日本の桜草と美術

桜草の栽培と美術鑑賞

2018年06月

京都国立近代美術館ー大観展

   京都国立近代美術館

       生誕150年 『 横 山 大 観 展 』

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 記念の年ということで東京と京都で大規模な回顧展が催されている。早く行かねばと思っていたのだが、知人から招待券をいただいたので、前期の終わる間際に間に合った。
 入場者が多いと聞いていたので、泉屋博古館のあと午后に出向くと、梅雨の曇り空で、意外とスムーズに入場出来た。会場内も混雑しているというほどでもなかった。

 [第1章 「明治」の大観]
  「村童観猿翁」…美術学校の卒業制作
  「瀑布」…琳派そのもの

 [第2章 「大正」の大観]
  「山茶花と栗鼠」…栗鼠が山茶花の実を食べている。青い実として描かれているが如何。
  「洛中洛外雨十題」…雨の風情や良し
  「瀟湘八景」…日本の風景としての「八景図」

 [第3章 「昭和」の大観]
  「夕顔」…ゆったりした花とその背景の繊細な竹の対比   
  「飛泉」…思い切った構図
  「夜桜」…これの琳派そのもの
  「海に因む十題」「山に因む十題」
  「或る日の太平洋」

 *皇室に納められた巨大な「屏風朝暘◯◯」を拝見したかったが、それはなし。
 *人物の姿形が何となく笑いを誘う。
 *戦争協力も、画題が「富士」など直接戦争と関連がなかったので追求されることは少なかったよ
  うである。それに較べ藤田嗣治など戦場そのものを描いたので、戦争協力者のレッテルを貼られ
  てしまい、それが日本脱出へと繋がったといわれている。
 *彼の生活を支えた「富士の図」は余程たくさん描かれたのであろうが、あまり来ていない。
 *私にはどうしても竹内栖鳳と比較してしまうくせがある。そして京都に軍配を挙げる。

泉屋博古館ー筆ぐせ腕くらべ

 梅雨の京都は観光客もまばら、バスも待つことなし。若い女性の着物姿も夏の装い。ばすは平安神宮を過ぎると乗客もまばら。

  泉屋博古館 住友コレクション近代日本画

     『 絵 描 き の 筆 ぐ せ 腕 く ら べ 』

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 さまざまの近代日本画家の描き方の違いを比較しようという企画。こんなことが出来るのは多様な作品のコレクションがあるからであろう。ほかでは京都市立美術館でも可能かもしれない。
 
[第一章 「日本画」前夜が面白いー幕末明治の筆ネイティヴ]
  日本画という範籌ができる前は、四条派・岸派といった区分であった。それが派を超えた個人の
  絵として展開していく。
 
  菊池容斎「桜図」…巨大な桜だけの構図は近代の先取りか。
  中村耕石「桃花流水図」…中国人も同じような山水を描くが、日本の方が展開が早い。

[第二章 大阪画壇 古くて新しい筆ぐせの発明]
  そもそも「大阪画壇」なるものの存在を私は不明にし知らなかった。だから知らない画家の名前
  ばかり。
  姫島竹外「竹溪暁齋図」…雨にけぶる竹林や良し。それに較べ。中国は奚岡の「修竹遠山図」は
              やはり前近代的。
  深田直城「春秋花鳥の図」…八重桜の葉は、織田瑟瑟の桜に似る。
  上島鳳山「六月青簾(十二ヶ月美人)」…この九頭身は上村松園や北野恒富と同様。
  山田秋坪「柘榴花白鸚鵡図」…まことに濃密な色合い。

[第三章 京都画壇ー古法と新法の衝突と融合]
  富岡鉄斎「古柯頑石図」…何もかも突き抜けた存在性

[第四章 東京画壇 筆ぐせをなくせ]
  山口蓬春「如月」
  小林古径「人形」
  東山魁夷「スオミ」…塗重ね描法のはじまり
  尾竹国観「黄石公張良の図」…足の裏を描いた最初か。


  *近くのカフェで軽い昼食

滋賀の文化財講座ー打出のコヅチ

 平成30年度の滋賀の文化財講座、「花湖さんの打出のコヅチ」が始まった。
 「打出のコヅチ」の前に「花湖さんの」が冠せられことになった。これは、雄琴温泉の旅館「びわこ花街道」の名を使うことで何がしの見返りを貰うということのようである。

     第1回 日野馬見岡綿向神社の巨大絵馬

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 この主題は、昨年の県指定文化財を受けたことを記念してのものである。

   絵馬の名前…馬見岡綿向神社祭礼渡御図絵馬
   法量…縦206センチ 横422センチ
   製作年代…江戸後期 文化九年奉納
   絵師…谷田輔長(高田敬輔の外孫)
   奉納…日野商人中井家

 製作・奉納の経緯…日野町一帯は宝暦の大火で地域の半分が焼失してしまう。その復興のなかで、綿向神社の整備も進められた。その折、町興しの一環として日野のお祭が取り上げられ、その由緒を絵馬に描き残そう考えられたものであったという。曳山の屋台もこの頃に建てられたようである。
 ここで特別ゲストとして綿向神社の宮司さん登場…200年前に描かれ奉納されてから一度も下ろされたこともない。宮司さんが子どもの頃(50年ほど前)には剥落も少なく、足の指の爪まで見えていたという。

 後日、家人を誘って実物の絵馬にあいに日野まで出かける。小雨が降っていたので、境内は誰もいず、深遠としたたたずまいを見せていた。以下はその時の写真である。
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 〈絵馬堂〉          他の絵馬
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 どの神社の絵馬もそうであるが、雨数に打たれないまでも、外気に曝されたままでは傷んでしまう。早晩このままでは絵具が剥がれて何が描かれているかわからなくなってしまうだろう。早く手を打つ必要がある。

るーぶる愛知川ー組子細工

 六月は伝統工芸の「組子細工」の展示である。
 東近江在の組子細工師の溝上昇寿氏の作品が並ぶ。小さく揃えられた木片の色や組み方を変え、絵画的に表現されている。
 こんな手間ひまかける仕事をする人が全国にたくさんいて、技を競い合っているという。ただこれからどう展開するか予断は許さないようである。

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実生ー芽切れ

 種蒔きしてのち、はや芽切れが始まった。

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   *写真をクイックして拡大して見られたし

桜草の播種

 桜草の種蒔きを行う。
 一つの品種の種子を大量に蒔くわけではないので、蒔き床は「フードパック」を使う。用土はサカタの「スーパーミックスA」で、5ミリの篩いを通したものをパックに入れ、如雨露で十分水を吸わせておく。
 ジベレリン溶液に浸漬していた種子は濡れて取扱いにくいので、トイレットペイパーかキッチンタオルで水気をとる。それを谷折にした葉書に乗せ、紙の端を弾きながら種子を均等に落としていく。
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その後霧吹きで湿らせて、パックの蓋を閉めて、陽のあたらないところに置く。

今年も桜草の種蒔き

 見果てぬ夢を追って今年も実生に取り組む。昨年の実生は苗の育成に失敗し、めぼしい花はなかった。
 数日前から桜草の種取りを行っていた。約20数品種の種が集まる。我家の実生品のさらにその種子と、銘品からもいくつか選んである。
 種子は夾雑物を除いたあと、アルミカップに入れ、そこにジベレリン溶液を注いで一昼夜置く。

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雑誌「望星」ー植物名には漢字併記を!

 近年の出版界の偉業と言えば、奥本大三郎訳の『完訳ファーブル昆虫記』(集英社)であろう。『昆虫記』の翻訳で定番といえば岩波文庫版であり、私も手元にあるが、これはなかなかに手強く読み辛い。それが今回の奥本版は誠に読み易く日本語として筋が通っている。なかでも私が最も感心したのは〈標準和名への理解が深まると思われるものには漢名を付した〉と凡例にあることである。
  サメハダオサムシ=鮫肌歩行虫  ウシエンマコガネ=牛焔魔黄金(虫)
のように、漢字によってその言葉の意味が想像出来るのである。標準和名の元が漢字であるので、その意味を尋ねるとすれば漢名に行き着くのは必然なのだ。
 さらに奥本版では常用漢字以外にも多くの漢字が使われている。日本文化を継承するためには必要な漢字知識と考えられたのであろう。

 さて近日、雑誌の宣伝記事に目にはいった。「植物名には漢字併記を!」という特集記事である。かねて私も欧米カブレのカタカナ表記を苦々しく思っていたのであった。『望星』という雑誌は東海大学が出している総合誌である。ただあまり名が売れていないので、近くの本屋さんにはなく、梅田の大手の書店でやっと手に入った。
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[阿辻哲次]
 動植物名表記の決まり事
  戦後の漢字制限へ…当用漢字使用で公用文に振仮名禁止、植物名の漢字が使えずー仮名表記
  難しい漢字も読める工夫を
[青木宏一郎]
  植物名は漢字で味わおう…特性や謂れを知るのは漢字がいい
[長野伸江]
  植物名の多様な名付け方による混乱…漢字の誤用と当て字、日本と中国での名実の違い
[川井正雄]
  漢字併記への壁は厚い…カナ表記の長所と短所、柔軟性を持たせては

 我が(和名)サクラソウに対して、「江天鳴鶴」や「標野行」のように品種目は漢字名が使われるのが一般的である。漢字の持つ深い文化的な内実が利用されるのである。これが「コウテンメイカク」や「シメノコウ」では単なる音表記号になってしまう。
 勿論音表化した「サクラソウ」の必要性もわからなくないが、生物学的な取扱いと文化的な取扱いは対立するものではなく、補完し合ものであるべきだろう。
 その点「植物名には漢字併記を!」の記事は、声なき声を代弁したものとして大歓迎である。

 ただ漢字名も大きな問題を抱えていることも事実である。命名の仕方がさまざまで統一性がないことである。
  エビネ=海老根…素直に漢字名を読んだまま  オモト=万年青…なぜオモトなのかわからず

    とにかく「漢字併記」は私も大賛成である!

浪華さくらそう会役員会

 花が終わって一息ついたところで、恒例の役員会が廣田事務局宅で開かれた。

   出席者…廣田、中村、中島、竹岡氏。オブザーバーとして古澤氏

◯今年の桜草の生育状況報告 全般的に花は早く咲いたという。
  ◦例年と変わらず、まあまあの出来であった。
  ◦ここ数年で最悪の出来、葉が大きくならず。
  ◦一昨年が最悪で、今年やや回復。
  ◦大失敗、昨年の夏越しがうまくいかず
  ◦ポット仕立はよい出来だった。
  ◦ここ数年の不出来から回復、小屋掛け花壇も建てる。

◯ネット上での各地の桜草展示の実情を探る

◯増土の別の意義を紹介…山原
  肥土を用いることー成長促進、水やりの軽便。

◯長居の展示場設営につき、来年からは中村・中島氏の協力を得ることに。

◯その他雑談 
  

阿倍野ハルカス美術館ー鈴木春信(再)

    ボストン美術館 浮世絵名品展

         《 鈴 木 春 信 》

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 ペアー券を買ってあったので、堺に行く途中下車して、ハルカス美術館へ。
 天下の「鈴木春信」なのにどうしてこうも観覧者が少ないのだろうか。2回前の展覧会である「ジブリの立体建造物」は押すな押すなの盛況で、私は入場するのを見送ったくらいなのに、この体たらくは腑に落ちない。入場者の数と絵の評価とは比例するわけではないと思うものの、せっかくのアメリカからの里帰りで、あと20年30年は見ること能わないものなのに残念。
 2度目なのでザット鑑賞する。
[Chapter1]
 「絵暦」がこんなにも集められていることに驚く。しかも「明和2年」のものばかりである。なぜこの年に集中しているのか。誰か江戸時代の絵暦コレクターのものが纏めてアメリカに渡ったのであろうか。

 今回の絵は鈴木春信が中心であり、その主なものが日本に来ているのだが、春信作品の大半を網羅しているかと言えばそうでもなさそうである。「まねえもんシリーズ」など見たいと思っていたが一枚来ているだけである。さらに言えば、全ての作品が上作とも限らないことである。世界中の春信作品の上作ばかりを集めた展覧会が持たれるといいのだが、無理かな?
 私にとってこれらの作品はもう見ることはできないであろう。
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