日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2015年03月

中国春蘭ー老十円

 庭の片隅に放り出してあった蘭鉢に花が咲いている。中国春蘭の「老十円」であった。

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 かつて香りのある中国春蘭に魅せられて、いっとき夢中になったことがある。しかし私の手にあわなかったのか作落ちさせ、いつしか枯れてなくなった。
 中国春蘭は、花色は地味な翡翠色だが、その花型は完成されていて、古い「宋梅」という品種が今でも最高位にある。中国で新しい春蘭が次々発表されているが、これを越えるものはない。
 私は一華よりもどちらかといえば一茎九華の方を好んだ。その豪華な花容、特に「程梅」は王者の風格がある。しかしこれも枯らせてしまった。
 中国春蘭は新しい展開は望めない、これ以上手を加えられない姿であり、これを維持するしかない。
 ところで韓流の現代ドラマでは、上流階層のお家では蘭が飾られ、しかも演者が葉のほこりを払う場面を見ることがある。よほど流行しているようである。
 私ももう一度蘭に挑戦してみたいのだが、良い花に出会うためには、、あと10年の年月を必要とする。もう無理なようである。

『なにわ町人学者』

 さきに中村長次郎氏の事蹟に関する雑誌記事を紹介した。その記事のなかで、その内容のもとになった『なにわ町人学者』という本が言及されていた。そこでネットでその本を探したところ、売られていたので即購入した。
 市井の埋もれてしまいがちな一芸に秀でた人物を新聞記事にし、それを本にしたものである。本にしたからと行って、彼らが人々の記憶に残るとは限らないのだが、私のような物好きの興味に答えてくれるのは有り難い。
 それでも中村長次郎氏の業績が次第に風化していくのは避けられないことだろう。ということは私の存在も消えてしまう運命にあることを自覚させられる。寂しいけれど数十億人のなかの一人ではいたしかたもなし。
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まだ植替中

 芽がかなり成長しているのだがなお植替えが続く。鉢なかでは毛根が成長しているが、ツブツブの柔らかい土をほぐせば、それほど根を傷めずに芽を取り出せる。それを素早く植える。と植傷みはあまり見られない。危うい綱渡り中。

 大きくなった芽      鉢開け          土捌き          芽揃え
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 芽の配置         土入れ          仕立鉢と養成鉢      植替えたばかりの鉢
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この時期に雪が…

 このところ寒波の襲来で冷え込んでいたが、やはり例年通り3月下旬に雪が降る。

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 日が昇ると一瞬で溶けてしまったが。

立枯れ病の広がり

 芽が伸びているのだが植替えを続けている。
 毎年のことだが、植替えたあとに一部の芽が葉が2〜3センチ伸びてから萎れてしまうことがある。それは植替で芽の調整をする時、根茎に傷をつけてそこから菌が侵入して病状が出ると思っていたのだが、どうもそうとも言えない事態に遭遇した。

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 外見上芽が元気に伸びているように見えるのだが、土のなかの根茎が腐り始めているものが散見するようになった。理由がしかとは判らないが、普段より雨が多いなか、根腐れ線虫によって腐った不定根に腐敗菌が取り付き、根茎までその害が及んだのかもしれない。
 水捌けの良い培養土を心掛けているのだが、そんな鉢に限って細かい土で植えている。

中村長次郎氏の業績紹介記事

 横浜在の園芸研究家椎野昌宏氏が、改良園で出ている通販誌「園芸世界」に、「園芸史雑話」を連載されているが、その四月号にとして中村長次郎氏が取り上げられた。浪華さくらそう会関連の資料を私が提供したことで、その雑誌が送られてきた。二頁という限られたスペースに納めるには、中村さんは巨人であり過ぎたようである。
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 中村さんの前半生は朝顔に、後半は桜草の栽培に捧げられた。特に朝顔の研究では、昭和31年日本で開催された国際遺伝学会議のシンポジウムでの朝顔展示に大きく貢献された。そしてそれらの集大成としての二書を編まれている。
 朝顔の栽培には広い土地と粘り強い努力が必要なのだが、初老に入るにつれ栽培の楽な桜草に比重を移されていった。ただ朝顔で培われた知見が桜草でも生かされ、ジベレリンによる取蒔き法を紹介されて実生の普及に資された。そして自身も多くの新花を生みだされたが、なかでも「天女」は3倍体が実生によって生まれることを実証された初めての品種となったのである。
 中村さんは私にとって雲の上のような存在で、年も少し離れていた関係で、親しく話をすることも憚られた。そんな若造の私の新花にたいして、中村さんが「ガーデンライフ」で言及してくれられたことを思い出す。今の私なら中村さんと桜草談義をかわせるのにと思ってしまう。
 とにかく中村さんの業績を要領よくまとめた文章で、中村さんの存在を知らしめるに重要な文献となるだろう。
 *ただ私の提供した資料が間違っていて、それを使われてしまった。ここに訂正をお願いします。
   浪華さくらそう会の再建は、昭和34年(1959)⇨昭和30年(1955)です。

今年の初花開く

 今なお植替えに追われているが、ふとポットの方に目をやると桜草が咲いているではないか。手入れもせず放置したままなのだが、けなげにも花をつけている。
             普通の鉢の芽の状態はこんなもの
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 昼過ぎ、事務局の廣田友重夫妻が展示会用のポット苗を取りにきてくれる。
7バット(7×9)渡すが、多分花は間に合わないだろう。廣田邸での展示にでも使ってもらえばいいだろう。

国立国際美術館ーフィオナ・タン

 暖かい晴れの日で本当は作業をしたかったのだが、よんどころない事情で外出する。行き先を京都にするか大阪にするか迷ったが、久し振りに梅田に出ることに。
 まずは阪急百貨店での文具の催しをのぞく。万年筆関連の展示があると思ったのだが、残念ながら期待はずれですぐ退散。
 もう昼なので、「ザ・パーティ」でカキフライのバイキングに挑戦。今期の食べ納めと思うのでしっかり千円分いただく。カキフライは、口を動かしている間はいくらでも食べられるのだが、あとでお腹に「ドカン」とくる。
 腹ごなしに歩きながら国際美術館に向かう。

     『フィオナ・タン まなざしの詩学』*この下線をクリック

 フィオナ・タンは中国系インドネシア人の父とオーストラリア人の母との間に生まれる。反中暴動にあって、オーストラリアで育ち、のちオランダ(インドネシアの旧宗主国)で学び今そこに住む。
 彼女は映像作家である。作り物の劇映画でも記録映画でもなく、ドキュメンタリーに基づきながら自己の思いを表現する。
 ただ大半の作品は音声がなく映像だけなので、何を意図しているのか判らずもどかしい。音の情報量の大きさに思い至る。
 このような映像作品は見て楽しむといった性質ではないので、一部の美術館に入る以外に、美術品のように個人に収集されることはないだろう。しかしこれらも商品として売買の対象なのであろう。
〈リフト〉赤ん坊が風船(ヘリウムガス)によって浮かび上がる様子をとらえる。
〈ライズアンドフォール〉二つの画面を利用、海面の寄せくる波、そして若い女性
      と初老の女性の姿が対照的に映される。
〈ディスオリエント〉マルコポーロの「東方見聞録」に記される地域の朗読に現代
      のその地の姿が添えられる。残念ながら豊かな社会を現出していると
      ころは少ない。
〈興味深い時代を生きますように〉フィオナ・タンが親族を尋ねる旅をドキュメン
      タリーで。タン潭一族が暮らす中国の辺境地域に、しかしそこは別世 
      界。

【コレクション展掘
  日本の抽象絵画
   石川順恵、津上みゆき、岸本吉弘ら……色の響宴
  その他言葉で紹介するのは困難なので省略。

仕立鉢の補植

 四月中旬のぽかぽか陽気となる。新芽が一気に伸びてきている。植替えが一向に進まずあせるばかり。
 順調に四芽が揃って伸びているもの。
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 故障をおこして二芽しか葉が出ていない鉢。掘り起こしてみると新芽が腐っていた。
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 そこで予備のポットから芽を取り出して補植する。
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美術館「えき」KYOTOー東山魁夷

 法事が京都であり、西本願寺さんでお務めをしたあと、仕上げの食事に少し時間があったので、えきの美術館へ。

     『 東山魁夷 わが愛しのコレクション展 』

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 私は今日の日本画の厚塗りをあまり好まない。日本画と言いながら油絵とほとんど変わらない描き方に疑問を持っている。というので東山魁夷や平山郁夫は敬遠しているのだが、とりあえずは拝見することにする。

【古美術コレクション】
  楽弘入「赤楽梅の絵茶碗」…絵は安田靫彦。
  イビス(トキの置物…古代エジプト)
  仏頭(ガンダーラ仏)…中村岳陵旧蔵
  官人立像(漢代の俑)…梅原龍三郎旧蔵
  板谷波山・香炉
  富岡鉄斎・茶旗
     「瑞竹魁」「為竹亭雅伯 鉄斎外史 書時年八十又七」とある。
  茶碗 加藤唐九郎、楠部弥弌、荒川豊蔵
  鏑木清方「寒風」 
  ルオー「小さな風景」 
  ロダン「海辺にて」
  梅原龍三郎「桜島」
  安井曾太郎「早春風景」
  ガレ「茶入れ」
  伝良寛「書」 
  村上華岳「寒渚枯柳図」
  富岡鉄斎「墨梅図」晩節幽芳

【魁夷の作品】
  「助六での揚巻衣装(6代目歌右衛門所用)
  「ドイツ留学中のスケッチ…スエズ紀行」
  「花 其三」…西洋画風
  「緑影」
    など。 
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