【HKTの】

恒子「来週福岡行くんだって?」

健夜「うん、仕事でね」

恒子「じゃあ、おみやげお願い! ご当地グルメで!」

健夜「しょうがないな……。明太子? とんこつラーメン?」

恒子「うーん、そういうのもいいけど…。ここは渋く、塩でお願い!」

健夜「塩?」

恒子「福岡名物でしょ! 博多の塩!!」

健夜「…………」

恒子「…………」

健夜「…………」

恒子「…………ん?」

健夜「伯方の塩って福岡産じゃないよ」

恒子「またまたー」




【寝言】

穏乃「うーん…うーん…」zzz

憧「シズったら随分寝苦しそう…どうしたのかしら…?」

穏乃「うーん…あこ…」zzz

憧「…うなされてる…? 私のことで…?」

穏乃「あこ…だめ…切っちゃだめ……」

憧(切っちゃだめ……?)

穏乃「……切らないで……それはだめだよぅ……」

憧(……まさか……私があのとき、決勝の大事な場面で振り込んだのを思い出して……?)

穏乃「だめ……あこぉ……」

憧(シズ…そんなに私のこと…)

穏乃「あこぉ……あこぉ……やだぁ……」

憧(悔しいな…… 大好きな人にこんな思いさせて……)グスン

穏乃「ピザ切らないで……切らずに食べたい……」

憧「そっちかい!!」




【おおさかバトル】

千里山vs姫松 定例練習試合

漫「ツモ!3000・6000です!」ドカァン

竜華「……はい」

泉「やられた…」

洋榎「へっへーん、今回はウチらの勝ちやなー」

恭子「……ようやったで、漫ちゃん」

漫「ありがとうございます!」

セーラ「くっ……今日は調子でーへん……」

怜「……そんな日もあるて」



【誰がする】

洋榎「もう終わりかー? 次は誰がすんねんー?」

怜「どないする、フナQ…?」

浩子「仕方ありません……うちの切り札を出すしか……」

セーラ「なんやて……?」

竜華「フナQ、まさかあれを…?」

泉「だ、大丈夫なんですか……?」

洋榎「ほう、なんやー?」

浩子「……お願いします!」

ゾクッ

洋榎「!」

絹恵「!」



【しょっぱい話】

漫「今ものすごい寒気が……?」

洋榎「悪寒がする……」

恭子「いやな感じや…」

浩子「フフフ…。おばちゃん…いや、監督! お願いします!」

雅枝「おう、私の出番か?」

絹恵「えっ…切り札って…」

由子「まさかなのよー…」

漫「これは……」

洋榎「悪寒がする……、オカンが…する!?」

雅枝「座布団没収ならしたるで?」




【高みを目指して】

穏乃「うーん…うーん…」zzz

憧「またか……。今度は何よ……」

穏乃「プロ……続けなくちゃ……。ずっと……」

憧「……プロ? ……それを続ける、って……」

憧「やっぱりシズも麻雀プロを……。戦い続ける道を選ぶんだ……」

憧「…………」

憧「もう…いいのに……。シズが歩みを止めたって、一緒にそばに居るだけで私は……」

穏乃「うーん…うーん…」zzz

憧「私と居るだけじゃ…不満なの…?」

憧「やっぱりそれは、私じゃなくて……。……和や、決勝で打ったあいつらの方向を見てるのかな……」

憧「…………」

憧「私の存在って… シズにとってなんなんだろ…」

穏乃「プロテインは…飲み続けるのが大事…」

憧「そっちかい!!」




【でなおしてきな】

咏「うう…… ひっでー風邪ひいちまったぜぃ……」ゴホゴホ

咏「でも対局は休むわけにいかねー…… プロのつらいとこだねぃ……」ゼェゼェ

監督「何言ってんだ三尋木、お前はもう今日は出さん。無理しないで帰って休め」

咏「バカ言うんじゃねーぜ監督…… 私が出なけりゃロードスターズは……」ハァハァ

監督「いいから休め。お前は今日なんかダメだ」

咏「ちょっと体調崩したくらいで麻雀までダメになるほどヤワじゃねーぜぃ……」ガクガク

監督「いや、ちょっとじゃないだろ。今日のお前は絶対なんかやらかす」

咏「何を根拠に絶対なんて言ってんだぃ監督……」ゲホゲホ

監督「いつものお前の猫、額に池田って書いてあるんだけど?」

咏「うそっ!?」

―早退決定―




【ラン・オカン・ラン】

漫「でも悪寒って、『悪寒が走る』って言い方しませんか?」

恭子「いや、『悪寒がする』も言うで」

由子「どっちもありなのよー」

洋榎「オカンが…走るか…」

恭子(あっ、嫌な予感)

洋榎「よっしゃオカン! 出て来たついでや! ちょっとひとっ走りアンパンと牛乳……」

雅枝「あ゛?」ギロッ

洋榎「……買いに行かせていただきます! 他に何かありますか!」ビシッ

雅枝「鶏さんの揚げたやつ、塩つけて」

洋榎「ラジャー!!」ダダッ

恭子(主将……)

絹恵(弱いなお姉ちゃん……)




【誰も見てないし】

穏乃「うーん…うーん…」zzz

憧「もう騙されないわよ……どうせ食べ物でしょ……」

穏乃「たべたいなぁ……伯方の塩……」

憧「ほーらみなさい、って、塩……?」

憧「とうとうそんなもんまで……調味料以下かい、私は……」

憧「ふんだ、どーせ私より食べ物よね、シズの興味なんて……」

憧「…………」

憧「伯方の塩か……」

憧「…………」

キョロキョロ

憧「…………」ウォッホン

憧「は!か!た!の!しお!」

憧「…………」

憧「…………バカみたい」



【ひとりのときの変なテンション】

憧「どうせ食べるならさ……」

憧「…………」

キョロキョロ

憧「…………」ウォッホン

憧「あ!た!ら!し!あこ!」

憧「…………」

憧「…………なんてね」

憧「我ながらくだらないわ……なによそれ……」

穏乃「そっちも食べたいよ?」

憧「!?」ビビクン

憧「…………」

穏乃「…………」zzz

憧「…………」

憧「寝言……よね……?」



【押韻】

憧「しーずー」

穏乃「…………」zzz

憧「寝てるわよね……」

憧「…………」

キョロキョロ

憧「…………」ウォッホン

憧「た!か!か!も!しず!」

憧「…………」

憧「…………こっちの方が音が近いわね……なんか腹立つわ……」

穏乃「…………」zzz

憧「幸せそうに寝ちゃってもう……私の気も知らないで……」

穏乃「…………」zzz

憧「このーっ、えいっ」ぷにっ

穏乃「んー、んー」




【呼ばれ方】

恒子「これ見たー? 今朝の新聞!」

健夜「?」

恒子「『ロードスターズ三尋木、公式戦を病欠! 監督は「深刻ではない」とコメント』」

健夜「咏ちゃんでもそんなことあるんだね」

恒子「ロードスターズ三尋木……。ロードスターズ三尋木!」

健夜「?」

恒子「なんかかっこいいよね!音の響きが!」

健夜(あ、また何か始まった)



【言いたいだけ】

恒子「こういうのの語感がいいと何か耳に残るよねー」

健夜「よくわかんないけど」

恒子「フランクフルト長谷部、ドルトムント香川、カールスルーエ山田」

健夜「あー、まあ」

恒子「カールスモーキー石井、アーリアジャスール長谷川、サンプラザ中野くんさん」

健夜「ちょっと待って」

恒子「マッシモフィッカデンティ監督」

健夜「もう何でもよくなってるよね?」



【つくばの】

恒子「すこやんはそういうの無いのー?」

健夜「私は別に……」

恒子「すこやんのチーム名って何だっけ?」

健夜「…………プリージングチキンズ」

恒子「?」

健夜「……プリージングチキンズ小鍛治です」

恒子「…………」

健夜「…………」

恒子「…………もうひとつだね」

健夜「…………名前とくっつけるからだよ」



【pleasing:楽しい、気持ちいい、喜びを与える、満足のいく】

恒子「もうちょっと短い愛称とか無いのー?」

健夜「……地方クラブはなかなかそんなのまで手が回らないよ」

恒子「なんでもいいのにー」

健夜「そうだけど…」

恒子「じゃ、略してプリチキとか」

健夜「コンビニで売ってるみたいじゃない」

恒子「プリチキ小鍛治ってなんか三流アイドルっぽくない?」

健夜「なんでわざわざ三流つけるかな」

恒子「一流って言ったら言ったで否定するくせにー」

健夜「…………だって恥ずかしいもん」

恒子「まあ、私の中ではずっとアイドルだけどね」

健夜「えっ?」



【chicken:鶏、鶏肉、[俗]憶病者】

恒子「そもそもなんでチーム名でチキンなのさー」

健夜「……いいじゃない、ニワトリさんだって強いんだよ」

恒子「あー、ゼルダに出てくるやつとかねー」

健夜「そこまでは言ってないよ」

恒子「それくらい無敵のボッコボコスタイルってことか! 容赦しない最強すこやんの!」

健夜「人聞き悪い言い方だなー」

恒子「すこやんって最強の部分は否定しないよね」



【福がある】

恒子「プリチキって名前で何か売ったらいいのにー。それこそコンビニから揚げとか」

健夜「私に言われても…」

恒子「どこかのコンビニとコラボとかしてさー。地方クラブの活性化にはいい手だと思うよ?」

健夜「うーん」

恒子「ちょっとやってみようか! イメージ湧いたらその気になるって!」

健夜「また?」

恒子「私お客さんやるから! すこやんコンビニ店員ね!」

健夜「……しょうがないな」

恒子「カランカラーン」

健夜「いらっしゃいませ」

恒子「すみませーん、プリチキ小鍛治売れ残ってますかー?」

健夜「よし今日は顔面有りだね」ガタッ

恒子「ブレイク! ブレイク!!」




【神社の必需品】

初美「あれれー? 盛り塩のストックがもうなくなっちゃったですよー?」

巴「うっかり忘れてましたね…」

小蒔「どうしましょう…」

霞「春ちゃん、また良子さんにお願いできるかしら?」

春「……電話する」

小蒔「良子さん?」

霞「ええ、そうよ」

巴「あら、ご存じなかったんですか姫様?」

小蒔「?」



【霊的なアレが違うらしい】

霞「神境の盛り塩はね、いつも伯方の塩を使っているの」

小蒔「……はあ」

初美「だから毎回、愛媛の良子さんにまとめ買いしてもらってるんですよー」

巴「地元ですからね」

小蒔「えっ?」

霞「?」

小蒔「…博多のお塩を、わざわざ愛媛で買っていただくんですか…?」

霞「えっ」

小蒔「えっ」



【ちょっと黒糖に気を取られて】

プルルル プルルル

ピッ

良子「ハロー、春。どうしましたか?」

春「用意してほしいものが」黒糖ポリポリ

良子「ふむ、何でしょう?」

春「…………」ポリポリ

良子「?」

春「…………」ポリポリ

良子「…………」

春(……何だっけ……)

良子「春?」

春(…………商品名を忘れてしまった)



【以心伝心(希望)】

春(…えっと)アセアセ

良子「?」

春「あの……いつもの……」

良子「いつもの?」

春(……確か、こんな感じの)アセアセ

良子「??」

春「はんはんはんほーんしほーん」

良子「???」

春「……みたいなの」

良子「…………」

春「…………」

良子「オーライ、なんとかしましょう」

春「…………よろしく」ホッ




【恒例になった】

恭子「それじゃ休憩、お昼にしよー」

由子「恭子ー、今日もマカロンいるー?」

恭子「あ、ありがとな」

洋榎「なんや、お前まだ飢えた子なんか」

恭子「ちゃんとお弁当は用意してるって」

由子「単に私が配ってるだけなのよー。はい洋榎にも、あーん」

洋榎「お、おう」パクッ

郁乃「ほなカレーもあげるなー」

ドバッ

恭子「またですか!」



【しのはや世代の記憶】

漫「またマカロンがカレー味に…」

郁乃「手作りやで~」

恭子「もう…。なんでそないカレー推しなんですか?」

郁乃「うーん……。その話聞くー?」

恭子「?」

郁乃「ちょっと……思い出があってな……」

恭子「……はあ」

郁乃「昔…みんなでカレー作ったことあってな…」

恭子「みんなで?」

郁乃「あれは私が中2のとき…。近畿選抜の親睦会で……」



【伝説の】

13年前 中学生近畿選抜合同親睦会

バッターン!!

選手A「キャー!! 善野さん!!」

選手B「一美ちゃん! しっかりせえ!」

一美(中3)「…………」ビクンビクン

郁乃「どうしたん~?」

選手A「あっ、赤阪さん! 善野さんが!」

郁乃「!」

選手B「ここにあったカレー食べて倒れた!!」

郁乃「なんやて!?」

ワイワイザワザワ

晴絵(中1)「あれー? 私が作ってた阿知賀レシピの鍋どこ行っちゃったー?」



【決意】

郁乃「……ってなことがあってな……」

恭子「誰がそんなものを…」

郁乃「誰が作ったんかは…わからず終い…。真相と鍋はそのまま闇に葬られたんや…」

恭子「そんな……」

郁乃「あの日からやったな…」

恭子「?」

郁乃「私がカレーは、カレーだけは美味しく作らなアカンって考え出したのは…」(遠い目)

恭子「代行……」

郁乃「あの悲劇は…二度と繰り返したらあかん…」

漫「?」

恭子「悲劇……?」



【苦い思い出】

郁乃「あれからや……。あの日から善野さんは……元気をなくしてもうた……」

恭子「……えっ?」

漫「元気をなくしたって……」

郁乃「ううん、末原ちゃんたちは気にせんでええことや……」(遠い目)

絹恵「そんな深刻な話……?」

恭子「…………?」

漫「まさか……。監督の病気の原因って……?」

恭子「!」

絹恵「!」

恭子「代行!! まさか!!!」

郁乃「あの日から2日くらいな~。善野さん落ち込んでもーて、慰めるの大変やったで~」

恭子「…………は? 2日?」



【いくのんトークは話半分に】

恭子「えっと……、はい?」

郁乃「?」

恭子「2日って……。それ、監督の病気とは……」

郁乃「病気? 全然関係あらへんよ~」

恭子「いや、元気なくしたって……。その変なカレー食べて病気になったんじゃ……」

郁乃「あの人が幸薄そうなんはもっと昔からやで~」

恭子「……ほな悲劇って……」

郁乃「あんまりマズかったから善野さん慌てて牛乳飲もうとしてな、勢い余って鼻から牛乳がピューって」プフー

恭子「…………倒れたいうのは」

郁乃「嘘や」キリッ

恭子「…………」(♯^ω^) ビキビキッ

郁乃「あれは恥ずかしかったやろな~、めっちゃ落ち込んでたわ~」

恭子「しょーもない事を深刻に言わんでください!!」




【来訪】

憧「……っていう寝言してたのよー」

穏乃「なんだよもー、恥ずかしいなー」

玄「あはは、穏乃ちゃんらしいね」

穏乃「えぇー」

憧「ほんとにもう、食い意地ばっかり張ってるんだから!」

宥(どうして寝言の内容を知っているんだろう…?)

コンコン

玄「あれ?誰か来た?」

穏乃「はーい!」

ガチャッ

良子「ハローエブリニャン」

憧「!?」



【雲より高く】

憧「か、戒能プロ!?」

良子「ナイストゥミーチュー、阿知賀の皆さんとははじめましてですね」

灼「どうして阿知賀に…」

良子「ミス高鴨、私と一緒に今から霧島神境までユーキャンフライ?」

穏乃「へ?」

憧「はあ?」

良子「たかかもしず一丁、霧島神境からリクエスト入りました」

穏乃「えっ」



【以心伝心(結果)】

憧「霧島神境からリクエストってどういうことですか!」

良子「うちの春から電話がありまして。至急たかかもしずを持ってきてほしいと」

憧「なによそれ!」

良子「なんかそんな感じのワードが聞こえたので」

憧「聞き間違いよそれ絶対!!」

良子「悪いようにはしません。ちょっと遊び相手でも欲しかったんでしょう」

憧「ダメですよ! 勝手にうちのシズを! 私のシズを!!」

玄(わたしの?)



【しずの気持ちの】

穏乃「あ、遊びに行くだけなら別に…」

憧「いけません! そんな鹿児島なんて遠くまで!」

良子「ノープロブレムですよ。ちょっとその辺の山に行く程度のことで」

穏乃「山!」ふわわっ

憧「ちょっと! 甘い言葉でシズを誘惑しないでください!!」

宥(山って、甘い言葉なのかなぁ……)

良子「報酬はノーカットピッツァLサイズで如何ですか」

穏乃「行きます」キリッ

憧「しずーーー!!!」



【自分がそうなら他人だって】

憧「騙されちゃだめよ! 絶対何か企んでるわよ!!」

穏乃「でもピザほしいし…」

憧「なんか変なことするつもりでしょ!!」

穏乃「変なことって…」

憧「シズとふたりっきりになってあんなことやこんなことしたいに決まってるわ! 私みたいに!」

穏乃「えっ」

憧「はうっ!?」



【望さん用意周到】

良子「ならば貴女もトゥギャザーしますか、新子の巫女」

憧「はぁ!? 私!?」

良子「他所のお社とはいえ貴女も巫女。神境の事は知っておいて損はありません」

憧「わ、私は別に… 家が神社ってだけで…」

良子「賑やかなことはソーグッドです、歓迎しますよ」

望「あらいいじゃない、行ってきなさいよ憧。はい巫女服」パサッ

憧「お、お姉ちゃん!? どこから沸いて!?」

望「いいからいいから、遠慮しなさんな」

良子「ご理解ご協力サンクスです」

憧「お姉ちゃん……」

望(あんたが行かなきゃ私になりそうだったからね…)



【憧ちゃんちょろい】

良子「では行きましょうか」

穏乃「はい!」

憧(巫女装束)「なんで私まで……」ブツブツ

穏乃「えー? いいじゃん別にー」

憧「お気楽でいいわねアンタは……」

穏乃「憧が一緒なら安心だもん」ニコッ

憧「うぐっ」

穏乃「?」

憧「し、しょうがないわねシズったら! 私がついてないとダメダメなんだから!」



【神境への行き方(謎)】

憧「なんかどんどん山奥だけど… 大丈夫なのこれ…?」

穏乃「んー、この辺あんまり来たことない」

憧「すみません、駅とか街の方向と全く逆なんですけど!」

良子「大丈夫ですよ、こちらであってます」

憧「やっぱりあいつに騙されてんるんじゃ……、……えっ、やだ、まさか3人で…?」ブツブツ

穏乃「?」

良子「ご心配なく、もうすぐですから」

憧「もうすぐって…」

良子「はい、到着です」

憧「へ?」

穏乃「ん?」

巴「あ、良子さん! わざわざすみませんでした!」

憧「えっ」



【気付いた】

良子「おハロー」

憧「えっ……、永水の……。本当に……?」

巴「あら、こちらは… 阿知賀女子の…?」

良子「ええ、ご注文のたかかもしずです」

巴「えっ?」

良子「ん?」

春(あっ)

巴「えっと……、何ですって……?」

春(……まずい)

良子「用意してほしいと連絡あった、たかかもしずですが」

春「…………」コソコソ

霞「どこ行くの春ちゃん」ガシッ

春「ヒッ」



【解決】

巴「えー…っと…… 塩だったんですけど……」

良子「?」

憧「塩?」

巴「盛り塩の…在庫を…」

初美「たかかも……しず……」

憧「…………まさか」

初美「あー…」

巴「そういうことですか…」

憧「……そのようね」

巴「はい、せーのっ」

巴初美憧「た!か!か!も!しず!」

穏乃「?」

小蒔「???」



【イタコですから】

良子「オーライ、伯方のソルト。私のミステイクだったようですね」

春「…………ごめんなさい」ポリポリ

霞「春ちゃん、謝るときくらい黒糖離しましょうね」

巴「すみません…二度手間を…」

良子「いえ、ノープロブレムですよ」

巴「?」

良子「いつも持ち歩いていますので」ドサッ

巴「えっ!?」




【おすそわけ】

誓子「あれ? お昼カップラーメン?」

揺杏「うん」

誓子「うわ、ダンボールにいっぱい…。どうしたのこれ?」

揺杏「臨海の副将の人が送ってきたんだよ。一緒にインターハイで戦った記念にって」

誓子「ふーん、あの留学生さんが?」

成香「素敵ですね」

由暉子「…………」

揺杏「どうした、ユキ?」

由暉子「この箱……」スッ

揺杏「ん?」

由暉子「ここ、思いっきり『在庫処分』と書いて×した跡が……」

成香「あっ…」



【なんか思いついたみたい】

揺杏「なんでもいいって! おいしく食べりゃいいんだよ!」

誓子「そうだね」

成香「与えられる恵みに感謝しましょう」

誓子「あれ? そういえば爽がいないね?」

揺杏「ああ、ラーメンのお湯沸かしてもらってるよ」

誓子「おや、あいつがそんなこと率先して?」

揺杏「お湯沸かすって言ったら、それなら自分がやるよって言って」

誓子「ふーん、珍しく働き者だ」

由暉子「珍しく?」

成香「あはは…」

ガチャッ

爽「お待たせ!」



【よき理解者こそ得難き宝】

爽「揺杏ー! 湯よーん!」

揺杏「…………」

誓子「…………」

成香「…………」

爽「ん?」

揺杏「何だよ、湯よーんって…」

誓子「別にかわいくないよ…」

成香「ちょっとよくわからないです…」

爽「あー、えっとさー…」

揺杏「?」

誓子「?」

成香「?」

由暉子「…………ゆやゆよん」ボソッ

爽「それ!」




【早退です】

えり「あれ、三尋木プロ」

咏「おー、えりちゃんかぃ…」ゴホゴホ

えり「どうしたんですか! 酷い顔色!」

咏「なんでもねーさ……じゃーねぃ…」フラフラ

えり「ちょっ、どこへ!? もう試合開始の時間ですよ!?」

咏「…………帰る」

えり「あっ、待ってください!!」

咏「ほへ?」

えり(三尋木プロが大変…。ここは私が!)



【えりちゃんはりきる】

咏「わりーけど、今日えりちゃんにかまってる暇は…」

えり「帰るなら私もついていきます!!」

咏「えっ」

えり「こんな弱った三尋木プロをひとりぼっちになんて! させておけませんから!!」

咏「別にひとりじゃねーけど…」

えり「?」

黒服「お嬢! お帰りですか!」

えり「ひっ!?」

咏「おう……お帰りさ……。車出して……」

黒服「押忍!」

えり(えっ……黒服……)



【知らない世界】

ブロロン バタン

黒服「車用意できました!」

えり(な……ベンツ……)

黒服「こちらの御方は?」

咏「私の友達みたいなもんさね…」

黒服「すみません、今日はお引取り願えますか」

えり「ひっ」

咏「いいよ、うちまで来たいっていうからさ…。一緒に乗せてやって…」

黒服「し、しかし…」

咏「いいからさぃ」ギロッ

黒服「お、押忍!」

えり(あ、あんな怖そうな人を……)

タラリ

えり(あれ、何か変な汗が……)



【びっぷ待遇】

三尋木邸 咏ちゃんの部屋

えり(す、すごい豪邸……)キョロキョロ

咏「…んじゃ、私寝るだけだけど…」

えり「い、いえ! ここまで来たんですから、看病させていただきます!」

咏「……無理しなくてもいーぜぃ」

コンコン

黒服「お嬢、おかゆお持ちしました」

黒服「お嬢、タオルと着替えはこちらに」

黒服「お嬢、風邪薬と水です。それと太田胃散とキャベジン」

咏「あんがと…」

えり(は、早い……。私のやることが……)

黒服「…あとこれ、例のヤツっス」スッ

咏「…………おう」

えり(? ……薬の……包み紙……?)



【おとなのつきあい】

えり(なんだろうあれ……。風邪薬と別の……?)

黒服「辻垣内のオジキからっス。先日贈ったお中元のお返しで、と」

咏「相変わらず律儀な人だねぃ…。次はもっといいもん贈らねーとな…」

黒服「いえ、カップラーメンは大好評だったので今後ともよろしくと」

咏「……そーかぃ」

黒服「娘さんがご友人方に配って大変ご好評だったそうですよ」

咏「社交辞令だと思うぜぃ、知らんけど……。そんじゃ、ありがたくいただきますって言っといて」

黒服「かしこまりました。……ではごゆっくり」

咏「おう」

えり「あの… その包み……?」

咏「やっぱ疲れたときにゃーこれだよねー」

サラサラッ

えり(!!! 白い粉!!!)



【名探偵えりちゃん】

咏「んじゃーおかゆに混ぜて……」サラサラッ

えり(……そんな……例のやつって……)

咏「…どーしたぃ?」

えり(まさか……あれは……)

咏「?」

えり(疲れたときに効く……怖い人たちの……)

咏「??」

えり(……秘密の白い粉……!)

咏「いただきまーす」

えり「ダメーーーー!!!!」バッ

咏「!?」



【だいじなひとのために】

えり「ダメですよっ!! 見損ないました、三尋木プロ!!」

咏「ひょ?」

えり「いくら病気になったからって、そんな、やっ、薬物に手を出すなんて!!」

咏「…………」

えり「…………」

咏「……えりちゃん、ものすげー勘違いしてるっぽいけど……」

えり「?」

咏「舐めてみ、これ?」スッ

えり「ちょっ、何を!?」

咏「はい、あーん」グイッ

えり「ペロッ……、これは!」

咏「伯方の塩だぜぃ」



【おかゆさんに入れた時点でさ】

えり「あ……、え……?」

咏「だから、伯方の塩。」

えり「…………は?…………」

咏「はっかったっのー、しおー」

えり「な……んで……、塩……?」

咏「汗かくときは塩分補給も大事なんだぜ?」

えり「だって……そんな……たくさん……」

咏「全部いっぺんになんか食わねーさ、常識的に考えて」

えり「え……あ……う……」

咏「?」

えり「うっ… ふぇぇぇぇぇーーーーーん!!」ボロボロボロボロッ

咏「あーあー」



【緊張の糸が】

咏「おーげさだねぃえりちゃんはー」

えり「わ、わたしはこれでも! 三尋木プロのことが心配で!!」

咏「いや、知らんけど」

えり「だって!だって! 三尋木プロ小さいし! 凄くつらそうだったから!」

えり「助けてあげなくちゃって思ったのに! よかれと思ってついてきたのに!」

えり「すっごい豪邸で! 怖い人たちに囲まれてるし! ベンツ乗ったの初めてだったし!」

えり「やる事みんな黒服さんがやっちゃうし! 私なんか全然必要ないし!」

えり「それに! それに!」

咏「?」

えり「よりによって三尋木プロに常識がどうとか言われるなんて!!」

咏「えっ」



【えりちゃんクールダウン】

咏「落ち着いたかい」

えり「す、すみません……。勢い余って失礼なことを……」

咏「気にしてねーさ」

えり「看病に来て私の方が慰められるなんて……。うう、恥ずかしい……」

咏「はっはっは、えりちゃんらしいさねー」ケラケラ

えり「もう……全然元気じゃないですか……」

咏「なーに言ってるさ、試合休んじまった病人だぜぃー?」ゴホゴホ

えり「顔色はそうですけど…ぜんぜん態度が…」

咏「これでも結構ヘコんでんだけどなー」ゲホゴホ

えり「……どうだか」

咏「途切れちった……連続試合出場記録……」グスン

えり「えっ……」ドキッ



【咏ちゃんはトッププロ】

咏「『鉄人咏ちゃん』も……おしまいだよ……」

えり「そんな称号聞いたこと無いですけど」

咏「この重み……プロじゃねーえりちゃんにはわっかんねーかな……」

えり「……いやいや、まだそんな記録作るような歳じゃ……」

咏「千里の道も一歩の積み重ねさ……。デビューからずっと続いてたんだよねぃ……」

えり「いや、でも……」

咏「これでもさ……、すっげー大事にしてたんだぜ……?」

えり「ついこの間、日本代表の海外遠征と重なって休んだばっかりじゃないですか」

咏「ちっ」



【ツッコミえりちゃん】

えり「一瞬ドキッとしましたけど、なんだかんだで結構休んでますよね?」

咏「わかんねー」

えり「とぼけちゃって…。やっぱり適当に言っただけじゃないですか」

咏「存じ上げぬ」

えり「代表戦があるんですし他にも色々お忙しいんですから、三尋木プロにそんな記録を期待してる人なんていませんよ」

咏「なんだよー、大事にされてねーなー」

えり「そういうことじゃありません」

咏「知らんけどー」

えり「それより、自分の体をもっと大事にしてください」

咏「いやーわっかんねーし」

えり「わかんねーと私が困るんですっ!」

咏「へ?」



【えりちゃん……】

えり「まったく! 三尋木プロはまったく!」プンスコ

咏「……ん、やっと元気戻ったねぃ」

えり「え?」

咏「いつものえりちゃんだ」ニコッ

えり「…………」

咏「…………」

えり「…………」

咏「…………」

えり「……知りませんっ」プイッ

咏「…………ありがとねっ、今日は」

えり「…………バカ」




【もらってきた】

穏乃「ただいまー」

ドサッ

灼「なにその白い袋…?」

穏乃「一袋もらってきちゃいました! 伯方の塩です!」

憧「私はいらないって言ったのに…」

穏乃「さっき切ってないピザにかけたら、凄くおいしかったんですよ!」

玄「へぇー、すごーい」

晴絵「ふーん、いいじゃないか」

灼「ハルちゃん…」

晴絵「ちょうど今からカレー作るからさ! ちょっと使わせてもらおうかな!」

憧「えっ、ハルエまたカレー作る気!?」

灼「たまにはみんなにご馳走してやるって」

憧「不安だわ…」



【愛と空腹こそ最高の】

晴絵「よーし! できたぞー」

玄「またいつもの…」

憧「特においしくないカレー…」

晴絵「これでも上達してんだぞー? 灼に作ったときはいつもおいしいって」

灼「ハルちゃんの作ったものがおいしくないとかありえない」

憧「灼さんは黙ってて」

晴絵「伯方の塩も入れたしさ! へーきへーき!」

憧「……しかたないな」

穏乃「いただきまーす」

パクッ



【浄化】

穏乃「…………」モグモグ

灼「…………」モグモグ

玄「…………」モグモグ

宥「…………」モグモグ

晴絵「…………」モグモグ

憧「…………これは!」

全員「おいしーーい!!!」

憧(…………伯方の塩って凄い)




【わりとどこにでも】

健夜「伯方の塩ならうちにもあるよ」

恒子「おっ、最近博多なんて行ったっけ?」

健夜「その辺のスーパーでも売ってるよ」

恒子「へぇー、すこやんの近所にそんな舶来品を扱うスーパーが」

健夜「博多の人にも伯方の人にも怒られるよ?」

恒子「ごめんごめん! それじゃあさ、ちょっとこれにかけてみようよ!」

健夜「これ?」

恒子「じゃじゃーん! ここに来るとき買ってきたんだ、コンビニから揚げ!」

健夜「……しょうがないなー」



【鶏さんの揚げたやつに塩つけて】

健夜「……はい、持ってきたよ伯方の塩」

恒子「早く早く!」

健夜(子供みたいにはしゃいじゃって……)

サラサラッ

恒子「おぉー」

健夜「はい、どうぞ」

恒子「いただきまーす」

健夜「…………」モグモグ

恒子「…………」モグモグ

健夜「あ、おいしー」

恒子「いいね!」



【揚げ物ですし】

恒子「ごちそうさまー」

健夜「結構たくさん食べちゃったね」

恒子「いいよいいよ! おいしかったんだし!」

健夜「……そうだね」

恒子「あ、でも食べ終わってから言うのもなんだけど……」

健夜「?」

恒子「から揚げってさ、凄くカロリー高いよね」

健夜「…………」

恒子「…………」

健夜「…………」

恒子「…………」

健夜「…………ひどいや」


カン




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2015/04/30