荷重はフロントに移動しているが、リアのサスペンションが縮むという表現は物理なのか、感覚なのか


フルブレーキングをするとバイクだろうが、クルマだろうがフロント荷重になってしまうのは物理の基本。オートバイの場合、フロントが大きく沈み込みことで後輪を浮かせたジャックナイフ状態になることも知られているところでしょうか。

 
ところで、ライテク(ライディングテクニック)のコンテンツを見たり読んだりしていると「リアブレーキでリアサスを縮めて姿勢を作る」的な解説にしばしば出会います。ブレーキは前後どちらをかけようが荷重移動については前に移動するわけで、サスペンションやフレームのしなりといった要素を無視すれば、リアブレーキだけをかけたからといってリア軸に荷重がかかるわけではなく、フロント荷重となるのが自動車の物理。なぜ、フロントを使わずにリアブレーキだけをかけるとリアサスが沈み込むのか、少々疑問を覚えたのでありました。
二輪に関しては完全にビギナーレベルでありますのでSNSで諸先輩方の知見を求めるツイートをしたのちに、実際に直進での制動にてどのような挙動(ストローク)をしているのかをすぐさま動画を撮ってチェック。それがこのエントリーに貼っている2つの動画。リアブレーキのみ、前後ブレーキ使用という2種類のフルブレーキング(10km/h程度からですが、タイヤはロックさせる感じ)を見比べてみることで、真実に近づけるのでは?と考えたのでありました。
手元にある「自動車技術ハンドブック」は2005年改訂版なので、下にリンクを貼ったものより情報としては少々古いのですが、リンク式リアサスペンションの基本構造については変わっていないはずです(汗)



2つの動画いずれもブレーキングではリアだけしか使わなかったとしても、フロントが沈み込んでいて、リアサスペンションはほとんどストロークしていないのが見て取れるのでした。フロントの沈み込み自体は前後ブレーキを使用したほうが大きくなっていますが、それは減速Gが大きいのですから当たり前の話。リアブレーキだけでの停止は車両の姿勢が前のめりになっていないので良く見えますが、とにかく制動力が出ていないのというのが乗っていての印象。どちらの動画でもリアタイヤはロックしていますが、それだけ思い切りブレーキングしているわけです。リアサスペンションがどのように動こうとも後輪荷重が抜けているのでロックしやすくなっているともいえましょうか。

 

そして、少なくともこの動画を見ている限り、リアブレーキだけで減速してもリアサスが縮んでいるという印象はないのでした。縮んでいるのであれば停止してブレーキを解除したときにサスペンションユニットがスッと伸び側に動く様子が確認できるはずですので。また、フロントフォークの沈み込みは前後ブレーキ使用時のほうが大きくなっていますが、これもリアが沈んだからではなく、単純に制動力の違いによる減速Gの差が生んでいる挙動だと思うわけです。なにより、リアブレーキだけで減速したからといって、後輪の接地感が増えたという印象はありませんでしたので。もちろん、ライダーの感覚と実際にサスペンションがストロークしているかどうかも、また別問題なので次回はリアサスをクローズアップした映像を撮るなどして、実際の挙動を調べていきたいと思う次第であります、ハイ。

ところで、Twitterでは多くの情報をいただきました。本当に、ありがとうございました。





とはいえ、リアブレーキだけでもフロントフォークが沈みこんでピッチングを起していますから、車体全体としては後輪を持ち上げる方向にあるわけで、そこでサスペンションを縮めてしまったら、ますますリフトするんじゃなかろうか? などとも思ったりもしてしまうのでした。リアブレーキだけを使った減速では、感覚的にリアが浮きづらい姿勢でスピードを落とせるというのは体感できるわけですが…。

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精進します。
  




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