――つい、本音が出た。


言わなくたって、よかったのに。


理由を聞かれたって、答えられないくせに。





準決勝を見ている人は、どうしてと思ったかもしれない。


点数だけで見るなら、他校と大きく離され敗色濃厚の展開。


このまま終わるとなれば、あの言葉は何だったんだと言われてしまうかもしれない。


でも、


それは私の偽らざる本音。





本当の理由は、誰にも言えない。


わかってもらえることもない。


それは、牌のおねえさんが見せちゃいけない姿。


弱くて脆くていつまで経っても認めたくない、心に秘めた割り切れない思い。





ともすれば自分も不覚を取りかねない、初出場ゆえの不気味さ?


違う。


決して強い子ばかりじゃないのに、力を合わせてがんばってきた若い輝き?


違う。


副将の子のアイドルキャラに対抗意識を感じて?


違う違う違う。


そんなことじゃない。





『さあ、大将戦は佳境に入っています! 遂に姫松高校がトップに出ました!』


有珠山の大将、獅子原爽ちゃん。


その子のそれを、見たくなかった。


…………ただ、それだけ。


『有珠山高校、ここは正念場! 親番で巻き返したい!』



――来る――!





「ごめん、ちょっと席外すね☆」


「どうしました、もうクライマックスですよ?」


「…………うん、ちょっとだから☆」


「……オーライ、了解です」







「――フリカムイ……!」







それは彼女と同じ、鳥さんを背負って戦う姿。


でも、違う。


鳥は鳥でも、打ち筋はまるで異なる別の鳥。


彼女とは違う。


違うって、わかってるのに。





その鳥を目の前にして……。私はいつもの私で、みんなのはやりん☆であり続けられる自信が無かった。


どうしても、思い出してしまうから。


私にとって、鳥さんの友達とは彼女のことだったから。


私の大切な友達。共に青春を過ごした仲間。







「慕――」









会いたいよ――   またあなたに――







2015/11/26