日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2014年01月

八日市文化芸術会舘−山田良定彫刻展

 東近江市では地元所縁の芸術家の企画展が行われている。昨年の「野村文擧」に続いて、今回は彫刻である。
 山田良定氏は五個荘出身で、長く滋賀大学で教鞭をとられていた彫刻家である。また近江八幡市白王町の専念寺の住職も務められた。主に日展を舞台に活躍され、日展出品作「開幕の刻」で第55回日本芸術院賞を受けられた。
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彦根城博物館ー湖東焼

    テーマ展『湖東焼ー鳴鳳と赤絵金彩ー』

 湖東焼は幕末の短期間に藩窯として華やかな活動をしてのち、井伊直弼の死後しばらくして民間に払い下げられ短い命を終える。この間各地から有能な技術者が招聘され、高い品質の焼物が作られた。
 今回はなかでも著名な絵付師の「鳴鳳」の作を中心とした展覧である。
 湖東焼は多様な技法が見られるが、其の代表例が赤絵金彩の絵付けである。これは九谷の赤絵と関係あるのだろうか。
 鳴鳳−円文散硯屏       同−紗綾文燭台   同−龍鳳凰文酒杯
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 弥平(鳴鳳)−捻文鉢      同−遊鶏図太鼓胴形蓋置     鳴鳳−花卉図鉢
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 赤絵の優品を代表する作者が「鳴鳳」なのだが、優品を作ったが故にそれが藩主の井伊家の納まり、東京の本家にあったため、関東大震災にあって多くのものが被災したという。それでもその輝きは失われない。 
 柳翡翠図建水  芦雁図水指
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 幸斎−飲中八仙図馬上杯    床山−群仙図酒器        赤水−唐人物図鉢
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[平常展]
 今月の逸品『阿瘤尉』江戸時代
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〈能装束〉
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〈湖東焼〉
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〈生け花〉
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新春記念講演会ー真宗仏堂

 毎年恒例、琵琶湖文化館友の会の「新春のつどい記念講演会」が開かれた。私は会員ではないが、公開された講演会なので、毎年のように参加させてもらっている。
 講師の村田さんは、長らく滋賀県の文化財保護課に勤められて寺社建築などの修理・修復に携わってこられ、退職されてからも建築事務所を構えられて全国の古建築の修復に力を注がれている方である。
 
   『 近 江 の 真 宗 仏 堂 』

              OFFICE萬瑠夢 村田信夫氏

 滋賀にはたくさんの寺社がある。天台系の延暦寺、三井寺。真言系の石山寺。浄土系、時宗系、そしてたくさんの真宗系寺院がある。
 真宗寺院は全国に約2万寺あるが、そのうちの1500寺が滋賀にある。京都から北陸への道筋に当たって多くの寺院が生まれていった。なかでも江戸初期に建てられて現在重要文化財に指定されている寺院がいくつも知られている。
 最古の真宗寺院は照蓮寺本堂である。真宗の寺は最初から仏を祀る寺として建てられたというより、信仰者の集まりである道場が発展拡大したものなので、ここでも柱は角柱が使われ、仏間との間は襖で仕切られてあるという。
 木之本の西徳寺本堂(重要文化財)は何度も修改が繰り返されたが、近年の改修で建築当初の姿に戻されたという。本堂内陣には阿弥陀様・親鸞画像・蓮如画像が並べられていたのだが、阿弥陀様のために須弥壇が新たに前に設けられ、裏からも僧侶が出入り出来るようになる。さらに内外陣を分ける境の上には豪華な彫欄間が掲げられ、柱にも漆が塗られる。これらは京都の本山の本堂を真似て荘厳が進んだためと言われる。西徳寺ではこの漆も(信徒による作業で)はがされて、当初の簡素なたたずまいが復活したのであった。
 その他、大津別院、大通寺、五村別院、八幡別院、錦織寺、弘誓寺などが説明された。

 大変面白い講演であったが、こちらは建築の専門家でないので、少し専門用語にわからない点があったのが残念であった。

 

愛用の碗皿 

 焼物の器には二つの要素がある。
 一つは器の顔というべき絵柄、もう一つは器本体の質ー器の姿・形と素材である。
 今まで紹介してきたのはどちらかといえば絵柄の良さが気に入っている器である。それに対して別の面で好きなのが、横浜の大倉陶園の碗皿である。ここのものはどちらかといえば洋食器を主に作っているので、器本体のよさが光っている。

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これは小学館が発行している雑誌『サライ』で、購入者を募って製作された「シルクロード」5客組の碗皿であるー毎月絵柄の違うものが頒布された。
 どれほどのセットが出たのかは知らないが、量産品で、絵はプリントされたもの。淡い藍がのる。
 私のところには、大倉陶園の市販品である「ブルーローズ」のモーニングカップもあり毎朝使っている。DSCF3220

 ここの器は器形が整っていて、ごく薄く軽い。また素地が真っ白に輝いている。焼成温度が1460°と高く、指で弾けば金属音がするほどである。焼物ではないような感覚にさせる。
 ただ西洋の好みなのか、口縁に金が巻かれてある。何十何百回と洗えば金は剥げる。そうなればお払い箱にするのであろうか。

愛用の碗皿 

 次に紹介するのは京都「京泉」製の碗皿である。この会社は今はない。1万も2万もする碗皿を使う人が減ったのか経営が行き詰まったらしい。

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 実に繊細な手書きの絵で、なかでも「桜」、「千本桔梗」は抜きん出ている。碗皿には世界には超高級なものがいくつもあるがーマイセンの「千一夜シリーズ」など、それらに匹敵するのではないかと思っている。しかも値段は1/10ほどで。絵柄もさることながら、器そのものの質も高い。       

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 この碗皿は滋賀は湖西の堅田にある小川コーヒー店で購入したものである。ここの二階に100以上もの「京泉」の碗皿を並べたショウケースがあった。ディスプレイとして設えられたものである。碗皿は一部プレミアムなコーヒーにも使われていた。
 この器を気に入ったので店員にいくらかと問うと、何と仕入表を持ってきた。こういういつ売れるかわからない商品は、仕入れの3倍強の値段がつけられるようであった。だから値引き販売といって1割引や2割引でも何と言うことはないのである。
 そしてたまによるこの店で一つまた一つと買っていった。そのうち「京泉」がつぶれたというので売らなくなってしまった。全絵柄を手に入れたかったのだが叶わぬ夢となった。
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「椿」絵のものは堅田にもあったのだが、山科の清水団地での焼物祭で見つけたもの。染付けの超絶技巧で、こんなに細い線を描ける匠はもういないのではないだろうか。
 京焼の質は実に高い。

愛用の碗皿 

 ここにある碗皿も件の草津の店に出ていたものである。手頃な値段だったので絵柄の違うもの六つ購入した。有田の岡部美智子さん・けいこう窯の作品である。

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 この描かれた野草の姿は実に伸び伸びとした筆致で、上等な水墨画を見るような心地にさせる。少し重いのが難点。五寸皿や小判皿も出ていたので手に入れた。
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 この数年後に北九州に旅したとき、岡部さんに会いたくて工房を訪ねてみた。彼女は髪のセットの最中で手を離せず、私は迷惑この上ない訪問者となってしまった。この人に桜草を絵付けしてもらいたかったのだが……

愛用の碗皿 

 私はおしゃれには縁遠い存在だが、おしゃれをしている人を見るのは楽しい。そこで「おしゃれ」とは。例えば男の服のおしゃれでは、背広・ワイシャツ・ネクタイ・靴・靴下などの調和である。そして一般的に一番高価と思われる背広のレベルに合わせるのが無難である。良い背広なのに一着千円のワイシャツでは合わない。ところが並の背広であっても、よいワイシャツを身につけると全体の品格も上がるし、着心地もよい。
 雨の日の傘も同じ、隆とした身なりの紳士が1本5百円ほどのコンビニの透明傘をさしてはバランスがとれない。服装に見合ったそれなりの傘を持つべきであろうと思うのだが、良い傘が売れなくなっているという。一万円ほど出せばそれなりのものがある、いいものを持てば雨の日でも心楽しいし、大事にする。私には10年以上使っている長傘が2本あり、愛着もあるので、置き忘れでもしょうものなら目の色変えて捜すこととなる。
 これが私の「こだわり」論なのである。生活の彩りとして、いいものをちょっと長く楽しむ。
 そこで、私がいま使っている碗皿をここで紹介する。超高級品ではないけれどそれなりの見事な絵付けがなされている。これは京焼で、銘は「紀祥」とあり、女性の作家さんという。これを買ったのは草津駅前のホテルの一画で趣味の器を商っていた店から購入したものである。かなり高価で手が出なかったのだが店じまいされるというので、大幅割引で安く売ってもらった品である。同じくこの人の五寸皿5枚組もこの折りに手に入れた。この「紀祥」さんをどなたかご存知ないであろうか。
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桜草蒔絵の棗

 近江は日野のお祭にいったおり、自作の漆芸品を展示されていた坂根龍我さんと知り合った。そこで美しい螺鈿の棗に出会い、お茶の嗜みもないのについ買ってしまった。その後、桜草を描いた棗を欲しいと思っていたので彼に製作を依頼、花の頃我が家に花を見にきてもらって意匠はお任せする。
 多様な技法が使われているが、特に蓋裏は「月下の桜草」として、黒地に黒で桜草が盛り上げて描かれている。

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  桜草蒔絵平棗 銘 『 揺 遊 』
  坂根龍我作 (近江彦根在)  

    *「浪華さくらそう会誌四十七号」にも写真掲載。

滋賀県立安土城考古博物館ー琵琶湖文化館作品展示

 滋賀県立安土城考古博物館では特別企画『文化財の達人たち』が行われている。
そのかたわら、常設展示の一部を借りて、休館中の琵琶湖文化館の作品を展示する試みがなされている。その後半である。

  琵琶湖文化館秘蔵品で味わう
   
    『 茶 を 魅 る 』

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 今回の出展物の中で普段他でななかなか見られない「揉み紙」による風呂先屏風が出ている。
 解説に言う。
 「茶の湯の中で育まれたものに揉み紙があります。揉み紙は、金箔押し・型押し・型紙押し・ 
  砂子振り・泥引き・雲母引き・切箔押しなどの唐紙の技法の一つです。和紙に具を塗布して手で揉
  んで、紙の表面に揉み皺を付けます。唐紙の中でも顔料を引いた素朴な趣の揉み紙は茶人達に愛好
  され、茶席では掛物や風呂先屏風などに用いられました。ここでは故松田喜代次氏の作品をご紹介
  します。氏は昭和39年(1964)に滋賀県無形文化財「揉み紙」の技術保持者として認定されまし
  た。氏は伝統的な揉み紙の技術を受け継いだ最後の技術者と言われています」

輪島塗ー桜草の漆画

 十数年前北陸に旅行に行ったおりに見つけたもの。輪島塗の小さな額絵である。
 松井義明作。葉と茎は沈金で、赤と緑は色を置いてある。
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