せっかく姫路まで来たので、他に寄るところはと思案していると、書写の里で志功展をや

っていた。これ幸いとバスに乗る。

     特別展示 『棟方志功と民藝』

 [第一会場]

 「御七媛図屏風六曲一双」…こだわりのない線描きの淡彩。こんな大きなものは板画では

     難しかろうが、やはり志功とくれば板画にしくはない。

 今回の展覧では地元を中心とした収集家・愛好家の出展によっている。そのためか小品や

書物の類が多い。「心経」柵巻」「大原寿恵子歌集抄」などが並ぶ。


 [第二会場]

 床の間に「大生」の軸が掛る。

 「豊旗山部落図 十四年冬好日志向」…豊旗山の名前に目がいった。私の所から出た日本

     桜草の品種に「豊旗雲」がある。豊旗山の豊旗はどこからとられたのか、気にな

     るところ。ちなみに「豊旗雲」は万葉集からとる。

 「不動尊図」「赤不動」があるが、感心しない。


 [第三会場]

 「釈迦十大弟子、文殊・普賢菩薩像」…棟方志功の代表作をここで見ることが出来る。

 「夢應鯉魚板画柵」…上田秋成『雨月物語』の一編「夢應の鯉魚」を板画にしたもの。

 「薔薇妃の柵」…この会場で最も美しく華やかな女人像。裏彩色されている。

 極初期の雑誌『版芸術』が出ている。棟方志功といえど初期のものは普通である。


 [第四会場]

 民藝運動を荷なった人々の作品が集められてある。

 芹沢圭介の作品が半ばをしめる。全て型絵染

  「十三妹挿絵集」…武田泰淳の『中国忍者伝十三妹』の挿絵。なかなかに異国情緒たっ

     ぷり。橋本関雪の「木蘭詩」を思い起こす。

  「燐票集」…“八雲”という店のものが大半で、一部“割烹御代川赤坂”のもの。

  「裸婦十二選」…8×8センチの小さなもの。

  「絵本どんきほうて」…戦国時代に翻案されたものか。

  「染暦」…華やぎがあって楽しい。しかし型絵染では高くつくだろう。

  『工芸』誌の表紙、書物の装幀が並んでいる。柳宗悦の『美と工芸』『蒐集物語』寿岳

     文章の『日本の紙』その他たくさん。額絵も多い。

 その他、河井寛次郎、富本憲吉、濱田庄司、島岡達三がある。


 この地域で収集されている美術品をこの地の人が鑑賞するにふさわしい場所・物でちょっ

と楽しめる。しかしわざわざ遠くから見に来るのはしんどい。       (6.21)