日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2013年06月

桜草の色紙など

 桜草の関連する品物が少しはあるので少しづつ紹介している。今回は色紙や半紙程大きさのもの。
 生きた花の無いときにも、これらで花のある生活を楽しむ。

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 押花を額装に仕立てたもの   日本刺繍 

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 野村陽子さんの細密画(印刷) 京都芸艸堂の木版画

桜草事故ー夜盗虫、白絹病

 二三日続いた雨の後、庭に出てみる。桜草の葉が溶けるようになくなりつつある。その中で葉が全くなくなった鉢が一つあった。「ちょっとおかしい」と周りの鉢をみていると、すぐ横の鉢の中で土に潜りきれない芋虫が眼に入った。「夜盗虫」の仕業だったのだ。葉は長持ちさせるほどいいのだが、おおかたの葉の役割は終わっているので、いま葉がなくなっても影響は少ないのだが。こんな大きく丸々と太るまでにどれほどの桜草の茎をかじったのか、憎らしい存在である。
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 プランターでもほとんど葉を落としたものがある。眼を凝らすと白い胞子嚢がかたまって見える。土を少し挙げると菌糸が走っている。今年もプランターでは白絹病にやられてしまった。昨年大丈夫だったものがやられてしまった。油断して古い土のままに植えたのが悪かったようだ。
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 その後、晴れている間に種子の採取をする。昨年の実生は出来が悪かったが、一応10数株残してある。

紫陽花ーもりやま芦刈園

 ここ二三日来梅雨模様の天気となったので、手近の紫陽花苑につれていってもらう。
 「もりやま芦刈園」はめずらしい紫陽花中心の公園で、世界の紫陽花が1万本も植栽されている。
 紫陽花開花期のみ入園料をとる。指定管理者は守山市シルバー人材センターである。
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  アナベル           貴船             ツルアジサイ
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  オタクサ           大輪ガクアジサイ        ダンスパーティ
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  ブルーシーアン        モンブラン           手マリ
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  花火カレン          カメレオン           銀河の花火
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  ピンクアナベル        レッドビューティ        ピンクキャンディ
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  桂夢衣(カムイ)       マース             雅
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  ミスヘップバーン       マシア

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  紫陽花の斑入り葉ー白覆輪以外にも砂子や絞りが入っていて、これが江戸末期にでもあれば、垂涎の的となっていたことだろう。

滋賀の文化財講座ー打出のコヅチ第2回

打出のコヅチ第2回
 京都駅から大津に戻る。昼時だったので京阪石山坂本線の島ノ関駅の向かいにある「肉食堂最後にカツ」で伝説のトンテキをいただく。安くてうまくてたっぷり。

 滋賀の文化財講座 打出のコヅチ第2回

   『近江巡礼展ー琵琶湖文化館の至宝、全国巡回へー』

             滋賀県立琵琶湖文化館
                   主任 井上 ひろ美さん

 今回は琵琶湖文化館の活動の紹介である。平成20年から休館となり五年が経過した。新しい博物館構想が「かつ消えかつむすびて」状態ではっきりしないまま、貴重な館蔵品・寄託品の有効利用が行われつつある。休館を逆手にとってというわけではなかろうが、県外での展示が次々と実施されて、滋賀の文化財ヘの評価が高まっているという。こんなたいした博物館なのだが、事務方を除いて学芸員の方は三名(?)だけという。これで博物館のノウハウを継承していけるのだろうか。行政は琵琶湖博物館、近代美術館にばかり眼を向けて本家本元を軽視すること甚だしいといわねばならない。他県で評価されても地元を固めねばなんにもならない。

 「九州国立博物館開館5周年、
    滋賀県立琵琶湖文化館開館50周年記念トピック展示」
       平成22年6月11日〜9月5日
       九州国立博物館
       入館者数…84322人
       国宝3件、重文33件を含んで56件

 「日本佛教美術ー琵琶湖周辺の仏教信仰」
       平成23年12月19日〜2月19日
       韓国国立中央博物館
       入館者数…52316人
       国宝4件、重文31件を含んで59件

 「特別展ー琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展」
       平成24年9月8日〜11月25日
       三井記念美術館(東京)
       入場者数…57381人
       国宝6点、重文56点を含んで118点
        *東京はさすがに多くのメディアによる宣伝活動が
         盛んであったという。

 九州国立博物館での展示が好評であったことで、琵琶湖文化館に毎日新聞の文化事業部より「巡回展をしませんか」との提案があり、それをうけることに。
  内容 {廼吉術
     ⊃斉使術
     6畧こ┣茵癖顕輯曚任呂海諒野の館蔵が一番多い)
  場所 九州以外の地で
 この内容の展覧会として各地の美術博物館に売り出されたところ、3カ所が受け入れを表明されて開催が決まる。
  *文化庁との調整経過は省く

 『近江巡礼 祈りの至宝展』
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  静岡市美術館(平成22年開館)
      会期平成25年1月2日〜2月11日
      入館者数…11256人
       *各出展寺社のパンフレット配布、観光案内も。
       *好意ある感想の紹介
       *近代中心の美術館なので、古文化財の取り扱いを文化館を通して
        学べるメリットあり。文化館にとっても新設美術館の設備を学べ
        て能力アップが図れたか。

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  仙台市博物館
       平成25年7月12日〜8月25日
  展示内容は同じなのだが、パンフレットは各館独自なのでこれだけ違うことに。

 このあと島根県立古代出雲博物館に巡回することになっている。
       平成26年3月28日〜5月11日
   

美術館「えき」KYOTOー革の世界展

 大津まで出かける予定があったので、足を伸ばして京都駅へ。

   本池秀夫 

     『革の世界展』

        〜人形・動物・現代アート〜

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 本池氏については、先頃のTV「徹子の部屋」に出演されているのを偶然みたこともあって、その作品の実物を拝見しに出かける。
 入館して正面に等身大の「考える猿(チンパンジー)」がある。生けるが如く写実的。そしてカバ、チータ、ゴリラ、そして各種の犬が11匹、猫3匹。大きなサラブレッドもいる。
 作者本池氏が会場に居られ、観覧者に丁寧に説明されていた。聞くともなくその声が聞こえてくる。
 本池氏は学生時代にヨーロッパに遊学し、そこでイタリアのジュゼッペ・カッペの磁器人形に惹かれる。そしてアメリカの国民画家ノーマン・ロックウェルの絵に影響を受けて、人形作りに入っていったという。
 その人形は、濡らした牛皮を木型の人形に押し付けて成型される。乾けばもとにもどらない。眼は切れ目を入れて開けられる。服や靴は本物のミシンで縫って作られる。服では裏もつけてあるとのこと。

[組人形] 日常生活の断面を切り取った人形群がたくさん並ぶ。
 「先生の誤解…わあ、どうしょう。本当は私の方が先に」
     先生にお尻を叩かれる男の子。その側に立つ女の子がかたまっている。
  たくさんあったので、その他は省略。
   人物はみな西洋人系である。

[テーマ館]
 「靴屋」…26歳のときの作品。靴作りの様子、出来た靴、道具など精密なミニ
      チュア。
 「TOYS MUSEUM」…これは数年前の作。室内の上部でミニ蒸気機関車が走っ
      ている。ここに飾られている人形は艶やかな色のついた衣装をまとっ
      ている。床や壁も全て革で出来ている。
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 <革について>
  使われている皮の見本が展示され、触ることが出来る。人形用の皮、動物用の
  皮(人形用の2倍の厚さ)、着物用のラムの皮、その他ワニ、ヘビ、サメ、
  ダチョウ、ゾウの皮がでていた。

[人形以外]
  革絵…革地にアクリルで抽象画を描いてあるもの数点。
  裸婦像、頭像
  タペストリー…制作途上で出た切れ端の皮を縫い合わせて大きな壁掛けに。

[VTR]
  制作方法などの映像が放映されていた。

 まことに見事な写実作品である。これらはあえて言うなら美術工芸品の範疇に入るものか。出口の所で図録などの関連商品の販売がなされていたが、30センチ程の人形に399000円値札がついていた。

堂本印象美術館ーモノクロームの世界

 久し振りの美術館行で選んだのは堂本印象美術館。

   企画展 『モノクロームの可能性』

         ー印象の墨絵ー東寺小子房襖絵を中心にー

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[回廊]
 〈具象〉
  「狗」1930…筆使いで洋犬のフサフサした毛並みを巧妙に。
  「松鹿図」1935…光琳の鹿と見紛う。
  「出産(出産の祈り)」1933…風俗画、平安時代の貴族の家での様子。
                 祈祷僧が祈る。
  「寒山拾得」1932
  「近江八景」1941
 〈抽象水墨〉
  「墨穂」1961のほか多数の習作をものされている。

[二階展示室]
  「交遊」二曲1隻 1967…抽象の屏風。
  「雲収日昇」六曲一双 1938…松と山々、左隻左隅に小さく小さく鴨六羽
  「東寺小子房襖絵 1934
     鷲の間(二面)…荒々しく力強い。
     瓜の間(八面)…右二面…胡瓜とイタチ
             中四面…西瓜とカマキリにイタチ
             左二面…瓜
              瓜の葉はほとんど破墨で。
  *印象さんはほんとに多才というべきか、あの「木花咲耶姫」という美人を描
   いた人がこんな荒々しい「鷲」を描くなんて。


[京都現代作家展]
   『日々照応  岡村倫行展』
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  〈四室〉
    写生十六点…瀧、西浜、黒松(天神)、大勝浦、波田須等の風景。
  〈五室〉
    「陽」「雪」
    「花浪」…若い女性を主題に、緻密な黒い線の重なりの新鮮さ。
    「飛瀧」…那智の瀧の豊穣なイメージ。
 
 前回の特別展は京都で活躍した文化勲章をもらった画家の展覧会だった。私が見たことのなかった竹内栖鳳の「象」の屏風がでていたのだが、つい見逃してしまった。仕方が無いのでパンフレットを手に入れておく。

『江戸奇品解題』について

 私の住む町内のあるお宅の庭には斑入葉の木がいくつも植えられてある。柾木の黄覆輪、白・桃の入った絞り葉の楓などなど。また別のお宅には白絞りの紫陽花があり、ともに華やかな雰囲気をかもしている。
 このような斑入り植物に関心を寄せるの人がまだ日本にはいるのだ。これは日本独特の美意識であるらしく、外国にはほとんどこのような嗜好はないという。
 かって『草木奇品家雅見』の復刻版が出た時、欲しかったが手が出なかった。

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 それが今回、浜崎大著『江戸奇品解題』(幻冬舎ルネッサンス刊)によって、長年の斑入り植物への想いが癒されることになった。斑入り植物のあり様、その歴史などが『草木奇品家雅見』『草木錦葉集』『金生樹譜別禄』の三書の解題という形で紹介されている。みんなに待たれていた内容だったのであろう、初版が出てすぐに第2刷が発行されている。
 本来なら上記三書が手近にあればいいのだが、それが難しい状態が続いていた。ところがこの三書をネットで検索してみると、何と「国立国会図書館デジタル資料」で見る事が出来るようになっている。といって自在に読みこなせないので、この「奇品解題」の存在価値は大きい。
 さてこの書の中で私の気になった点を述べておきたい。
 鉢植は奇品への愛好が始まってから生まれたものというのだが、桜草については、貝原益軒『花譜・巻之中三月・桜草』に以下のように記されてある。
   「盆に植えて寒日は屋下におくべし」と。
17C.末には桜草は鉢植で作られていた事が分っている。
  鉢が作られなかった時代、まずは手近な日常雑器が鉢の代用として用いられた。それが「孫飯桶」であった。どうしてこれが使われるようになったのか。著者は「高麗茶碗が千利休の審美眼によって茶道具に仕立てられたように、日常雑器に無作為の美を見出してあえて貴重な奇品の植木鉢に用いたのではないだろうか」と述べている。しかし「孫飯桶」にそんな価値を見出したのだろうか。高麗茶碗はその造形の面白さ(ただし不完全な焼成の故)はあったものの、粗末な雑器ゆえに日本にもたらされた数の少なさが希少性を生んだと考えられる。これが何万個と輸入されていればまた話は違っていたのではないか。
 植物を植えて持ち運び易い大きさと言えば、径が四〜六寸ほどで径より少し深めの器が望まれる。「孫飯桶」はちょうどそれにあてはまっている。それに他に鉢になりそうなものが見当たらない。それに桜草の栽培育種では瞬くうちに百・二百の品種が出来てしまい、これらは鉢植でないと品種管理は出来ない。たくさんの鉢が必要となる、といって専用鉢を作る程需要は多くはなかった。江戸の地ではせいぜい百人程の栽培者しかいなかったのである。
 さらに「孫飯桶」は塩・味噌・梅干し等を入れる陶器であったので、内外ともに釉が掛けられていて戸外で使ってもある程度の寒暖にも耐えられると判断されたたのであろう。そういう器である「孫飯桶」が近くにあったことが、利用された理由と考えられる。
 現代でも関東では「孫飯桶」を模した深谷鉢が作られているが、すでに底には穴が開けられて入るものの、内側はなお全面釉がかけられている。
 江戸時代末期、江戸の地より尾張や上方の方が栽培は盛んであったようであるが、幕府の崩壊とともに消滅して栽培の事情は全く解らない。ただ上方でも桜草栽培が復活するのだが、朝顔栽培者が桜草を栽培したらしく、共通して香炉鉢が好んで使われるようになった。
 もう一つ気になったことがある。鉢の口の所に「つば」があるものがある。これが植えられた植物に対する「額縁」の役目を果たしているとされている。この「つば」は中国の鉢にも古くからついているもので、これは単に持ち運びに便利として付けられているのではなかろうか。
 

ムシャリンドウ

 私の住まいの近くの中山道六十六番目の武佐宿がある。かっての宿場の様子が少し残っている。
 ここに武佐の名をとった「ムシャリンドウ」と言う草花がある。いま町おこしの一環として栽培・展示・普及がはかられつつある。「ムシャリンドウ」は紫蘇科の多年草。
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 町のあちこちに五段の雛壇が設えられている。  

初夏の役員会

 堺市博物館に寄り道してから、事務局宅に向かう。
 私と事務局の外四名の参加であった。

 私からの報告
   _饂鑛埆弧い世覆蕕此
   ∨槐の桜草の出来
      芽の出来は好悪相半ばする
      生育はよくなく4芽揃えでの開花は少なく、雛壇飾りは不合格
      元肥過多にしてしまう
      有機系の用土素材は1割で十分
   4愿貂草紀行の報告 *私のブログ参照
      それにしても各地の展示場の様子がネットではあまり紹介されないの
      はどうしてだろうか。

 あたらしい花の動向
   今年は八重系が八重に咲かないものが多かったようである。
   四倍体がたくさん紹介されているが、なかなかに作り難い。

 本の紹介
   『浮世絵でめぐる江戸の花』 誠文堂新光社 2500円+税
   『江戸奇品解題』 幻冬舎ルネッサンス 1800円+税
      草木奇品家雅見 草木錦葉集 金生樹譜別禄の紹介が中心

 このあと各人との意見交換。

堺市博物館ー籔内佐斗司展

 籔内佐斗司氏は、平城遷都1300年祭で「せんとくん」をデザインした彫刻家として知られる。このキャラクター、最初は猛反発もあったが、騒動の中で人気を獲得してしまい、今では奈良を代表するものとなってしまった。
 この籔内氏の作品には早くに出会っている。北陸へのドライブ途中、塗り物の展示場に童子・犬・小動物などなどが置かれていた。「いいなあ」と思ったがかなりの値がついていた事を覚えている。その後はあちこちで作品にであっている。
 この籔内氏は大阪は堺市で生まれ育った。その縁でここでの作品展が実現したようである。
 今日はその籔内氏による講演もあるのだが、残念ながら桜草の役員会と重なって聴講をあきらめる。

  『 籔 内 佐 斗 司 展 』

      ー や ま と ぢ か ら ー

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 会場入り口では「せんとくん」や「鹿坊」が迎えてくれる。

[1部 こころとからだ]
 多くの童子がある。多くは檜材に漆で色付けされたもの。全てに共通するのはそのドングリマナコ、つぶらな可愛さとともに、どこか妖しい光を発している。人によっては気色悪いと思わしめる雰囲気をたたえる。肌はざらっとした仕上げ。
 「小雷公虹をつかむ」「ばど坊主」「走る童子」「鰻登り童子」
 「天神祭童子」……

[2部 平成伎楽団]
 伎楽面の復元を通して、面のみ伝わり楽としての内実の失われた事をおしみ、奈良遷都の祭を機会に、その現代での復活が企図された。籔内氏がプロデュースされるいくつかの妓楽団が今活動中である。その仮面などが展示される。
 「九尾の狐ー白狐隊」「魔王」………
      *ここだけは写真可

 〈東日本大震災にかかわって〉
  「みちのく福興し童子」「和顔施合掌地蔵」「地鎮め童子」…
  「(仮面)あ・い・う・え・お」は震災を受けて無事だった。 

 〈初期の作品〉
  「あ・1979」…異形の裸婦像
  「おんなの鎧」

[3部 伝世古]
 籔内氏は東京藝術大学大学院文化財保存学保存修復彫刻研究室を主宰されている。そこでの大学院生の研究の成果が展示される。
 「伎楽面の復元模刻」「広目天立像模刻」「観世音菩薩立像修復」……
 なお院生の活動状況がVTRで放映されていた。
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