初顔合わせの作戦会議

照「宇野沢さんはもうちょっと副露したほうが合うと思います」

栞「?」

照「配牌を見て最初から鳴きに入ることをもう少し考えてもいいのではと」

栞「…………はあ」

菫(……そんなアドバイスでいいのか……?)

…………

……

照「最後に、沖土居さん」

蘭「…………うん」



照「沖土居さんは押し引きの引きが強すぎると思います」

蘭「……そう……かな……」

照「もう少しだけオリるのを我慢して」

蘭「えぇ……怖いよぉ……」

照「大丈夫ですから。親リー相手で2向聴くらいでも押しでいってみてください」

蘭「えぇー……」

照「…………普段はそれくらいでいいと思います」

菫「普段?」



照「では、そういうことで」

菫「ちょっと待て」

照「何、親切な人」

菫「最後のはなんだ」

照「?」

菫「普段は、ってどういうことだよ」

照「……そのままの意味」

菫「何か裏に含みがあるような言い方じゃないか」

照「…………今回はそこまでしなくても、と思ったから」

菫「何?」



照「聞きたい?」

菫「当然だ。勝負するなら万全を尽くすべきだろう」

照「……そう。わかった」

菫「?」

照「それならまず、沖土居さんは髪が短いので……。ロングヘアーのウィッグをつけてください」

蘭「えっ?」

琉音「はあ?」

菜月「それが麻雀と何の関係が」

照「まあまあ。いいからお願いします」

蘭「ボクそういうの苦手だよぉ……」



パサッ

琉音「ふーん、わりと似合うじゃねえか」

蘭「ふえぇ……」

菜月「でも麻雀とは……」

栞「何も関係ないよね……?」

蘭「これで打てっていうの……?」

照「はい。そして最後に」

蘭「?」

照「私のこれを、お貸しします」スッ


バキン



蘭「…………え?」

菫「な…………」

照「はい」つ∠

菫(あいつ……頭についてた∠を自分でもぎ取った……?)

琉音(……取り外し可なのかよあれ)

照「これを頭につけてください」つ∠

蘭「???」



蘭「……はい、つけたよ」

琉音「とんがり帽子かぶってるみたいになったな」

蘭「ロングヘアーに∠つけて……これで?」

照「完成です」

蘭「えっ?」

栞「?」

菜月「?」

照「これで打ってください、蘭ねーちゃん」

菫「ねーちゃん?」

照「……失礼しました、沖土居さん」

菫「おい、どういうことなんだよ」



照「説明が必要?」

菫「当然だ」

照「じゃあ……、これ」

ゴトッ ゴトゴトッ

蘭「瓦?」

照「はい、五段重ねの瓦です」

蘭「?」

照「割ってみてください」

菫「は?」



栞「い、意味がまったく……」

菜月「……わからないわね」

琉音「何なんだよ一体」

菫「普通の麻雀部の女子高生に瓦が割れるわけないだろう」

照「大丈夫です、割れます」

蘭「そんな、瓦割りなんてボクできないよ……」チラッ


ドクン


蘭「!」



ドクン ドクンドクン

蘭(なんだろう……。ボク何か変な感じだよ……)ドキドキ

琉音「? どうした?」

蘭(さっきつけた∠のせい……? すごく、瓦割りたくなってきた……)ドキドキ

照「お願いします」

蘭「……わかった」

菫「えっ」

栞「先輩?」

菜月「まさか」

蘭「…………大丈夫」





蘭「ハァァァァ…………!!」



グワッ



バッゴォン





先鋒戦 東一局二本場

蘭「ツモ! 大三元四暗刻字一色です!!」

部員A「さ、三連続役満和了……」

部員B「しかもまたトリプル役満……」

山田「……なんなんだよこいつ……」


琉音「…………おい、10万点持ちなのに先鋒で終わったぞ」

菫「…………」(唖然)

照「…………うん」


カン




2017/03/05