■全てが夢のようにうまくいき、生活水準が上がり続けた時代はもう終わった。もうずっと前に。今となってはもう金がないのだから、日本国民は厳しい選択をしなければいけない。心の底では、私たちは皆このことを知っているのである。だから街頭の人々の憂鬱そうな表情は変わっていないのだ。しかし、だからといって低迷や衰退の危機にあるわけではない。私たちはただ、子供が大人になっていくときの憂鬱さを経験しているだけなのだ。

村上龍