東京地裁には、民事部だけでも
50近くの部、300近い係があります。
それだけ、沢山の裁判官がいることになります。


そのため、一度ご審理を担当して頂いた裁判官に
別件で再びご審理頂く機会はそう多くはありません。
(もっとも、交通部や労働部などの特別部であれば、
 同じ裁判官に当たることは珍しくありません。)


ところが、先日、とある事件の第1回期日で出廷した際、
裁判官のお顔を拝見した瞬間、ドキッとしました。

私が初めて1人で出廷した事件で当たった裁判官だったのです。


その瞬間、初めて1人で出廷した際のことが脳裏を掛け巡りました。

ガチガチに緊張していて、第1声の「陳述します」が裏返ったこと。

裁判官から訴訟進行について意見を聞かれて、直前に必死に考えた内容を答えたこと。

次回期日の指定の際に、目の前の手帳は白紙のくせに
「通常とおりで」「お請けできます」なんて偉そうに答えたこと。


その裁判官からすれば、私は、無数の事件のうちの
それこそ無数の代理人のうちの1人に過ぎませんが、
私にとっては、その裁判官はまるで追試の試験官のような存在なのです。


しかし、そんな切ないノスタルジーな気分も、
期日が終わって事務所に戻り、依頼者に期日報告のメールを作成中に
担当書記官から進行について確認する電話がありガチャ切りされたことで
やり場のないモヤモヤ感に変わり果てました。