※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスにおいて、過去に寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所もありますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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技術的に難しいだけでなく、自動ブレーキはスピリットとして不要?
トヨタ86、スバルBRZという兄弟車のビッグマイナーチェンジが、それぞれ同時に発表されたわけですが、これほどの大変更にも関わらず先進安全技術については、まったく追加されていないというのは賛否両論の模様です。たしかにドライビングを楽しむためのスポーツカーに「自動ブレーキなどの装備はノイズになる」という見方もあるでしょうし、その反対に「最新のスポーツカーだからこそ、最新テクノロジーを積むべきだ」という意見もまた存在することでしょう。実際、トヨタは『トヨタセーフティセンス』を展開しているところですし、スバルは先進安全技術の代名詞ともいえる『アイサイト』をBRZ以外のモデルにおいては、ほぼ全車で選べるようになっています。

また、スポーツカーとしての楽しみをサーキットやワインディングでの走りに求めている層にとっては、高速道路などの区間はACC(先行車追従型クルーズコントロール)によって、ラクに移動したいというニーズもあるかもしれません。であれば、ビッグマイナーチェンジに、そうした先進安全技術の搭載への期待もあったのでしょう。

そこで、それぞれのエンジニア氏に、先進安全技術の搭載について疑問を投げかけてみると、技術的な困難さとコンセプトとしての不要さという2つのテーマから搭載を見送ったことがわかってきました。

まず、ステレオカメラを使ったスバル独自の『アイサイト』についていえば、ボディ設計時に想定していなかったために、そもそも物理的に現状のユニットでは取り付けできないのだそう。さらに、アイサイトの特徴として目線(カメラ位置)の高さが性能へ影響するので、いまのところBRZの車高では他車と同様の性能が確保できないという面もある模様。では、ミリ波レーダー(赤外線センサー)と単眼カメラを組み合わせる『トヨタセーフティセンス』であれば物理的には装着可能に思えるのですが、今度は違う問題があるのでした。

その話をまとめれば「スポーツカーにふさわしいプリクラッシュセーフティ・システムが確立できていない」ということになります。衝突被害軽減ブレーキやACCといった従来の安全装備にとどまらない、スポーツカーだからこそ求められ、スポーツカーを欲するユーザーが必要と感じるような提案ができなければ、86/BRZの先進安全システムとしてふさわしくないというわけです。逆にいえば、「スポーツカーの先進安全技術とは、どうあるべきか」という問いになります。そこはメーカーが考えることと言いたくなるかもしれませんが、スポーツカー文化を深めるにはユーザーからの要望も欠かせないのだと感じます。

たとえば、「プリクラッシュブレーキが付いているクルマではサーキット走行で前走車に迫っていくと勝手にブレーキがかかってしまい追い抜けない」といった冗談もありますが、逆にいえばセンサーによってぶつからないギリギリを維持しながら、追いかけるアシストも可能かもしれませんし、直線で前車を利用して速度を上げるスリップストリームの最適な距離感を知らせてくれる機能が可能になるかもしれません。

いずれのエンジニア氏もスポーツカーに先進安全技術が不要と言っているわけではありません。現状ではマッチしないという話。ならば日常(公道)では安全装備、非日常(サーキット)ではドライビングアシストになるような先進安全技術が生まれることに期待したいと思うのです。

それはともかく、安全に対する意識が高まっている時代性を考えると、準ミリ波レーダーを使い、高速道路などでの車線変更時に死角にいるクルマなどを知らせるBSM(ブラインドスポットモニター)くらいの安全装備は付けてもよかったのでは?

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精進します。
  




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