には多く見いだせます。厳選された伝統の色を用いるだけでなく、それらを大胆に、そして巧妙に組み合わせることによって、能装束は舞台でより一層目覚ましい効果を挙げるのです。
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DSCF0960摺箔<白地秋草文様>







 これらの能装束は彦根藩時代から収集されたものであるが、明治維新後も井伊家は華族としてかなりの収入が保障されたのであろうか、大正・昭和に入っても収蔵が続いている。

 その他常設展から目についたもの<竜笛>
 笛を入れる筒は桜材、それを渋い布で包み、さらに黒柿の箱に納める。
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 さりげなく生けられた花が良い雰囲気を演出している。
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大阪市立美術館ー紅型

 早くから行かねばと思いつつ、なかなか天王寺まで行く機会がなかった。やっと昼からの半休を把手でかけることが出来た。展示替えが2回も行われたので、実質1/3の作品しか見ることは叶わなかった。
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      <沖縄復帰40周年記念>

         『 紅 型 』

            琉球王朝のいろとかたち

 南国らしい鮮やかな紅・黄.藍色がはねる。最初に「国宝」の着物が並ぶ。国宝とあるのだが、私は着物で国宝というのにであったことはほとんどない。それに国宝だけで重要文化財がないのだが?
 着物の素材の大半が木綿で一部苧麻である。絹はない。製作年代は一部18世紀にかかって、大方は19世紀のものである。
 型染めが基本であり、沖縄特有の模様が見られるが、やはり日本の友禅染からの影響も見られるようである。私にとって、大柄で華やかな色柄よりも、渋い色で細かい柄の方が落ち着いて見ていられる。
 このところ「小袖展」が何度も開かれて、その精髄に接した目には、沖縄の絵柄は少し「ゆるい」という感じを持った。


 特集展示  『たっぷり見たい屏風絵』
 
 約20点の展示屏風の中に期待の物があった。
 
  「四季草花図屏風」(「伊年」印)六曲一双 個人蔵
      ひょっとして描かれているかもしれないと目を凝らすと、右隻3・4扇に14本の桜草の花      茎が上がっている。
 
  「烏梟図屏風」長谷川等伯 慶長12年

  「山水図屏風」狩野山楽
 

実生の成長−5

 十月の声を聞いて、ようやく秋の気配となったところで、実生苗の成長も終わりである。どうも桜草には成長期間というものがあるようで、気候がよくなっているはずなのに葉の繰り出しが鈍っている。しかし冬芽はまだできていない。
 春から夏にかけて、暑くなったから成長が止んだのではなく、次々と葉を繰り出す生長の周期が終わったということのようである。それは3ヶ月ぐらいらしい。
   9月24日            10月8日ー大きくなっていない
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   9月24日            10月8日ー大きくなっていない
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 虫にかじられた痕           台風の後、バクテリアか黴にやられた葉
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桜草の会誌贈られる

 趣味の会が結ばれると会誌が発行されるのが常である。今回二つの会の会誌が相次いで送られてきた。
 『横浜さくらそう会誌7号』
   表紙をも含めてA4版12頁立の小冊子で、春秋の2回発行される。桜草のさまざまな話題に意欲   的に取り組まれているようである。 
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 『櫻草9号』(埼玉さくらそう会)
   78頁立の大冊である。5年に一度出される。多彩な内容だが、どちらかというと趣味の会の親睦   をはかることに主眼が置かれているようである。品種のカラー写真もたくさん載っていて目でも楽   しめる。今回の表紙には「南京絞」が取り上げられている。東京のさくらそう会に逆らって「無礼   講」とはせず「南京絞」とされているのは主体性のあらわれであろうが、それなら「神風」も「大   和神風」としてもらいたいものである。

 それにしても東京の「さくらそう会」の会誌が出ない、他人事ながら気になるところ。

京都市美術館ー京の画塾細見

 近代美術館からお向かいの市美術館に回る。近代美術館の半券があれば入館料が100円割引。
 京都は日本画の牙城である。多くの集団が並び立っていた、その系譜をたどろうという試み。ただ私としては絵そのものに関心があるので、その師弟関係などにはあまり心惹かれない。
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 今回はそれこそキラ星の如く銘品が並べられている。主立ったところを紹介しょう。
 久保田迷遷「虎図 六曲一双」…伝統的な水墨画で、素早い筆致が見どころ。
 菊地芳文「春の夕・霜の朝」
 竹内栖鳳「絵になる最初」
 上村松園「人生の花」「待月」
 工藤蒼樹「五月晴」…麦畑の上の鴉3羽。麦のリズミカルの動きの妙。
 徳岡神泉「麦」
 池田遙邨「雨の大阪」
 西村五雲「海驢」…垂らし込みの妙。
 多田敬一「海沿いの家」
 菊池契月「散策」
 梶原緋沙子「暮れ行く停留所」
◯中村大三郎「ピアノ」…久し振りに再会。
 澤宏宏靭「芙渠」…蓮の花。
 上村松篁「兎」…なんとも上品。
 三谷十糸子「女」
 川上拙以「画室の一隅」
 桜井鴻有「春寒」
◯秋野不矩「紅裳」
 麻田辨自「霧雨」…アヒル四羽
 小松均「くぬぎ林」…艶やか
 堂本印象「水郷欲雨」…水墨
 由里本景子「単衣のおとめ」
 北沢映月「娘」
  他省略

京都国立近代美術館ーコレクションギャラリー

 [京都国立近代美術館ーコレクションギャラリー]
 4階のコレクションギャラリーを楽しむ。
 三尾公三の作品が6点でている。面白いがアイデアだけのような気がしないでもない。

 北沢映月「A夫人」…かわいい独特の美人画。勤めている学校にも彼女の作品がある。
 丸岡比呂史「母と子」…細密画
 岡村宇太郎「日没頃」…細密画
 甲斐庄楠音「娘子」
 石川晴彦「自画像」
 都路華香「水底遊魚」…小下図とともに。
 徳岡神泉「海老」…若い頃の写実作品
 玉村方久斗「海中小戯」…稚拙でいて味わい深い。
 福田平八郎「真鯉」

 北大路魯山人「織部俎板盤」…青緑の釉が美しい。
       「信楽糸瓜花生」…糸瓜とあるが瓢箪ではなかろうか。
 松田権六「蒔絵箱ー赤とんぼ」…細かく蒔かれた青貝が美しい。
 志村ふくみ「紬織」

[京の由一田村宗立 明治洋画の先駆者]
 京都で洋画を広めようと苦心惨憺するも、結局日本画に戻ったという田村宗立の小企画展。

 その他省略。
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